浪人で失敗する原因はなに?成功するために大切なポイントを解説
更新日: (公開日: ) COLUMN
大学受験で失敗して浪人する決断をしたら、誰もが「次こそは絶対に成功する!」と強く思うはずです。
今年は成功するために、多くの浪人生が経験した失敗を把握した上で、適切な対策をしましょう。
本記事では、浪人した際によくある失敗をはじめ、成功するためのポイントも解説しています。
大学受験で浪人が失敗する割合
大学受験で浪人が失敗する割合は、明確なデータがないため提示できません。
理由は、失敗の定義が人によって違うためです。
浪人の目標が「大学進学」の人にとっては、志望校以外の入試で合格した場合も「成功」といえます。
一方、志望校にこだわりがある場合には、滑り止めに合格しても「失敗」と判断するケースもあります。
人によって、成功・失敗の基準が違うため、一概に割合を出すのは難しいでしょう。
参考として、浪人生が志望校に合格できる割合は約10%というデータがあります。
志望校合格で約10%と考えると、浪人して大学進学できる割合はもう少し増えると予想できますが、想像よりも厳しい数字だと感じる人が多いかもしれません。
そして、浪人を決断したからには、成功させたいと願う人がほとんどなはずです。
そのため、浪人生活を有意義に過ごし、成功するためには、できる限り失敗しないための対策が必要です。
大学受験の浪人生によくある失敗談
まずは、大学受験の浪人生によくある失敗談を見ていきましょう。
同じ失敗を繰り返さないための参考にしてください。
- 成績が伸びなかった
- 独学で効率的な勉強ができなかった
- 質問できる環境がなかった
- 受験に不利な夜型の生活になった
- 遊びすぎてしまった
- やる気が続かなかった
成績が伸びなかった
浪人しても成績が伸びないという人は一定数います。
成績が伸びないのは、主に下記の原因が考えられます。
- 時間があると思って本気を出すのが遅かった
- 浪人して毎日勉強していれば成績が伸びると思っていた
- 勉強法や計画が間違っていた
- 塾や予備校を利用していなかった
浪人生は、これまで培った学力にプラスして知識を積み重ねていくため、当たり前のように成績が上がると思っている人も多いでしょう。
しかし、基礎固めが終わり、知識を身に付けていくほど、学力向上は難しくなります。
そのため、浪人したら適切に努力しないと、順調な学力向上は見込めません。
「浪人したら成績向上するはず」という認識は改めた方がよいでしょう。
独学で効率的な勉強ができなかった
浪人生活を独学で過ごす場合、効率的な勉強ができなかったと後悔する人もいます。
独学は、1日の時間を自分でコントロールできるため、ペース配分や重点的な苦手科目の対策など、勉強しやすい面もあります。
しかし、塾や予備校などプロの講師から提案される勉強法や計画に比べると、劣る点があるのも事実です。
時間を無駄にせず、学力や志望校に合う効率的な勉強がしたい場合には、塾や予備校の利用を検討しましょう。
質問できる環境がなかった
特に独学を選んだ場合、問題が解けないときに質問できる環境がなくて失敗するケースもあります。
質問できる環境がないと、わからない問題も自分で解説を読みながら理解するしかありません。
そのため、1問を理解するのに多くの時間がとられてしまう可能性もあり、大変非効率です。
さまざまな理由から塾や予備校には通えないという場合も、オンラインの学習サービスで質問できるケースもありますから、検討しましょう。
受験に不利な夜型の生活になった
浪人すると、生活が不規則になり、夜型のリズムになってしまったという失敗もあります。
夜型になると、受験においてさまざまな理由で不利になります。
- 不健康な生活で体調不良になりやすくなる
- 午前中の入試で集中できないコンディションになる
- 生活リズムが崩れて安定した勉強時間を確保できなくなる
浪人中は自分で予定を決められるからこそ、徹底した自己管理で規則正しい生活を送りましょう。
遊びすぎてしまった
浪人すると自由な時間が増えるため、誘惑に負けて遊びすぎてしまうというのもよくある失敗です。
友達の誘いが多い、夢中になる趣味がある、という人は特に気をつけましょう。
頑張りすぎると浪人生活のモチベーションが下がる可能性もあるため、適度な息抜きは必要です。
志望校対策に十分な勉強時間を確保した上で、リフレッシュの日を作ってください。
やる気が続かなかった
浪人生活は長い期間勉強を続けなければいけないため、モチベーション維持ができなかったという人もいます。
やる気が出ないときには、下記の方法を試してください。
- 目標を再確認する
- 勉強の環境を変える
- 休憩・息抜きする
