英語長文が読めない原因はどこ?段階別のおすすめ参考書で克服する
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「精読の参考書をやった。次は論理読解の参考書もやった。それでも英語長文の点数が動かない」
この相談を受けたとき、私はまず「今のご自身の課題は、精読・論理読解・解き方のどれですか」と聞きます。この問いにすぐ答えられる受験生は、実はあまり多くありません。
参考書を何冊か変えても点数が動かないなら、参考書そのものの質より、今どの段階でつまずいているかと使っている参考書の目的がずれている可能性のほうが高いです。何を変えるかを考える前に、どこが課題かを特定しなければなりません。
英語 長文
英語長文が読めない原因は参考書と課題のズレ

英語長文が読めない原因の多くは、参考書の質ではなく、自らの課題と参考書の目的とのズレにあります。
「訳せるけど読めていない」という状態の正体は、1文1文の関係性を追わずに単語をただ紡いで訳している場合がほとんどです。1文単位で難解な構文が読めていないのではなく、きちんと訳しているのに内容が入ってこないケースが多く、解釈本の問題ではなく読み方の問題だとマナビズムでは捉えています。
このズレに気づかないまま、なんとなく評判のいい参考書に乗り換えても症状は改善しません。マナビズムの川本先生も、過去問演習に入ってはじめて自らの課題が精読にあったと気づいた経験を語っています。それまでは正答率ばかりを気にして、論理的に文章をつなげて読む力を鍛える参考書を使い続けていたそうです。
自分ができていない点を起点に考えず、有名な参考書から入ってしまうと遠回りになります。次の一冊を選ぶ前に、今の自分がどこでつまずいているかを先に特定することが近道です。
なぜ英語長文の参考書を変えても伸びない3つの理由
参考書を変えても長文の点数が伸びない受験生には、共通する見極めの甘さがあります。次の3つの理由から確認してみましょう。
解説の分厚さでなく質で選べていない
参考書の解説ページが多いことは、そのまま質の高さを意味しません。
私は参考書を選ぶとき、問題のページ数に対して解説のページ数が十分に厚いかをまず確認します。ただ、厚ければいいと思っているわけではありません。
今の参考書が以前と変わった点は、解説が抽象化され言葉にされた状態で手に入ることです。以前は解説を読み込み、ほかの問題にも使える形に抽象化して言語化する作業を受験生自身が担う必要がありました。今は、読み方や解き方までを抽象化して言語化してくれているかが、参考書の質の分かれ目になります。
自らの弱点でなく参考書の知名度で選んでいる
英文解釈の学習を終えた次に、受験生がいきなり有名な長文参考書に手を伸ばしてしまいます。
有名な長文参考書の多くは、文章の読み方や設問の解き方をまとめた一冊です。長文のなかで1文ずつ精読する練習を飛ばしてこうした参考書に取り組んでも、内容は入ってきません。
1文を正確に訳せるようになった次にやるべきは、長文のなかで1文ずつ精読する練習です。それを飛ばしていきなり読み方のルールを学ぶ参考書に進むのは、一歩先に行きすぎています。有名だから、まわりが使っているからという理由だけで選んだ参考書が、今の自らの課題と噛み合っているとは限りません。
ちょうどいい負荷かで見極めていない
参考書のレベルが合っているかは、解説を読んだときの負荷の感じ方で判断できます。
筋トレでダンベルが軽すぎれば効果が薄く、重すぎればけがをします。ちょうどいい負荷とは「あと少しでできる」と感じるラインです。
間違えた問題の解説を読んで「そうだったのか」と納得させられるだけで、得たものが何もないと感じる状態は、負荷がかかりすぎている合図です。逆に、解説を読んで「確かにその訳し方ならできる」「前にやった知識をこう組み合わせればよかった」と思い出せる状態は、ちょうどいい負荷がかかっている状態です。
初見の問題が解けないからといって、すぐにレベルを落とす必要はありません。過去問に対しては多少難しくても繰り返し向き合う受験生がほとんどであるように、長文参考書も同じ感覚で、一冊にじっくり向き合う方が力がつきます。
