大学受験は独学だときつい?失敗する原因と”今日からできる”勉強法を解説
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独学で挑む大学受験は、塾・予備校と違い学習計画の作成や受験情報提供などのフォローが受けられないことから、厳しい道のりとなります。
そのため、独学を検討中の人は、注意点や乗り越えるために必要な条件などを理解した上で決めた方がよいでしょう。
この記事では、独学のメリットと失敗してしまう原因、今日からスタートできる勉強法を詳しく解説します。
独学と塾・予備校のどちらを選べばいいか悩んでいる人にとって、参考になる情報もまとめていますので参考にしてください。
大学受験を独学で目指す人の割合
ベネッセが公開しているデータから、独学で大学受験を目指している人は何割いるのか考えてみましょう。
高校生の通塾率(時系列推移)
- 第1回 → 12.7%
- 第2回 → 15.0%
- 第3回 → 19.8%
- 第4回 → 25.3%
つまり、最新の第4回調査では、約4人に1人(25.3%)の高校生が塾・予備校に通っていることになります。なお、偏差値別は以下のとおりです。
- 偏差値55以上の学校群:39.1%
- 偏差値50以上55未満 :23.6%
- 偏差値45以上50未満 :22.8%
- 偏差値45未満 :12.6%
偏差値の高い学校ほど通塾率が高い傾向がはっきり出ています。特に、偏差値55以上の高校生は約4割が塾に通っています。
ただし、大学に進学しない生徒も対象としていることから、進学を検討している割合はさらに増加する見込みです。
「どうしても進学したい志望校がある」「浪人はしたくない」などの理由があれば、成功率を上げるために塾や予備校に通うのがおすすめです。
大学受験を独学で目指すメリット
ここで、大学受験を独学で目指すメリットを確認しましょう。
- 好きな時間・場所で勉強できる
- 自分のペースで効率的に勉強できる
- 費用を抑えられる
好きな時間・場所で勉強できる
塾・予備校と違い、独学は好きな時間や場所で勉強できます。
家やカフェ、図書館などあなたが集中できてモチベーションが上がる環境で勉強できる点が大きなメリットです。
「いつもは家で勉強しているけど、気分転換にカフェでコーヒーを飲みながら」という、柔軟な取り組み方も問題ありません。
また、部活や習い事で忙しい人には、「今日は遅くなったから勉強は夜にやろう」という急なスケジュール変更も大丈夫です。
塾・予備校のように決められた時間や場所だと前向きに勉強できないという人は、独学の方が向いているといえます。
自分のペースで効率的に勉強できる
独学は、自分のペースで勉強できます。
塾や予備校では、コースによって予め内容が決まっていますから、自分が得意な科目であっても他の受講生と同様の授業を受けなくてはいけません。
しかし、独学の場合には、短時間で理解できてしまえば他の苦手な問題に多くの時間を充てられますから、効率的に勉強を勧められるでしょう。
一方、個別指導塾を選べば、あなたの得意・不得意な教科に合わせて柔軟な指導が受けられます。
そのため、「苦手な教科を重点的に勉強したいから独学を選ぶ」という理由であれば、個別指導塾も検討してみるとよいでしょう。
費用を抑えられる
独学は、費用を抑えられるのが大きなメリットです。
塾や予備校の場合、集団指導でなるべく費用を抑えても年間50万円ほどかかります。
さらに、入会金や夏期講習・冬期講習などを含めると、その分の費用が発生します。
一方、独学であれば費用は参考書や問題集などを揃えるだけですから、圧倒的に安いです。
費用面は家族の意向もありますから、十分に相談して決めてください。
- 独学でやっていける自信がない
- 何から勉強すればよいかわからない
- 塾に通っているけど成績が伸びていない
これらの悩みに1つでも当てはまる受験生は今すぐ無料受験相談にお問い合わせ下さい。
大学受験を独学で目指して失敗する4つの原因
独学で大学受験を目指して失敗する原因は、以下のとおりです。
- モチベーション維持が難しい
- 志望校選択・受験戦略が間違っている
- スケジュール管理が難しい
- 参考書選びに時間が掛かる
モチベーション維持が難しい
独学は一人でコツコツと勉強するため、モチベーションの維持が難しいです。
