浪人は何年まで許される?新卒採用の基準やいつまでなら挑戦できるかを解説
更新日: (公開日: ) COLUMN
浪人は、やる気があり経済的な負担もなければ、何年まで続けるかは本人と家族次第です。
しかし、新卒採用や就職面の不安を考えると、浪人は何年まで許されるのか知っておきたい人もいるでしょう。
本記事では、新卒採用や医学部志望などのケースによって、何年まで浪人できるのかを解説します。
多浪で就職不利と感じた場合に心がけたいポイントも紹介しますから、参考にしてください。
浪人は何年まで許される?
一般的に浪人は何年まで許されるのかを下記の2パターンで見ていきましょう。
- 新卒採用を考えた場合
- 医学部志望の場合
新卒採用を考えた場合
新卒採用の場合は、2年まで許されると考えておきましょう。
日本の企業では、暗黙のルールとして二浪までは新卒採用として考えられるケースが多いです。
採用面接の際にも、二浪までであれば浪人の理由を聞かれる場面も少ないです。
一方、多浪の人は、浪人の理由を聞かれるケースもあるかもしれません。
その際は、浪人中の努力や大学に進学してからの過ごし方などでアピールできるエピソードを持っていると、就職の際に好印象を与えられる可能性もあります。
医学部志望の場合
医学部の場合は、志望校によって何年までという考え方に違いがあります。
- 国立大学志望の場合:2年(二浪)まで
- 私立大学志望の場合:3年(三浪)以上でも問題ない
国立大学を「2年まで」と考える理由は、1年間で前期と後期のそれぞれ1校ずつしか受験できないためです。
受験のチャンスが少なく競争率も高いため、1年で複数の入試を受けられる私立大学より合格は厳しいです。
そのため、多浪した結果、医学部に合格できずほかの大学へ進学すると、就職活動に影響が出る可能性もあります。
国立大学の医学部志望で三浪以上する際には、私立大学も視野に入れましょう。
二浪三浪すると就職不利になるのか
二浪三浪しても就職活動が不利になるというケースは少ないですから、安心してください。
しかし、一般的に二浪までが新卒扱いとされる場合が多く、三浪以上になると中途採用枠での就職活動になる可能性があります。
そのため、少しでも就職不利になる可能性を減らしたい場合には、「二浪まで」と考えておいた方がいいかもしれません。
また、三浪以上の場合には、就職活動で企業の面接官から浪人した理由を質問される可能性が高くなります。
浪人生活や大学在学中の経験を伝えて、「多浪したからこそ得られたプラスの要素」をアピールできると、面接官に好印象を与えられます。
3浪で就職不利と感じたときに心がけたいこと
3浪して就職不利かもと感じても、下記の心がけを大切にしてください。
- 就職先は妥協しない
- 浪人を気にしない
- 浪人中に得た経験を強みにする
- 大学在籍中にアピールできる経験を作る
就職先は妥協しない
多浪して「周りより不利になったかも」と思っても、就職先を妥協するのは避けてください。
無暗に就職活動をした結果、採用が決まった企業との相性が悪くてすぐに退職した場合、浪人よりも悪い影響を与えてしまう可能性があります。
そして、同様の就職活動を続けて退職歴が積み重なった場合、次の採用面接時にマイナスの印象を与えかねません。
就職活動の際には、周りの人と同じ気持ちで臨み、自分が本当に働きたいと思える企業を探しましょう。
浪人を気にしない
過度に浪人を気にするのはやめましょう。
就職面接時にも、周りの学生より数年年上というだけでうしろめたさを感じてしまう人もいます。
しかし、弱気な姿勢は面接官に伝わり、やる気が感じられない、アピールが弱いというマイナスの印象につながるかもしれません。
過去を振り返り、得た経験や浪人してまで大学進学してよかったと思えるエピソードなどを見つけて、周りとは違う自分の価値を見つけてください。
浪人中に得た経験を強みにする
就職活動時には、浪人中の経験を強みにしてください。
浪人生活は、現役生にはない絶対的なアピールポイントになります。
浪人中に成長したと感じられるポイントや、志望校にこだわった理由などをしっかり整理しておきましょう。
たとえば、「つらいときにどうやって乗り越えたか」というような経験は、企業にとっても大変参考になるアピールポイントです。
浪人を「失敗」というマイナス要素にするのか、「成功」という貴重な経験に変えるのかは、あなたの意識次第です。
大学在籍中にアピールできる経験を作る
就職活動の際には、大学在籍中の経験もアピールできると大変効果的です。
大学進学したら、やりたかった勉強や在学時にしかできない経験をしましょう。
