スマホ依存気味の受験生でも集中力は取り戻せる?仕組み化の答え
更新日: (公開日: ) COLUMN
スマホ依存と受験勉強の両立は、合格までの残り時間から逆算して「スマホの持ち時間・場所」を仕組みで区切ることで実現します。スマホを完全に断つ必要はありません。次のような感覚に心当たりはないでしょうか。
- 「今日こそ我慢する」と決めても数日で元に戻る
- 机の上にスマホを置いているだけで集中が切れる
- 通知が来るたびに手が伸びてしまう
スマホの存在そのものが集中力を奪うという研究結果があります。10代のネット利用時間の長さを示すデータもあり、意志力だけでこの状態を乗り越えるのは簡単ではありません。
今回は、意志の力だけで我慢できない理由から、陥りやすい3つの落とし穴、合格から逆算して両立させる3つの仕組み化まで解説します。
この記事でわかること
- スマホ依存をゼロにしなくても受験勉強と両立できる理由
- 意志力だけでスマホを我慢できない2つの仕組み的な理由
- 受験生のスマホ利用に潜む3つの落とし穴
- 合格から逆算してスマホの時間・場所を区切る3つの仕組み化
スマホをやめなくても受験勉強と両立できる
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スマホをゼロにしなくても、合格から逆算してスマホの持ち時間・場所を区切れば受験勉強と両立できます。「スマホをやめれば集中できる」という発想で対策を考えると、我慢がどこかで途切れた瞬間にすべてが崩れてしまうからです。
合格に必要な残りの勉強時間を先に見積もり、そこから1日にスマホへ使える時間と場所を逆算して決めておく方法です。スマホを敵と見なして戦い続けるのではなく、合格から逆算した基準の中に組み込めば、我慢し続ける消耗は必要なくなります。

スマホを意志の力だけで我慢できない2つの理由
スマホ依存を「根性が足りないせい」と考えて自分を責めるのは誤解です。スマホを我慢できないのは意志の弱さではなく、次の2つの仕組みが働いているためです。
スマホが視界にあるだけで集中力が下がる仕組み
スマホは、触っていなくても視界に入っているだけで集中力を下げます。米テキサス大学の研究チームは、スマホの存在自体が集中力を圧迫すると報告しています※1。研究チームはこれを、認知資源(用語:考え事や作業に使える脳の処理能力)が奪われる状態と呼んでいます。
同研究では、スマホを別室に置いた場合にもっとも作業の成績が高く、机の上に置いた場合がもっとも成績が低いという結果が示されました。電源を切っていても、画面を伏せていても、視界にスマホがあるという事実そのものが、頭の一部を絶えずスマホへ向けさせてしまうのです。
頑張っている感覚があるほど基準が下がっている証拠
「スマホを我慢するのがつらい」と感じている時点で、基準が下がっているサインです。合格する受験生ほど、勉強時間や集中する時間を当たり前の基準として涼しい顔でこなしており、頑張っている感覚そのものを口にしません。実際、受験相談では「毎日14時間ぐらいはやっています」と当たり前の顔で答える受験生ほど、合格に近い基準で動いています。
逆に「今日はスマホを我慢できて偉かった」と達成感を覚えるほど、その我慢はまだ特別な出来事として扱われている状態です。スマホと距離を置くことが当たり前の日常になるまで、仕組みで環境を整える必要があります。
受験生のスマホ利用に潜む3つの落とし穴
スマホ依存対策でつまずく受験生には、共通する落とし穴があります。次の3つに心当たりがないか、順番に確認してください。
スキマ時間が動画とSNSに溶けている実態
10代のインターネット利用時間は、モバイル機器だけでも時間を占めています※2。なかでも動画投稿・共有サービスの視聴時間がもっとも長くなっています。
| 区分 | 平日 | 休日 |
|---|---|---|