一方、塾・予備校は周りで一緒に頑張る仲間がいるため、切磋琢磨できる環境が整っています。
そのため、「誰かと一緒の方が頑張れる」「家で勉強するとついテレビやスマホを見てしまう」という人の場合、独学で大学受験するリスクは高いといえます。
志望校選択・受験戦略が間違っている
2024年以降、大学受験は、ただ勉強を頑張るだけでは通用しません。
いわば、情報戦です。
各大学ごとに出題傾向も入試方式も異なり、複雑化しています。
しかし、独学の場合、受験情報を自力で正確に集め、分析して、戦略を立てるのは非常に難しいです。
その結果、
- 志望校の選び方を間違える
- 出願計画を失敗する
- 本来なら受かる大学にも届かない
というケースが後を絶ちません。
こうした「受験設計」にまで意識が回らない人が独学では特に多いのが実情です。
スケジュール管理が難しい
独学は、誰にも強制されない自由な環境です。ペースも計画も全て自分で決められます。一方で、自分に甘くなりやすいというデメリットもあります。
例えば、
- 「今日は疲れたから少しだけでいいや」
- 「まあ、明日から本気出す」
といった言い訳が、誰からも咎められないわけです。
塾や予備校では先生や仲間の目がありますが、独学では完全に自分次第。
本当に自己管理能力が高い、一部の受験生でなければ、日々の学習量を維持し続けるのは困難です。
参考書選びに時間が掛かる
塾・予備校ではレベルに合うおすすめの参考書を紹介してくれますが、独学の場合には自分で選ぶ必要があります。
ネットで調べれば「良い参考書ランキング」や「最強問題集まとめ」など、いくらでも情報が出てきます。だからこそ、多くの受験生は「良さそうな参考書」を手に入れること自体には成功します。
しかし問題は、その参考書のレベルが自分に合っていないことです。特に、「背伸びして難しい参考書を選びがち」なのが典型的な失敗パターンです。
結果として、内容が理解できず、問題も解けないまま、勉強が停滞します。
関連記事:【完璧を目指す】参考書だけで大学受験は可能?失敗する理由と成功のポイント
大学受験を独学で目指すために必要な4つの条件
独学で大学受験を成功させるには、4つの条件が揃っていないと困難です。
- 基礎力がある
- 勉強に集中できる環境がある
- 自己管理できる
- いつでも相談できる相手がいる
基礎力がある
独学で大学受験を目指すためには、自力で参考書や問題集を解かなければいけないため、基礎力が必要です。
そのため、下記に挙げる2つの勉強法ができないと厳しいです。
- 参考書で間違っても解説を読んで理解できる
- 学校の授業を予習・復習して確実に理解する
独学は塾や予備校に通う人よりも質問できる環境が少ないため、自力で解決できる能力が求められます。
基礎力に自信がなく、簡単な問題集でも行き詰る可能性があると感じる人は、塾や予備校を検討した方がよいでしょう。
勉強に集中できる環境がある
独学で十分な学力をつけるためには、勉強に集中できる環境が必要です。
- 家で集中して勉強できるか
- 近くに図書館やカフェなど静かに勉強できる場所はあるか
家はいつでも勉強できる反面、テレビや漫画・ゲームなどの誘惑があります。
そのため、誘惑に負けそうな人は、家の近くに図書館やカフェがないと集中できる環境が整わないでしょう。
独学はどこでも勉強できる点がメリットですが、勉強モードへの切り替えが大変です。
「独学をするならどこで勉強するのがよいか」を事前に検討して、集中できる環境が用意できるかを確認してください。
自己管理できる
独学は自分で学習計画を立てて実行しなくてはいけないため、自己管理能力が大切です。
「今日は部活が忙しかったから、予定より勉強量を減らそう」と計画を変更したら、徐々にスケジュールが先送りになります。
計画が崩れると、あとで予定よりも多くの勉強が必要になり、最悪の場合は「受験範囲が終わらない」となる可能性もあります。
そのため、独学の際には自己管理を徹底して、毎日決められた内容をしっかりこなす覚悟が必要です。
いつでも相談できる相手がいる
独学では、塾や予備校の代わりとなる相談相手が必要です。
勉強や進路の悩みで立ち止まると、時間を無駄にするかもしれません。
解説を読んでも理解できない問題があったときや勉強方法に悩んだ際に、すぐ相談に乗ってくれる学校の先生や友達、卒業生がいるかを確認してください。
受験勉強で困ったときにスムーズに解消できれば、効率よく学習を進められますから相談相手は見つけておきましょう。
