【現代文編】勉強法・オススメ参考書・問題集
更新日: (公開日: ) JAPANESE
はじめに
現代文では他の科目に比べ、知識系の問題はあまり出題されません。
ですから、一般的に現代文でインプットだと考えられがちな漢字・文法・文学史などにはあまり時間を割くべきではありません。
この知識系の対策については、大学別傾向と対策のページで詳しくお伝えしていければと考えています。そして実は、現代文の「インプット」とはそういった知識系のものではなく「文章の読み方」です。
文章の読み方を理解し、頭に入れ(インプット)、問題を解く際に読み方を使う(アウトプット)。やはり、現代文でも「インプット→アウトプット」という流れは変わらないわけです。
《インプット編》
現代文の正しい読み方を勉強する
現代文はセンスが必要な科目とよく言われますが、決してそうではありません。
正しい読み方が存在します。
その正しい読み方とは何かについて深堀りしていきましょう!
現代文は満点が狙える科目
上でも述べたとおり、現代文における「インプット」とは、「文章の読み方を理解し、頭に入れること」です。
よく、現代文を感覚やセンスで解くものだと勘違いしている人がいます。だから現代文は点数が安定しない。そう考えて現代文に時間をかけない人が多いのです。
しかし、現代文には「正しい解き方」があり、その方法に沿って文章を読み進めていけば必ず正解することができます。
まず、どの参考書を使うかより「現代文には正しい読み方が存在し、その通りに読むことが出来さえすれば得点することができる」ということをよく理解しておいてください。このことは関関同立を目指す人はもちろん、どの大学を受けるにも必要な考え方です。
現代文で意識すべき事
具体的に、現代文が正しく読める様になる為に必ず意識して欲しいことが2つあります。
- 「解答は必ず本文から根拠を探すこと」
- 「筆者の主張を掴むこと」
1つ目の「解答は必ず本文から根拠を探すこと」から詳しく見ていきましょう。
現代文の問題には必ず本文があります。
なぜなのか考えたことはありますか?
それは「設問の根拠を本文から探すため」です。
現代文において、みなさんの考えは関係ありません。
本文に書いてあるか、書いていないかがすべてです。自分で考えて解答を作成するのは厳禁です。
例えば極端な話、本文に「人間は酸素無しで生きていくことができる」と書いてあれば、それが解答になるのです。
現代文の大きな落とし穴がここにあります。
自分がどう思ったのかではなく、本文に書いてあるかどうか。
これが現代文の鉄則です。
これを意識するだけで現代文に対するアプローチの仕方がガラッと変わり、得点が上がるはずです。
2つ目の「筆者の言いたいこと(主張)を掴む」ということがどういうことかも見ていきましょう。
実は現代文で出題される評論分の文章は本や論文の一部です。
ここでは話を簡単に進めるために本だとして話を進めます。「本」として出版されるに至った経緯について考えてみましょう。
どうして著者は本を書こうと思ったのでしょうか。
それは「本にしてまで言いたいことがあった」からです。
言いたいことがない人は本なんて書くことはできません。たくさんの人に伝えたい考えがあるからこそ本を執筆したのです。ということはその「言いたいこと」を理解することができれば、現代文で出題される文章を理解することにつながるはずです。
毎回文章を読む際に、「この文章は筆者が何を言いたくて書いたのだろう、主張は何なのだろう」と考えながら進めていってください。
読解法のオススメ参考書
「解法ルール36」の使い方はコチラ!
<特徴>
現代文を初めて学習する人向けの「読み方」がまとまった参考書で、正しい読み方が癖なく1冊(全4章)になっているのでとても勉強しやすい参考書となっています。
とにかくまずはこの参考書に書かれてある読み方を初見の文章に対して試していく事が大切です。
<使用時期>
入試勉強初期
目標進度:2章/週
目標習熟期間:1~2ヶ月
「頻出キーワード」を勉強する
キーワード学習により読解力を向上!