| インターネット利用時間(モバイル機器合計) | 203.1分 | 291.0分 |
| うち動画投稿・共有サービスの視聴時間 | 112.1分 | 174.0分 |
休憩のつもりで開いた動画やSNSが、気づけば2時間近い時間を持っていく計算です。休憩と暇つぶしの境目があいまいなまま「少しだけ」を積み重ねると、1日に使える勉強時間そのものが目減りします。
通知のたびに集中が振り出しに戻る仕組み
スマホの通知は、届いた瞬間に手を止めなくても集中を切ります。通知音や画面の点灯に気づいた時点で意識がそちらへ向かい、勉強に戻ってからも元の集中の深さまで戻すのに時間がかかるからです。
1回あたりの中断は短くても、積み重なるほど深く考える時間そのものが確保しにくくなります。通知を見るかを判断する行為自体が、すでに集中を1段階下げているのです。
連絡用アプリまで断とうとして続かない矛盾
スマホ依存を断とうとして、勉強と関係のない連絡用アプリまで一律に禁止してしまう受験生もいます。ただし、保護者や友人との連絡手段まで断ち切ると、かえって連絡が来ていないか気になって画面を確認する回数が増え、対策そのものが長続きしません。
対策すべきは連絡機能ではなく、動画やSNSのように際限なく時間を吸い取る機能です。何を断ち、何を残すかを区別せずにすべてを我慢しようとするほど、対策は崩れやすくなります。
スマホと受験勉強を両立させる3つの仕組み化
スマホ依存と受験勉強を両立させるには、次の3つの仕組みを組み合わせて使ってください。
合格までの残り時間からスマホの持ち時間を逆算する
まず、合格までに必要な勉強時間を先に見積もり、そこから1日にスマホへ使って良い時間を逆算してください。1日の勉強に充てられる時間から必要な勉強時間を差し引けば、スマホに使える時間は自然と数字で決まります。例えば、平日に勉強へ充てられる時間が4時間で、そのうち必要な勉強時間が3時間30分なら、スマホに使える時間は30分です。
この数字を決めずに「できるだけ我慢する」という基準で臨むと、その日の気分次第で使用時間が伸び縮みしてしまいます。
勉強する場所とスマホを触る場所を物理的にわける
次に、勉強する場所とスマホを触る場所を物理的にわけてください。勉強机の上にはスマホを置かず、別の部屋や引き出しの中など、視界に入らない場所へ移すだけで、先ほどの視界の仕組みによる集中力の低下を防げます。
保護者にスマホを預ける、決めた時間までケースから出さないなど、方法はいくつもあります。自らの意志を介さずに距離を保てる方法を選ぶほど、対策は続けやすいものです。
進捗度でなく習熟度でその日を振り返る
最後に、その日の振り返りの基準を変えてください。「どれだけスマホを我慢できたか」という進捗度ではなく、「勉強した範囲を人に説明できるか」という習熟度で振り返ります。スマホを我慢できた時間の長さだけを追いかけると、我慢そのものが目的化してしまいます。
その日の勉強内容を初見の問題で使えるかを基準にすれば、スマホとの距離は合格に近づくための手段の1つに位置づけ直せるはずです。

スマホをやめることより合格からの逆算を基準にする
スマホ依存と受験勉強の両立で目指すべきは、合格から逆算した基準の中にスマホとの付き合い方を組み込むことです。意志の力だけで我慢し続ける対策は、視界の仕組みや通知の仕組みに逆らい続ける消耗戦になってしまいます。
合格までに必要な勉強時間から逆算してスマホの持ち時間と場所を決め、その日の振り返りを進捗度ではなく習熟度で行う。この3つの仕組みを組み合わせれば、スマホを敵視せずに受験勉強と両立させられます。
特に勉強中だけはスマホから完全に距離を置きたいという人は、勉強中のスマホ依存を断ち切る具体的な対処法はこちらもあわせて参考にしてください。
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