英語長文の課題は精読・論理読解・解き方の3段階

英語長文の課題は、精読・論理読解・解き方という3つの段階にわけて捉える必要があります。
段階を混同したまま参考書を選ぶと、対策すべき部分と参考書の中身がずれてしまいます。以下の3段階にわけて、それぞれのつまずきの特徴を解説します。
精読は1文の構造を正確に訳せているか
精読でつまずいている人は、単語は分かっているのに1文の構造を正確に訳せていません。
訳せているはずなのに内容が入ってこない状態のほとんどは、実は難解な構文が原因ではありません。単語も基本的な文型も分かっているのに、1文が何をいっているのかが掴めていない状態が、関関同立レベルでは特に多く見られます。
私自身、この精読の段階を飛ばして次のステージに進んでしまった経験があります。そのとき、参考書についていた音読の指示を、文の構造を意識せずにただ声に出すだけで済ませ、旧センター試験で6割から先の点数が5か月ほど動きませんでした。単語を1つずつ訳しているだけで内容がまとまっていなかったことに、しばらく気づけなかったのです。
論理読解は文同士のつながりを読みつなげられているか
論理読解でつまずいている人は、1文ずつは訳せていても段落を読み終えたときに何が言いたかったのか思い出せません。
1文の意味はとれているのに、前の文との関係が言い換えなのか、理由と結果の関係なのかを意識せずに読み進めると、段落全体の内容はつながりません。文章は読むたびにまったく新しい情報が出てくるわけではなく、前の内容を言い換えるか具体的に説明する展開が特に多く見られますが、逆接や因果関係、追加の情報として展開される場合もあります。
例えば、ある長文でアーモンドとピーナッツの栄養価やアレルギーといった共通点が語られたあと、次の段落が「これらの類似点にもかかわらず」という逆接からはじまり、植物学的にはアーモンドが果物の種、ピーナッツが豆に分類されるという違いが具体的に説明されていく、という展開があります。論理マーカーの前後で話がどうつながるかを追いながら読むと、こうした段落単位の要点も自然に拾えるようになります。
この読み方が身についているかは、1段落読み終えたときに内容を一言でまとめられるかで確認できます。まとめられないなら、単語を訳すことにエネルギーを使い切ってしまい、文と文の関係を追う余力が残っていない状態です。
解き方は読めた内容を設問の得点に変換できているか
解き方でつまずいている人は、内容を理解できているのに設問で得点に変換できていません。
設問の解き方は、今問われている内容が本文のどこに書かれていたかを見つける力を、読めている前提のうえで鍛える技術です。内容がまだ読めていない段階で解き方のテクニックだけを学んでも、点数にはつながりません。
例えば空所補充の設問では、選択肢の言い回しだけを比べるのではなく、本文中の因果関係や言い換え関係を根拠にどこが正解になるかを解説した参考書(佐藤博先生のマーク式のスペシャルレクチャーなど)があります。読めた内容のどこを根拠に選択肢を絞るかを学ぶ場面こそ、解き方の練習の中身です。
段落ごとに何の話をしていたかを整理できていれば、設問で問われた内容が本文のどこにあるかを本文に戻って探せます。読めているのに得点できていない場合は、設問の形式ごとの解き方を学ぶ段階に進んで問題ありません。
英語長文の参考書は3つの課題別に選ぶ
精読・論理読解・解き方のどこでつまずいているかが分かれば、そこを鍛える参考書を選べます。段階ごとにおすすめの取り組み方を紹介します。
精読でつまずく人向けの参考書
精読でつまずいている人がまずやるべきは、長文ではなく英文解釈の参考書です。
八澤先生の『たった7時間で英文解釈』のような参考書で、1文の構造を正確に読み解くための基本的な文法知識を固めます。関関同立レベルの文構造は、ここまでの知識があれば時間をかけて読み解けるようになります。
この段階が終わったら、長文のなかで1文ずつSVOCを振って訳を確認する精読練習に進みます。英語長文ハイパートレーニングレベル1のような基礎レベルの教材で十分で、問題を解く必要はありません。