- 「自習コンサルティング」や「リーズニングゼミ」に興味がある
- 何から勉強すればよいかわからない
- 塾に通っているけど成績が伸びていない
上記に1つでも当てはまる受験生は今すぐ無料受験相談にお問い合わせ下さい。
大学受験を独学で目指す勉強法
【動画でもご覧いただけます!】
独学で大学受験を目指す覚悟が決まったら、おそらく以下にあげた4つの勉強方法を見聞きするはずです。
- 学校の授業をしっかり理解する
- 受験サイト・参考書を活用する
- 志望校の過去問を解く
- 定期的に模試を受ける
しかし、これだけでは意味がありません。だからこそ、以下の3つだけでも試してください。
「参考書を増やす」ではなく「一冊を完璧に仕上げる」
まず理解してほしいのは、参考書をたくさんやったから成績が上がるわけではないということ。
現状、「何冊も参考書をやったのに過去問で点が取れない」というのは、参考書を”こなす”ことが目的になってしまっているサインです。
参考書は、一周しただけでは身につきません。1冊を徹底的に完璧にして、「使いこなせる」レベルにしましょう。
マナビズムが知っている例では、過去にたった2冊の参考書だけで医学部に合格した受験生もいます。つまり、量ではなく質。
1冊の参考書をボロボロになるまで繰り返す、それが成績アップの近道です。
マナビズムがおすすめする『参考書ルート・使い方』も要チェックです。
【今日からはじめよう】
- 既にやった参考書をもう一度復習する
- 苦手だったポイントに蛍光ペンを引いて、意識的に復習
- 一冊の参考書で「自分ができないところ」がゼロになるまで繰り返す
「自己満足の勉強」から「課題解決型の勉強」へシフトする
点数が伸びない原因は、「やった気になっているだけ」の勉強になっているかもしれません。
大事なのは、以下の2つです。
- 今の自分に何が足りないかを明確にすること
- その課題を解決するための勉強をすること
過去問を解いたら、点数に一喜一憂するのではなく、「どこを間違えたか」「どの分野が弱いか」を徹底的に分析してください。
点数よりも、ミスの原因を探し、それを潰すことに集中しましょう。
【今日からはじめよう】
- 過去問の後に、間違えた問題の単元をリストアップ
- 弱点分野に絞って、短期集中で復習
- 間違えた問題だけで「自分専用の復習ノート」を作る
【関連記事】【大学受験】過去問対策はいつから?赤本は何年分やるべき?使い方を解説
毎日の勉強に「記録」と「報告」を取り入れる
独学で成績を伸ばすには、自己管理が命です。
ただ「勉強した」ではなく、何をやったか、どこまでできたかを記録し続けてください。
可能であれば、誰かに「今日やったこと」を報告する仕組みを作る(家族でも友達でもいい)のも有効です。
人に報告することが、継続と緊張感を生み出します。
在宅コースの生徒たちは、毎日予定と実績を報告していたから、独学に近い形でも継続できていました。
一人で黙々とやるだけでは、どうしても自己流になりがちなので、すぐ取り入れましょう。
【今日からはじめよう】
- 今日やった勉強内容をノートに記録
- 明日の勉強計画もセットで書く
- 可能なら誰かにLINEなどで毎日報告
大学受験は独学と塾・予備校どちらが向いているか
独学か塾・予備校に通うかで悩んでいる人は、どちらが向いているかを確認した上で検討するとよいでしょう。
ここでは、それぞれに向いている人の傾向をわかりやすく表でまとめます。
独学が向いている人 | 塾・予備校が向いている人 |
勉強に集中できる環境(自室・図書館など)が確保できる 基礎学力がある 自己管理能力がある 受験に関する相談相手がいる |
競争意識が高い 一緒に勉強する仲間がいると頑張れる 授業に合わせたスケジュールが確保できる 自分で学習計画を立てるのが苦手 |
特に、独学はあなたの強い覚悟と行動力、受験に集中できる環境が大変重要です。
そのため、表を確認して「独学が向いている人」に当てはまらない場合には、塾や予備校を選んだ方がよいといえます。
塾・予備校であれば、大学の最新情報提供や最適な学習計画などのサポートが受けられますので、勉強だけに集中できます。
十分に検討した上で、あなたにとって後悔のない選択をしてください。
関連記事:大学受験は塾なし・予備校なしだと失敗する?通う割合と独学のメリット・デメリットを解説!
