日本史の勉強法はどう変えれば成績が伸びる?覚え方の盲点
更新日: (公開日: ) COLUMN
一問一答を何周もしているのに、模試で正誤問題や説明問題が出ると急に手が止まる。そんな経験をしている受験生は少なくありません。
日本史の勉強法は、講義系参考書と一問一答を併用し、用語を説明できる状態に変えると成績が伸びます。用語を覚えたはずなのに共通テストになると得点が伸びない場合、用語を単語として覚えただけで止まっているサインです。
この記事では、日本史の勉強法のどこを変えれば成績が伸びるのか、インプットの正しい順番から問題演習の回し方、直前期の対策の切り替え方まで解説します。
この記事でわかること
- 日本史の成績は、用語を単語のように覚えるのではなく人に説明できる状態に変えることで伸びること
- 一問一答だけに頼る勉強法が共通テスト・私大どちらでもNGな理由
- 講義系参考書と一問一答を役割分担して使う具体的な手順
- 直前期に問題演習とインプットの比重をどう切り替えるか
日本史の勉強法は用語を説明できる状態を目指す
日本史の勉強法で見るべき基準は、覚えた用語の数ではなく、その人物や出来事が何をしたかを自らの言葉で説明できるかです。

日本史は暗記科目だといわれますが、用語だけを単語のように並べて覚える勉強法では、模試や共通テストで得点になりません。
私自身、受験生の頃は「1192年に鎌倉幕府」という年号の丸暗記だけで満足していました。ただ、鎌倉幕府がどのような経緯で成立したのかを説明できないまま試験を迎え、点数には結びつきませんでした。
用語をバラバラに覚えるのではなく、出来事のつながりのなかで理解しながら覚えていく過程を経て、はじめて問題で使える知識に変わります。この「説明できる状態」こそが、講義系参考書の読み込み方にも、一問一答の使い方にも共通して当てはまる軸になります。
日本史の勉強法で一問一答だけがNGな2つの理由
日本史の勉強法を一問一答だけで完結させると、共通テストでも私大の一般入試でも得点が伸びにくくなります。理由は大きく2つあります。
正誤問題や説明問題に対応できなくなるから
一問一答は用語を単独で覚えるのに特化した教材のため、複数の知識を組み合わせて問われる正誤問題や説明問題に対応しづらくなります。
共通テストでは、資料や会話文をもとにした説明的な出題が中心になり、私大に多い「リード文の空欄に当てはまる用語を選ぶ」形式はほとんど出ません。一問一答だけを繰り返していると、用語は覚えていても、それが何を意味するのかを問う設問には対応できなくなります。
進捗をこなすだけで習熟度が伸びないから
参考書を何周したかという進捗度だけを追う勉強法では、実際に問題が解ける習熟度は伸びません。
一問一答を1000問終わらせた、というのは進捗の記録にすぎず、その用語が何を意味するのか説明できるかとは別の話です。進捗度と習熟度は別の指標であり、日々の勉強で確認すべきなのは後者です。
日本史の勉強法は共通テストと私大で対策が変わる
共通テストと私大の一般入試とでは日本史の出題形式そのものが違うため、勉強法の重心を出願先に合わせて変えなくてはなりません。現在の共通テストは科目名が「歴史総合、日本史探究」に変わっていますが、求められる力の方向性は資料読解・思考力寄りで一貫しています。
| 観点 | 共通テスト | 私大(一般入試) |
|---|---|---|
| 主な出題形式 | 資料・会話文をもとにした正誤問題・説明問題 | リード文の空欄に当てはまる用語を選ぶ問題 |
| 求められる力 | 出来事の背景やつながりを読み取る力 | 用語そのものを正確に覚えている力 |
| 一問一答だけで学習した場合 | 説明的な設問に対応しづらい | 用語を選ぶ問題には対応しやすい |
共通テストは資料読解と説明問題の比重が増えている
共通テスト(歴史総合、日本史探究)では、資料や会話文から情報を読み取らせたうえで説明的に問う出題が中心になっています。
近年の共通テストでは、表・グラフ・文章など複数の資料から情報を読み取らせる出題が定着してきています。私大の一般入試に多い、リード文ありきの空欄補充で用語を選ぶ形式とは求められる力の方向性が違うため、志望校に応じて対策の重心を調整する必要があります。
日本史の勉強法におけるインプットの正しいやり方
日本史のインプットは、講義系参考書で流れをつかみながら一問一答で用語の重要度を確認するという、2つの教材の役割分担で成り立ちます。具体的な使い方は次の4つのステップに分けられます。
講義系参考書と一問一答は役割が違うから併用する
講義系参考書と一問一答は役割が違うため、同時進行で併用するのが正しい使い方です。山川出版社の教科書や石川晶康の実況中継のような講義系参考書は、出来事の背景や流れを説明する役割を担います。
一方の一問一答は、個々の用語が入試でどれくらいの頻度で問われるかという重要度を確認する役割です。片方だけでは、流れは分かっても重要な用語の抜けに気づけない、あるいは用語は覚えても背景が説明できない、という状態になります。
講義系参考書は流れを説明できるまで読み込む
講義系参考書は、通読して満足するのではなく、内容を自らの言葉で説明できるようになるまで読み込む教材です。おすすめは山川出版社の教科書か、石川晶康の実況中継です。
金谷俊一郎の「なぜ」と「流れ」がわかる本のような読み物系の教材も悪くありませんが、流れはわかりやすい一方で扱っている知識量が薄い場合があるため、これだけで共通テストの得点に直結するとは考えないでください。
一問一答は赤シートで隠さず用語に印をつけて使う
一問一答は、赤シートで答えの用語を隠す使い方ではなく、用語の側にマーカーで重要度の印をつける使い方が正しいやり方です。例えば講義系参考書を読んでいて「藤原道長」という人名が出てきたら、一問一答でその用語がどのランクで出題されるかを確認します。
入試で必ず押さえておきたい用語だと分かれば、講義系参考書の該当箇所に線を引き、印をつけます。この印は赤シートで消せる必要はなく、蛍光マーカーで十分です。
覚えた用語はその人物が何をしたか声に出して説明する
印をつけた用語は、赤シートで文章側を隠して、その人物が何をしたのかを声に出して説明できるかを確認します。藤原道長であれば、摂関政治の内部で勢力争いが続いていたなかで、道長がどのような経緯で台頭し、政治を安定させたのかを説明できる状態がゴールです。
用語だけを取り出して覚えるのではなく、文章を読みながら「この人物は何をしたのか」を頭のなかで説明する練習を、講義系参考書でも一問一答でも徹底してください。

