【数学編】慶應義塾大学の入試対策・オススメ参考書

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本記事では慶応義塾大学の理系数学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。慶応義塾大学は東京都港区三田二丁目15番45号に本部を置く日本の私立大学です。キャンパスは主に三田キャンパス、日吉キャンパス、信濃町キャンパス、矢上キャンパス、湘南藤沢キャンパスと芝共立キャンパスの6つで、10学部12学科が設置されています。約30000人を超える学生が在籍しているマンモス大学です。偏差値としては57.5〜72.5で、就職・進路決定率は約70%となっています。

はじめに

近年の慶応義塾大学の一般入試では、医学部と理工学部で理系数学を選択することができます。解答形式は両方で記述式が採用されています。自分の受験する予定のある入試学部の出題形式を理解したうえで受験勉強を進めていくことが大切です。慶応義塾大学ではセンター試験利用入試やAO入試などさまざまな形式の入試が実施されていますが、今回は一般入試について紹介します。医学部と理工学部では問題数や傾向が異なるため、2つに分けて紹介します。

入試概要・特徴

医学部

  • 試験時間:100分
  • 配  点:120点
  • 目標点 :6割
  • 問題数 :約35問(空欄数)
  • 形  式:記述式
  • 構  成:大問4題

理工学部

  • 試験時間:120分
  • 配  点:150点
  • 目標点 :7割
  • 問題数 :約23問(空欄数)
  • 形  式:記述式
  • 構  成:大問5題

入試傾向と対策 ~医学部編~

それではこれから慶応義塾大学医学部の数学の傾向と対策について紹介していきます。解答形式については全て記述式で変わりないものの、出題される分野や範囲が大問ごとに固定されているわけではないため、傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まずは、慶応義塾大学医学部数学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。

①大問1は小問集合である
②毎年必ず確率漸化式に関する出題がある
③旧帝大など最難関国立大学レベルの問題が出題される
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

①大問1は小問集合である
慶応義塾大学医学部数学の特徴として、大問1は毎年必ず小問集合の形で出題されることがあげられます。これは、出題範囲は1つの分野からだけではなく多岐にわたるということを意味しています。場合の数や三角関数、積分は頻出分野です。問題レベルとしては比較的易しめ~標準のものが多いため、基礎をおろそかにしない土台作りを心がけましょう。

まずは、「チャート式解法と演習数学シリーズ(通称:黄チャート)」に取り組み、教科書の理解に抜けはないかを確認するとともに、教科書レベルの理解を入試基礎レベルまで底上げしましょう。

 
チャート式数学ⅠA・ⅡB」の使い方!
<特徴>
黄チャートは、日東駒専や産近甲龍などの中堅私立大学からMARCHや関関同立などの難関私立大学文系と国公立大学文系レベルをカバーしている参考書です。そのため、教科書や定期試験レベルの問題から入試の基礎レベルへの橋渡しとなる役割を果たすことが期待されます。例題と解説、重要な公式やチェックポイントが1ページにまとめられた見やすいレイアウトと数学ⅠAは837題、数学ⅡBは1160題、数学Ⅲは739題という圧倒的な問題数が大きな特徴です。

<使用時期>
前述したように学校の定期試験から日東駒専や産近甲龍などといった中堅私立大学レベルへ引き上げるための参考書となっているため、学校で配られる教科書などを利用し、解法や公式を「覚えた」だけではなく「理解した」状態にしてからこの参考書に取り組むことが理想的です。具体的な使用時期としては、2~4月の3か月間をかけて1冊を何周も取り組むことで自分の苦手分野を知り、そこを重点的に演習するための準備ができている状態にしておくことが望ましいです。

②毎年必ず確率漸化式に関する出題がある
慶応義塾大学医学部数学では、毎年必ず確率漸化式の範囲からの出題があります。特に座標上を点が移動する問題や袋から球を取り出す問題が頻出です。問題のレベルとしては難関私立大学レベルとなっているため前出の「黄チャート」で基礎固めをした後は、「チャート式基礎からの数学シリーズ(青チャート)」を使って記述式の難問に対応できる力を身につけましょう。特に確率漸化式の範囲は重点的に演習をしましょう。


青チャート」の使い方!
<特徴>
青チャートは、正式名称を「チャート式 基礎からの数学」といいます。MARCHや関関同立、早慶などの難関私立大学理系と国公立大学理系、さらには東大・京大などの最難関レベルをカバーしている参考書となっています。青チャートの場合、「基本例題」「重要例題」「演習例題」「練習」「EXERCISES」「総合演習」から成っています。

