【2022年度】大学入試共通テスト 地学基礎・地学の難易度を徹底分析!
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2022年1月に大学入試共通テストが実施されました。
共通テストが導入されて2年目となった試験だったため、問題の出題傾向やこれまでの試験とどういった点が異なっているのか・難易度について知りたい方も多いでしょう。
そこで今回は、地学基礎・地学の2科目に関してどのような対策をしていけばいいのかについてお伝えします。
※共通テスト全体の概要に関しては【2021年度】大学入試共通テスト 全科目の難易度を徹底分析!をご覧ください。
地学基礎
全体概要
共通テスト | |
試験時間/配点 | 30分/50点 |
大問数/解答数 | 大問数は4問と1問増加し例年通りに。解答数は15個と昨年から変更はなかった。 |
出題形式 | 知識を問う問題からグラフの読み取りや考察問題が出題された。 |
出題分野 | 第1問は固体地球と断層、第2問は大気と海洋、第3問は宇宙、第4問は自然環境と災害というように、第3問までは昨年度の共通テストと同じ分野から出題された |
問題量 | 大問数は増えたものの解答数は昨年度と変わらなかったため、大きな変化はなし。 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
共通テストの地学基礎は、知識問題と考察問題がバランスよく出題されました。なかには植物の名称や鉱物の性質を知っている、グラフの読み取りができなければ答えられない問題も出されていましたが、答えを導き出すために必要な知識は教科書に記載されている基本的な内容となったため難易度としては全体的に易化と言える。
大問別分析
第1問 固体地球
問1は断層における図表からの読み取り問題。逆断層の成因と性質が問われた。問3は層序を問題文や図、解答の選択肢から読み解き答えを導かなければならなかった。問5は問2の流れを組んだ問題で地層や鉱物の基本知識があれば解ける問題であった。
第2問 大気と海洋
Aの問2は中学理科の範囲。しかし、問題文にあった「風が吹いてくる方向」に気付いておく必要がある。問3は津波の伝播速度をグラフから読み取る問題。水深に意識して解く必要があった。
第3問 宇宙
宇宙の誕生から物質、自転や対応の大きさ、太陽系にある諸天体についての性質にまつわる知識問題が出題された。問2の太陽に関する問題は計算で解くことも、知識でカバーすることも可能な問題であった。
第4問 自然環境と災害
地震と火山、気象災害に環境問題から出題された。問2ではハザードマップそのものにどういった役割があるのかを考察させる問題で、いわゆる共通テスト特有の新傾向がみられた。
2023年に向けての受験対策
共通テストの地学基礎は、単純な知識問題はもちろんのこと、おかれた状況から観察や測定の結果を推定する問題も出題されます。そのため、教科書に載ってある実験の考察にも目を通し、なぜそうなるのかを説明できるようにしておきましょう。地学基礎は過去問の数がそこまで多くないため、予備校で出されている問題集に取り組むなどして、地学基礎の問題に慣れるのが良いでしょう。
おすすめ参考書
共通テストの地学基礎で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。
「日本一成績が上がる魔法の地学基礎ノート」
<特徴>
地学基礎の範囲がまとめられた参考書としておすすめの1冊です。左ページに地学のしくみがわかる講義解説が載っており、右ページにカラフルにまとめられた板書ノートがあります。地学基礎を効率よく勉強したい方におすすめです。
購入ページ:「日本一成績が上がる地学基礎ノート」
「きめる!共通テスト地学基礎」
<特徴>
地学基礎の共通テスト対策を効率よく行いたい方におすすめの参考書です。写真や図・表を多く使用しているので、地学のイメージを捉えやすく学習がしやすくなっています。また、共通テストで押さえるべきポイントもしっかり説明してくれています。
購入ページ:「きめる!共通テスト地学基礎」
「短期攻略 大学入学共通テスト 地学基礎」
<特徴>
センター試験の過去問と本書のオリジナル問題が豊富にある演習用の参考書です。解答が丁寧で分かりやすく、解答に関連する知識事項にも触れてくれています。一通り地学基礎の範囲を勉強した人におすすめです。
