【数学編】武庫川女子大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) MUKOGAWA
本記事では武庫川女子大学の理系数学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。武庫川女子大学は兵庫県西宮市池開町に本部を置く日本の私立大学です。キャンパスは中央キャンパス、浜甲子園キャンパス、上甲子園キャンパスと北摂キャンパスの4つで、10学部17学科が設置されています。8000人を超える学生が在籍しており、学生数が日本一多い女子大学として知られています。偏差値としては35.0〜55.0で、就職・進路決定率は99.1%(2018年度)となっています。
はじめに
近年の武庫川女子大学の一般入試では、建築学部(2020年4月生活環境学部建築学科より建築学部に移行)の入試のみ理系数学を選択することができます。解答形式はマークシート方式が採用されています。自分の受験する予定のある入試学部・学科の出題形式を理解したうえで受験勉強を進めていくようにしましょう。今回は、数学Ⅲを含む理系数学が出題される一般3科目入試について紹介します。
概要
- 試験時間:60分
- 配 点:100点
- 目標点 :8割
- 問題数 :約58問(空欄数)
- 形 式:マークシート方式
- 構 成:大問3題
入試傾向と対策
それでは今から武庫川女子大学の理系数学の傾向と対策について紹介していきます。解答形式については第1問から第3問までマークシート方式で決まっているものの、分野や範囲が年ごとに固定されているわけではないため、傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まず、武庫川女子大学理系数学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。
①ほとんど標準レベルまでの問題で構成!
②マークシート方式であるためうまく誘導に乗ることが求められる!
③毎年、積分について出題される!
それでは、1つずつ具体的に説明していきます。
①ほとんど全て標準レベルまでの問題で構成されている
武庫川女子大学の理系数学入試で出題される問題は、難関大学で出題されるような複雑な問題ではなく、ほとんど全て標準レベルまでの問題となっています。したがって、学校で使用する教科書の練習問題などといった基本レベルを入試に必要な学力の土台としてしっかり固めることが重要です。ここでは、「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズをおすすめします。
「初めから始める数学」の使い方!
<特徴>
同目的の他の参考書と比べて解説量が2倍以上あること、解説が噛み砕いて丁寧に説明されていることなどから、数学に対して苦手意識を持っている人や高校数学初学者にもやさしく、分かりやすい参考書として知られています。説明文が話し口調で書かれているため親しみやすいという点もこの参考書の大きな特徴の1つです。これは問題集ではなくあくまで参考書であるため、問題数がそれほど多くはありません。問題演習を目的とする参考書ではないため、解き方のパターンをインプットした後は(または並行して)問題集に取り組み、問題をスムーズに解くスピード感に慣れる練習をしましょう。
<使用時期>
高校数学・学校の教科書・授業内容が全く理解できない状態で受験勉強を始めるのであれば、受験勉強開始と同時にこのシリーズの数学Ⅰに取り組み始めましょう。2月から受験勉強を始める場合は、2月に数学Ⅰ、3月に数学Aといったように1か月に1冊を完成させるイメージで進めていくと6月までの5か月で数Ⅲまでを終わらせることができます。
「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズを使って公式や解法などの基礎知識をインプットした後は、学校の教科書などと並行して「チャート式解法と演習数学IA(通称:黄チャート)」を使って問題演習を積み、入試基礎レベルの土台完成に努めましょう。
「チャート式数学ⅠA・ⅡB」の使い方!