やる気が出ないなかで無理に勉強するとつらく感じて悪循環になるため、気持ちを切り替える工夫が大切です。
浪人生活で失敗する人の特徴
続いて、浪人生活で失敗する人の特徴を確認します。
浪人したら、同じ行動をとらないように意識してください。
- 予備校・塾の授業だけで満足している
- 全力を出し切れていない
- 浪人の原因がわかっていない
- 学力と目標に差がありすぎる
- 不規則な生活をしている
- 息抜きや遊びが多い
- 予備校・塾選びが間違っている
予備校・塾の授業だけで満足している
予備校や塾に通っているだけで、受験勉強に満足している人は注意が必要です。
知識の定着には、インプットとアウトプットが大切なため、授業を受けているのみでは効率的な学力向上ができません。
着実に学力向上するためには、授業で知識をインプットしたら、自習で問題演習をはじめとするアウトプット学習もしてください。
アウトプット学習は、学んだ知識がどれだけ理解できているかを確認する作業になるため、大切な勉強です。
全力を出し切れていない
浪人で失敗してしまう人は、全力を出し切れていない場合も多いです。
たとえば、浪人が決まってから、塾や予備校で新カリキュラムが始まる4月までの間を完全なオフで過ごしてしまう人がいます。
しかし、実際の浪人生活は、前回の受験が終わってからすぐスタートしていると思ってください。
気持ちの切り替えが早い人は、浪人後すぐに次の受験へ向けて勉強を始めます。
そのため、浪人決定後のオフが長ければその分、周りと差がついてしまうのを理解しておきましょう。
浪人の結果に後悔しないよう、前回の受験が終わってからすぐに勉強を始めて、全力を出し切ってください。
浪人の原因がわかっていない
前回の受験においてなにが原因で浪人したのかをわかっていない人は、次も失敗する可能性があります。
浪人生活で大切なのは、前回の失敗を明確にして改善するという点です。
「勉強時間が足りなかった」「苦手科目を克服できなかった」など、心残りがある点や学習不足だった部分を洗い出して、浪人生活に活かしましょう。
前回にミスした原因がわからない場合、浪人しても同じ失敗を繰り返すリスクがあります。
学力と目標に差がありすぎる
自分の学力を過信しすぎて、目標と差がありすぎる人も失敗する可能性が高いです。
1年浪人しても目標に追いつけないくらい無謀な志望校を定めてしまうと、合格は難しいでしょう。
そのため、まずは自分の学力を冷静に判断するのが大切です。
前回の模試や入試結果を振り返って、浪人したら届く目標なのかを検討してください。
学力と目標の差があるとわかっていても、志望校に強いこだわりがある場合には、多浪するケースも覚悟して臨みましょう。
不規則な生活をしている
不規則な生活をしている浪人生も、失敗するリスクがあります。
- 安定した勉強時間が確保できずに計画通り進まない
- 入試が実施される午前中に集中できるコンディションを作れない
- 体調を崩しやすくなる
さまざまな面で受験において悪影響があるため、早寝早起きを心掛けて規則正しい生活を送りましょう。
息抜きや遊びが多い
息抜きや遊びが多いと、勉強不足になる可能性が高いです。
適度な息抜きは、気持ちをリフレッシュさせて前向きに勉強できるメンタルが作れるため、大切です。
しかし、誘惑に負けて勉強よりも遊びを優先すると大変危険ですから、気をつけましょう。
計画通りに生活した上で、合間を縫って息抜きしてください。
予備校・塾選びが間違っている
予備校や塾が自分に合っていない場合にも、浪人を失敗する可能性があるため気を付けてください。
予備校や塾は、自分の学力や志望校に合うところへ通うのが大切です。
主に、合格実績やカリキュラム、授業タイプなどを確認した上で、複数の予備校・塾を比較検討して決めましょう。
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大学受験を浪人で成功する人の特徴とは
最後に、浪人生活で成功する人の特徴も確認しておきましょう。
- 目標を明確に持っている
- 浪人後すぐに勉強を始めている
- 規則正しい生活を送っている
- 浪人生活に集中できる環境が整っている
- 予備校・塾に通っている
浪人してまで行きたい大学があり、目標に向けて全力で頑張ると成功率は高まります。
失敗するリスクを少しでも抑えたい人は、成功する特徴を浪人生活で活かしてみてください。
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浪人失敗したその後の進路
浪人が失敗した場合の進路について説明します。
もしものときも後悔のない選択をするために、確認してください。
- 滑り止めに入学する
