大学受験の勉強法はなぜ成果が出ない?合否をわけるのは進捗より習熟度

更新日: (公開日: COLUMN

大学受験の勉強法で成果をわけるのは、参考書をどれだけ進めたかという「進捗度」ではなく、過去問で見つけた弱点をインプット教材で完璧にし、その効果を検証する「習熟度」を上げるサイクルです。

毎日机に向かっているのに模試の判定が上がらない。参考書は1周したはずなのに、過去問になると点数が取れない。そう感じている受験生からの相談を、私たちは毎年数多く受けています。

この記事では、大学受験の勉強法で成果が出ない本当の原因と、過去問を軸に習熟度を上げる具体的な手順、そして過去問の得点のブレに振り回されない考え方を解説します。

この記事でわかること

  • 参考書を進めた量(進捗度)だけでは合格に近づかない理由
  • 関関同立合格に必要な約1,500時間のうち、自習(1,000時間)の質が合否をわける仕組み
  • 過去問で弱点を特定し、インプット教材で完璧にして検証する4つの手順
  • 過去問の点数のブレに振り回されず、原因を言語化して次に活かす考え方
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大学受験の勉強法は習熟度を上げることに尽きる

大学受験の勉強法における進捗度と習熟度の違いを示した対比図

大学受験で成果が出るかは、参考書を何冊・何周したかではなく、その範囲を実際に使いこなせるかで決まります。

参考書を進めた量のことを進捗度(用語:参考書や問題集をどれだけ進めたかという勉強量の目安)と呼びます。一方で、実際に問題が解けるか、人に説明できるかという定着度合いを習熟度(用語:初見の問題が解けるか、人に説明できるかという知識の定着度合い)と呼びます。進捗度がどれだけ高くても、習熟度が伴っていなければ入試本番では得点になりません。

参考書を最後までやり終えたと感じていても、過去問になると点数につながらない受験生もいます。進捗度と習熟度が一致していない典型的な状態であり、この差に気づけるかが、残りの受験期間の勉強法を左右します。

進捗度だけを追う勉強法が危ない3つの兆候

進捗度だけを勉強の基準にしていると、成績が伸びないまま受験当日を迎えてしまいます。次の3つの兆候に、心当たりがないか確認してください。

参考書を進めた量と定着は別物

参考書を最後まで終えたという達成感は、その内容が身についた証拠にはなりません。

1週間で単語帳を100個進めたとしても、1か月後に同じ単語を見て意味が出てこなければ、その勉強時間は結果に結びついていないことになります。ページを進める作業には目に見える達成感がありますが、初見の問題や時間を置いたテストで再現できるかを確認しない限り、その内容は自らのものになったとはいえません。

頑張っている感覚があるほど基準は低い

「頑張っている」という感覚そのものが、実は基準の低さを表している場合があります。

合格していく受験生の多くは、1日にどれだけ勉強したかを聞かれても、「14時間ぐらいはやってます」と当たり前のことのように涼しい顔で答えます。反対に、「今日は頑張った」という手応えを大切にしている受験生ほど、その日の内容を振り返ると、量・質ともに合格者の基準には届いていないと捉えるべきです。頑張っている感覚を勉強の指標にするのではなく、実際にどこまで解けるようになったかを指標にする必要があります。

前から順に覚える勉強は本番で通用しない

教科書や参考書を最初のページから順番に覚えていくやり方は、過去問の出題形式とかみ合わないケースがあります。

例えば社会科目では、時代や単元をまたいで出題される大問が数多くあります。教科書の流れどおりに前から覚えていくと、単元を横断する出題に対応できず、本番で知識がつながりません。過去問の大問構成を先に把握し、どの範囲がどのような形式で問われるかを踏まえてインプットを設計する必要があります。

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大学受験の合格者に共通する3つの基準

大学受験の合格者には、勉強時間の使い方と意識の持ち方に共通する基準があります。その基準は、大きく3つに整理できます。

関関同立合格に必要な約1500時間の内訳

関関同立に合格するために必要な学習時間は、合計で約1,500時間です。

項目 時間 全体に占める割合
塾・映像授業 約500時間 3分の1
自習 約1,000時間 3分の2
合計 約1,500時間 100%

この内訳を知らないまま「授業を受けていれば力がつく」と考えていると、合格に必要な時間の大部分を見誤ることになります。

合否をわけるのは1000時間の自習の質

合否をわけているのは、約1,000時間ある自習の質そのものです。

同じ1,000時間を使っても、進捗度だけを確認して次に進む自習と、習熟度を毎回検証しながら進む自習では、身につく内容の量が変わります。テストで思い出す作業(想起)を伴う学習は、繰り返し読むだけの学習より記憶の忘却を緩やかにするという実験結果も報告されています※1。過去問や小テストで検証しながら進める自習は、この想起の効果を毎日の勉強に取り入れていることになります。

