浪人するべきか悩んでいる受験生へ|判断基準から勉強法まで詳しく解説
更新日: (公開日: ) COLUMN

「志望校に合格できなかった」「大学に全落ちした」という受験生は、浪人の選択に迫られます。
浪人すると、また一年の大変な受験勉強が始まるため、悩む人も多いでしょう。
浪人するべきか悩んでいる人は、ぜひ記事を読んで十分に検討してください。
本記事には、浪人するべきかの判断基準から、向いている人の特徴や勉強法を紹介しています。
最後まで読んだ上で浪人を決断できたら、きっと最後まで頑張れるはずです。
浪人するべきか?その後の生活を想像した上で決断しよう
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先にお伝えしますが、「悩むなら浪人はやめておいたほうが良い」です。
覚悟を持って、「すべてを断ち切ってでも行く」と言える受験生だけに向いています。
中途半端な気持ちでは、浪人生活は厳しすぎて後悔する可能性が高いからです。
現状から正しく判断するためにも、以下の判断基準から考えてみましょう。
大学に行く目的を考え直す
例えば、「関西大学の外国語学部に行きたい」というのは、最終目標ではないはずです。
「英語を使った仕事がしたい」「国際的なことに関わりたい」などの目的があったとします。
これだけであれば、関大以外の大学でも達成可能な場合もあります。
その目標が叶えられるなら、滑り止め大学への進学も後悔しない選択になり得ます。
一方で、「この大学・この学部じゃないと無理」という強い理由があるなら浪人の価値があるのです。
後期入試に全力を注げるか
もし、後期入試まで期間があるのであれば、ここもターニングポイントです。
例えば、残りの期間で「関大の外国語学部に全力を注げない」ようでは、1年間浪人しても戦えません。
後期すら迷っている状態では、浪人の1年間は乗り切れないでしょう。
浪人を決める前にまずは「後期に本気で挑めるか」が一つの試金石です。
そこにすら気持ちが向かない・勉強が手につかない状態なら、浪人しても同じです。
「死に物狂いでやりきる覚悟」があるか
浪人して第一志望に合格できるのは、「悔しさをバネにして、眠くても寝ずに、文句も言わず勉強し続ける人間」だけです。
マナビズムでは、実際に浪人生を毎年見ているが、精神的にも体力的にも非常にしんどそうに見えます。
塾に缶詰になって一日中勉強しながらも、弱音を吐かず耐えている姿は、「自分だったら無理」と思うほどです。
そういう強い人間でないと、浪人は耐えきれません。
あなたは浪人するべき?向いている人の特徴
浪人するべきか悩んでいる人は、向いているか否かを判断した上で検討してみましょう。
浪人するのに向いている人の特徴を解説します。
- 志望校進学に強いこだわりがある人
- 不合格の原因を分析できている人
- 勉強時間が不足していた人
- ひとつのことに打ち込んだ経験がある人
- 意図しないアクシデントで不合格だった人
- 補足|浪人が向いていない人の特徴
志望校進学に強いこだわりがある人
志望校進学に強いこだわりがある人は、浪人に向いているといえます。
志望校に行きたい明確な理由があるにもかかわらず、諦めて滑り止めへの進学を選ぶと後悔するかもしれません。
志望校を諦めた場合、大学進学の意義が半減してしまう可能性もありますから、明確な理由がある人は前向きに浪人を検討するとよいでしょう。
また、志望校に強いこだわりがある人は、「次こそは絶対に合格する」と高いモチベーションを維持して勉強できるため、浪人に向いているといえます。
不合格の原因を分析できている人
現役時代に不合格だった原因をしっかり分析できている人は、浪人に向いています。
過去の受験では何が足りず、どの教科や単元を克服すれば合格できるのかがわかっていれば、成功に向けた学力向上が望めます。
もし、自己分析ができていない場合は、浪人してからの勉強が漠然としたものになってしまい、前回と同じ間違いを繰り返すかもしれません。
そのため、次の受験では何を改善すればいいのかはっきりしている人が、浪人に向いているといえます。
勉強時間が不足していた人
現役時代に勉強時間が不足していた人も、浪人に向いているといえます。