大学受験で独学に自信がない人は塾・予備校へ行こう
記事を読み進めて「独学では難しいかも」と感じたら、塾や予備校を検討してください。
塾・予備校では、以下のメリットを得られます。
- 専門知識のある講師が最適な学習計画を作成してくれる
- 大学受験に必要な情報を集めやすい
- ライバルや仲間がいるなかで切磋琢磨して学力向上できる
- 勉強方法や学習計画についてすぐに相談できる環境がある
- 自習室が使える
マナビズムは、個別指導と映像授業で受験生をサポートする難関私大専門塾です。
難関私大に特化した独自のサポート体勢を整えていますから、志望校の偏差値と学力に差がある受験生も逆転合格に向けて万全なフォローができます。
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大学受験で独学する際のスケジュール
独学で大学受験を目指す際には、スケジュール管理が大変重要です。
自分の学力と志望校の差を確認して、どれくらい勉強しなければいけないのかを判断した上で、入試日程から逆算して学習計画を立ててください。
下記の時期・勉強法をひとつの目安として、スケジュール管理するとよいでしょう。
- 高3の夏までに基礎学力を固める
- 11月頃から志望校の過去問・模擬試験に取り組む
- 冬休みから本番のスケジュールを意識して過去問を解く
学習計画を立てる際の逆算方法は下記の記事で詳しく解説していますから、参考にしてください。
【関連記事】大学受験の勉強計画はまず逆算!スケジュール作りのポイントまとめ
まとめ
「大学進学した人の半数以上が塾・予備校に通っていた」というデータがあるように、受験の成功率を上げたい場合には、独学よりも講師からの指導を受けた方がよいといえます。
どうしても通えず、独学で伸び悩んでいるなら、以下の3つを徹底しましょう。
- 「参考書の数を増やす」のをやめて、「一冊完璧主義」に切り替える
- 点数に一喜一憂せず、「自分の弱点」にフォーカスして課題解決型の勉強をする
- 毎日の勉強内容を「見える化」して、自己管理を徹底する
焦らず、でも確実に、1日1日積み上げてください。
もし、記事を最後まで読んで、独学と塾・予備校のどちらを選べばいいのか決めかねている場合には、マナビズムの無料受験相談に申し込んでください。
現在抱えている不安や疑問などに対して、参考になるアドバイスをお伝えします!
大学受験の独学に関するQ&A
受験勉強は何から始めればいい?
大学受験を決めたら、まず下記の4つから準備を始めましょう。
- 志望校・学部・学科を決める
- 自分の学力を把握する
- 入試日程を確認する
- 学習計画を立てる
詳しい解説は下記の記事にまとめていますので、ご一読ください。
【関連記事】大学受験は何から始める?準備や勉強方法を解説
参考書は何冊やればいい?
参考書は、まず1冊をやりきるところから始めましょう。
最初から何冊も用意すると色々と手を付けた結果、どれも中途半端に終わってしまう可能性があります。
また、「何冊以上やればいい」というものではありませんし、多くの参考書に取り組むだけで満足してはいけません。
急いで何冊も終わらせるより、1冊を確実に理解する方が大切です。
1冊ずつ終わらせてから、次の参考書を用意しましょう。
塾なしで国公立に合格できる?
塾や予備校に通わないで国公立の合格を目指すのは、不可能ではありません。
しかし、私大よりも受験科目が多いため、その分リスクも大きいです。
そのため、「どうしても国公立に合格したい」と思っていて成功率を上げたい場合には、塾や予備校を検討した方がよいでしょう。