【英語編】関西大学の入試対策・オススメ参考書

更新日: (公開日: KANSAI

はじめに

近年の関西大学の英語は全日程・全学部で同一の形式をとっている。したがって、英語の対策を学部別に分ける必要性はない。
日程・学部問わず過去問演習をしても問題はない。
出題形式についても大きな変動はなく、過去問演習の際には古い年度のものを使用することも可能である。
ただし、2005年度以前の問題は現在と違う形式が一部出題されていたので、注意が必要である。

関西大学の英語の配点・目標点についての詳細は【関西大学の英語】配点を大問別・設問ごとに予想してみたを御覧ください!

概要

  • 試験時間 90分
  • 配点 200点満点
  • 問題数 50題
  • 配点 1問4点(推定)
  • 形式 全てマーク式
  • 構成 大問3題

大問〔1〕A.会話問題 B.パラグラフ整序
大問〔2〕長文読解(A.空所補充 B.内容把握)
大問〔3〕長文読解(A.下線部説明 B.内容把握)

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傾向と対策

大問〔1〕について

大問〔1〕は

  1. 会話問題
  2. B.パラグラフ整序

の2種類の問題形式で構成されている。大問〔1〕のBのパラグラフ整序については2009年以降から出題されているので、古い年度の過去問では問題演習をすることはできない。

Aの会話問題は満点が必須で、Bのパラグラフ整序に関しても満点を狙いにいかなければならない。というのもBのパラグラフ整序は6つ設問があるが、ひとつ間違えると複数間違えてしまう構成になっているからである。よってこのパラグラフ整序は是が非でも満点を狙いにいかなければならない。 

A.会話問題の傾向と対策

形式は空所補充問題で、いわゆる会話特有の表現はほとんどなく前後の会話の流れに合う発言を選択するものである。
毎年200〜250程度の標準的な長さの会話文が出題される。多くの場合、「外国からの留学生と日本人学生との会話」が定番である。

それ以外では、学生同士の会話や、留学生とホストファミリーとの会話など、「学校生活」「異文化コミュニケーション」がキーワードとなることが多い。既出ではあるが、基本的に会話特有の表現はほとんど出題されることはない。

学生同士が使うカジュアルの表現を少しインプットする程度で事足りるレベルである。 それでは具体的にこのAの会話問題で満点をとるためにはどうしていかなければならないか、具体的にどのような対策が出来るのかについて説明していく。

既出の通り、関大の会話問題では難解な会話表現はあまり出題されないので文脈判断の力を養うことが先決である。
また、会話問題を解く上で

  1. 指示語
  2. 省略
  3. 代名詞

などは非常にキーワードになってくる。
あまりこういったことを意識せずに会話問題を演習する受験生が多いが、非常に武器になるものである。

こういった練習をするのであれば、「会話問題のストラテジー」をお勧めする。
ただ、関西大学の会話問題は比較的平易であるためいくらか過去問をやってみる中で対策を必要としないと判断すれば、強いてこの参考書をする必要はない。
目安として、9月以降過去問をする中で会話問題の正答率が半分以下の場合は対策をすることをお勧めする。


「会話問題のストラテジー」の使い方!
この問題集では会話表現や会話問題を解く上で注意しなくてはいけないポイントなどがまとまっています。これ一冊でほとんどの大学の会話問題に対応する力が身につきます。 

B.パラグラフ整序の傾向と対策

形式は1〜5文程度で構成されたパラグラフが6つ用意されていおり、全体として1つの英文に並び替えるというものである。1番初めだけが決まっており、それ以降を並び替えるといったものである。
しっかりとした対策をすれば、難易度としては平易であるが、満点をとる受験生が意外と少ないのが現状である。

その原因は2つある。
①まずひとつがマークミスの多さである。
たとえば、パラグラフの順番がA→C→E→F→D→Bであるなら、そのまま解答用紙にもACEFDBというように1番目、2番目・・・を書ければマークミスも大幅に減少するのだろうが実際にはAの次にくるものは?Bの次にくるものは?・・・というように相対的な位置が聞かれるである。

この文面だけを見ると、「そんなことでマークミス?するわけないじゃん」と思う受験生が多いことは容易に想像がつくが百聞は一見にしかず、実際に問題を見ればその面倒臭さがおわかりいただけるだろうと思う。

パラグラフ整序で満点をとれない要因が対策の仕方にある。
では、具体的にこのBのパラグラフ整序で満点をとるためには具体的にどのような対策をすればいいのかであるが以下のことに注意して問題を解くことが大事である。

  1. 論理語
  2. 指示語
  3. 論理

などに注目しなければならない。
対策としては「世界一わかりやすい関西大の英語 合格講座」のLesson9,10をすることをお勧めする。赤本での演習前にこの参考書を使用して基本的な問題の解き方・考え方を身につける事ができる。