合格する受験生に共通する少数派の意識

合格していく受験生には、自分が少数派であるという自覚があります。

大学受験の倍率が3倍なら合格するのは全体のおよそ33%、5倍ならおよそ20%です。周りと同じペースで勉強していては、この少数派に入ることはできません。

私たちが受験相談で「この受験生は受かりそうだ」と感じるのは、偏差値の高さではなく、部活や友人関係のなかで「そこまでやっているの」と周りから驚かれるような取り組み方をしている受験生です。周りから浮くくらい勉強に時間と意識を割けているかが、合格をわける分水嶺になります。

過去問活用で勉強法の質を上げる4つの手順

勉強法の質を上げる最短ルートは、過去問を軸にしたインプットの検証サイクルを回す点にあります。このサイクルは、次の4つの手順に分けられます。

過去問を解きもっとも弱い大問を特定する

最初にやるべきことは、過去問を解いて自分がもっとも苦手な大問を特定する作業です。

過去問には大問ごとに出題範囲が決まっている科目が多くあります。1年分を解いてみると、大問ごとの得点にばらつきが出るはずです。

このばらつきのなかでもっとも点数が落ち込んでいる大問こそが、自らのインプット教材でもっとも仕上がっていない範囲だと捉えます。まずはこの事実を素直に受け止めるところからはじまります。

弱点の範囲をインプット教材で完璧にする

弱点だと分かった範囲は、答えを覚えるレベルではなく、初見の問われ方にも対応できるレベルまでインプット教材で仕上げます。

私はこの方法で、社会科目の政治経済を過去問30点前後だった状態から、入試本番では8割まで得点を伸ばした経験があります。国際政治という1つの弱点分野を完璧に仕上げるまでには、実際に1日10時間以上かかりました。広く浅く全範囲を復習するより、1つの範囲に時間をかけて仕上げるほうが、得点に直結します。

同じ大問だけ解いて伸びを検証する

仕上げた範囲は、同じ大問だけを別の過去問で解き直し、実際に点数が伸びているかを検証します。

全範囲を解き直す必要はありません。仕上げた大問だけを取り出して確認すれば、その日にかけた勉強時間が得点にどう反映されたかが具体的に見えます。ここで点数が上がっていれば、その勉強法とペースのまま次の弱点に進んで問題ありません。

間違えた問題は参考書へ一元化する

検証した結果、まだ間違えた問題は、インプット教材に書き込んで一元化(用語:間違えた問題や抜けていた知識を、普段使っているインプット教材の1冊にまとめて書き込むこと)します。

間違えた問題は、インプット教材に載っていたのに覚えきれていなかったものと、そもそもインプット教材に載っていなかったものの2種類に分かれます。前者は覚え直せば済みますが、後者はいくら今の教材を繰り返しても対応できません。後者に該当する問題は、自らのインプット教材の余白に書き込み、次にその範囲を復習するときに必ず目に入るようにしておきます。

過去問を軸に勉強法の質を上げる4つの手順を示したフロー図

大学受験の得点のブレに惑わされない考え方

過去問の点数は毎回一定ではなく、上下にブレることを前提に受け止める必要があります。その理由は、次の2つの視点で整理できます。

過去問の点数差は実力でなく偶然に左右される

同じレベルの過去問同士でも、点数に差が出るのはたまたま解きやすい問題に当たっただけという場面があります。

例えば、同程度の難易度とされる大学の過去問同士でも、片方だけ得点が高く出ます。この差は、自らの実力そのものというより、たまたま読みやすい文章や絞り込みやすい選択肢に当たったかで生まれていることが少なくありません。1回の結果だけを見て「この分野は得意」「この形式は苦手」と決めつけると、本当の弱点を見誤ります。

できなかった原因は感覚でなく言葉で説明する

点数が悪かったときに必要なのは、落ち込むのではなく、できなかった理由を自らの言葉で説明する姿勢です。

「なんとなく難しかった」で終わらせず、「この分野の知識が抜けていた」「時間配分を間違えて後半の大問を焦って解いた」というように、原因を具体的に言語化します。原因を言葉にできれば、次に同じ状況にあたったときの対応策が決まり、得点のブレに振り回されずに勉強を進められます。

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大学受験の勉強法に不安が残るなら何をすべきか

大学受験の勉強法に不安が残るなら、習熟度サイクルを回せているか確認することが次の一手です。

過去問でどの大問が弱いかを特定し、インプット教材で完璧にし、検証し、一元化するという作業を、全科目・毎週続けるには相応の時間と客観的な目が必要になります。自分では気づけない読み違いや、進捗度で満足してしまうクセは、外からの視点がなければ修正しづらいものです。

マナビズムの自習コンサルティング(用語:1対1で勉強計画を立て、アウトプットテストで習熟度を確認するマナビズムの核サービス)では、この習熟度サイクルを毎週1対1で設計し、進捗度ではなく習熟度が上がっているかを一緒に確認します。今の勉強法が進捗度止まりになっていないか不安がある方は、まず無料受験相談で今の状態を確認してください。入塾を前提にせず、自らに合うかを判断する場としても利用できます。

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参考・出典情報

  • ※1 岩手大学「憶えたければ思い出せ!:想起の学習促進効果」

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