- 仮面浪人する
- もう一度浪人する
- 専門学校に入学する
- 就職する
- 浪人失敗が引きこもりにつながる場合もある
滑り止めに入学する
志望校に落ちて別の安全校に合格した場合、受かった滑り止めの大学に入学するかを検討します。
本来目指していた大学より、1〜2ランクほど下の可能性もあるため、志望校にこだわりがある浪人生にとっては失敗と感じてしまう場合もあるかもしれません。
滑り止めへの入学を辞退すると、もう一回浪人するか大学以外の選択肢になるため、後悔しない決断をしてください。
仮面浪人する
浪人に失敗した際には、一旦、合格した大学に通いながら志望校を目指す「仮面浪人」という選択肢もあります。
ただし、志望校に落ちて滑り止めには合格したという人にしか選択できない進路です。
仮面浪人は、すでに大学進学しているため、もし次も志望校に落ちたとしても在学中の学校へ通い続けられます。
在学している大学の勉強とあわせて志望校対策もするため、忙しくなると覚悟した上で決断してください。
もう一度浪人する
「志望校に強いこだわりがある」または「大学進学したいけれど全落ちした」という場合には、もう一度浪人するという進路もあります。
もう一度チャレンジする際には、新たに1年分の浪人費用がかかるため、よく考えて決めてください。
親に費用を負担してもらう場合には、相談しましょう。
また、次は失敗しないために、現状の学力を分析して、志望校への挑戦は無謀ではないかも再確認します。
大学進学を目標とする場合には、志望校とあわせて安全圏の滑り止めも受験するのをおすすめします。
専門学校に入学する
受験で全落ちして、大学進学をあきらめる場合には、専門学校に入学する選択もあります。
専門学校で学べる知識やスキルに興味がある場合には、一度検討してみるとよいでしょう。
ただし、全入試の結果が出てから情報を集め出しても、すでに受付が終了している学校も多いため、早めに行動する必要があります。
専門学校を検討する場合には、万が一に備えて、入試前から準備を進めておいてください。
就職する
大学進学を断念して、就職する進路もひとつの選択肢です。
資格取得のために勉強して、スキルアップしてから就職するという方法もあります。
浪人で培われた学習習慣は、資格取得のほかに、社会人になってからも活かせます。
大学に進学できなくても「浪人が無駄だった」と感じる必要はありません。
これまでの経験は今後の人生で活かせる場面が多くありますから、前向きに就職活動を頑張りましょう。
浪人失敗が引きこもりにつながる場合もある
最後に、浪人失敗から上手に気持ちを切り替えられず、次の一歩が踏み出せないまま引きこもりになってしまう人もいます。
原因の多くは、「浪人した結果、成功できなかった」という自信喪失です。
もし、浪人に失敗して引きこもりや何もやる気が起きなくなってしまったという場合には、無理に頑張ろうとせず、まずしっかり体と心を休ませてください。
体調や気持ちが落ち着いてきてから、今後の進路についてゆっくり考えましょう。
浪人生活を失敗しないために重要なこと
多くの浪人生の失敗を知るのとあわせて、成功のために大切な行動も確認してください。
以下の行動を意識すると、失敗のリスクを下げられるはずです。
- 自己分析をする
- 浪人開始から全力を出す
- 予備校・塾を利用する
- 1日8時間以上勉強する
- 安全圏の併願校も受験する
自己分析をする
浪人が決まったら、自己分析してください。
- 現時点の学力
- 特に苦手な科目
- 前回の受験に関する反省点
自己分析の結果から、浪人生活ではどのように勉強すれば目標を達成できるのかについて考えます。
正確な自己分析ができないと、前回の受験と同じミスを繰り返すリスクが高くなるため、しっかり振り返って苦手科目や反省点を洗い出してください。
浪人開始から全力を出す
浪人が決定したら、すぐに全力を出して勉強しましょう。
一般的に、予備校や塾の新年度カリキュラムは4月から始まる場合が多いため、浪人生活も同時期に始めればいいと考えてしまうかもしれません。
しかし、浪人直後から新年度まで勉強しない場合、1年のうち1ヶ月ほどの時間を失う可能性があります。
成功を目指す意識が高く行動力もある人は、浪人直後から勉強を始めているため、徐々に差が広がっていきます。
そのため、浪人に失敗しないためには、ライバルから出遅れないように、すぐ勉強を始めてください。
予備校・塾を利用する
1年間の時間を無駄にせず、できる限り効率的な勉強を進めるために、予備校や塾の利用をおすすめします。
予備校や塾では、長年の経験を積んだ講師によるわかりやすい指導が受けられ、受験に対する悩みを気軽に相談できる環境も整っています。