たとえば、部活動や習い事が忙しく、受験勉強にかける時間が満足にとれなかった人は、浪人してから一生懸命取り組めば、大幅に学力向上する可能性があります。
しかし、サボってしまって勉強時間が不足した人は、同じ失敗を繰り返す恐れがあるため、浪人は向いていないかもしれません。
やる気があったにもかかわらず、さまざまな要因で十分な勉強時間を確保できなかった人は、前向きに浪人を検討しましょう。
ひとつのことに打ち込んだ経験がある人
部活動や習い事など、何かに打ち込んだ経験がある人も浪人に向いています。
浪人生活は、長時間の勉強を毎日続けるため、途中で心が折れてしまっては最後まで走り切れません。
そのため、長期間でモチベーションを維持しながら努力し続けるだけの精神力が必要です。
目標や好きなものに対し、一生懸命打ち込んだ経験がある人は、強い精神力を持っています。
そのため、浪人生活も最後まで頑張り続けられるでしょう。
意図しないアクシデントで不合格だった人
たとえば、電車の遅延や病気などのアクシデントで受験に失敗した人は、浪人を検討してみてください。
自分の学力と関係なく不合格になった場合には、浪人して再挑戦すれば成功する可能性があります。
しかし、このケースで浪人に向いている人は、受験できれば志望校合格の可能性があった場合です。
そもそも志望校と学力の差が大きかった場合には、浪人してから相当の努力が必要になりますので、覚悟した上で決断しましょう。
浪人するべきではない人の特徴は?
続いて、浪人が向いていない人の特徴も確認しておきましょう。
- 入試本番になると緊張して実力を出し切れない
- なぜ不合格になったのかがわからない
- 自己管理を徹底できない
まず、緊張しやすい性格の場合、学力に問題なくても本番で実力を出し切れない可能性があるため、浪人しても難しいかもしれません。
また、自己分析ができず、なぜ受験に失敗したのかがわからない人は、浪人しても苦手を克服できず同じ失敗を繰り返す恐れがあります。
そして、自己管理が苦手で遊びや趣味の誘惑に負けてしまう人は、浪人生活で必要な勉強時間をこなせないでしょう。
大学受験は浪人したら必ず成功するわけではないため、該当する特徴がある人は、十分検討してから決断してください。
関連記事:浪人できない理由とは?大学受験失敗後の選択肢と現役合格するための対策
就職を考えた際に浪人するべきか
就職や将来について考えた場合、「浪人は不利になるのではないか」と考える人もいるでしょう。
しかし、一般的な企業では、二浪までは新卒と同じ扱いになります。
また、企業のなかには学歴を重視しているところもあるため、就職の選択肢を増やすためには、浪人して難関大学を目指すという決断もアリです。
一浪では、面接の際に浪人の理由を聞かれるケースは少ないため、心配しなくて大丈夫です。
多浪した場合には、聞かれる場面も増えてきますが、志望校にこだわった理由や成長したエピソードなどを伝えて、浪人が無駄ではなかったという内容を答えられるように準備しておきましょう。
大学受験で浪人して得られる『良い点』
最初に、大学受験で浪人する良い点は以下のとおりです。
- 志望校に再チャレンジできる
- 勉強だけに集中できる環境が整う
- 努力次第で学力向上できる
- 精神力がつく
- 将来をじっくり考える時間ができる
浪人生は現役時代と異なり、高校の授業や行事、部活動がないため、受験勉強だけに集中できる環境が整っています。
そのため、悔いの残らないために十分な勉強時間が確保できます。
そして、浪人スタート時から全力で勉強して順調に学力向上できると、大学の選択肢が広がるかもしれません。
志望校合格に近づけるのはもちろん、さらに上のレベルを目指せる可能性も出てきます。
関連記事:浪人生は大学レベルを上げて受験すべき?できる人の特徴やメリット・デメリットを解説
大学受験で浪人によって起きる『悪い点』
続いて、大学受験で浪人によって起きる悪い点は以下が挙げられます。
- 志望校に合格できるかわからない
- 全力で勉強する必要がある
- 一年分の費用がかかる
- プレッシャーがかかる
- 同級生から出遅れる
現役中に合格していた滑り止めについても、再度受かる保証はありません。
