【数学編】日本女子大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) JWU
本記事では日本女子大学の理系数学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。日本女子大学は東京都文京区目白台二丁目に本部を置く日本の私立大学です。キャンパスは目白キャンパスと西生田キャンパスの2つで、4学部15学科が設置されています。8000人を超える学生が在籍している女子大学です。偏差値としては47.5〜62.5で、就職・進路決定率は99.0%(2018年度)となっています。
はじめに
近年の日本社女子大学の一般入試では、理学部全学科の入試で理系数学を選択することができます。解答形式は記述式が採用されています。自分の受験する予定のある入試学部・学科の出題形式を理解したうえで受験勉強を進めていくようにしましょう。今回は、一般入試について紹介します。
概要
- 試験時間:90分
- 配 点:100点(全方式)
- 目標点 :8割
- 問題数 :約7問
- 形 式:記述式
- 構 成:大問4題
入試傾向と対策
それでは今から日本女子大学の理系数学の傾向と対策について紹介していきます。解答形式については全て記述式で決まっているものの、分野や範囲が年ごとに固定されているわけだはないため、傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まずは、日本女子大学理系数学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。
①標準レベルまたはそれ以下の問題が出題
②数学Ⅲの出題比率が高い
③積分の範囲からは毎年出題
それでは、1つずつ具体的に説明していきます。
①標準レベルまたはそれ以下の問題が出題
日本女子大学の理系数学では、難関大学で出題されるような難易度の高い複雑な問題よりも教科書の練習問題などの学校の授業で扱われる標準レベル、またはそれより易しい範囲の問題が出題される傾向にあります。
そのため、数学に苦手意識を持っている受験生や高校数学を初めから学ぶ受験生は、学校の教科書や定期試験のレベルの土台を固めるために「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズを夏休みまでにⅠA・ⅡB・Ⅲすべてを完成させるようにしましょう。(画像は数学Ⅰ)
「初めから始める数学」の使い方!
<特徴>
同目的の他の参考書と比べて解説量が2倍以上あること、解説が噛み砕いて丁寧に説明されていることなどから、数学に対して苦手意識を持っている人や高校数学初学者にもやさしく、分かりやすい参考書として知られています。説明文が話し口調で書かれているため親しみやすいという点もこの参考書の大きな特徴の1つです。
これは問題集ではなくあくまで参考書であるため、問題数がそれほど多くはありません。問題演習を目的とする参考書ではないため、解き方のパターンをインプットした後は(または並行して)問題集に取り組むことをおすすめします。
<使用時期>
高校数学・学校の教科書・授業内容が全く理解できない状態で受験勉強を始めるのであれば、受験勉強開始と同時にこのシリーズの数学Ⅰに取り組み始めましょう。2月から受験勉強を始める場合は、2月に数学Ⅰ、3月に数学Aといったように1か月に1冊を完成させるイメージで進めていくと6月までの5か月で数Ⅲまでを終わらせることができます。
「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズを使って公式や解法などの基礎知識をインプットした後は、学校の教科書などと並行して「チャート式解法と演習数学IA(通称:黄チャート)」を使って問題演習を積み、入試基礎レベルの完成に努めましょう。
「チャート式数学ⅠA・ⅡB」の使い方!
