漢文の参考書ルートはどう組む?句法暗記から1か月で仕上げる設計
更新日: (公開日: ) COLUMN
「漢文の参考書ルートって、結局何をどの順番でやればいいの?」——古文や現代文に比べて情報が少なく、後回しにしたまま入試直前まで手つかず、という受験生は珍しくありません。
返り点の読み方も再読文字もあいまいなまま模試を受け、なんとなく雰囲気で解答している。過去問に手を出す時期になっても、何をもって「仕上がった」といえるのか基準がわからない。そんな状態になっていないでしょうか。
漢文は、正しい順番さえ押さえれば、古文に比べてはるかに短期間で得点源にできる科目です。この記事では漢文の参考書ルートを「句法固め→過去問演習」の2ステップにわけて解説します。配点の根拠から目標得点別の仕上げ方、完成基準までを扱います。
この記事でわかること
- 漢文の参考書ルートは句法を1冊で固めてから過去問演習に進む2ステップで組めること
- 漢文に時間をかけすぎるべきではない理由(共通テストの配点構造)
- ルートをはじめる前に整えておくべき2つの前提条件
- 目標得点によって終着点をどう変えればいいか
漢文の参考書ルートの結論は句法固めから過去問演習へ
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漢文の参考書ルートの結論は、句法を1冊で固めてから過去問演習に進む2ステップです。仕上げにかかる期間の目安は1か月以内です。古文のように「文法」「読解法」「演習」の3つを別々の参考書で長い期間かけて積み上げる必要はありません。
漢文で覚えるべき句法(返り点の読み方・再読文字・句形のパターンなど)は範囲が限られています。だからこそ、1冊に凝縮された参考書で句法を固め切ってしまえば、そのあとは過去問という実戦で得点力を仕上げる段階に一気に進めます。
もちろん、句法を固める過程には、覚えた句法を実際の文章で使う読解演習も含まれる点に注意してください。この後の3ステップのH2で、句法固めの中身を具体的に分解して説明します。
まずは、なぜ漢文にそこまで時間をかけるべきではないのか、配点の話から見ていきましょう。

漢文の配点から見える時間をかけすぎない理由
漢文の参考書ルートを考えるうえで、最初に押さえておくべきは配点です。ここを知らないまま闇雲に時間をかけると、ほかの科目を圧迫します。
共通テスト国語200点中45点が漢文の配点
共通テストの国語は、2025年度(令和7年度)実施分から試験時間90分・200点満点の構成に変わりました。漢文にあたる大問の配点は、200点満点中45点です※1。
古文45点と合わせても古典分野は90点で、近代以降の文章(評論・小説・実用文)3問の110点には届きません。漢文単体では国語全体のおよそ4分の1に満たない配点にすぎません。
古典分野の90点に対して、漢文だけに何十時間もかけるのは、配点に対して割に合わない投資になります。
漢文は極める科目ではなく得点を取りに行く科目
漢文は、極める科目ではなく、配点分を着実に取りに行く科目として設計するのが合理的です。
古文と漢文では、覚える範囲や応用の幅に次のような違いがあります。
| 項目 | 古文 | 漢文 |
|---|---|---|
| 覚える範囲 | 広い(助動詞の活用・敬語・単語など) | 狭い(返り点の読み方・句形のパターンなど) |
| 応用の幅 | 広がりやすい | パターンをつかめば十分(古文ほど広がらない) |
だからこそ、漢文を「読み込むほど味わいが深まる教養科目」のように扱って何十時間もかけるのは、非効率な時間の使い方です。限られた句法を短期間で固め、浮いた時間を英語や社会といった伸びしろの大きい科目に回したほうが、合計点は上がります。
漢文参考書ルートをはじめる前の2つの前提条件
句法固めに入る前に、2つの前提を整えておく必要があります。この前提が抜けたまま参考書を進めても、途中でつまずきます。
古典文法ができていれば漢文の知識はゼロでもいい
漢文をはじめる前提条件は、古典文法(用言の活用・助動詞・敬語など、古文を読むための基礎ルール)が身についている状態です。逆にいえば、この前提さえ満たしていれば、漢文の句法知識そのものはゼロからのスタートでも構いません。
漢文の訓読(読み下し)は、成立当時の言葉である古文の文法を用いて行われます※2。古典文法があいまいなまま漢文の句法だけを覚えると、読み方の土台が整わないまま句法を積み上げることになり、理解が定着しにくくなります。
古典文法に不安がある受験生は、漢文の参考書ルートをはじめる前に、まず古典文法の復習を済ませておいてください。
スタート時期は逆算で決める
もう1つの前提として、入試本番から逆算し、漢文を集中的にやる1か月をあらかじめ確保しておきます。
漢文は句法という暗記知識が中心のため、期間を空けて少しずつ進めると、前に覚えた内容から順に抜けていきます。抜けた分をやり直す時間はそのまま無駄になり、かえって非効率です。
だからこそ、ほかの科目とのバランスを見ながら「ここで漢文に1か月使う」という期間を先に決めてください。その期間のなかで句法から過去問演習まで一気に詰め込むほうが、結果的に定着も効率も上がります。
漢文参考書ルートの3ステップ
