【日本史編】関西大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) KANSAI
概要
関西大学の日本史は標準レベルの問題が多く出題される。また、全問マーク式のため全体的に平均点が高くなる傾向にある。
関西大学志望の生徒は、教科書での基本語句インプットを徹底し、「基本的な問題をどれだけ落とさず得点できるか」がカギになるだろう。
また、問題の特色として、地図問題がほぼ毎年出題される。語句を覚える際に、地名や国名が出てきた場合は普段から地図でチェックする癖をくけておきたい。11月以降は過去問で形式に慣れ、本番は8.5~9割を取れるようにしたい。
出題数
例年、大問4題、小問45~55問の範囲内で出題される。配点は100点。試験時間は60分で解答時間には余裕がある。
形式
全問マーク式。前提文や史料を用いて設問を配置する形式が中心であるが、会話文が使用されることもある。出題形式は、大問Ⅰ・Ⅱは語群選択、Ⅲは用語3択、Ⅳは用語選択や短文正誤が基本であるがなかには地図を使用した特定場所の選択や年表を利用するなどさまざまな形式も見られる。
出題傾向・入試傾向
大きく「時代」「分野」そして「その他」の3つに分けて話そう。
時代
日程ごとに大きく変動することがしばしばあることをまずは知っておいて欲しい。しかし、全日程を合計すると、例年、近世・近代からの出題が多く、合計で50%強を占める。
古代と中世は年度により若干の増減はあるが、それぞれ20%前後の出題である。原始・戦後は出題数が少なく、それぞれ10%未満程度である。ただし、戦後が大問で出題されることもある。
分野
日程ごとに変動することもあるが、全日程を合計すると、例年、政治・文化が多く出題され、合計で60%強を占める。
つまり、文化史問題、史料問題が多めである。
文化史問題に関しては宗教関連・学問関連など、時代別というよりはテーマ別で出題されることのほうが比較的多い。史料問題に関しては、初見の史料が出てくる場合も多いがリード文や問題文をよく読むと問われている内容はそこまで難易度の高いものではない。
リード文、問題文の丁寧な読解が必要になる。社会経済と外交は、それぞれ10%~20%程度である。
その他
テーマ問題と総合問題が出題されるが、ややテーマ問題が多い。また難易度は全体的に標準レベルで、そのうち難度の高い問題は全体の約10%程度である。
対策
- 日程間の難易度にあまり大きな差はなく、75点前後の得点を目指したい。
- 時代では近世・近代からの出題が多いが、古代・中世・戦後の学習も怠ってはいけない。
分野では政治と文化の占める割合が高い点に注意。日程によっては社会経済や外交からの出題が高い割合を占めることもある。
したがって、全時代・全分野を視野に入れて勉強すること。
- 地理的知識を問う問題は本学の特色の1つである。
五畿七道や旧国名を問う問題や、さまざまな時代の事項を地図上から選択させる問題が過去に出題されているので、教科書や資料集などで確認しておこう。
- 特定の地域をテーマにした問題では、文化遺産関係がしばしば取り上げられ、また、特定の人物の生涯を取り上げた人物史も頻出である。
このことを念頭におき、文化遺産や人物などに興味をもって日頃の学習に取り組むこと。
- 史料問題はすべての日程で出題されるものと考え、十分な対策を立てよう。
史料は頻出史料が中心であるが、未見史料も若干使用される。
まずは市販の史料集で頻出史料の基本事項の確認から学習を始めよう。
- 本学では、同一テーマが繰り返し出題されることがあるため、過去の問題の全日程5年分程度の研究が効果的な学習方法といえよう。
以上が「関西大学の日本史」の詳細である。
これを踏まえ、さらに推奨したい参考書を紹介する。
◆金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本 (東進ブックス)
「金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本」の使い方はコチラ!
この参考書は原始・古代史 中世・近世史 近現代史 文化史に分かれており
高校2年生から3年生の初めの受験初期に日本史という科目のイメージと大まかな流れ をつかむのに最適な参考書だ。
語り口調で書かれていて年表やユニークなイラストも 各所にあるので、初めて日本史を勉強する人にも取り組みやすい参考書だ。
細かい知識などの情報量が少ないという声もありますが、この参考書の使用目的はあくまで「なぜ」と「流れ」をつかむことなので
知識のインプットは次に紹介する「表解演 習書」などを使用すれば問題ない。
この参考書を使用する際に最も意識してもらいたいことは日本史の因果関係である。
具体的には「あの事件が起きたからこの制度ができたのか!」、「あの人が死んだからこの乱が起こったのか!」
というふうに意識できればこの参考書に限らず、すべての日本史の参考書において得られる知識がより深くより忘れにくくなること間違いない。
◆石川晶康 日本史B講義の実況中継
「石川晶康 日本史B講義の実況中継」の使い方はコチラ!