正しい読み方と並行して取り組むのが「キーワード」に関する学習です。
キーワードとは入試現代文の文章中に出てくる頻出の語句のことです。たとえば「パラドックス」「イデオロギー」「敷衍」「パラダイム」「帰納」「演繹」などです。
これらの単語の意味を正確に説明することができるでしょうか?
現代文の文章を解くには、もちろん最初に述べた「正しい読み方」が必要で、その訓練が必要です。
しかし、その文章自体が難解である場合、論理的な読み方だけではうまく内容をつかむことができません。そのためには、ある程度現代文でよく取り扱われる言葉やテーマに関する知識が必要なのです。
それが「キーワード」というわけです。文章の内容をしっかり読み解くにはこうしたキーワードの知識は不可欠です。
多くの受験生は「正しい読み方」だけを一生懸命勉強して終わりです。キーワードの学習までしっかりこなせば、他の受験生に圧倒的な差をつけることができます。
頻出テーマやキーワードを知っていれば、初見の文章である程度内容を推測できるようになります。同志社大学が特にそうですが、関関同立の入試現代文では長い文章が出題されます。こうした文章に直面したとき、先の展開を予測しながら読解出来れば、大幅な時間短縮につながります。
キーワード学習のオススメ参考書
「現代文キーワード読解」の使い方はコチラ!
<特徴>
現代文読解に頻出されるキーワードを哲学・科学といったジャンル毎に体系的に収録されています。また例文に対する要約もあるのでインプットした読解法をアウトプットする練習としても活用できます。
<使用時期>
入試中期~入試後期(8月~11月)
目標進度:第1部1章+第2部1テーマ/週
目標習熟期間:3~4ヶ月
《インプット→アウトプット編》
現代文の正しい読み方を完璧に身に付ける
インプットした読解法やキーワードを実際の問題で使用する上での勉強法・注意点について紹介していきます!
一貫した方法で演習を繰り返す
インプットの段階で読み方を理解したら
次は実際に「その読み方を使いながら文章を読むこと」が大切です。
しかし、読み方を知っているのに、実際に自分で問題を解くとなるとその読み方を使わず、今まで通り感覚・センスで解いてしまうという受験生が多いのです。これでは宝の持ち腐れです。
ですから、このインプットからアウトプットへの過渡期には「とにかく自分が問題を解くときに、インプットした読解法を使おうと意識すること」がポイントになります。
普段から、きちんとした読み方で文章に接する。それだけで現代文の点数はかなり変化してきます。
同じ方法論で読解しなければ、なかなか知識を自分のものとして使えるようにはなりません。慣れるまでは今まで自分がしてきたような曖昧な読み方になってしまうと思います。
ですので、毎回文章を読む前にインプットのところで使用した「正しい読み方」が書かれた参考書をさっと確認するようにしましょう。
このステップが終われば現代文の基礎としては十分です。
現代文オススメ参考書(基礎編)
「現代文読解基礎ドリル」の使い方はコチラ!
<特徴>
評論12章、小説2章の全14章で構成され、実際の入試問題から抜粋した文章が使用されれています。読み方、解き方を説明してから問題を解くと言うような形で進んでいき「論と例」「対比」を中心に現代文読解のポイントを示し短めの類題で反復することで読者に定着していくように作られています。
<使用時期>
「現代文の解法ルール36」修了後!
目標進度:1題/2日
目標習熟期間:1~2ヶ月
「アクセス 基本編」の使い方はコチラ!
<特徴>
比較的簡単な問題が多いので基礎を定着させるのにぴったりの参考書です。本文解説が詳しいので、ただ答えあわせをするのではなく、自分の読み方とのズレを確認して下さい。
<使用時期>
「現代文読解基礎ドリル」修了後!