そのため、一定のリスクはあると覚悟した上で浪人を決断する必要があるといえます。
なかには、「現役中にある程度の学力はついているから、夏ごろから本気を出せば大丈夫」と考えている人もいます。
しかし、絶対に失敗したくない人は、浪人が決定したときから次の受験が始まったと思って全力を出してください。
関連記事:浪人生になるデメリットとは?大学受験を成功させるポイントも解説
浪人生はどんな勉強法をするべきか
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まず言わせてください─。思っているより100倍厳しい世界です。
- 「1年あれば受かるっしょ」
- 「現役よりは勉強時間取れるし」
そんなふうに思っている人、全員危ないです。
本当に受かる浪人生は、
“死ぬ気”で毎日を過ごし、“自分を疑い”、“今のままじゃ落ちる”という危機感とともに1年間を生き抜きます。
厳しい勉強の基準を持つ
浪人しても落ちる人の共通点は、「基準」が低いことです。
「1日10時間やってます」は普通です。「14時間、毎日が当たり前」それが本当に受かる浪人生のラインです。
- 有名参考書をたくさんやってる。
- 解説は読んでる。
- でも成績が上がらない。
「やった」=「できる」ではありません。
現役のときと比べてやっていても、合格ラインに届かないなら、意味がありません。
それは「読んだだけ」で終わらない厳しい基準を持ってください。
「進んだか」ではなく「できるようになったか」
浪人するべきかを決めたあとの勉強計画には、2つの目標が必要です。
- 進捗目標:「今週は参考書〇ページまで進める」
- 習熟目標:「その内容を理解し、解けるようになる」
ほとんどの人は進捗だけを見て、できるようになっていないまま先に進みます。
これを知っているから、マナビズムでは毎週「初見テスト」で実力を確認しています。
もし、できていないなら、正直自習型や独学はキツいです。
夏までに“ワンランク下”の過去問で合格点を取る
志望校の1ランク下(例:関関同立なら産近甲龍)で夏に合格点を取れるか?が大切です。
もし、早慶を目指すなら春時点で関関同立レベルを突破していないと手遅れです。
「夏に仕上がればいいや」では絶対に間に合いません。
浪人は1年で塾代・生活費含めて100万円以上の投資です。
勉強は「ダメだったら修正しよう」ではなく、最初から正しい方法を、早い段階で始めるべきです。
- 正しい計画を立てる
- 正しい学習スタイルを確立する
- それを継続する
それだけで半年後・来年、点数が別人レベルになります。
浪人すると決めたら『甘えないための』予備校・塾がおすすめ
浪人生活において勉強の効率性を重視する場合には、予備校や塾に通うのがおすすめです。
もし「どうしたらいいか分からない」「本当にこれで合ってる?」ー。
そんな不安があるなら、環境を変えることも選択肢です。
- やった“つもり”をなくす
- できるようになる“基準”を教えてくれる
- 現実を突きつけてくれる
- でも最後まで味方でいてくれる
そんな指導者と浪人生活を過ごせたら、来年は笑って合格できます。
費用的に厳しい、独学の方が集中できるなどの特別な理由がない限りは、積極的に予備校・塾の利用を検討してください。
浪人生コースでは、映像授業と参考書学習を組み合わせて志望校合格に向けた効率的な指導を実施しています。
また、生徒一人ひとりに専属の自習コンサルタントがつき、学習計画や勉強法もアドバイスしているため、受験に対する不安や悩みを抱える必要はありません。
随時、浪人生説明会を実施していますので、お気軽にお申し込みください。
費用面に不安がある場合は宅浪を検討する
浪人して予備校や塾に通うための費用が捻出できないという場合は、自分だけで勉強する宅浪になります。
宅浪を選んだ場合は、下記に挙げた受験に関するものはすべて自分で考えて行動しなければいけません。
- 勉強法・学習計画
- 参考書選び
- 大学の受験情報収集
- 模試の申し込み
これらは、予備校・塾に通っている場合、アドバイスやサポートが受けられます。
しかし、宅浪になると全部ひとりで対応しなければいけないため、手間と時間がかかります。