黄チャートと同じように各単元で1つのEXERCISESに基本例題、重要例題、補充例題、の総合演習問題がまとまっています。このEXERCISESでは幅広い難易度の問題が掲載されています。また、EXERCISEの問題は基本例題や重要例題よりも難しい問題が多いです。例題の問いと答えが見開き1ページにまとめられているので見やすく、復習もしやすいつくりになっていることがメリットであるといえます。

<使用時期>
黄チャートなどの解説系参考書や教科書などで土台を固めてから取り組むことをおすすめします。具体的な使用時期としては、5月~10月の6か月をかけて何周も取り組み、応用問題への苦手意識をなくしていきましょう。青チャートを解いていて苦手な分野にぶつかった場合には、黄チャートに戻って基礎固めをしましょう。

③旧帝大など最難関国立大学レベルの問題が出題される
小問集合は易しめ~標準レベル、確率漸化式に関しては難関私大レベルの問題が出題されると説明してきましたが、大問4題のうち残りの2題は最難関国立大学レベルの問題が占めています。これらのレベルに対応するためには、「合格る計算-数学III-」で数学Ⅲの計算のスピードアップを図りましょう。

慶応義塾大学医学部数学の場合、100分で大問4題に解答しなくてはいけないため、単純計算すると1題にかけられる時間は25分です。しかし、そのうち複雑な計算を含む数学Ⅲの範囲かつ最難関国立大学レベルの問題が占めているため「解法は分かっていたのに計算する時間が十分になかった」という事態になりかねません。このような状況を回避するために計算のスピードアップを図りましょう。


合格る計算-数学Ⅲ-」の使い方!
<特徴>
解説が非常に充実していることがこの参考書の大きな特徴の1つで、受験生がやりがちな遠回りをすることになる計算方法を的確に提示したうえでそれよりも簡潔に短時間で計算できる方法を説明しています。

数学Ⅲはパターン問題を理解し暗記するだけで攻略できると言われており、その中で計算方法に関しても暗記すれば正解にたどり着けるものが多く存在します。前出の解説系参考書や学校の教科書などで土台となる知識を身に着けてから、この参考書を用いて計算方法のパターンも暗記してなるべく短い時間で正確に解答できるようにしましょう。

<使用時期>
前述したように、黄チャートや青チャートなどの解説系参考書や教科書などで土台を固めてから取り組みましょう。具体的な使用時期としては11月の1か月間で、2周以上取り組むことで本番でも戦える計算の正確性とスピードを身につけることが理想的です。

そのあとは「慶応義塾大学医学部の赤本」に取り組み、より入試本番に近い形で演習をするようにしましょう。


<特徴>
実際に慶応義塾大学医学部の一般入試で出題された問題が7年分掲載されています。合格者の最低点などの入試情報が掲載されていることも大きな特徴の一つです。また慶応義塾大学の一般入試の場合学部ごとに分かれているため、より細かい情報を入手することができます。

<使用時期>
今までに紹介した参考書や問題集などで十分な演習を積み、12月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターンが身についていない・問題を見たときに即座に開放が浮かばない受験生は今までに使った参考書や教科書に戻って基本事項の理解に穴がないか確認するようにしましょう。

まとめ


※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
ここまで傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。

まず始めるべきは数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲの基本的な問題の解き方パターンや公式のインプットです。いずれも1度で終わらせず、何度も復習するようにしましょう。その後、それぞれの演習系の参考書を用いて何度も繰り返し演習をすることで入試基礎学力および慶応義塾大学の医学部数学に対応できる応用力を養いましょう。そして、12月以降は赤本の演習に取り組める状態にしましょう。

また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」にならず、前の講義系の参考書や教科書などに戻って公式などの再理解をすることが大切です。そして、冬にかけて本番前まで慶応義塾大学の自分の受験する学部の赤本を用いて時間配分を意識し、より実践的な演習を積むようにしましょう。

ぜひ参考にして慶応義塾大学の医学部数学の目標点である6割以上を取れるようにしましょう。

入試傾向と対策 ~理工学部編~

それではこれから慶応義塾大学理工学部の数学の傾向と対策について紹介していきます。解答形式については全て記述式で変わりないものの、出題される分野や範囲が大問ごとに固定されているわけではないため、傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まずは、慶応義塾大学理工学部数学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。

①問題数に対して制限時間が短い
②毎年必ず数学Ⅲの微分・積分に関する出題がある
③確率に関する問題が多い
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

