予備校の選び方で失敗しない本当の決め手は指導形式でなく何か?
更新日: (公開日: ) COLUMN
予備校選びの決め手は、個別指導・集団授業・映像授業のどれを選ぶかではありません。自学自習を逆算管理する仕組みが機能しているかです。
「個別指導と集団授業、どちらが自らに合っているのか分からない」「映像授業は自由度が高い分、続けられるか不安」。こうした声は、予備校選びを検討する受験生からよく聞かれます。
指導形式の好き嫌いだけで比較を終えてしまうと、入塾してから思うように成績が伸びず、後悔する受験生が少なくありません。
この記事では、予備校の指導形式ごとに見極めたい視点と、指導形式を問わず確認しておきたい自習管理の仕組みについて解説します。
この記事でわかること
- 指導形式の違いより自習管理の仕組みが合否をわける理由
- 個別指導・集団授業・映像授業それぞれで見極めたい視点
- 予備校選びで自習管理の仕組みを確認する2つの方法
- 自らに合う予備校を判断するために次にとるべき行動
予備校選びの決め手は指導形式でなく自習管理の仕組み
予備校の選び方の決め手は指導形式でなく、自習を逆算管理する仕組みがあるかです。
個別指導・集団授業・映像授業という指導形式の良し悪しよりも、この仕組みの有無が合否をわけます。関関同立合格に必要な学習時間は合計で約1,500時間、そのうち塾の授業・映像授業にあたるのは約500時間にとどまり、残り約1,000時間は自習にあてる時間です。合否のおよそ3分の2は、授業以外の時間の使い方で決まっているといえます。
個別指導・集団授業・映像授業を比較するとき、通いやすさや講師との相性、費用といった条件から選びやすいです。ただし、その予備校が自習の時間をどう管理しているかを見落とすと、指導形式が自らに合っていても成績は伸びません。
指導形式ごとの特徴を理解したうえで、自習管理の仕組みまで確認する。これが、予備校選びで失敗しないための出発点です。

予備校の指導形式だけで合否が決まらない2つの理由
指導形式だけで合否が決まらないのは、授業を受けるだけでは実力がつかず、合格者ほど授業以外の自習に時間をかけているからです。この理由は大きく2つに分けられます。
授業を受けただけでは合格点は伸びない
授業の質がどれだけ高くても、聞いただけの状態では合格点は伸びません。
集団授業を担当する講師の多くは、生徒からの評価がそのまま自らの評価につながる立場にあります。プライドを持って授業に臨んでいる講師ほど、生徒に「わかった」と言わせる技術を持っています。
ただし、「わかった」という感覚と、自力で問題を解ける状態の間には差があります。授業を受けた直後は理解できた気持ちになっても、時間を置いて同じ範囲の問題を解くと手が止まる、という状態は珍しくありません。授業は理解のきっかけにすぎず、そこから先の定着は自らの演習量にかかっています。
合格者ほど授業以外の自習に時間をかけている
実際に合格していく受験生ほど、授業時間よりも自習に費やす時間の方が圧倒的に長いです。
関関同立合格に必要な約1,500時間のうち、塾の授業・映像授業にあたるのは約500時間、残り約1,000時間は自習です。時間の配分だけを見ても、合否をわけているのは授業の外側にある時間だと分かります。
だからこそ、予備校を比較するときに「授業がどれだけわかりやすいか」だけで判断すると、合否をわける残り3分の2の時間を見落とすことになります。指導形式を選ぶ前に、その予備校が自習の1,000時間をどう管理しているかを確認してください。
個別指導型の予備校を選ぶときに見極めたい2つの視点

個別指導を選ぶ際に見極めるべきは、講師との相性ではなく、カリキュラムが合格から逆算して組まれているかです。見極めたい視点は2つあります。
パンフレットでカリキュラムの逆算設計を確認する
入塾前に確認できる最初のポイントは、パンフレットにある料金説明とカリキュラムが、志望校からの逆算で組まれているかです。個別指導と一口にいっても、大きく2つのタイプに分かれます。
1つは、生徒の苦手なところをその都度取り上げるだけで、年間を通じた計画が明確でないタイプです。
もう1つは、志望校合格までの期間から逆算し、いつまでに何を仕上げるかというカリキュラムをあらかじめ組んでいるタイプです。