目標進度:1題/2日
目標習熟期間:1~2ヶ月
《アウトプット編》
いよいよ、関関同立レベルの問題に対応するためにインプットした知識をアウトプットしまくる段階になりました。
それではアウトプットの際に意識すべきことを詳しく説明していきます。
インプットは夏までに終わらせる
アウトプットはもちろん「インプットで学んだ読み方を使いこなす」ことです。
正しい方法を理解し、実践し、身につける。この最終ステップが現代文におけるアウトプットにあたります。
たくさん演習量をこなし、現代文の解法をしっかり身につけてください。正しい読み方が分かってくると「文脈」が読めるようになってきます。
文脈が読めればある程度、文章展開が予測できるようになります。先が読めるということは自ずと解くスピードも上がってきます。
解く時間を気にし始めるのはこの時期からで構いません。
また、問題を正しい読み方で読んでいるうちに、「自分の読み方」というものがだんだん出てきます。こうした方が読みやすいな、とか設問に対するアプローチの仕方、どのタイミングでその設問に移るのかなどです。
こういった自分なりの解き方というのは、まず正しい解き方で問題を解けるようになることが前提です。
問題集を何冊も解くなかでその正しい読み方を、自分なりにアップグレードさせてください。そのころには現代文に関しては問題ないレベルまで来ているはずです。ただし、この時期でも「キーワード」は並行して学習し続けてください。
毎日1日のどこかに「キーワード集」を読む時間を設けましょう。そしてこの時期になれば並行して過去問も解いていかなければなりません。
過去問を解くことでその大学特有のクセを知り、自分がどう攻略すべきかのプランを立てることができます。よく入試直前まで過去問をとっておく人がいますが、それはやめましょう。とっておくにしても最新1年分程度にとどめておきましょう。
現代文は多くの人が制限時間に悩まされることになるでしょう。考えだすといくらでも時間を使えてしまうのです。
しかし入試では現代文ではなく古文も同じ制限時間内に解答しなければいけません。
アウトプットとして様々な問題を解いていく中で、自分はどういった問題に時間がかかるのかを知り、そのための時間をどう捻出するのかという作戦を立てましょう。
勉強のスケジュールとしては
- 夏まで《インプット⇒アウトプット》
- 夏休みから本格的なアウトプットを開始
- 秋ごろからは過去問
に入りだすという流れが理想です。
現代文オススメ参考書(標準・発展編)
「アクセス 発展編」の使い方はコチラ!
<特徴>
先述したとおり!
問題難易度が標準私大レベルに向上しています。
<使用時期>
「現代文へのアクセス基本編」修了後!
目標進度:1題/2日
目標習熟期間:1~2ヶ月
「全レベル問題集現代文レベル3」
<特徴>
この参考書はスタンダードな現代文の問題演習参考書で、日東駒専や産近甲龍の問題を多く扱っています。
解説も詳しく、解き方の指導や大学も問題形式の分析も掲載されています。評論10題・随筆1題・小説1題の全12題で構成。
<使用時期>
「入試現代文へのアクセス(発展編)」修了後!
目標進度:1題/2日
目標習熟期間:1ヶ月
「全レベル問題集現代文レベル4」
<特徴>
先述したとおり!
問題のレベルが標準私大レベルから関関同立などの難関私大レベルに向上しています。関関同立やMARCH志望の受験生は使用するようにしましょう。
<使用時期>
「全レベル問題集3」修了後!
目標進度:1題/2日
目標習熟期間:1ヶ月
「全レベル問題集現代文レベル5」
<特徴>
先述したとおり!問題のレベルが早稲田・上智等の過去問を使用しているので早稲田・上智志望の受験生以外は無理に使用する必要はありません。
<使用時期>
「全レベル問題集4」修了後!
目標進度:1題/2日
目標習熟期間:1ヶ月
以上が現代文のオススメ参考書となります。これらの参考書を学習した後は志望校の過去問で演習を行いましょう。
関連:【赤本・過去問】いつから?何年分?失敗しない使い方について
まとめ
1年間の学習計画はこの様になります。
重要なのは現代文はセンスではなく、読解法を意識した学習を重視することです。
- 読解法のインプット
- 読解法のアウトプット
- キワード学習
- 問題演習
といった4つの流れに則った学習を行い、現代文を得意科目にしましょう。