購入ページ:「短期攻略!共通テスト地学基礎」
地学
全体概要
共通テスト | |
試験時間/配点 | 60分/100点 |
大問数/解答数 | 大問数は5問、解答数は30個で昨年より1個増加した。 |
出題形式 | 教科書にあるような基礎知識が問われる問題が多く、演習もしっかりこなせていれば問題なく解ける設問。地質図学の問題は削除された。 |
出題分野 | 第1問は20世紀初頭の地学的発見、第2mんは固体地球、第3問は岩石と地層、第4問は大気と海洋、第5問は宇宙からの問題が出された。 |
問題量 | 問題のページ数もこれまでと変わらずで昨年度並み。 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
共通テストの地学は標準的な知識を問う問題が多く出題され、なかには図を描いて考える問題や問題文に書かれた情報から判断が求められる問題もありました。分野総合的な理解が求められる傾向は昨年と変わらずで、計算問題のほとんどは基礎的な知識があれば解ける問題であったため難易度は昨年並みと言えるでしょう。
大問別分析
第1問 固体地球の概観
大気圏や恒星についても基礎的な知識、モホロビチッチのモデルと走時曲線、放射性同位体などが出題されました。玄武岩質マグマの結晶分化作用といった問題がありましたが、どれも基本的な知識があれば解ける問題でした。
第2問 固体地球
Aは変成岩、Bは酸素同位体比、Cは日本列島の地質にまつわる問題。いずれも標準的かつ基礎的な知識を問う問題です。問6では付加体の新旧関係が出題されており、西南日本で付加体がどのように配置されているかが分かっていれば容易に解けた。
第3問 岩石と地層
Aは変成岩、Bは酸素同位体比、Cは日本列島の地質にまつわる問題。いずれも標準的かつ基礎的な知識を問う問題です。問6では付加体の新旧関係が出題されており、西南日本で付加体がどのように配置されているかが分かっていれば容易に解けた。
第4問 大気と海洋
Aは大気の安定と不安定にまつわる問題、Bは海洋構造について問われた。問1では凝結高度の、問5ではアイソスタシーの基礎的計算問題が出題された。問6では、北半球ではコリオリの力は海水の流れに対して直角右向きにはたらくことを踏まえたうえで問題図2から点Aの水圧が点Cよりも低いことが求められればスムーズに解ける。
第5問 宇宙の構成
Aは太陽や天体の動き、Bでは惑星の視運動、Cは銀河と恒星にまつわる知識が問われた。天体と時刻に関する基礎的な知識や、火星が逆行する時の位置関係、白色矮星や天体の光度と等級にまつわる基礎的な知識があれば解ける問題であった。
2023年に向けての受験対策
共通テストの地学は、単なる暗記で対応できる知識問題だけでなく、図の読み取りや計算問題も出題されます。そのため、普段の学習から教科書の大事な部分だけを暗記するという形ではなく、どのような実験から何が分かったのか、公式の正確な理解もしておきましょう。
また、分野横断的な総合力も問われているので、いろいろな分野の問題が組み合わさった出題などに問題演習を通して慣れておくことも大切でしょう。
おすすめ参考書
共通テストの地学で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。
「新しい高校地学の教科書」
<特徴>
地学で必要となる基本的な考え方や用語をわかりやすく説明してくれているのが本書です。重要なポイントだけを絞って収録しているので、地学を短期間で効率的に学びたい人におすすめです。図や絵が多く挿入されていて統一感があり見やすいのも特徴的です。
購入ページ:「新しい高校地学の教科書」
「ひとりで学べる地学」
<特徴>
地学の基礎から応用まで幅広く学べる講義系参考書です。図やグラフなどもきれいで、シンプルなレイアウトが特徴的です。この1冊の内容を押さえておけば、地学のインプットに関しては問題ないでしょう。
購入ページ:「ひとりで学べる地学」
「短期攻略 大学入学共通テスト 地学」
<特徴>
地学の共通テスト対策にピッタリの参考書です。問題・解答解説ともに見開き2ページで1問完結されているので、見やすいレイアウトであることが特徴的です。難易度も問題ごとに3段階で評価しているので、自分がどのレベルまでできるのかが判断できます。
購入ページ:「短期攻略共通テスト地学」