前者は、目の前の苦手をつぶすこと自体に意味がないわけではないものの、受験までの時間が限られているなかでは、対策すべき範囲に間に合わなくなるおそれがあります。パンフレットで料金体系とあわせてカリキュラムの説明を受けたときに、「いつまでに何を終える設計か」を答えてもらえるかで、この2つのタイプを見分けられます。
講師がその日の課題を逆算してすぐ答えられるか確認する
入塾後に確認したいのは、講師が「今日は何をやるべきか」を逆算してすぐ答えられるかです。
逆算ができている講師は、志望校の試験日から逆算して「来週までにここまで仕上げる」「そのために今日はこの範囲をやる」とすぐに答えられます。
反対に、「今日は何をしましょうか」「どこが苦手ですか」と生徒に聞くところから授業がはじまる場合、逆算されたカリキュラムが機能していないサインです。体験授業や個別相談の場で、この違いを確認してください。
集団授業型の予備校を選ぶときに注意したい2つの視点
集団授業を選ぶ際に注意したいのは、講師の質そのものよりも、科目ごとの宿題量が調整されているかです。注意したい視点は2つあります。
講師の質は競争意識である程度担保される
集団授業を担当する講師の指導力は、競争にさらされている分、ある程度担保されています。
集団授業の講師は、生徒からの人気や評価がそのまま次の授業の依頼につながる立場にあります。わかりやすい授業を提供できなければ、その場所で教え続けられません。
このため、集団授業を長く担当している講師のなかには、自らの教え方に強いこだわりを持っている人もいます。無名の予備校であっても、指導力の高い講師に出会える可能性はあります。実際に体験授業を受けて、自らの目で確かめることが確実な確認方法です。
科目ごとの宿題量が調整されず偏りやすい
集団授業で注意したいのは、科目ごとの講師がそれぞれの判断で課題を出すため、宿題量が全体で調整されず偏りやすい点です。
集団授業では、科目ごとに別の講師が授業を担当します。英語の講師は英語の成績で、物理の講師は物理の成績で評価されるため、それぞれが自らの科目の課題を優先して出す構造になりやすいです。
その結果、ある科目の課題に時間を取られ、ほかの科目の勉強時間が削られてしまう受験生が出てきます。集団授業を選ぶ際は、科目間の宿題量を調整する担当者がいるかを、体験授業や説明会で確認しておくと安心です。
映像授業型の予備校を選ぶときに見落としがちな2つの視点

映像授業を選ぶときに見落とされがちなのは、講師との相性を事前に確認できる点と、視聴ペースの管理が緩むと演習量が不足しやすい点です。見落としがちな視点は2つあります。
体験動画で講師との相性を事前に確認できる
映像授業は、体験動画を通じて講師との相性を事前に確認できる点で、個別指導や集団授業より優れています。
集団授業の講師は、実際に1回授業を受けてみないと自らに合うか判断しづらいものです。一方、映像授業の多くは、入塾前に体験動画を公開しています。90分ほどの体験動画を見れば、話し方のテンポや説明の分かりやすさが自らに合うか、入塾前に判断できます。
ペース管理が緩いと演習量が不足しやすい
映像授業で見落としがちなのは、視聴のペースを自分で管理しなければならず、管理が緩むと演習量が一気に不足する点です。
映像授業は、決められた時間割がある集団授業とは異なり、自らの都合で視聴時間を調整できます。この自由度の高さは長所である一方、週1回のペースで見るはずが2週間に1回になり、倍速再生で見た内容をこなした気になってしまう状態に陥りやすい面もあります。
映像授業を提供する予備校の多くには、視聴の進み具合を確認するチューター制度があります。ただし、その面談が月1回程度にとどまる場合、ペースの乱れに気づくまでに時間がかかります。視聴頻度をどのくらいの間隔で確認してもらえるかは、入塾前に確認しておきたいポイントです。
予備校選びで自習管理の仕組みを確かめる2つの視点
指導形式を問わず最後に確かめたいのは、自習を管理する仕組みが実際に機能しているかです。確かめたい視点は2つあります。
課題を出す頻度と管理者の有無を確認する
まず確認したいのは、だれが・どのくらいの頻度で自習の課題を管理しているかです。
個別指導・集団授業・映像授業のいずれであっても、科目ごとの講師がそれぞれ課題を出す仕組みでは、生徒全体の負荷を見渡す担当者が不在になりやすいです。
私たちマナビズムでは、この課題に向き合うため、科目担当の講師が授業内で課題を出す仕組みをやめました。かわりに、1対1のコンサルタントが全科目の課題量を把握し、バランスを見ながら自習の指示を出す体制にしています。予備校を選ぶときは、こうした「全科目の負荷を横断で見る担当者」がいるかを確認してください。
