英検が大学受験に間に合う【最終期限】は?高3の11月までが鉄則の理由とは?
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「英検を取ろうと思うけど、もう間に合わないかな…」と不安を抱えていませんか?
結論からいうと、高校3年生の11月までが最終期限となります。
ここからキミが考えるべきなのは「受験するべきか」または「勉強時間はどれくらいかかるか」です。
この記事では、英検が大学受験に間に合う最終期限や、英検取得にかかる勉強時間を紹介します。
残された時間と、英検の取得にかかる勉強時間から目指すべきかを判断してください。
英検が大学受験に間に合う最終期限は?
英検が大学受験に間に合う最終期限は「高校3年生の11月」です。
- 従来型の英検なら10月第2回の受験
- S-CBT形式(コンピュータベースの試験形式)なら11月初旬までの受験
これが一般的な目安となります。
通常、大学では英検の有効期限を「2年以内」と定めています。
一部では有効期限なし(例えば関西学院大学など)もあります。
ただ、高校1年生で取得した英検は大学受験時に期限切れになる可能性が高いので注意しましょう。
総合型選抜
総合型選抜(昔のAO入試)は9月〜11月頃に出願締切が目安です。
英検を活用したい場合、遅くとも高校3年生の6月第1回検定までに取得しておくことをおすすめします。
一般的に、英検証明書は試験から約1か月後に公開され、さらに実際の証明書が手元に届くまでに約10日かかります。
S-CBT形式なら従来型より早く結果が出るため、8月後半〜9月初旬の受験でも間に合うかもしれません。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜(昔の推薦入試)は11月頃に出願締切が目安です。
英検の証明書提出には、高校3年生の10月第2回検定までに取得しておく必要があります。
ただし、10月の英検は二次試験が11月になるため、証明書が間に合わないかもしれません。
万全を期すなら高校3年生の6月第1回検定、もしくはS-CBT形式で9月末までの受験をおすすめします。
一般選抜
一般選抜の出願締切は1月中旬〜下旬が多く、最終期限はここが目安です。
従来型の英検なら、高校3年生の1月第3回検定では遅すぎると考えましょう。
S-CBT形式の場合は11月初旬までの受験なら間に合うかもしれません。
一般選抜では英検の活用方法が「英語試験の免除」「得点換算」「加点」など大学によってさまざまです。
ここで失敗したくないなら、志望校の入試要項を必ず確認してください。
なお、英検のスコアだけでなく、CSE(Common Scale for English:英語力を測る共通スケール)スコアを利用する大学も増えてきました。
たとえ不合格でもCSEスコアが基準を超えていれば、利用できるかもしれません。
なぜ英検が必要?大学受験で注目される5つの理由
大学受験で英検が重視される理由は、以下の5つです。
- 入試科目の免除や点数換算の対象になる
- 総合型選抜で評価ポイントを得る
- 学校推薦型選抜で強みを発揮する
- 一般選抜において加点要素として考慮される
- 奨学金申請の条件として活用できる
入試科目の免除や点数換算の対象になる
英検の級やスコアに応じて、英語の入試科目を免除する大学があります。
英検準1級以上を持っていれば英語試験が免除され、ほかの科目に集中できるといった具合です。
得点換算制度では、例えば英検2級を持っていれば大学独自の英語試験で70点に換算するなどの優遇もあります。
英検2級でも大学によっては8割換算、準1級以上で10割換算などがあります。
英検の資格で英語試験の点数を保証できるため、苦手な英語でも高得点が確保できるのです。
総合型選抜で評価ポイントを得る
総合型選抜では、学力だけでなく多面的に評価する入試形式であり、英検はアピールポイントとなります。
公募制やAO入試では、ほかの受験生との差になります。
英検は学校教育に浸透している資格なので、試験官や先生方に認知度が高く評価されやすいです。
「なぜ英検取得に挑戦したのか」「どのように勉強したのか」をアピールしておくと良いでしょう。
学校推薦型選抜で強みを発揮する
学校推薦型選抜では、英検が出願資格の条件となっている大学があります。
英検2級や準1級を持っていることで、推薦枠に入れるかもしれません。
英語関連の学部・学科では、英検の高い級が強みになります。
学校推薦型選抜では、学校の成績(内申点)と英検などの外部検定を組み合わせる点に注意しましょう。
一般選抜において加点要素として考慮される
一般選抜では、英検が加点要素として考慮されるケースがあります。
英語外部検定利用入試(外検入試)を実施している大学では、英検のスコアを活用できます。
共通テストや二次試験の英語の点数に加えて、英検のスコアも評価されます。
同じ点数の受験生がいた場合、英検で合否がわかれるといった具合です。
九州大学など一部の国公立大学でも英検を所持していると、一定の条件下で英語が満点扱いになるケースもあります。
奨学金申請の条件として活用できる
英検の取得が奨学金申請の条件や優遇措置になることもあります。
英語圏への留学を考えている場合に有効です。
大学入学後も、英検が条件となる学内奨学金があります。
この点は、利用しようと考えている奨学金申請の制度をよく確認してください。
ゴールから逆算!英検の取得にかかる勉強時間の目安
英検の取得にかかる以下の勉強時間は、あくまでも目安として使ってください。
英検級 |
到達レベル |
必要学習時間の目安(累積) |
出典による裏づけ |
---|---|---|---|
1級 | C1〜C2 | 5,000 〜 7,000 時間(授業モデル最小3,500h+運用強化分) | ② 2,800h + ④ 自主1,675h =4,475h ≒ 下限 ③ 上限5,025h+運用強化 ≒7,000h |
