大学受験のプロが教える【小論文対策におすすめの参考書9選】

更新日: (公開日: JAPANESE

小論文は人によって得意・苦手の差が大きい分野。
作文とは似て非なるものなので、もともと文章を書くのが得意でも、小論文で高得点が取れるとは限りません。

試験方法によっては、小論文の点数が評価の半分ほどを占めることもあるので、受験前にしっかりとした対策が必要です。今回は、小論文の勉強方法と、おすすめの参考書9選をご紹介します。

「小論文」とは?

大学のAO入試・推薦入試や一部の一般入試では、受験科目として「小論文」が課されることがあります。面接や内申書と小論文のみで合否が決まることも多いため、そういった試験方法を利用する場合は、小論文は総評価の1/2~1/3をも占める重要な要素です。

英語や数学といった科目の試験勉強とは性質は異なりますが、小論文もしっかり対策をして、準備しておく必要があります。

作文との違い

作文と小論文の違いは、「個人の感想や表現力」ではなく「論理性や説得力の高さ」が重視されることです。基本的に、小論文は「テーマ・課題に対する意見→それは何故なのかという理由」を書くもので、読む人を説得することが主目的となっています。

対して、作文には決まった構成はなく、出来事や、個人が抱いた感想などを伝えるものです。
小論文で高得点を狙うためには、言い回しや発想自体にこだわるより、書く内容にいかに説得力を持たせるかがポイントとなります。

小論文の流れ

小論文は、「序論・本論・結論」という3段構成で書いていきます。これ以外の構成が無いというわけではありませんが、大学受験の小論文で高得点を狙うなら、この基本構成を踏襲するのがベターです。

序論とは、小論文全体で書いていくテーマである問題提起や、意見の提示。
本論は3段構成の中で一番長い部分で、なぜ自分はそのような意見を主張するかという理由を説明するパートです。最後に、結論としてもう一度自分の意見を述べたり、まとめ、対策・解決策の提示などを行ったりします。

いつから勉強し始めるべき?

小論文の対策は、なるべく早くから始めるのが理想です。競争率の高い推薦入試を目指すなら、高校1年の段階から評定平均などを意識していくと思います。ターゲットを推薦入試に絞るなら、それを意識した時点から小論文対策も始めておくのが得策です。

対して、高校3年の1月や夏頃など、具体的な受験方法を意識したり、小論文を実際に書く直前になって対策を始めたりする人もいます。決して遅すぎるというわけではありませんが、発想力や表現力は実践を繰り返すほど磨かれるので、短期間で準備をするならそれなりにハードな演習が必要になります。

小論文参考書の選び方

小論文の参考書は、自分の弱点と志望校の出題パターンを基準に選ぶのがおすすめです。

自分の弱点をチェック

小論文が苦手な方は、まずは小論文を一つ書いてみて、自分に何が足りないのかを把握しましょう。
「書きたいことはあるけど、どう書けば伝わるかわからない」「そもそも書きたいネタがない」「語彙力がなくて表現しきれない」など、書いていて困ったところが弱点です。

小論文の書き方がわからない方は、基本の構成を解説した参考書。書きたいネタや知識、語彙力がない方は、教養や時事問題の知識をつける参考書や書き込み式の問題集がおすすめです。

小論文の傾向・パターンをチェック

小論文の対策方法は、文字数やテーマなど出題の傾向・パターンによっても異なります。過去問をチェックして、自分の志望校の傾向に合った参考書を選びましょう。

課題型小論文

課題型小論文とは、提示された文章を読んで、それに対して自分の意見を述べるタイプの出題方法です。小論文の他に、問題文の要約問題なども付随している場合もあります。

課題型小論文はテーマ型小論文に比べて読解力が求められるので、「問題の捉え方」から解説してくれる参考書がおすすめ。

問題文の主題がどこにあるのか、どんな点に注目して答えるべきかなど、現代文の読解問題とも共通する対策が必要となります。

テーマ型小論文

テーマ型小論文は、テーマが提示され、それに対する自分の考えを書くタイプです。テーマは大まかに分けると、回答者本人に関するものと、社会問題など本人以外の事柄に関するものがあります。

例えば、「将来の目標」や「人生でやり直したいこと」など回答者本人に関することは、人柄を重視して合否を決めるAO入試に多いテーマ。

「憲法改正を推し進めるべきか」「我が県が抱える問題点」といった本人以外に関することは、受験する学部・学科の専攻内容に関わることがほとんどです。

これに回答するには、意見作りの基礎となる専攻分野の知識や、一般教養が必要になります。基本的な小論文の書き方を学ぶ参考書に加え、ニュースを見たり、専攻分野に関する本を読んだりと、日頃から幅広い知識を収集しておくことが大切です。