進捗度でなく習熟度を毎回確認する仕組みがある
もう1つ確認したいのは、こなした量である進捗度ではなく、実際に解けるか・説明できるかという習熟度を毎回確認する仕組みがあるかです。
参考書を1周終えたという達成感だけでは、その範囲が身についた証拠にはなりません。初見の問題を解けるか、人に説明できるかという習熟度を確認してはじめて、自習の成果を測れます。例えば、英文法の問題集を1周終えて内容に慣れても、少し日を置いて同じ範囲の問題を白紙の状態で解き直すと、解法を思い出せず手が止まる場面があります。
進捗度だけを追いかける自習では、こなした量に安心してしまい、実際に得点できるかの検証が後回しになります。予備校を選ぶときは、アウトプットテストや小テストなど、習熟度を確認する機会が定期的に用意されているかを確認しておくと安心です。
指導形式ごとに、自習管理で起こりやすい課題と確認したいポイントを整理すると、以下のようになります。
| 指導形式 | 自習管理で起こりやすい課題 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 個別指導 | カリキュラムが逆算で組まれておらず、自習の指示が曖昧になりやすい | パンフレットのカリキュラム説明と、講師がその日の課題を即答できるか |
| 集団授業 | 科目ごとに講師が別々に課題を出し、宿題量が偏りやすい | 科目間の宿題量を調整する担当者がいるか |
| 映像授業 | 視聴ペースが自己管理任せになり、演習量が不足しやすい | 視聴の進み具合を確認する頻度と担当者の有無 |
自らに合う予備校を選ぶにはまず受験相談で確かめよう
自らに合う予備校を選ぶ一番確実な方法は、実際に受験相談を受けて、自習管理の仕組みをその場での確認です。
パンフレットや公式サイトの説明だけでは、逆算カリキュラムの有無や、科目間の宿題調整、習熟度を確認する仕組みまで細かく判断するのは難しいものです。実際に相談の場で「自習の課題はだれが管理しているか」「進捗度でなく習熟度をどう確認しているか」を質問してください。
私たちマナビズムの受験相談は無料です。入塾を前提にせず、自らの勉強の悩みが解消できるかを確認しに来るだけでかまいません。公式LINEに登録すると、関関同立の英語傾向をまとめたカンカン同立バイブルや、参考書の使い方をまとめた参考書ガイドブックも無料で受け取れます。
よくある質問(FAQ)
予備校と塾の違いは何ですか?
予備校は主に大学受験対策に特化し、志望校のレベル別に授業が分かれている学びの場です。一方、塾は小中学生から高校生まで幅広い学年を対象に、学校の授業や定期テストの補習を扱うことが多く、対象範囲や指導内容が重なる部分もあります。
大学受験を控えている場合は、名称にこだわるより、志望校からの逆算カリキュラムと自習管理の仕組みがあるかで判断してください。
予備校にはいつから通うべきですか?
開始時期に絶対の正解はありませんが、始める時期が遅いほど、1日あたりに必要な自習時間は長くなります。
合格に必要な学習時間から逆算すると、高2の時点ではじめるか、高3から本格的にはじめるかで、1日にこなすべき勉強量は変わります。「まだ早い」と先延ばしにするより、今日から逆算した計画を1つ立てることの方が、通いはじめる時期を考えるより優先度の高い一手です。
個別指導と集団授業はどちらが向いていますか?
どちらが向いているかは、好みや性格よりも、自習管理の仕組みが自らに合っているかで判断すべきです。
個別指導は自らのペースに合わせやすい一方、カリキュラムが逆算で組まれているかを見極める必要があります。集団授業は競争のなかで講師の質がある程度担保される一方、科目間の宿題量が調整されているかを確認する必要があります。どちらの形式でも、自習管理の仕組みが機能していれば、成果につながります。
独学でも大学受験に合格できますか?
条件が整えば可能ですが、受験生にとって簡単な道ではありません。
独学で結果を出すには、試験日から逆算した週次の計画を自分で立てられること、こなした量ではなく解けるかで自らの理解度を確認できること、この2点を自力で継続できる必要があります。この2点を自分だけで担保するのが難しいと感じる場合は、予備校や塾で自習管理のサポートを受けることを検討してください。