①問題数に対して制限時間が短い
理工学部入試の特徴の1つとして、大問が5題あるにもかかわらず120分という制限時間が設けられていることがあげられます。単純計算すると1題にかけることのできる時間は24分です。一部の問題で時間を使いすぎてしまい最後まで辿り着けなかった…といったことがないよう、基礎固めはおろそかにしないようにしましょう。ここでは、「チャート式解法と演習数学(通称:黄チャート)」シリーズに取り組み、入試基礎レベルの完成に努めましょう。

 
チャート式数学ⅠA・ⅡB」の使い方!
<特徴>
同上

<使用時期>
2~4月

この参考書が完璧に理解できるようになったら、「基礎問題精講-」シリーズに取り組み、入試で戦えるレベルまで引き上げましょう。


数学 基礎問題精講」の使い方!
<特徴>
例題・精講・解答解説・演習問題が見開き1ページに掲載されている、黄チャートと同様に見やすいレイアウトが特徴の参考書です。精講とは、例題を解く際に必要な公式などが詳しくポイントをまとめて説明されている部分のことです。

精講の部分を深く理解することで、他の問題にも応用できる本質を見抜く力を身につけることができます。ただし、演習問題の解説が十分ではないといった欠点があるため、理解が不十分でないと感じた部分に関しては教科書や前出の黄チャートなどに戻って公式や解き方のパターンをもう一度確認するようにしましょう。

<使用時期>
前述したように解説が十分ではない部分があるため、高校数学初学者に適した参考書であるとは言い難いです。そのため、この参考書の中で少しでも不明点が出てきた場合は前出の黄チャートや学校の参考書などを利用して、理解に抜けがないようにしましょう。具体的な使用時期としては5~7月の3か月に1冊ずつ完成させることが理想的であるといえます。

②毎年必ず数学Ⅲの微分・積分に関する出題がある
慶応義塾大学理工学部の数学では、数Ⅲの微分・積分の分野が頻出となっています。問題レベルとして難関私大で出題されるレベルのものが多くなっているため、それらのレベルをカバーする「チャート式基礎からの数学シリーズ(青チャート)」を使って難関私大レベルの問題に対応できる力を身につけましょう(画像は数学ⅠA)。


青チャート」の使い方!

<特徴>
同上

<使用時期>
8~11月

③確率に関する問題が多い
医学部と同じく、確率特に確率漸化式に関する出題が多くなっています。この分野の演習の関しては「合格る確率+場合の数」などを用いてよりこの単元に特化した演習を行うことをおすすめします。


<特徴>
解説が充実していることがこの参考書の大きな特徴の1つで、受験生がついやってしまいがちな遠回りをすることになる計算方法を的確に提示したうえで、それよりも簡潔に短時間で計算できる方法を分かりやすく説明しています。前出の解説系参考書や学校の教科書などで土台となる知識を身に着けてからこの参考書を用いて、計算方法のパターンも暗記してなるべく短い時間で正確に解答できるようにしましょう。

<使用時期>
前出の黄チャートや青チャートなどの解説系参考書や教科書などで土台を固めてから取り組みましょう。具体的な使用時期としては12月の1か月間で、2周以上取り組むことで本番でも戦える計算の正確性とスピードを身につけることが理想的です。

各分野に特化した演習をした後は「慶応義塾大学理工学部の赤本」を使ってより実践に近い形で演習を続けていくようにしましょう。


<特徴>
実際に慶応義塾大学理工学部の一般入試で出題された問題が6年分掲載されています。合格者の最低点などの入試情報が掲載されていることも大きな特徴の一つです。また慶応義塾大学の一般入試の場合学部ごとに分かれて出版されているため、より細かい情報を入手することができます。

<使用時期>
今までに紹介した参考書や問題集などで十分な演習を積み、12月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターンが身についていない・問題を見たときに即座に開放が浮かばない受験生は今までに使った参考書や教科書に戻って基本事項の理解に穴がないか確認するようにしましょう。

まとめ


※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
ここまで傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。

まず始めるべきは数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲの基本的な問題の解き方パターンや公式のインプットです。いずれも1度で終わらせず、何度も復習するようにしましょう。その後、それぞれの演習系の参考書を用いて何度も繰り返し演習をすることで入試基礎学力および慶応義塾大学の理工学部数学に対応できる応用力を養いましょう。そして、12月以降は赤本の演習に取り組める状態にしましょう。

また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」にならず、前の講義系の参考書や教科書などに戻って公式などの再理解をすることが大切です。そして、冬にかけて本番前まで慶応義塾大学の自分の受験する学部の赤本を用いて時間配分を意識し、より実践的な演習を積むようにしましょう。

ぜひ参考にして慶応義塾大学の理工学部数学の目標点である7割以上を取れるようにしましょう。

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