【化学編】法政大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) HOSEI
はじめに
本記事では法政大学の化学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。法政大学は1920年に設置された、東京都千代田区富士見に本部を置く日本の私立大学です。GMARCHの「H」の部分を占める、受験者の多い大学です。現在あるキャンパスとしては、市ヶ谷キャンパス・多摩キャンパス・小金井キャンパスの3つがあります。
市ヶ谷キャンパスには法・文・経営・国際文化・人間環境・キャリアデザイン・デザイン工・グローバル教養学部が、多摩キャンパスには経済・社会・現代福祉・スポーツ健康学部が、小金井キャンパスには情報科学部・理工学部・生命科学部が所属しています。
法政大学の入試の中で化学を採用している学部はデザイン工学部・理工学部・生命科学部の一部の入試方式のみです。
過去問演習の際はさまざまな形式・古い年度のものも使用し、演習慣れをすることをオススメします。この記事では主に、理工学部機械工(機械工学専修)、応用情報工A方式、生命科学部生命機能A方式およびデザイン工学部都市環境デザイン工、システムデザインA方式について説明します。
出題形式
- 試験時間:75分
- 配 点:150点
- 目標点 :7割
- 問題数 :50問(空欄数)
- 形 式:マークシート方式、記述式
- 構 成:大問4題
入試傾向と対策 ・オススメ参考書
それではこれから法政大学の化学の傾向と対策について紹介していきます。解答形式については全てマークシート方式と記述式の併用で変わりないものの、出題される分野や範囲が大問ごとに固定されているわけではないため、傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まずは、法政大学化学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。
①あらゆる分野から基本~標準レベルの問題が出題される
②理由を記述させる問題が出題される
③芳香族については毎年出題されている
それでは、1つずつ詳しく説明していきます。
①あらゆる分野から基本~標準レベルの問題が出題される
法政大学の化学で出題される問題は幅広い分野から基本~標準レベルの問題が出題されます。そのため難問に手を出しすぎず、基本レベルの問題を丁寧にこなしていくことで十分に合格を狙うことができます。高校化学初学者や化学に苦手意識を持っている人は「橋爪のゼロから劇的に分かる!」シリーズから取り組み始めることをおすすめします。(無機・有機化学編と理論化学編がある。画像は無機・有機化学編)
<特徴>
この参考書は、学校の教科書レベルの知識の理解をより正確にしていくためのものです。化学をこれから初めて勉強する人や化学に苦手意識をもっている人、試験で点が伸び悩んでいる人に最適のシリーズです。予備校の超人気講師の橋爪健作先生が、まるで授業と同じように、ゼロからていねいに説明しているため初学者でも無理なく学習でき、基礎力がしっかり身につきます。
また2冊共に取り組むことで、受験化学の全範囲を網羅することができます。しかし、これは演習を目的とした問題集ではなくあくまでも解説書・参考書であるため、ある程度基本的な考え方が身についたら同レベルか少し上くらいのレベルの問題集を使用するようにしましょう。
<使用時期>
化学初学者や化学に苦手意識を持っている人は、受験勉強開始と同時にこの参考書に取り組み始めることをおすすめします。具体的な使用時期として、2月に無機・有機化学、3月に理論化学に取り組むことが望ましいです。
②理由を記述させる問題が出題される
マークシート方式と記述式が併用されていることが法政大学化学における大きな特徴ではありますが、さらに記述式解答問題の特徴として実験における結果について理由を「書く」ことを求められる問題が出題されます。ここでは、自分で実際に手を動かして解答をつくる演習が大切になるため、日頃からセンター試験のように選択肢が与えられている問題ではなく自分でイチから式を作成する演習を積むことが重要です。そのためにおすすめの参考書は「全レベル問題集」シリーズになります。これは普段の定期テストのための学習レベルから難関大学入試レベルまで様々な段階を網羅している参考書シリーズです。
<特徴>
全レベル問題集という名の通り、シリーズ全体で教科書レベルの基礎~難関大学入試レベルまでをカバーした問題集シリーズとなっています。「化学基礎」と「化学」で学習する重要事項・考え方のポイントを,ステップアップしながら無理なく学習できるように作られています。また、理論・無機・有機化学が1冊の問題集にまとまっていることも大きな特徴の1つです。
ここでは、「1.基礎レベル」と「2.共通テストレベル」をおすすめ参考書として提示します。ここまで終えた受験生は、次のレベルに上げていくために、別の参考書を用いてさまざまな出題形式の問題に取り組むことをおすすめします。