この参考書も金谷の日本史と同様に時代順に①~⑤(⑤は文化史)に分かれている。
語り口調で書かれていて、より詳しく日本史の流れがつかめる参考書だ。
使用するタイミングに関して
理想的な流れは金谷の日本史→石川の日本史ですが3年生から日本史の勉強を始める場合は金谷の日本史のみでも特に問題はない。
この参考書は基本的な流れをつかんでいることは前提で、主な使用目的はかなり詳しいところまで覚えるという参考書なのだ。
また語呂・系譜・写真・資料やよくある誤字も載っているので上手く使えば大きな力を発揮する参考書です。
※先にも述べたように本書は5冊に分かれているのでインプットした知識を持ち運ぶの には適さない。
本書で得た知識を別のインプット系の1冊の参考書に一元化することを徹底してほしい。
◆日本史B表解演習書 (東進ブックス)
「日本史B表解演習書」の使い方はコチラ!
この参考書は先の2冊とは異なり語句などのインプットが主な使用目的の参考書だ。
関関同立やセンター試験などで出題率の高い空欄語句補充をはじめ正誤問題対策にも力を発揮できる。
この1冊を完璧にすればセンター試験は9割・関関同立の入試でも7~8割は問題なく得点できる。
金谷や石川はどちらかといえば読み物系の参考書で冊数も多く、持ち運びには不向きだが
本書は1冊が2部構造になっていて1部目で流れをつかみ、2部目の表を使って情報をまとめることができる。
赤シートでチェックもできるなどの工夫がされているので通学途中の電車やバスの中でも手軽に開け、気になった事柄をすぐに確認できる。
だが、この参考書に限らず1冊にまとめられた参考書は細かい知識の省略が多いのも 事実である。
ではどうすればいいのだろうか?
答えは知識の一元化である!
省略された知識は用語集や資料集や模試の解説からコピーしたり、書き写すなどして表解演習書に一元化すればいい。
具体的にいうとこの参考書には資料が載っていないので、金谷・石川の日本史などからコピーして貼るといいだろう。
どんな参考書にも書いていること書いてないことがあり、その書いてないことを書き込み
自分だけの最強の1冊を作ることが日本史に限らず暗記科目の最短のルートだ。
◆日本史用語集(山川出版)
「日本史用語集」の使い方はコチラ!
入試に出てくるほとんどの問題は、標準的な問題だ。
もしくは、NEW石川の日本史 をやっていれば対応できる。
しかし、ときにはとても難易度の高い用語や、正誤問題に出くわすこともある。
そんな時にこの用語集を見て、その用語をチェックしてほしい。
ほとんどの確率でその用語が載っているはずだ。
この用語集の使用目的は、インプットで使用した参考書の網羅しきれていないところの補足に使用してほしい。
補足した情報を自分の参考書に一元化してもよいだろう。
この用語集に書いてあることまで完璧にすれば、関関同立の問題で苦しむことはない。
1度調べたものには線を引くなどをしてもよいが、次に見返すことは凄く手間がかかるので、調べた用語はたくさん回す参考書に一元化せよ。
◆資料集 (学校で配布されたもの)
「山川 詳説日本史図録」の使い方はコチラ!
資料集だけを使って勉強しても覚えたり、理解したりするのは難しい。
しかし、資料集というのは資料や地図に加えて、かなり詳しい情報まで載っている。
なによりも社会科目では資料集を何度も開き、イラストで頭にインプットするということが非常に大事である。
そのためには資料集を使わない手はないだろう。
とにかく、わからないこと・興味のあることは遊び感覚で何度も資料集でイラストを見る。
これは社会科目すべてに通じる非常に重要な学習だ。
◆日本史B 一問一答 -完全版 (東進ブックス)
「日本史B一問一答【完全版】2nd」の使い方はコチラ!
その名の通り日本史の1問1答の完全版だ。
レベルは基礎用語からマニアレベルの用語まで幅広く載っている。
1通りインプットが完成した夏以降にインプットからアウトプットへの橋渡しとして使用するのがよいだろう。
またよくある誤字も載っているので同志社・立命館を受験する人は漢字まで意識して使用すること。
しつこくなるが1問1答を使用してあいまいな知識や知らない知識を見つけたらそのたびに、表解演 習書で確認・一元化を徹底的にして知識を定着化させよう。
以上が【関西大学の日本史】入試傾向と対策、合格するための勉強法である。
関連:【関西大学の英語】入試傾向と対策はコチラ!
関連:【関西大学の国語】入試傾向と対策はコチラ!