勉強以外の部分も考えながら浪人生活を過ごす必要があるため、抜け漏れがないように気をつけましょう。
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■浪人生の参考書選び|全科目網羅!数学は文系・理系別に詳しく紹介
■【予備校/宅浪/仮面浪人】各浪人生のメリットとデメリットを解説
■浪人生は予備校なしでも大丈夫?ほかの勉強手段や成功に大切なことを解説
オンラインサービスも選択肢に加える
予備校・塾で勉強する人も、宅浪の場合も、オンライン学習サービスの利用を検討しましょう。
オンライン学習サービスは、無料や低料金で利用できるものも多くあります。
予備校や塾に通っている場合でも、自主学習やスキマ時間の勉強に大変便利です。
また、宅浪の人にとっては、参考書とあわせて有力な勉強手段になりますから、積極的に活用してください。
まとめ
浪人したら、さらに一年間の受験勉強を続けなければいけないため、どうするべきかは十分に考えた上で決断してください。
そして、浪人を決めたら志望校合格に向けて全力で勉強に取り組みましょう。
マナビズムでは、浪人生に向けた専用のコースを設けて、生徒一人ひとりに合ったサポートを提供しています。
「今度こそ絶対に合格する!」という強い意志がある浪人生は、ぜひ一度、マナビズムにご相談ください。
浪人するべきか悩んでいる人に役立つQ&A
浪人するメリットは?
もう一度志望校に挑戦できるのが、浪人する大きなメリットです。また、現役時代と違い高校生活がないため、受験期間中は勉強だけに集中できる環境が整うため、努力次第で大幅な学力向上が期待できます。そのため、志望校に強いこだわりがあり、もう一年頑張れる覚悟がある人は前向きに浪人を検討してみてください。
関連記事:一浪とは?大学受験におけるメリットやデメリット・再挑戦に向いている特徴を解説
浪人の問題点は何?
浪人の問題点は、志望校に必ず合格できるわけではないという点です。志望校に再挑戦できる点が大きなメリットである一方、一年間全力で勉強しても合格できる保証はありません。そのため、浪人を決めたら、できる限り成功率を上げる生活が大切です。まずは、現役時代に失敗した原因を分析して、すぐに勉強をスタートさせてください。
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浪人生1日何時間すればいい?
浪人生は、1日8~10時間を目安に毎日勉強しましょう。現役高校生は、授業と受験勉強をあわせて、7時間ほど学習時間があると想定するためです。現役生を含め、周りの受験生に勝つために、多くの勉強時間を確保してください。1日のスケジュールをルーティン化させて、安定した勉強時間を作りましょう。
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浪人生の勉強時間はどれくらい必要?スケジュール例や注意点も解説
浪人生は何割いるの?
大学進学者のうち、5人に1人が浪人生といわれています。そのため、全体の2割程度が浪人生といえるでしょう。医学部や難関大学になると、浪人生はさらに増えます。浪人生のなかには、「恥ずかしい」「周りから出遅れてしまった」と感じる人もいるかもしれませんが、気にする必要はありません。志望校に進学したい理由があるならば、前向きに浪人生活を過ごしましょう。
関連記事:浪人は何年まで許される?新卒採用の基準やいつまでなら挑戦できるかを解説
浪人生は何が辛い?
浪人生は、趣味や遊びの時間を我慢しながら毎日勉強しなければいけないのが辛いです。現役時代から二年以上、勉強中心の生活を続けるため、ストレスやプレッシャーに耐えられなくなる人もいるかもしれません。頑張りすぎると、勉強のやる気低下につながりますから、適度な休憩や休息日を作って上手にストレス発散してください。
浪人生なぜ減ったの?
浪人生が減った理由は、少子化と大学増加という2点が考えられます。18歳未満の減少とあわせて、大学増加で全体の定員が増えたため、多くの現役生が合格して結果的に浪人生が減っています。また、物価上昇によって家庭の経済状況が悪化して、費用面で浪人できないという人が増えているのも要因のひとつと考えられるでしょう。