前提が整ったら、いよいよ参考書ルートの中身です。漢文は「句法固め→過去問演習」という2ステップが結論ですが、句法固めの過程はさらに次の3つに分けられます。
ステップ1 句法を1冊で仕上げる
ステップ1は、返り点の読み方・再読文字・句形のパターンといった句法を、1冊にまとまった参考書で仕上げる段階です。
動画講義付きの参考書であれば、200ページ前後のテキストでも数時間の講義に凝縮されています。講義を見ること自体が、要点整理を読み込むのと同じ効果を持つわけです。ここを飛ばして本文だけを黙々と読むより、はるかに短時間で土台が仕上がります。
期間の目安は2週間程度です。ここでのゴールは、句法の1つ1つを覚え込むのではなく、次のステップで実際の文章に当てはめられる状態まで持っていく段階です。
ステップ2 読解演習で得点力を鍛える
ステップ2は、覚えた句法を実際の文章のなかで使いこなす読解演習です。句法を「知っている」状態と、「初見の文章で使える」状態はまったく別物だからです。
参考書に付属するミニブック(要点をまとめた小冊子)などを使い、句法がどう文章のなかで機能しているかを一文ずつ確認します。ここまでを終えると、句法の知識が実際の得点力に変わりはじめます。
ステップ3 過去問演習で仕上げる
ステップ3は、共通テストの過去問を中心に、句法固めで身につけた読み方を本番の形式で反復する演習です。ここでの目的は新しい知識を増やすのではなく、読み方の精度を上げる点にあります。
共通テストは2021年度に導入された試験のため、公式の過去問だけでは演習量が不足します。過去問に加えて、以下の演習素材も活用してください。
- 旧センター試験の問題
- 予備校が作成した予想問題集
- 模試の過去問
目標得点で変わる漢文参考書ルートの終着点
ここまでの3ステップは共通ですが、どこまで仕上げるかは目標得点によって変わります。自らの目標がどちらに当てはまるかを確認してください。
| 項目 | 8割狙い | 満点狙い |
|---|---|---|
| 想定する受験生 | 他科目に時間を割きたい国公立理系志望など | 漢文で満点を確保したい受験生 |
| 学習内容 | 要点整理を一通り仕上げる | 同じ句法固めの内容を土台にする |
| 演習の重ね方 | 過去問演習を一巡させる | 過去問・予想問題集を回数重ねて反復する |
| 到達点の目安 | 安定して8割前後 | 満点も十分に狙える |
それぞれの狙い方について、具体的な進め方を見ていきましょう。
8割狙いなら要点整理と過去問だけで十分
共通テストで8割程度を狙う場合は、句法の要点整理を一通り仕上げたら、あとは過去問演習だけで十分です。特に、他科目に時間を割きたい国公立理系志望の受験生にとっては、この最短ルートが向いています。
共通テストの漢文で問われる句法・読解のパターンは、句法固めで扱う範囲内。だからこそ、要点整理に凝縮された内容と過去問演習の反復だけで、8割に必要な範囲を十分にカバーできます。
要点整理の内容をひと通り押さえたあとに過去問演習を重ねれば、安定して8割前後に届く設計になっています。
満点狙いなら演習量を増やして反復する
満点を狙う場合も、新しい参考書を買い足す必要はありません。同じ句法固めの内容を土台に、過去問や市販の予想問題集を回数重ねて反復することで、満点は十分に狙える科目です。
同じ句法・読解のパターンを繰り返し解き直すほど、抜けや見落としが減っていくため、演習量を増やすほど満点に近づきます。以下の演習素材を積極的に取り入れてください。
- 共通テストの過去問
- 旧センター試験の問題
- 模試の過去問
漢文の参考書ルートの完成基準はミニブックの一問一答
漢文の参考書ルートが仕上がったといえる完成基準は、句法のミニブックにある一問一答を、見ないでスラスラいえる状態です。
この状態まで1か月で持っていくことが、句法固めから過去問演習までを通した最終的なゴールになります。逆に、この基準に届いていない状態で過去問演習に時間を割いても、抜けている知識のまま演習を重ねることになり、効率は落ちます。
漢文の参考書ルート選びに迷ったらどうすればいい?
ここまで、漢文の参考書ルートを「句法固め→過去問演習」の2ステップで解説してきました。ただし、実際にどの参考書を選び、いつから1か月間を確保すべきかは、志望校や現在の学力、他科目の進み具合によって変わります。
自らの状況に当てはめて考えるのが難しい場合は、一度マナビズムの無料受験相談を利用してください。志望校・現在の学力・スタート時期から、漢文にかける1か月をいつ確保すべきか、他科目とのバランスも含めて一緒に設計します。
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参考・出典情報
- ※1 独立行政法人大学入試センター「令和7年度大学入学共通テストの主な変更点について」(国語は大問を1つ追加し試験時間90分・200点満点、漢文にあたる大問の配点は45点)
- ※2 株式会社大修館書店「Web国語教室」中級編 第2回 はじめに押さえておきたい古典文法(漢文の訓読は成立当時の言葉である古文の文法を用いて行われるため、古典文法の知識が漢文の読み方の前提になると解説)