面接時には、「浪人したからこそ、希望の大学で望んだ経験ができた」というポイントを好印象で伝えられると、多浪もマイナスになりにくいです。
そのため、浪人中から「どうして志望校に進学したいのか」という目的をしっかり明確化するのも重要であるといえます。
浪人は何年まで続ける?大学受験を成功させる方法
できる限り浪人するリスクを抑えて、「今年こそ受験を成功させたい」という人は、下記の方法を検討してください。
- 第一志望を変更する
- 安全校(滑り止め)を受験する
第一志望を変更する
二浪三浪を避けたい場合には、第一志望の変更も検討しましょう。
志望校から数ランク下げた大学を目標にして過去問演習に力を入れれば、受験に成功する可能性は高くなります。
そのため、このまま浪人を続けても志望校に合格できる可能性が低いと感じた際には、第一志望の再検討をしてください。
第一志望を変更した際にも元の志望校を受験できますから、100%諦める必要はありません。
安全校(滑り止め)を受験する
もしも「志望校合格しか考えていない」という場合には、安全校の受験も検討してください。
「志望校に失敗してもほかの学校に合格すれば浪人を避けられる」という安心感が生まれて、メンタル面も安定しやすくなります。
安全校を選ぶ際には、自分の実力で合格する可能性が高い大学を選びましょう。
目安は志望校から2ランク下げたレベルです。
さらに、志望校と出題傾向が似ている大学を選ぶと、特別な対策が少なく済むためおすすめです。
【関連記事】
浪人できない理由とは?大学受験失敗後の選択肢と現役合格するための対策
「何浪まで許される?」を考える前に実践したい勉強法
「何浪まで許されるか」を考えている人の多くは、可能であれば浪人を終わらせたいと思っているはずです。
そのため、今年は受験を成功させる覚悟で、できる限りの努力をしましょう。
ここでは、浪人生に実践してほしい勉強法をお伝えします。
- 年間スケジュールを立てる
- 1日8時間以上の勉強習慣をつける
- 1日のスケジュールを決める
- 塾・予備校に通う
年間スケジュールを立てる
志望校合格に向けた効率的な勉強を進めるためには、入試日から逆算した年間スケジュールが大切です。
志望校と現在の自分の学力、残りの期間などを踏まえて、必要な勉強範囲が終わる計画を立てましょう。
最初にしっかりとした計画を立ててスケジュール通りに進めれば、必要な学習内容を取りこぼさずに済みます。
【関連記事】
大学受験の勉強計画はまず逆算!スケジュール作りのポイントまとめ
1日8時間以上の勉強習慣をつける
浪人生にとって理想的とされる、1日8時間以上の勉強習慣をつけてください。
現役高校生は、学校の授業や塾などの学習を含めて7時間程度勉強していると考えられるため、ライバルより多く机に向かう意識を持ちましょう。
また、東大や早稲田などの最難関大学を目指す場合には、1日10時間以上を勉強に費やす覚悟も必要です。
志望校にあわせて最適な学習時間を確保して、毎日勉強を続けてください。
【関連記事】
浪人生の勉強時間はどれくらい必要?スケジュール例や注意点も解説
1日のスケジュールを決める
浪人生は自習する時間が多いため、1日のスケジュールを立てて勉強をルーティン化させるのが大切です。
1日8時間以上も勉強しなくてはいけませんから、予定を決めていないと毎日安定した学習時間が確保できません。
志望校対策に必要な勉強時間を確実に確保するため、起床や就寝、昼食なども含めた24時間のスケジュールを決めておきます。
スケジュールが確定すれば、あとは毎日同じ生活を続けるだけで必要な勉強時間が確保できます。
塾・予備校に通う
自分一人で年間計画や1日のスケジュールを考えるのが難しいという人は、塾や予備校に通ってください。
塾や予備校は、大学受験のプロである講師やアドバイザーが適切なスケジュールを提案してくれます。
また、生徒の悩みにも寄り添ってくれるため、モチベーション維持のサポートにも有効です。
塾や予備校で万全のサポートが受けられれば、勉強に集中できる環境が整います。
浪人生の志望校合格を全力でサポートするマナビズム
マナビズムの浪人生コースでは、志望校合格に向けて生徒を全力でサポートします。
映像授業や個別指導のほか、徹底した自習管理を実施して、塾以外の勉強も効率的に進められるフォローをします。
浪人の受験勉強に悩んでいる人は、ぜひ一度説明会にご参加ください。
【関連記事】
浪人生の勉強法で意識することや注意点は?1日のスケジュールも紹介
浪人は何年までか気になる人が知りたいこと
最後に、何年まで浪人しても大丈夫か気になる人が、ほかに知りたいことをまとめました。
- 何浪まで許される?