ここでの失点が合否に関わることもある。しっかりと対策をすれば満点を狙えるので、万全の準備をしてほしいと思う。 


「世界一わかりやすい関西大の英語合格講座」
人気の「世界一わかりやすいシリーズ」の関西大学の対策本。赤本などに比べると問題数は少ないが、しっかりと解き方・考え方を身につけることができる。
この本で学んだ解き方・考え方を元に赤本での問題演習に進むと良い。

大問〔2〕について

大問〔2〕は600〜900語程度の長文が出題される。
文章のレベルは標準レベルで、設問は以下の2つで構成されている。

  • A.空所補充
  • B.内容把握

Bの内容把握の問題は比較的平易なので受験生全体で見るとあまり差はつかない。

大問〔2〕で差がつくのは圧倒的にAの空所補充である。
Aの空所補充の後にBの内容把握が続くので、空所を埋めながら問題を解き
その中で内容を理解しながら内容把握の問題を解くのが最も効率的な解き方である。 

A.空所補充問題の傾向と対策

長文中に空所があり、その空所に適するものを4択から選ぶというものである。

問題数は例年15題である。
問題パターンとしては以下の3パターンである。

  1. 前後関係から解ける問題
  2. 文法知識から解ける問題
  3. 文構造から解ける問題

(a)前後関係から解ける問題は比較的容易である。差のつく問題は(b)文法知識から解ける問題と(c)文構造から解ける問題である。

受験生が「関大は文法問題でないから文法の勉強はしなくていい」などと言っているのをよく聞くが、それはダウトである。たしかに関西学院大学や立命館大学のように直接的な文法問題として出題されることはないが、文法問題は実際に出題されている。よって関西大学志望者も文法の4択問題の対策は必要である。

対策としてお勧めしたい参考書・問題集は「深めて解ける英文法 OUTPUT」である。
対策をした受験生としていない受験生で相当差のつく単元なのでしっかりとした対策が必要であると考える。
また(c)文構造から解ける問題に関してはSVOC、この単語はどこを修飾しているのかなどを普段から意識していくことが必要である。

この対策は英語の受験勉強初期に行なうことである。受験勉強といえば英単語から、と考えている受験生が多い。
もちろん英単語からスタートするのは正解なのであるが、それと併行して文構造を意識して英文に触れることが重要である。

対策としては「基本はここだ」「入門 英文解釈の技術70」がお勧めである。
この2冊をすれば、かなり英文の構造を意識した読み方が習得できるはずである。  


「成川の英文法OUTPUT」の使い方は!
数ある英文法問題集の中でかなり解説が詳しいため、独学が可能である。しかし、解説がオーソドックスなものでなく、著者のカラーが色濃く出ているため一度中身を見てから購入することをお勧めする。そのカラーに合いさえすればこれ以上の文法問題集はないと断言する。


入門基本はここだ!」の使い方!
中学レベルの英文から大学受験中級レベルくらいの英文まで掲載されている。この参考書の目的はただひとつ、「一文一文をただただ正確に読める力を養うこと」である。この参考書を用いれば、英語の読み方を根本から変えることができる。 


入門英文解釈の技術70」の使い方!
基本はここだで英語の読み方に対する意識をかえれば、あとは多くの英文でそれを使いこなす練習をしていく。その目的を達成するのがこの「入門 英文解釈の技術70」である。受験生にとって読みづらいと言われる英文をリストアップし、その読み方を徹底解説している。この参考書を完成し終える時にはかなりの英文をスムーズに読み通すことができている。

②B.内容把握問題の傾向と対策

本文全体の内容理解を問う内容把握問題が3択で計7題出題される。
B.内容把握問題は比較的容易なものが多い。
きっちりと本文が読める力がついていればこれといった対策は必要ない。つまり本文を読む力を身につけるためにはどのような対策をしなければならないかについて言及していく。

まず、単語は「単語王」をお勧めする。熟語は「速読英熟語」もしくは「解体英熟語」で、英文解釈(英文を1文1文正確に読む力を養うもの)は前出の通り「基本はここだ」もしくは「入門 英文解釈の技術70」がお勧めである。

これら参考書・問題集でインプットが終われば、アウトプット教材として「関西大の英語」で大量の過去問で演習を重ねていけば得点力は上がる。
インプット→アウトプットの流れを意識して勉強すれば十分得点できる。


単語王2202」の使い方!
見出し語が多いだけでなく、圧倒的な多義語や派生語の情報量が魅力の単語帳である。一般的な単語帳は難易度別に掲載されているが、この単語王は難易度で掲載されていない。つまり初期の段階から難易度の高い単語に触れることができる。


