【化学編】関西大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) KANSAI
はじめに
関西大学の理科は日程によって受験方式が変わるので、自分の受ける日程によって過去問演習で使用する問題を分けなければいけないので、注意が必要である。
ただし、全学部日程と学部個別日程についてはほぼ同一の形式なので、相互で使用しても問題はない。
概要
全学部日程
・試験時間 90分(理科2科目)
・満点 250点(理科1科目当たり100点、合計200点)
・問題数 年度によって異なるが、20~25問程度
・形式 マークセンス方式と記述式(化学反応式,計算結果)
・構成 大問2問
内容は年度によって異なる。
2014年度は
シリカゲルの生成と水蒸気の吸着 [2]不均一混合物の蒸気圧と沸点、水蒸気蒸留 [3]C9H10の異性体,C4H8O2の加水分解生成物、
カルボン酸の元素分析
2013年度は
[1]アルカリ土類金属単体の性質、Ca化合物の反応と含有量
[2]平衡定数、条件の変化と平衡移動 [3]C6H14およびC6H13Clの異性体と不斉炭素
[4]元素分析と分子式の決定、芳香族化合物の性質と構造決定
いずれの問題にも計算問題を含む。
学部個別日程(理科1科目選択方式)
・試験時間 75分
・満点 150点
・問題数
・形式 記述(穴埋め)とマークセンス方式
・構成 大問3問
内容は年度によって異なる。
問題は理科2科目選択方式と同じ。
学部個別日程(理科2科目選択方式)
・試験時間100分(理科2科目)
・満点 200点(理科2科目(合計大問6問)のうち4問選択)
・形式 記述(穴埋め)とマークセンス方式、まれに描図問題
・構成 大問3問(2013年2月2日と2012年2月1日は6問)
内容は年度によって異なる。
過去に出題された問題は
Siの性質、結晶格子、金属イオン分離、物質の状態変化、電離平衡、有機化合物の構造決定と反応、典型元素の総合問題、イオン結晶の構造、気体の平衡、同位体比率、熱化学と平衡移動、密度と濃度
ヘンリーの法則、油脂、結晶の性質、金属結晶、イオン結晶、Znの反応と性質、化学的酸素要求量、混合気体、理想気体と実在気体、不飽和ジカルボン酸の構造推定、エステルの構造推定
電子配置、化学結合、結晶構造、Si単体と酸化物、非金属単体酸化力、金属単体の反応、接触法、オキソ酸と中和反応、気体の性質と製法、再結晶法、濃度、鉛蓄電池
酢酸の電離平衡、緩衝液、熱化学、蒸気圧、混合気体、気体の平衡とルシャトリエの原理、燃焼熱、原子の構造、電子配置、化学結合、金属陽イオンの反応と性質
混合気体の全圧と分圧、固体の溶解度、炭化水素の性質と反応、芳香族エステルの構造決定、アルミニウムの性質と反応、リチウムの性質と反応、アルカリ土類金属の性質と反応
反応熱、酸化還元反応と酸・塩基反応、水酸化ナトリウム水溶液の電気分解、気迫溶液の性質、化学平衡、気体の密度、濃度計算、混合気体の燃焼熱、反応速度、活性化エネルギー
アルキンの構造決定、有機化合物の分離、脂肪族エステルと芳香族エステルの構造決定
いずれの問題にも計算問題が含まれている。
後期日程
・試験時間 75分
・満点 150点
・問題数
・形式 全てマークセンス方式
・構成 大問5問
希薄溶液の凝固点降下、冷却曲線、アンモニアと硝酸の工業的製法、Na2CO3とNaOHの混合物に対する二段階中和滴定
エステルの構造異性体、メチルオレンジの合成、原子の構造、同位体、同素体、分子間の結合、溶解度積、銅の電解精錬、化学反応速度、活性化エネルギー、芳香族ジエステルの構造決定
多くの問題で計算問題が含まれている。
傾向と対策
どの日程においても理論化学・無機化学・有機化学の各分野からまんべんなく出題されているが、後期日程では無機化学が出題される頻度は低くなっている。
ただし、いずれの分野においても難問といわれるものはほとんど出題されていないため、基礎から標準的な内容をしっかり押さえておけば解ける問題がほとんどである。
参考)
・「岡野の化学が初歩からしっかり身につく」
まずはこの参考書を使って必要な知識をインプットしていきましょう。
くれぐれも書いてあることを全部丸暗記しようとしないことです。
化学は規則を覚えてしまえば芋づる式にいろいろなことを覚えられるようになるので、まず最低限必要なことを頭に刻み込んでおきましょう。
使用する順は必ず左から順番にしてください。
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参考)