<特徴>
黄チャートは、日東駒専や産近甲龍などの中堅私立大学からMARCHや関関同立などの難関私立大学文系と国公立大学文系レベルをカバーしている参考書です。そのため、教科書や定期試験レベルの問題から入試の基礎レベルへの橋渡しとなる役割を果たすことが期待されます。例題と解説、重要な公式やチェックポイントが1ページにまとめられた見やすいレイアウト、数学ⅠAは837題、数学ⅡBは1160題、数学Ⅲは739題という圧倒的な問題数が、この参考書が持つ大きな特徴となっています。
<使用時期>
前述したように学校の定期試験から日東駒専や産近甲龍などといった中堅私立大学レベルへ引き上げるための参考書となっているため、学校で使用する教科書などを利用し、解法や公式を「覚えた」だけではなく「理解した」状態にすることを目的としてこの参考書に取り組むことが理想的です。具体的な使用時期としては、問題数が多いため6,7月の2カ月をかけて数学ⅠA、8,9月の2か月で数学ⅡB・10,11月の2カ月をかけて数学Ⅲに取り組むことで理解の穴がない状態をつくることが望ましいです。1周演習をしただけで満足することなく、2周・3周取り組むことで、問題を見ただけで解法が頭に浮かぶ「慣れる」状態まで持っていくことが理想的です。
②数学Ⅲの範囲からの出題比率が高い
日本女子大学理系数学の特徴として、数学Ⅲ以前よりも数学Ⅲの範囲からの出題が多くなっていることがあげられます。数学Ⅲは記述式で出題されることが多いため、高得点を取るためには数学Ⅲの記述対策演習を重点的に行うことをおすすめします。
数学Ⅲの範囲に関しては、まず黄チャートを何度も繰り返して論理展開に慣れることが重要になります。黄チャートを何周もやり込めば日本女子大学の理系数学で十分戦える学力は身につきますが、もしそれだけで心配な場合や時間的に余裕がある場合は、「大学入試短期集中ゼミノート数学3記述試験対策ノート」を使って対策をすることもできます。
「大学入試短期集中ゼミノート数学Ⅲ」
<特徴>
例題とそれに対する記述解答が左ページに記載されており、右ページで記述のしかたが習得できるようになっています。薄型かつ書き込み式であることも大きな特徴の1つです。頻出かつ重要な45個の項目が厳選され、掲載されています。
<使用時期>
前出の「黄チャートⅢ」と同時期に取り組むのが望ましいため、ここでは具体的な使用時期を10月とします。
③積分の範囲からは多く出題されている
日本女子大学の理学部入試には、数学Ⅱ・Ⅲの積分の範囲からの出題が多くなっているという傾向があります。前出の「黄チャート」をしっかりやり込めば、積分の範囲も網羅しているため十分対策ができていると言えますが、数学Ⅲの積分の分野に苦手意識がある・不安を感じているという場合は「理系必修 坂田アキラの数Ⅲの微分積分が面白いほどわかる本」をおすすめします。
「坂田アキラの数Ⅲの微分積分が面白いほどわかる本」
<特徴>
数学Ⅲ全ての範囲の中から微分積分が課される問題のみにフォーカスして解説されている参考書です。大学入試において頻出かつ典型的な問題が厳選され、掲載されています。
<使用時期>
微分・積分の範囲は解き方のパターンのインプットに多くの時間がかかります。よって、数学Ⅲの微分・積分の範囲に苦手意識を感じたらすぐにこの参考書に取り掛かるようにしましょう。具体的な使用時期としては11月の1か月で1冊を終わらせることが理想的です。
数学ⅠAから数学Ⅲまで苦手意識を感じる範囲がなくなり、ある程度のスピード感と正確性が身についたら、秋ごろから「日本女子大学の赤本」に取り組み、本番を意識した演習をするようにしましょう。
<特徴>
実際に日本女子大学全学部の一般入試で出題された問題が掲載されています。問題や解答例だけではなく合格者最低点などの入試情報が掲載されていることも大きな特徴の一つです。
<使用時期>
秋以降の11~12月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターン暗記に不安を感じる受験生は、焦ることなく、前出の参考書に戻って演習量を積み、自分の弱点を確実につぶしていくようにしましょう。
まとめ
※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
大問ごとの傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。
まず始めるべきは数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Ⅲの基本的な問題の解き方のパターンのインプットです。教科書やそれに準ずる参考書を用いて,理解に穴を作らないようにしましょう。いずれも1度で終わらせず、何度も復習することが最も大切です。その後、それぞれの演習系の参考書や同じ形式であるセンター試験の過去問集などを用いて何度も実戦演習をし、秋以降はスムーズに赤本の演習に取り組んでいけるようにしましょう。
また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」になるのではなく、前のレベルの講義系参考書や教科書などに戻って公式などの再理解をすることも大切です。そして、冬にかけて日本女子大学の赤本を用いて時間配分などを意識しながらより実践的な演習を積むようにしましょう。
以上の説明を参考にして日本女子大学の数学の目標点である8割以上を取れるように計画を立てて勉強を進めるようにしましょう。