<使用時期>
教科書や前出の「ゼロから劇的にわかる!」シリーズを一通り終え、インプットは済んだ状態でこの参考書に取り組み、アウトプットの機会となるようにしましょう。また、少しでも分からないところや理解が不十分だと感じるところがある場合は、教科書や参考書に戻り、分からないところをそのままにしないことが重要です。具体的な使用時期としては、4月に1,基礎レベル、5月に2.共通テストレベルまでを終えておくことが理想的です。
これらの参考書を終えた後は、「化学頻出!スタンダード問題230選」に取り組み、入試基礎レベルから標準レベルへのステップアップをはかりましょう。
<特徴>
頻出かつ重要なテーマのみが厳選され、17章に分けて掲載されている問題集です。各設問には小問題ごとに☆の数で難易度が表記されているため、解き終わった後に自分がどこまで理解できているのかといった理解度チェックを簡単にすることができます。解説が丁寧であることも特徴の1つとしてあげられます。
<使用時期>
学校の教科書レベルの知識習得と演習をある程度終えた6月から、入試基礎レベルを標準レベルに引き上げるために取り組む参考書です。2カ月程度で1冊を完璧に仕上げることが理想的です。問題数が多いため、学校の授業と並行して日常的に取り組むことをおすすめします。
③芳香族については毎年出題されている
法政大学の化学では毎年、芳香族についての出題があります。この問題の難易度自体はさほど高くないものの、ほかの分野も含んださまざまな知識を組み合わせる力を持っていることが重要になります。その力を養成するためにおすすめの問題集が「重要問題集」です。
<特徴>
標準レベル~最難関レベルで構成された問題集です。A問題は入試で頻出で落としてはいけない問題、B問題には思考力が必要とされる問題が多くなっています。化学の教科書の知識を土台とし、化学基礎と化学を無理に分けることなく一貫して総合的に学習できるように構成されている理系選択者には絶好の参考書です。
各項目は「要項」「問題」の2つで構成され、さらに問題はレベルごとに「A」「B」の2段階に分類されています。そのため前出の参考書と同様に自分の理解度をチェックしやすくなっています。解答編は、左段の解答・解説、右段の傍注(解答・解説の補足)で構成されているため非常に分かりやすいことも大きな特徴の1つです。
<使用時期>
法政大学の入試問題に対応するためには、最難関大学で出題されるようなB問題に無理に手を出しすぎるのではなく、A問題を確実に正解できるようにしておくことで十分であるといえます。そのため8月~10月の3カ月をかけて最低限A問題だけは完璧にするようにしましょう。
ここまで取り組んだ受験生は「赤本」に取り組み、入試本番を意識した実戦演習を通して今までの知識や理解に漏れや抜けはないかを確認するようにしましょう。
<特徴>
最近3カ年の過去問が収録されています。合格者の最低点などの入試情報が詳しく掲載されていることも大きな特徴の一つです。また法政大学の一般入試の場合、ほとんどが学部や入試の種類ごとに分かれて出版されているため、より細かい情報を手に入れることができます。
<使用時期>
今までに紹介した参考書や問題集などで十分な演習を積み、11月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターンが身についていない・問題を見たときに即座に解法が浮かばない受験生は学校の教科書や今までに使った参考書などに戻って基本事項の理解に穴がないか、今一度確認するようにしましょう。
まとめ
※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
大問ごとの傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。
まず始めるべきは無機・有機・理論化学全ての基本的な知識や公式などのインプットです。いずれも1度で終わらせず、何度も復習することが大切です。その後、それぞれのレベルの問題集を用いて何度も繰り返し演習をすることで入試基礎学力および法政大学理工学部の入試に対応できる応用力を養いましょう。そして、11月以降は赤本の演習に取り組める状態を作れることが望ましいです。
また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」にならず、前の講義系の参考書や教科書などに戻って基本知識の再理解をすることが大切です。難しい問題ばかりにチャレンジするよりも焦らず、基礎を固めることで揺るがない入試基礎学力の土台を築くことができます。
そして、冬にかけて本番前まで法政大学デザイン工学部・理工学部・生命科学部の赤本を用いて時間配分を意識し、より実践的な演習を積むようにしましょう。
ぜひ参考にして法政大学の化学の目標点である7割以上を取れるようにしましょう。