論理的に読みつなげられない人向けの参考書
論理的に読みつなげられない人に必要なのは、文章の読み方のルールをまとめた参考書です。
精読の練習で1文ずつの訳が安定してきたら、ルールズや特訓リーディングのように、論理マーカーに注目しながら文と文の関係を追う読み方をまとめた参考書に進みます。ここではじめて、読み方のルールを体系的に学ぶ一冊に取り組む意味が出てきます。
前後が同じ内容の言い換えなのか、理由と結果の関係なのかを意識しながら1段落ずつ読み進める練習を、時間をかけて積み重ねてください。
過去問で得点につなげられない人向けの参考書
過去問で得点につなげられない人に必要なのは、設問の解き方そのものを扱う参考書です。
内容は読めているのに設問形式ごとの解き方が身についていない場合、空所補充や内容一致といった設問形式別に回答根拠の探し方を解説した参考書(佐藤博先生のマーク式のスペシャルレクチャーなど)に取り組みます。読めている内容を、どこを根拠に選択肢を絞るかという視点に変換する練習です。
この段階まで来たら、実際の過去問演習を通して、志望大学ごとの出題傾向に合わせた解き方を確認していく経験が仕上げになります。
段階ごとのつまずきのサインと、取り組む参考書の対応関係を整理すると、以下のようになります。
| 段階 | つまずきのサイン | 取り組む参考書の例 |
|---|---|---|
| 精読 | 単語は分かるのに1文の構造を正確に訳せない | 八澤先生の『たった7時間で英文解釈』で品詞・文型を固め、英語長文ハイパートレーニングレベル1で1文ずつSVOCを振る練習をする |
| 論理読解 | 1文ずつは訳せても段落の要点を思い出せない | ルールズ・特訓リーディングなど、論理マーカーに注目しながら文と文の関係を追う読み方をまとめた参考書 |
| 解き方 | 内容は理解できているのに設問で得点に変換できない | 佐藤博先生のマーク式のスペシャルレクチャーなど、設問形式別に回答根拠の探し方を解説した参考書 |
英語長文の参考書は2つの基準で習熟度を確認する
参考書は選んだ後の確認の仕方によって、身につく力が変わります。次の2つの基準で確認してください。
| 基準 | 何を指すか | 確認の仕方 |
|---|---|---|
| 進捗度 | こなした参考書の量・周回数 | 「何周したか」を数えるだけでは実力の証明にならない |
| 習熟度 | 実際に使える力 | 人に説明できるか、初見の問題で同じように解けるかで確認する |
参考書を1周終えただけで安心しない
参考書を1周終えたという進捗だけでは、実力がついたとはいえません。
マナビズムでは、こなした量である進捗度と、実際に使える力である習熟度をわけて考えます。進捗度だけを追いかけて次の参考書に進むのは、もっとも避けたいパターンです。人に説明できるか、初見の問題で同じように解けるかを、1冊終えるたびに確認する習慣をつけてください。
初見の問題を解けるかで確認する
その参考書で身についた力が本物かは、初見の問題を解けるかで確認できます。
普段解いている参考書の解説を読んで納得できることと、初見の問題を自力で解けることの間には、実は差があります。
1冊を終えるたびに、その参考書で使った知識だけを頼りに初見の1題を解いてみてください。そこで思うように解けなければ、その参考書はまだ仕上がっていないというサインです。
自らの英語長文の課題はどの段階にあるか診断してみませんか
自らの課題が精読・論理読解・解き方のどこにあるかは、1人で正確に見極めるのが難しい部分です。
マナビズムの公式LINEでは、200冊以上の参考書の使い方やレベル、対応度合いをまとめた参考書ガイドブックを配布しています。今使っている一冊が自らの課題に合っているか、辞書代わりに確認してください。
それでも自らの課題がどの段階にあるか判断がつかない場合は、無料受験相談で今使っている参考書と実際の解答を見ながら一緒に確認します。今の勉強で長文の点数が動いていないなら、参考書を変える前に一度相談に来てください。