【2022年度】大学入試共通テスト 世界史の難易度を徹底分析!

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2022年1月に大学入試共通テストが実施されました。
共通テストが導入されて2年目の試験だったため、問題の傾向や今までの試験とどういった点が異なるかについて知りたい方も多いでしょう。

そこで今回は、世界史の科目に関してのセンター試験と異なる点やどのような対策をしていけばいいのかについてお伝えします。

※共通テスト全体の概要に関しては 【2022年度】大学入試共通テスト 全科目の難易度を徹底分析!をご覧ください。

世界史A

全体概要

共通テスト
試験時間/配点 60分/100点
大問数/解答数 大問数は5問、解答数も33個と昨年とまったく同じ数だった。
出題形式 正文誤文の判定問題が大幅に減少し、代わりに語句をリード文や会話文に補う形式の問題が倍近くに増えた。グラフや表から判断して回答する問題もあり、読解力も求められました。
出題分野 近代以降の出題が目立ちました。出題形式でも触れたように大幅に問題数が減少した設問もあり、その影響で古代史・中世史からの出題は減りました。
問題量 大問数・設問数にほぼ変化はなしで昨年と同様。
難易度 易化  |  やや易化  |  昨年並み  |  やや難化  |  難化

昨年に引き続き、世界史Aでは共通テスト特有の資料から情報を読み取って解く問題が多く出題され、大問数や設問数に変化はありませんでした。内容は落ち着いて判断すれば、解答できる問題が多かったが、年表が2年ぶりに問題に使われるなど出題形式が多岐に渡ったため読み取りに苦労した受験生はいたでしょう。全体的な難易度は昨年並みです。

大問別分析

第1問 社会に対する訴えの手段としての図像

全体的に歴史のつながりを意識させられる新傾向の工夫された問題。Aはジャンヌ=ダルク、Bは風刺画「時局図」、Cは19世紀ドイツの寓意画を基に出題されました。図像が作成された意図から時代背景を読み取り回答する問題で、新ジャンルの設問だったと言えるでしょう。

第2問 大航海時代・ローマ法の歴史を扱った授業

会話から問題文を読み解き答える形式の問題。授業が舞台となる設問でAは大航海時代、Bはローマ法の歴史が題材として扱われました。人名や出来事の名称を覚えておくだけではなく、当時の社会情勢についても答えさせる問題があったことが特徴で、会話から問題を読み解く力も求められた。

第3問 世界史上の帝国とそれを取り巻く情勢

明清代の中国と中世ヨーロッパがテーマとなって出題された。地図問題があり、明の黄宗羲が都を決める際に主張した場所がどこであるのか、地図上から選択するという新しい形式の問題。きちんと資料を読み込めているかどうかもカギとなりました。

第4問 人の移動の歴史

A、Bともに表とグラフから情報を読み取って問題に解答する設問。移民や移住といった人の移動がテーマとなっており、歴史的な背景の理解もしっかりと問われました。世界情勢や史実についての体系的な知識を要する問題です。

第5問 世界史上における民主化の動き

独裁体制から脱却するために民衆が起こした動きがテーマ。Aはスペイン、Bは韓国、Cはチェコスロヴァキアで戦後の政治的な動向からの出題。民主化運動の内容を声明文から読み取る必要があり、読解力があらためて問われました。

世界史B

全体概要

共通テスト
試験時間/配点 60分/100点
大問数/解答数 2021年から変化はなく大問数は5問、解答数は34個であった。
出題形式 解答数34個中13個と、写真やグラフといった資料からの読み取り問題が昨年に引き続き多く出題されました。また、正文選択の問題が昨年の10個から19個へと大幅に増加。新たに追加された表の数値からの考察問題も出た。
出題分野 現代史がメインで政治や国際情勢が幅広く出題された。
問題量 問題量は昨年度とまったく同じであったため変化なし。
難易度 易化  |  やや易化  |  昨年並み  |  やや難化  |  難化