「速読英熟語」の使い方!
この参考書は「英文を読みながら英熟語を覚えよう」というのがコンセプトである。インプットを終え、より多くの英文を読んでいかなければならない夏以降からするのが良い。多読と英熟語暗記の両方を叶える優れものである。 


解体英熟語」の使い方!
この参考書は熟語の成り立ちから説明してくれている。丸暗記ではなかなか覚えられない受験生からすれば、かなり親切な熟語帳である。丸暗記の場合、すぐに忘れてしまったりするが、この熟語帳を用いれば、成り立ちから覚えることが出来るため簡単には忘れないようになる。


「関西大の英語」
関大で出題される問題パターンを数多く掲載した赤本である。例えば、パラグラフ整序が苦手な人はこの問題集の「パラグラフ整序」のパートをひたすら演習すればかなりの数の問題をすることになる。演習をする上でなくてはならない問題集である。

大問〔3〕について

大問〔3〕は大問〔2〕より比較的短く、500〜700語程度の長文が出題される。文章のレベルは学術性、専門性のある論説文が出題される。テーマは自然科学的なものから文化人類学的なものまで様々である。したがって単語数は少ないが、難易度としては少し上がる。
設問は以下の2つで構成されている。

  1. 下線部説明
  2. 内容把握

B.内容把握の問題は比較的平易なので受験生全体で見るとあまり差はつかない。大問〔3〕で差がつくのは大問〔2〕同様、A.下線部説明問題である。
A.下線部説明の後にB.内容把握が続くので
A.下線部説明問題を解き、その中で内容を理解しながら内容把握の問題を解くのが最も効率的な解き方である。  

A.下線部説明問題の傾向と対策

下線部の意味や内容を問う問題が3択で計10題出題される。最も多く出題されるのは「下線部の意味にもっとも近いのはどれか」という同意語句・同意文を選択させる問題である。

意味を考える際に武器となるのは英文解釈力である。英文構造をしっかりと把握すればあっさりと解けるはずなのに、単語の意味や熟語などから判断するといったように表面的な解法で間違えることがある。
正確に英文を読みすすめる力を身につけることはこの設問のパターンが解けるようになるだけでなく、英語全体の成績向上にも繋がる。  

B.内容把握問題の傾向と対策

本文全体の内容理解を問う内容把握問題が3択で計7題出題される。
B.内容把握問題は比較的容易なものが多い。
きっちりと本文が読める力がついていればこれといった対策は必要ない。つまり本文を読む力を身につけるためにはどのような対策をしなければならないかについて言及していく。

まずは単語は「単語王」をお勧めする。熟語は「速読英熟語」もしくは「解体英熟語」で、英文解釈(英文を1文1文正確に読む力を養うもの)は前出の通り「基本はここだ」もしくは「入門 英文解釈の技術70」がお勧めである。

これら参考書・問題集でインプットが終われば、アウトプット教材として「関西大学の英語」で大量の過去問で演習を重ねていけば得点力は上がる。インプット→アウトプットの流れを意識して勉強すれば十分得点できる。  

今日からの対策

関大の英語は160点以上を目標として定めインプットとして「英単語・熟語」「英文法」「英文解釈」アウトプットとして「長文演習」をすることが最短の道である。
それぞれについて少しずつ言及しておく。まずは単語・熟語については英語を見て、0.1秒で日本語の意味が反射的に出てくる状態になるまでまた英単語は繰り返しすることが重要である。
次に文法に関しては「その文法用語、文法事項を暗記するのではなく、理解すること」が大事である。

4択問題をただ解くだけではあまり力はついていない。大事なのはなぜその答えになるのか?を理解することである。理解すれば、他の問題に出くわしたときでも応用が効くからである。
次に英文解釈である。

英文解釈で注意するべくは構文をただ暗記していても意味がないということである。

形が変形されていたり、余分な語句が挿入されていて本来の形が見えにくくなっていることが多々ある。そのときにただ構文を覚えていただけでは、気づくものも気づかないということになってしまう。だから英文解釈を勉強するときは常に「なぜ」を考え暗記せずに理解し、「こうだから、こうなる」という論理を大切に勉強しなくてはいけない。

最後に英文読解であるが、これは英語という科目におけるアウトプットの範疇である。
まずは辞書や参考書を用いずに実力だけで解く。そのあと、調べながら不明な点が一点たりともなくなるまで深く勉強する。

そのあとは、新出単語・熟語・構文など、まだ頭に入っていない項目を暗記する。
そうしているうちにひとつの英文をただ解いておしまい、という受験生よりも遥かに多くの情報量を得ることができる。最後に仕上げとして音読を何回も繰り返えし、その英文を自分のものにしていかなければならない。  

関西大学の英語入試問題の過去問分析動画についてはコチラ!

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