受験数学のバイブル!赤チャート チャート式 数学の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) MATHEMATICS-HUMANITIES
チャート式 数学(赤チャート)
チャート式 数学(赤チャート)の概要
チャート式シリーズについて
受験数学界のバイブルとして昔から支持され続けている参考書、それが「チャート式」である。
今まで多くの受験生に愛され続け、それは今でも色あせることはない。
ここで「チャート式とは何か?」「どんなシリーズなのか?」とまだチャート式について詳しく知らない方は以下をクリックしてほしい。
チャート式の種類、大学別のレベルなど基本的なチャート式の情報を載せているのでぜひ目を通してから、このページを読んで頂きたい。
「チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A」
(冒頭にチャート式の情報を記載しています。)
さて、上のページを読んで頂くと、チャート式には様々な色とレベル、さらにⅠA・ⅡB・Ⅲと分かれていることがお分かり頂けただろう。
このページではその中でも特に「チャート式 数学」、いわゆる「赤チャート」について述べていく。
赤チャート、それはチャート式の中で最高難度に位置しており、対象レベルは東大・京大・医学科レベルである。
かと言って、超難関レベル志望の生徒は全員通らなければいけないかと言うと、そうは思わない。
私は超難関レベル志望の生徒でもほとんどの生徒に青チャートを推奨する。(理由は後述)
赤チャートについて
赤チャートのレベルはチャートでも群を抜いており、使用対象者は東大・京大・医学科志望の生徒でなおかつ、「頭の回転が早い」・「理解力が優れている」生徒に限る。
理由は良くも悪くも「解説が端的」であるから。
この赤チャートは一度書いた内容は徹底的に省き、解説・問題の重複が無いように工夫されている。
これ自体は悪いことでなく、本がスマートになり、インプットの段階を早く終え、スムーズにアウトプットの段階に移ることが出来るからだ。
しかし、私はインプットする事項(基本問題)は急がず、じっくりと進めていく方が良いと思っている。
だから、本当の数学の実力者以外は赤チャートではなく、青チャートでじっくりと基礎を固めて頂きたい。
「数学が好きだから難しい問題に取り組みたい!」といって、赤チャートに取り組んで思ったより成績が伸びない、といった生徒をよく見かける。(私もそうであったが)
なにがダメなのか?
答えは一つ、「好き=実力者」ではないからだ。
もちろん数学が好きならば、たくさん勉強もするし、数学の点数は上がるであろう。
それは当たり前である。勉強したのだから点数は上がるはずだ。
しかし、私が今述べている「実力者」とは先述した「頭の回転が早い」人だ。
厳しいことを書くが、こればかりは数学が好きだからといって簡単に伸びるものではなく、もって生まれた割合が大きいと思われる。
この赤チャートの使用対象者は真の実力者のみだ。
そういった人たちには、解説が端的でサクサク進むのでインプット段階を早く終えることができるといった利点しかない。
むしろ、そういう人には丁寧な解説より、赤チャートの解説のほうが理解しやすいのかもしれない。
繰り返すが、赤チャートは使用対象者を選ぶ。
慎重に自分と相談して取り組むか考えるべきだ。
好奇心やカッコ良さなどで選んでしまうと痛い目に合ってしまう。
チャート式 数学の具体的な構成
チャート式はどの色でも構成は統一されており、
大きく分けて、①基本例題②重要例題③練習問題④演習問題A⑤演習問題B
の5つに分かれている。
まずチャートの大部分は①と②と③で構成されている。
1ページに例題(①or②)と答えがまとめられており、それに続いて例題の類題である③が書かれている。
そして各単元の最後に入試問題である④⑤が載っている。これがチャート式の基本的な構成になっている。
例題の問いと答えが1ページにまとめられているので見やすく、復習もしやすいのが良い点であろう。
チャート式 数学の使い方
1.解法パターンの理解型暗記をせよ
いくら賢い生徒といえど、やはり受験数学を突破するにはパターン問題の暗記をする必要がある。
ここで暗記の際の注意点だが、答えの丸暗記でなく、理解型暗記である。
答えに至るまでの考え方を暗記するのである。
答えを覚えていても、類題は解けない。
しかし考え方を暗記すれば、少しくらい問題をひねられたとしても、根底となる流れは変わらないので解けるはずだ。
この理解型暗記は理系科目全般に通じるものなので、しっかりと身に付けてほしい。
2.考える時間を取れ
一般にインプット系参考書では、わからなければすぐに答えをみて、どんどんとパターン問題の暗記をせよ。と言われている。そしてチャート式においてもそれは通じる。
しかし、この赤チャートだけが例外である。
実力者が使うこの赤チャートでは、単にインプット作業だけに時間を要するのでなく、同時に「思考力」も鍛えてほしい。
具体的には、すべての問題に対し、10分程度の時間をつかって問題を解くということだ。
実力者にはこの「暗記」と「思考力の養成」を同時に行ってほしい。
これこそが赤チャートの使用特権とでも言えるのではないだろうか。
存分に赤チャートを活かしてほしい。
3.解答解説の熟読・暗記
当たり前のことに思われるが実はそうではない。
数学が出来る生徒に限って、「答えの正誤」に執着し、答えが合ってさえすれば解説は読まない、といった生徒が非常に多い。
この赤チャートを使用するような実力者がさらにスキルアップするためには、自己流の解法だけにこだわらず、さまざまな解法(見方)に触れ、素直に吸収することだ。
自分の解法にこだわる姿勢自体は素晴らしいもので、今後必ず役に立つであろう姿勢であろうが、受験数学には向いていない。
自分とは違う、問題の解法、数学の見方に触れ、良いものはどんどん自分の武器にしていくこと。これこそが実力者のさらなるスキルアップに一翼を担う。
チャート式 数学の注意点
それは1問にこだわりすぎないこと。
どうしても、実力者に多い傾向が「思考時間が長い」ことだ。
この姿勢もほめたたえるべきものだが、受験数学においては、特にこのインプットの段階においては非常にまずい。
インプットでの段階は言葉の通り、暗記の段階だ。
ついでに思考力の養成を同時にするのであって、それをメインにしてはいけない。
必ず10分で1問を終えてしまおう。