日本史の勉強法における問題演習の進め方
問題演習は、解いて終わりにせず、間違えた範囲をインプット教材に戻って復習する流れを繰り返す中で得点力に変わっていきます。具体的な進め方は3つの段階に分けられます。
週1回のペースで問題を解き復習する
問題演習は、週1回のペースで解いて、出題された時代やテーマを1週間かけて復習し直すサイクルが基本です。
問題集や過去問を解いたら、間違えた大問で出題された時代やテーマをその週のうちに復習し、1週間後にまた別の回を解きます。このとき、間違えたその人物だけを覚え直すのではなく、その時代全体を丸ごと復習し直す必要があります。
個別の用語だけを埋め直しても、同じ時代の別の切り口で問われたときにまた対応できなくなります。

過去問は基礎知識が固まってから取り入れる
過去問は、英語・国語など他教科の基礎がある程度固まったうえで、2日に1年分ほどのペースで取り入れるのが目安です。1日で1年分を解き、翌日に復習し、余った時間でインプット教材の該当範囲を見直す、というサイクルが目安になります。
ただし、この2日に1回というペースは、英語や国語のように基礎が固まっている教科を前提にした話です。日本史などの選択科目で過去問の得点が5〜6割程度にとどまっている場合は、そもそもインプットが不足しているサインなので、過去問中心の演習に切り替えず、インプットの時間を優先してください。
間違えた大問はインプット教材に戻って埋め直す
過去問や問題集で間違えた大問は、分野を特定したうえでインプット教材の該当範囲に戻って埋め直します。満点を取れず全体的にまんべんなく失点している場合は、知識そのものが足りていないサインです。
特に入試でほぼ着実に出題される頻出分野を優先して埋め直し、9割近くまで得点を仕上げるほうが、手薄な分野まで広く手を伸ばすよりも効率が良く、演習のたびに一喜一憂しにくくなります。
共通テスト日本史の勉強法は直前期にどう変えるか
共通テスト本番の1か月前からは、日々の学習を予想問題集を軸にしたサイクルに切り替えます。直前期の具体的な進め方は2つに分かれます。
予想問題集で出た時代を復習するサイクルを回す
直前期は、予想問題集を週1回解いて、出題された時代を1週間かけて復習し直すサイクルを4週間続けます。問題演習の基本サイクル自体は通年の勉強法と変わりませんが、直前期は素材を過去問ではなく予想問題集に切り替えるのがポイントです。
1週間で1セットを解いて出題された時代・テーマを復習し尽くし、これを4週間続けるうちに、共通テスト特有の出題形式に体が慣れていきます。
基礎が甘いならインプットの比重を増やす
過去問や予想問題集で5〜6割程度にとどまっている場合は、演習量を確保しながらもインプットの比重を増やす調整が必要です。
特に現役生で日本史などの選択科目の完成度が甘い場合、英語や国語と同じ2日に1年分というペースで過去問・予想問題集を進めると、演習をこなすだけで知識が積み上がらない状態になります。演習の量自体は確保しつつ、インプットに割く時間を増やす、という調整を意識してください。
日本史の勉強法は習熟度の確認で決まる
日本史の勉強法の成否は、参考書をどれだけこなしたかではなく、習熟度をどれだけ確認できているかで決まります。
参考書学習で自分なりに覚え方を工夫しながら勉強している受験生は、能動的にインプットができているため、問題演習で説明問題や正誤問題が出たときにも「こう聞かれたらこう答える」という発想の転換ができます。
一方で、映像授業のインプットだけに頼り、先生がまとめた内容をそのまま受け取っているだけの状態では、単純暗記に近くなります。この状態が続くと、同じ出題形式の変化についていけなくなります。
頑張っている感覚があるうちは基準が足りていない
頑張っている感覚が消えないうちは、日本史の勉強法の基準がまだ足りていないサインです。
受験相談の場では、実際に合格していく受験生ほど「1日14時間ぐらいはやっています」ということを、当たり前の顔で口にします。
「頑張っているのに成績が伸びない」と感じている間は、自らにとっての当たり前の基準がまだ低い可能性があります。厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、基準を正直に伝える姿勢が、遠回りを防ぐ一番の近道です。
自らの勉強法が講義系参考書と一問一答を役割分担できているか、進捗度だけを追ってしまっていないかは、一人で振り返るよりも、第三者と一緒に確認したほうが気づきやすいものです。
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