入試対策におすすめの小論文参考書10選

それでは、小論文対策におすすめの参考書を、10冊ご紹介していきます。

全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文


「全試験対応! 直前でも一発合格! 落とされない小論文」は、タイトル通り「落とされない」、つまり減点対象にならない小論文の書き方を解説している参考書です。

素晴らしい小論文を書くというよりは、誰でも合格最低ラインを超えられるようにするための本で、短期集中で最低限のスキルを身に付けたい場合に役立ちます。

小論文のネタとしてすぐに使える「試験別頻出テーマ&キーワード速習表」も付いているので、「ネタがなくて筆が止まってしまう」という方にもおすすめです。

小論文これだけ!今さら聞けないウルトラ超基礎編


「小論文これだけ!今さら聞けないウルトラ超基礎編」は、全17冊ある「小論文これだけ!」シリーズの中でもっとも初歩的な内容となっています。
句読点のつけ方、ひとつの文の書き方など、基本的な文章の書き方を学べます。

「いい例」「悪い例」もたくさん紹介されていて、丸暗記で使える解答例も多数。「小論文が全く書けない」「何を書いていいかわからない」という方の、一冊目の参考書としておすすめです。

新小論文ノート〈2021〉


「新小論文ノート〈2021〉」は、毎年内容をリニューアルして刊行されている参考書です。
「小論文の書き方」「小論文誌上実戦講義」「入試小論文頻出問題演習」の3章構成で、小論文の基礎から実践的な演習まで、体系立てて学ぶことができます。

2020年度の「入試小論文出題内容一覧」も付いているので、志望校の傾向を把握することにも役立ちます。解説が充実していることも高評価なポイントで、しっかり実践力をつけたい方におすすめです。

改訂版 何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55


「改訂版 何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55」は、「小論文には『正解』がある」という考え方のもと、大学入試で「正解」とされる小論文のルールを解説しています。

問題の内容から、採点者が求める答えを推測し、その形にはまる小論文を完成させるというものです。解説文がとてもシンプルで、イラストなども使われていて読みやすいので、文章を読むのも書くのも苦手という方におすすめです。

基礎からのジャンプアップノート 記述力養成・小論文書き込みドリル


「基礎からのジャンプアップノート 記述力養成・小論文書き込みドリル」は、小論文の基礎となる「記述力」に注目している参考書です。
初歩的な問題から、徐々に難易度が上がっていくので、誰でも着実にステップアップしていけます。

ドリル形式でとにかく書く分量が多いので、読んで覚えるより手を動かした方が身につきやすいという方におすすめです。

採点者の心をつかむ 合格する小論文


「採点者の心をつかむ 合格する小論文」は、採点者が思わず読み入ってしまう、魅力的な小論文を書くために役立つ参考書です。

「必ず賛成・反対を表明する」「起承転結で書く」といった小論文のルールに縛られすぎず、平凡な「量産型小論文」から抜け出す方法を解説しています。

合格最低点をクリアするだけではなく、小論文を武器にしたい方、競争率の高いAO入試などで採点者の気持ちを掴みたい方におすすめです。

知識をつけるのに役立つ本

ここからご紹介する3冊は、小論文の基本的な書き方以外に必要な、時事問題や一般教養の知識が身につく参考書です。

知らないと恥をかく世界の大問題10 転機を迎える世界と日本


「知らないと恥をかく世界の大問題10 転機を迎える世界と日本」は、テレビでも人気の池上彰さんの著書です。
2020年に転機を迎えている世界と日本の問題点について、約200ページでコンパクトに解説しています。

文章が読みやすく、短時間で読むことができるのが魅力ですが、一部内容に思想の偏りがあるなど批判も上がっています。この一冊が全てだと考えず、何冊か読むうちの一冊として捉えるのがおすすめです。

文藝春秋オピニオン 2020年の論点100


「文藝春秋オピニオン 2020年の論点100」は、現代日本の様々な問題について、各分野の100人の識者が意見を述べるという構成になっています。

1つの問題に対して、対立する複数の意見を掲載しているため、偏りが少なく、様々な意見に触れられるのがメリットです。ただし、識者といっても程度はバラバラで、中には「タレントのコラムのよう」という批判もあったり、内容の真偽が定かではない部分もあったりします。

大学受験に強くなる教養講座


「大学受験に強くなる教養講座」は、小論文の大テーマである「現代」について、6つの視点から解説するという構成になっています。
人文・社会科学の分野の様々な概念や著作を紹介していて、小論文に引用できる語彙や思想を学ぶことができます。

ただし、内容について著者本人は「必ずしも客観的、中立的に書かれた解説本ではない」と述べています。ここに書かれていることが全て正解ではないという前提に立った上で、取捨選択して知識を取り入れましょう。

まとめ

小論文は普段どれだけ物事に関心を持っているか、文章を書く・読むのが得意かどうかによって、一人ひとり出発点が異なります。

当然、必要な参考書も人によって違うので、まずは自分の苦手を把握して、どんな対策が必要か分析してみましょう。今回ご紹介した10冊の中から、ぜひ自分にぴったりの参考書を見つけてみてください。

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