共通テスト特有の出題形式が多く見られました。多様な資料を読解し、そのなかから正解を導き出す必要があったため付け焼刃の知識と対応では試験突破が難しかったでしょう。しかし、問われている知識の難易度が特別高かったわけではなかったので、全体的な難易度は昨年並みとなっています。

大問別分析

第1問 世界史上の学者や知識人

文化史や地図問題、特定の国にまつわる周辺史が問われました。Aはシーボルト・Bはハサン=ブン=イーサー・Cは王国維でそれぞれ文章やリード文からの出題。全体的に地図からの読み取りや文化史について回答する必要があり、幅広い知識を身に付けておく必要がありました。

第2問 ある出来事の当事者の発言や観察者による記録

ウィンストン=チャーチルの「偉大な同時代人たち」、米国大統領の演説文が出題テーマとなりました。前者は資料を読み取って答えを導き出し、地図の知識と連動させて回答するという問題、後者は受験生が手薄になりがちな現代史について問われました。

第3問 世界史上の人々の交流や社会の変化

全体を通じて会話文がテーマとなっており、Aは明治期の政治小説、Bは世界各地の人口推移、Cはオセアニアの先住民についての会話です。どの設問も幅広い知識が問われたことはもちろん、Bでは表に記された数値からの考察問題が出題されており、読み解く時間を要したことから解答に時間がかかった。

第4問 歴史評価の多様性

Aは日本の近現代史を問う問題でイギリス人作家のジョージ=オーウェルの書物が題材となりました。Bは地域や時代を幅広く問う問題で、こちらも絵画を基に考察力を駆使して回答する問題でした。

第5問 世界史上の墓や廟

資料と地図の読解問題。Aはサン=ドニ大修道院付属聖堂内の復元図、写真がベースとなったリード文からの出題であった。Aは中世ヨーロッパ、Bは人の移動がテーマとなっており、歴史的事項と年代をきちんと結びついた知識を要する問題でした。

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2023年度へ向けての受験対策

共通テストの世界史には教科書では扱われないような初見の資料もあり、戸惑った受験生も多かったかと思われます。しかし、問われている知識自体は教科書に載ってある語句が基本なので、教科書の基礎は満遍なく全範囲押さえましょう。

世界史の場合は歴史のタテ(時系列)とヨコ(同時代の異なる地域の出来事)の関係が重要になります。歴史のタテとヨコを把握するには自分で年表を作成することをおすすめします。自分の理解を深めるためにもぜひチャレンジしてみてください。

また、共通テストからは特に資料問題や用語の組み合わせ問題が増えました。資料問題に関しては、教科書や資料集に載ってある資料を確認して、参考書などで問題形式に慣れましょう。用語を組み合わせる問題に対応するには、用語の表面的な知識を覚えるだけでなく、用語同士のつながりや因果関係などもセットで覚えておきましょう。

世界史のおすすめ参考書

共通テストの世界史で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。

「ナビゲーター世界史B」

<特徴>
本書は4巻構成となっており、全部で1000ページもの分量がある参考書です。講義と穴埋め問題の問題集がセットになっていて、情報の網羅性も高いのが特徴的です。図説や地図も豊富で口語口調なので、読み物としても読みやすい参考書となっています。

参照:ナビゲーター世界史B」の使い方!
購入ページ:「ナビゲーター世界史B

「世界史図説タペストリー」

<特徴>
資料集として使われることの多い本書。古代から戦後までを4部に分け、地域通史を収録しています。また、世界史の様々な歴史事象を図や写真、年表で分かりやすく丁寧に説明しており、世界史の流れを学んだ後に使用するのがおすすめです。

購入ページ:「タペストリー世界史

「世界史B 一問一答 完全版」

<特徴>
一問一答形式の世界史用語問題集で、全部で3500問を超える問題数が掲載されています。実際の入試問題や予想問題のデータから問題を抜粋しているため、インプットにもアウトプットにも使用できます。ある程度世界史の流れが理解できた後、知識の定着を測るために取り組むのが良いでしょう。

購入ページ:「世界史B 一問一答

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