<特徴>
黄チャートは、日東駒専や産近甲龍などの中堅私立大学からMARCHや関関同立などの難関私立大学文系と国公立大学文系レベルをカバーしている参考書です。そのため、教科書や定期試験レベルの問題から入試の基礎レベルへの橋渡しとなる役割を果たすことが期待されます。
例題と解説、重要な公式やチェックポイントが1ページにまとめられた見やすいレイアウトと数学ⅠAは837題、数学ⅡBは1160題、数学Ⅲは739題という圧倒的な問題数が掲載されていることがこの参考書が持つ大きな特徴となっています。
<使用時期>
前述したように学校の定期試験から日東駒専や産近甲龍などといった中堅私立大学レベルへ引き上げるための参考書となっているため、学校で使用する教科書などを利用して解法や公式を「覚えた」だけではなく「理解した」状態にもっていくことを目的としてこの参考書に取り組むことが理想的です。
具体的な使用時期としては、問題数が多いため6,7月の2カ月をかけて数学ⅠA、8,9月の2か月で数学ⅡB・10,11月の2カ月をかけて数学Ⅲに取り組むことで理解の穴がない状態をつくることが望ましいです。1周演習をしただけで満足することなく、2周・3周取り組むことで、問題を見ただけで解法が頭に浮かぶといったいわゆる「慣れる」状態まで持っていくことができるようにしましょう。
②解答形式がマークシート方式であるためうまく誘導に乗ることが求められる
武庫川女子大学の理系数学の特徴として、解答形式がマークシート方式であることが挙げられます。そのため、誘導にうまく乗ることができればスムーズに問題を解いていくことができます。マークシート方式で解答する試験の例に、センター試験があります。解答者に解答過程を示すことができず部分点の獲得が望めないため、確実に正解していくためにも「センター試験過去問研究-数学IA・IIB」を使って重点的に演習することをおすすめします。
「センター試験過去問研究数学ⅠA・ⅡB」の使い方!
<特徴>
過去実際にセンター試験で出題された問題と解答・解説が掲載されています。数学ⅠA・数学ⅡB全て合わせて54回分という豊富な問題量も大きな特徴の1つです。
比較的ていねいな解説が掲載されていますが、万が一理解できない部分がある場合は前出の解説系参考書や学校の教科書などに戻って細かい部分まで確認するようにしましょう。
<使用時期>
基本的な解法技術や公式などを演習を通して理解し、問題を読んでから解答に取り掛かるスピードを上げるために使用します。具体的な使用時期としては、数学ⅠA・ⅡBの範囲において黄チャートまでの参考書・問題集で不明点がない状態ができている9月ころとします。
以上がマークシート方式の典型的な形式である誘導のある問題に対応するための具体的な対策となります。
③積分の範囲からは多く出題されている
武庫川女子大学の理系数学入試には、積分の範囲からの出題が多くなっているという傾向があります。前出の「黄チャート」をしっかりやり込めば、積分の範囲も網羅しているため十分対策ができていると言えますが、数学Ⅲの積分の分野に苦手意識がある・不安を感じているという場合は「理系必修 坂田アキラの数Ⅲの微分積分が面白いほどわかる本」をおすすめします。
「坂田アキラの数Ⅲの微分積分」
<特徴>
数学Ⅲ全ての範囲の中から微分積分が課される問題のみにフォーカスして解説されている参考書です。大学入試において頻出かつ典型的な問題が厳選され、掲載されています。
<使用時期>
微分・積分の範囲は解き方のパターンのインプットに多くの時間がかかります。よって、数学Ⅲの微分・積分の範囲に苦手意識を感じたらすぐにこの参考書に取り掛かるようにしましょう。具体的な使用時期としては11月の1か月で1冊を終わらせることが理想的です。
数学ⅠAから数学Ⅲまで苦手意識を感じる範囲がなくなり、ある程度のスピード感と正確性が身についたら、秋ごろから「武庫川女子大学の赤本」に取り組み、本番を意識した演習をするようにしましょう。
<特徴>
実際に武庫川女子大学全学部の一般入試と推薦入試で出題された問題が掲載されています。問題や解答例だけではなく合格者最低点といった入試情報が掲載されていることも大きな特徴の一つです。
<使用時期>
秋以降の11~12月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターン暗記に不安を感じる受験生は、焦ることなく、前出の参考書に戻って演習量を積み、自分の弱点を確実につぶしていくようにしましょう。
まとめ
※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
大問ごとの傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。
まず始めるべきは数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Ⅲの基本的な問題の解き方のパターンのインプットです。教科書やそれに準ずる参考書を用いて,理解に穴を作らないようにしましょう。いずれも1度で終わらせず、何度も復習することが最も大切です。その後、それぞれの演習系の参考書や同じ形式であるセンター試験の過去問集などを用いて何度も実戦演習をし、秋以降はスムーズに赤本の演習に取り組んでいけるようにしましょう。
また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」になるのではなく、前のレベルの講義系参考書や教科書などに戻って解法や公式などの再理解をすることも大切です。そして、冬にかけて武庫川女子大学の赤本を用いて時間配分を意識しながらより実践的な演習を積むようにしましょう。
以上の説明を参考にして武庫川女子大学の数学の目標点である8割以上を取れるように計画を立てて勉強を進めるようにしましょう。