- 就活浪人は何年まで?
- 多浪のデメリットとは?
- 新卒扱いは何浪まで?
- 浪人って何が辛い?
- 浪人生全落ちしたらどうする?
何浪まで許される?
新卒採用で考えたら二浪までです。医学部進学を目指す場合、国立大学は1年間に前期と後期で1校ずつしか受験できず合格が大変難しいため、二浪までと考えておくとよいでしょう。国立大の医学部で三浪以上する場合には、私立も視野に入れて合格できる可能性を増やすのがおすすめです。
就活浪人は何年まで?
新卒として就職活動する場合には、学校卒業から3年以内です。厚生労働省の雇用対策法のガイドラインでは、卒業後3年以内は新卒枠として積極的に採用するように呼びかけています。そのため、新卒での採用を希望する際には、3年を目安として考えましょう。
多浪のデメリットとは?
多浪すると、現役生と比べて予備校や受験の余分な費用がかかる点でデメリットといえます。また、遊びや趣味を我慢する場面も多いため、つらいと感じる人もいるでしょう。就職で考えると、三浪以上の場合は新卒扱いにならない可能性が高い点もデメリットです。
新卒扱いは何浪まで?
一般的に日本では、二浪までを新卒扱いとしている企業が多いです。面接の際に浪人の理由を聞かれるケースも少ないでしょう。三浪以上した場合には、新卒扱いにならない可能性が高くなり、浪人の理由を聞かれるケースもあります。浪人中に成長した点や大学時代の貴重な経験など、アピールできるエピソードを用意して、面接官に好印象を与えましょう。
浪人って何が辛い?
浪人は、大変な受験勉強をもう一度繰り返すのが辛いと感じる人も多いです。現役で進学した友人が大学生活を楽しんでいるなかで、自分は遊びや趣味を我慢しているという状況に、ストレスを抱える人もいるでしょう。前向きに受験勉強を続けるため、数ヶ月に1回程度は完全にオフな日を作って思いっきりリフレッシュするのも大切です。
浪人生が全落ちしたらどうする?
大学受験で全落ちして浪人をやめる場合には、基本的に専門学校への入学か就職です。しかし、全受験が終了したあとに専門学校か就職の検討を始めても、年度中に間に合わない可能性があります。そのため、最悪のケースを想定して、あらかじめ浪人継続の有無を検討して、必要な準備を進めておきましょう。
まとめ
就職という点で考えた場合には、新卒扱いとなる二浪以内で浪人生活を終わらせた方がよいといえます。
医学部志望の場合にも国立大は合格が大変難しいため、三浪以上となる前に私立大も視野に入れるとよいでしょう。
多浪した際には、浪人中や大学生活のなかで成長した経験をアピールできると、就職でプラスの印象を与えられる可能性もあります。
そのため、浪人中は実りの多い生活を過ごすために、全力で受験勉強に臨んでください。