センター試験はなぜ廃止に?変わること・変わらないこと
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文部科学省は、2019年に大規模な「入試改革」の実施を発表しました。
これにより、大学入試に利用されてきた大学入試センター試験は、2020年度を最後に廃止され、2021年度の入試から新しく「大学入学共通テスト」が実施されます。
つまり、大学入学共通テストでは出題傾向や配点、試験時間などが変わるわけです。受験生は、共通テストの変化に合わせて、新しく対策する必要があります。
今回は、大学入試センター試験廃止によってどんなことが変わるのか、廃止になるそもそもの理由などを詳しく知っていきましょう。
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センター試験が廃止される理由
なぜ大学入試センター試験が廃止されるのかというと、従来の大学入試センター試験の出題方法では、正しい知識の記憶さえしておけば解けるという「知識偏重」の傾向が強かったため。
実際の社会では、丸暗記した知識ではなく、英語で会話をする力や、身につけた知識を応用する力など、より実用的な能力が求められます。
つまり、受験者の実質的な能力を見極めるためには、出題方法に変更が必要となり、従来の大学入試センター試験は廃止されることになったのです。
センター試験廃止で何が変わった?
従来のセンター試験では、高校までに受けた教育で身につけた「知識・技能」を測るための問題が出題されていました。
2021年からは、大学入学共通テストでは学力の3要素である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」すべてが重視される内容に変わりました。
それでは、大学入試センター試験廃止によってどんなところが変わるのかを、具体的に紹介します。
新たな試験は「大学入学共通テスト」
今後、大学入試センター試験と同じ役割を担うことになるのが「大学入学共通テスト」です。
実質的には、大学入試センター試験は廃止になるというより、名称と内容が変わってリニューアルされるというイメージに近いでしょう。
大きく変わるのは英語
大学入試センター試験が廃止されて、もっとも大きく変わるのが英語です。
これまで、大学入試センター試験の英語の配点は「リーディング200点・リスニング50点」で、英語を「読んで理解する」能力が重視されてきました。
2021年から実施の大学入学共通テストでは、「リーディング100点・リスニング100点」という配点に変更され、英語を「聞いて理解する」問題のボリュームが増えます。
また、現在は導入が延期されていますが、英検やGTECなど民間の資格・検定を利用して「読む・書く・聞く・話す」能力を測る試験の導入が、2024年を目処に検討されています。
「学力の3要素」をさらに強調
大学入学共通テストでは、全科目で出題の傾向が変わります。
例えば、大学入学共通テストでは、これまでになかった以下の出題方法が採用されます。
全教科 | 「すべて答えなさい」という解答形式が導入 |
英語 | 設問が英文に 「発音・アクセント・並び替え」の問題が廃止 |
国語 | 「実用的な文章」が題材に 複数の文章を関連付ける問題が出題 |
数学 | 会話文や長文が出題 |
このように出題方法の工夫によって、学生の能力をより広く測れる試験になる見込みです。
センター試験廃止でも変わらないこと
大学入試センター試験が廃止になっても、変わらないことは以下の3つです。
- 日程や科目
- 導入見送り・延期になったもの
→記述式回答・英語の民間試験導入 - 難易度
日程や科目
大学入学共通テストの試験日程は、大学入試センター試験と同じです。毎年1月中旬に行われる予定となっています。ちなみに、令和3年度(2021年)は、1月16日(土)・17日(日)に実施されます。
また、試験科目も大学入試センター試験と変わらず、6教科30科目の中から自分が志望する大学・学部の受験に必要なものを選択するシステムです。
導入見送り・延期になったもの
当初文部科学省が入試改革の一環として発表したものの、システムの整備などが難しく、導入が見送り・延期になったものがあります。
今後導入されていく可能性もありますが、少なくとも令和3年度に試験を受ける方には影響のない部分となります。
記述式回答
当初の予定では、2020年度から国語と数学の一部で記述問題を導入することになっていました。これは、マーク式だけではわからない思考力や表現力を測るためです。
しかし、採点システムの不備や採点が公平性に欠ける可能性があるといった指摘を受け、この記述問題の導入は見送りとなりました。
当面のあいだ、大学入学共通テストの解答方法は従来通りマーク式となります。いつから記述式が導入されるかは、2022年4月時点では未定となっています。
英語の民間試験導入
英語に関しては、国が認定した民間の資格・検定試験が活用される予定となっていました。
受験生は高3の4~12月の間に、英語検定やGTECといった国が認定した民間の資格・検定試験を受験し、その結果が大学に提供されるというシステムです。
この民間資格・検定試験の活用には、これまでの大学入試センター試験では測定できない「読む」「聴く」「話す」「書く」の4技能が見極められるというメリットがあります。
しかし、この民間試験活用も制度の整備に時間がかかり、他にも民間試験を複数回受験できる生徒が有利になってしまうなどの理由もあって、導入は見送られました。
現在、民間資格・検定試験の活用については、2024年の導入が検討されています。
難易度
センター試験が廃止されても難易度は、大学入試センター試験と変わりはありません。ただし、出題の傾向は変わるため、知識を丸暗記する勉強方法だと得点しにくくなる可能性はあります。
しかし、私大の二次試験にあるようなクセの強い問題や、高校教育の学習範囲から大きく逸脱した知識が出題されることはないでしょう。
また、先にもお伝えしましたが解答形式も従来通り、全てマーク式です。
センター試験廃止で受験生にメリットはある?
それでは、大学入試センター試験が廃止されることで受験生にどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
まずメリットとしては、英語の配点変更により、リスニングが得意な人の得点が伸びやすくなることが挙げられます。英会話を習っていた人や帰国子女にとっては、有利になるでしょう。
逆にデメリットとしては、英語のリスニング対策が必要になることです。
リスニング対策のために演習問題を解く際は、CDなどを「聞いてから解く」という工程が必要になるので、時間を取られやすくなります。
また、2021年度は初めて大学入学共通テストが実施される年となるため、過去問がないこともデメリットと言えるでしょう。
センター試験廃止は私立・推薦入試にも影響?
大学入試センター試験の廃止は、私立大学の受験や推薦入試にも影響があるのでしょうか。結論としては、あまり影響はないと言えます。
そもそも推薦入試を利用する場合、大学入試センター試験も大学入学共通テストも受験する必要がありません。その場合、大学入試センター試験廃止の影響はゼロと言っていいでしょう。
私大の場合、大学入学共通テストの結果が重視されるかどうかは大学によってまちまちです。大学や学部によって、科目ごとの点数を独自に換算して合否判定に活用することもあります。
一般入試や二次試験を利用することもできるので、私大志望の方には大学入試センター試験廃止の影響は少ないと言えるでしょう。
まとめ
従来の大学入試センター試験は、知識偏重の傾向が現代社会に必要な能力を測るために適していないと判断され、2020年度で廃止されました。
2021年度からは、学力の3要素を正しく判定できるよう工夫された「大学入学共通テスト」が導入されます。
過去問がなく、リスニング対策が必要になるなどデメリットもありますが、知識の丸暗記が苦手な方や、英会話が得意な方にとっては有利となるでしょう。
大学入学共通テストは過去問がないため対策がしにくいですが、試行調査の内容を参考にするなどして準備をしていく必要があります。
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・成績が上がる参考書の上手な使い方
・継続できるモチベーションアップ術
・部活と勉強を両立できる勉強術
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