・化学(化学基礎・化学)基礎問題精講
・化学(化学基礎・化学)標準問題精講
一通りインプットが終わったら、この2冊を使ってアウトプットをしていきましょう。
基礎問題精講の基礎は簡単な問題という意味ではなく、入試問題の中の基礎という意味です。
決して簡単なだけの問題は載っていないのでしっかり基礎力をつけておきましょう。
標準問題精講もレベルは入試の標準レベルなので、ほとんどの難関大学に対応できるようになります。
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以下、分野別に傾向を見ていくことにします。
理論化学
すべての日程を通して、理論化学が多めに出題されています。
さらに化学基礎・化学いずれの範囲からもまんべんなく出題されているので、苦手分野をつくらず何が出題されても対応できるようにしておきたい。
また、すべての日程で基本的に計算問題が出題されている。
理論化学は計算問題の比重が大きい分野なので、ややこしい計算問題が出題されても対応できるようにしておく必要がある。
計算結果を記入する方式もあるので、複雑な計算にも慣れておくようにしましょう。
参考)
「鎌田の理論化学の講義」
理論化学を得意分野にしたい人やどうしても理論化学が苦手だという人はこの参考書をやってみてください。
詳しく書かれているので、わからなかった原因を解決してくれる1冊です。この参考書をやりこめば理論化学は無問題。
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無機化学
理論化学・有機化学と比べると比較的出題数が少ない分野です。
ただし、無機化学はそれそのものを大問として問われることよりも、理論化学の問題の中で問われることが多いので、無機化学の出題数が少ないからといっておろそかにしないことが重要になります。
また、記述式で解答する問題の中に化学反応式を書くことが求められる問題が出題されています。
化学反応式は丸暗記するものと思っている人が多くいると思いますが、化学反応式は丸暗記するものではありません。
化学反応式は数少ないパターンのどれに当てはまるのかを考えて、反応前の物質と反応後の物質さえ覚えていれば化学反応式をつくれるようにしておきましょう。
参考)
「福間の無機化学の講義」
丸暗記しなければいけないと思っていた化学反応式の作り方をしっかりと教えてくれます。
無機化学の知識の整理もバッチリなので、この参考書があれば無機化学に敵はいません。
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有機化学
有機化学も理論化学同様、すべての日程を通して大きな比重を占めています。
有機化学でも計算問題が出題されるが、有機化学の計算問題は解答が選択式になっています。
ただし、計算方法を勘違いしていると不正解の選択肢を選んでしまうことがあるので、計算方法はしっかりと確認しておく必要があります。
有機化学で出題される記述式の問題は、構造式を書くものがほとんどです。
構造式も化学反応式と同様に、全て丸暗記してしまおうという人が多いところですが、構造式をでたらめに丸暗記することなんて不可能です。
構造式もパターンを覚えてしまえばよほど特殊なものが出題されない限り自分で作ることができます。
できるだけ覚える量を減らして、その分応用問題が出題された時に対応できるようにたくさん問題を演習するようにしてきましょう。
参考)
「鎌田の有機化学の講義」
有機化学の構造式を書く問題は、関西大学では頻出の問題です。
この参考書で有機化学の知識をしっかり整理して、丸暗記ではなく自分で考えて構造式を書けるようにしておきましょう。
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ひとしきりインプット・アウトプットが終わったら、後は過去問で演習するだけです。
しかし、理系の科目の過去問は文系科目ほど量がありません。そんな時にはこの問題集を使用してください。
「化学入試問題集」
全国の大学の化学の入試問題から、良問を選出してつくられている問題集です。
超難関大学を除いて問題のレベルはほとんど同じです。
いろいろな大学の問題を解いて、どんな問題が出ても対応できるようにしておきましょう。
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