準1級 | B2 | 3,500 〜 5,000時間 | ④ 4,070h(平均) ③ 2,805h(自主のみ下限) |
2級 | B1 | 2,000 〜 2,500時間 | ② 1,400h(授業のみ) ②+授業外=2,200h |
準2級 | A2 | 700 〜 900時間 | ② 700h(授業・課題含) |
3級 | A1 | 350 〜 450時間 | ② 350h |
4級 | A1– | 200 〜 300時間 | ① A1=100h ⇒×3.7 ≈ 370h ⇒ 4級はその半分程度 |
5級 | Pre-A1 | 100 〜 150時間 | ① 50h相当 ×3.7 ≈ 185h ⇒入門レベルを考慮し縮小 |
- 最小値=授業中心で理想的に進んだ場合の下限。
- 最大値=自主学習主体/効率が低い環境を含む場合の上限。
- レンジ中央が”平均的な日本人学習者”の必要時間に近い。
例えば、まったく英語ができない状態なのであれば、2級までに2,000時間以上を費やす計算になります。
もし、残された期間があと1年なら、毎日約5.48時間の学習が必要です。
英検の難易度の目安
英検の難易度でざっくりとレベルでわけるなら公式サイトの以下が参考になります。
英検級 |
概ね対応するCEFR |
本検定の位置づけ |
---|---|---|
1級 | C1〜C2 | “大学上級・専門” |
準1級 | B2 | “大学中級・実務” |
2級 | B1 | “高校卒業程度” |
準2級 | A2 | “高校中級” |
3級 | A1 | “中学卒業” |
4級 | A1– (A1入口) | “中学中級” |
5級 | Pre-A1 | “英語入門” |
高校1年生が取得するなら、卒業までの英語を早めに習得していくという流れになります。
英検2級の取得を大学受験までに間に合わせたいのであれば、いまからでも動きだしましょう。
出典:各級の目安 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検の勉強時間の参考
英検の勉強時間を調べるうえで参考にしたページの概要は、以下のとおりです。
データ |
概要 / 該当箇所 |
抽出できる時間値 (累積) |
注釈(日本人補正・特徴) |
---|---|---|---|
① ケンブリッジCEFR | A1〜C2に要するガイド付き時間(90 h〜1200 h) | A1 100h / A2 200h / B1 400h / B2 600h / C1 800h | 欧州語学習者基準。 日本人には≈3.7倍かかる(後述)。 |
② 坂田 & 福田 2018 | CEFR時間×3.7=日本人目安 大学卒業まで ≈ 2,200 h |
A1 350h / A2 700h / B1 1,400h / B2 2,000h / C1 2,800h | “授業+課題+自主”で算出。 3.7倍係数の根拠を詳細に提示。 |
③ 稲垣 2010 | 自主学習中心モデル | B2へ+2,805 h/C1へ+5,025 h | 授業効率を外した ワーストケース。 |
④ 坂田 & 福田 詳細表 (表6) | “卒業後も授業=自主”と仮定 | 総計 B2 4,070 h/C1 5,550 h | 日本の平均的社会人が 英会話学校+自主学習で進む場合。 |
⑤ FSIランキング | 英語話者→日本語:C1に2,200 h(授業) | 逆算すると日本語話者→英語もカテゴリV | 欧米集中訓練(1日5h授業+3h課題)前提。 日本人が国内で達成するなら時間はさらに増大。 |
- 基礎係数=3.7倍(データ②・④)を柱に「授業中心モデル」の下限値を設定。
- 授業外=授業時間と同量(大学実態)を加算し「平均モデル」を算出。
- 自主学習のみの上限値(データ③)を参考に「ワーストレンジ」を提示。
- FSI値(データ⑤)で C1≒2,200h(授業) → 3,500h(総) が妥当か確認。
日本人の平均モデル(5,550 h)はFSIを上回る=”国内学習は効率が低い”という仮定から算出しています。
もちろん数字は捉え方によって違いますが、相当な勉強時間が必要であるということはわかるはずです。
【出典】
- Guided learning hours – Cambridge English Support Site
- 徳島大学機関リポジトリ
- 大阪公立大学 学術情報リポジトリ
- TOEIC Asia.indd
- FSI language difficulty
まとめ
英検が大学受験に間に合う最終期限は、入試方式によって異なりますが、高校3年生の11月が一般的な目安です。従来型の英検なら10月の第2回検定まで、S-CBT形式なら11月初旬までの受験が望ましいでしょう。
よくある質問(FAQ)
英検はいつまでなら大学受験に間に合う?
最終的には高校3年生の11月初旬までに受験すれば、一般選抜に間に合う可能性が高いです。ただし、英検の形式や志望校の入試日程によって変わるので注意が必要です。
英検2級は大学受験に有効期限はありますか?
英検自体に有効期限はありませんが、大学入試では「2年以内」と定めている大学が多いです。高校3年生の1月に出願する場合、高校1年生の1月以前に取得した英検は使えない可能性があります。有効期限が切れた場合は、同じ級を再受験するか、上の級に挑戦するという選択肢があります。
大学受験に英検は影響しますか?
英検は大学受験において影響力を持っています。推薦入試やAO入試では出願資格の条件になることもあります。一般入試では英語試験の免除や得点換算、加点要素として評価されます。
英検2級だけで入れる大学は?
英検2級で英語試験が免除される大学や学部は数多く存在します。文系学部や英語以外の外国語学部では、英検2級が活用できます。法政大学や東京理科大学など、私立大学では英検2級が入試で評価されています。