自分に合う予備校や塾を選べば、勉強だけに集中できて効率的な学力向上が目指せますから、浪人を失敗したくない人は、検討してください。
浪人生コースのマナビズム
マナビズムの浪人生コースでは、映像授業をはじめ、浪人生活で重要な自主学習で役立つ参考書指導に力を入れています。
また、週に1回の自習コンサルタントによる個別指導では、学習計画や勉強法などの相談も気軽にできます。
随時受け付けている浪人生説明会では、当塾や受験に関する些細な疑問にも丁寧にお答えしていますから、お気軽にお申し込みください。
1日8時間以上勉強する
浪人したら、毎日8時間以上は勉強しましょう。
一般的に、現役高校生は授業や自主学習で1日7時間ほど勉強していると考えられます。
そのため、ライバルに差をつけるためには、より多くの勉強時間を確保する必要があります。
そして、難関大学や自分の学力と差がある志望校を目指す場合には、さらに多くの勉強時間が必要です。
スキマ時間も有効活用して、少しでも勉強時間を確保する工夫が大切です。
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安全圏の併願校も受験する
絶対に志望校へ進学するという強いこだわりがある場合を除き、今年の浪人生活で大学入学したい場合には、安全圏の併願校も受験してください。
併願校は、自分の学力に適した大学とあわせて、1~2ランク下の学校も受験するのが重要です。
志望校とあわせて自分の学力と同等レベルのみの受験では、失敗する可能性があります。
成功率を上げるために、1~2ランク下の安全校も受験してください。
浪人生活で失敗したくない人が知りたいこと
最後に、浪人生活で失敗したくない人が知りたいことをまとめました。
- なぜほとんどの浪人生が失敗するのか?
- 浪人して成功する確率は?
- 浪人生の何が辛い?
- なぜ浪人が減ったのか?
- 東大の一浪の合格率は?
- 女子の浪人率は?
なぜほとんどの浪人生が失敗するのか?
浪人生が失敗する主な理由は、「最初から全力を出さなかった」「趣味や遊びを優先にしてしまった」などです。浪人期間に余裕があると思い込み、勉強以外に多くの時間を使ってしまったため、受験対策が不十分になるケースがあります。浪人したらすぐに勉強を始めて、万全な対策ができる計画を立てた上で、一生懸命頑張りましょう。
浪人して成功する確率は?
明確なデータはありませんが、一般的に、浪人生が志望校に合格する確率は約10%といわれています。また、難関大学や医学部への合格率は約40%です。難関大学や医学部の合格率が高いのは、進学したい強い動機や行動力があるためと考えられます。そのため、志望校に向けて最初から全力で頑張り、適切な学習計画や勉強法を実施すれば、成功率は高まるといえるでしょう。
浪人生の何が辛い?
浪人生は、入試までの期間を勉強中心で過ごさなければいけないのが辛いといえます。どれだけ勉強しても、絶対に合格する保証はありません。後悔しないように、できる限りの時間を勉強に注ぐ必要があります。そのため、趣味や遊びを我慢する場面が多くなりますから、辛いと感じる人も多いでしょう。
なぜ浪人が減ったのか?
浪人が減った理由は、少子化による18歳未満の減少と大学増加による定員増が考えられます。現役の受験者数が減って大学側の定員が増えているため、必然的に合格者数が増加する結果となり、浪人が減少しています。また、感染症の拡大や物価上昇などによる家庭の経済状況悪化も、浪人を思い留まらせる原因になっているでしょう。
東大の一浪の合格率は?
東大の入試について、2022年度の卒業年度別合格率を参考にすると、一般選抜では一浪の合格率が全体の37.6%でした。一方で現役生は33.5%であるため、一浪生の方が合格率は高いです。このデータを見ると、東大のレベルは、多くの受験生にとって一浪しないと合格が難しい大学であるといえるかもしれません。
女子の浪人率は?
文部科学省「令和元年度学校基本調査」の情報では、女子の浪人率は18%です。一方、男子の浪人率は26.1%となっています。女子の方が低い理由は、浪人してまで大学進学するメリットが男子より少ないと考えられているためです。「女性が浪人してよい大学に入っても、会社で有意に立てない」という、日本の古い価値観が残っているのが原因かもしれません。
まとめ
浪人を独学で過ごしたり、勉強より遊びや趣味を優先したりすると、思うように学力向上できず、失敗する人がいます。
一般的に、浪人生が志望校に合格する確率は約10%といわれていて、大変低い数字のため、最初から本気を出さないと成功は難しいと覚悟しておきましょう。
記事を参考に、失敗しないための浪人生活を過ごして、志望校合格に必要な学力向上を目指してください。