浪人生は大学レベルを上げて受験すべき?できる人の特徴やメリット・デメリットを解説
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浪人生のなかには、「もう1年頑張るからには、もっとレベルの高い大学を目指した方がいいのでは?」と考える人も多いです。
確かに、難関大学に合格できた方がいいと考える気持ちもわかります。
しかし、一般的に現役時代と同じ志望校に合格するのも決して簡単ではありません。
そのため、志望大学のレベルを上げるメリットやデメリット、挑戦できる人の特徴などを知った上で十分に検討してから決めてください。
浪人したら志望大学のレベルを上げるべきか
浪人したら志望大学のレベルを上げた方がよいのか、色々な視点で考えてみましょう。
- 偏差値の伸び率
- 大学の浪人率
- 第一志望に合格できる浪人生の割合
- 【結論】浪人して志望校を上げるのは難しい
偏差値の伸び率
浪人生の偏差値や学力が伸びる割合に関して、正式なデータはありませんが、一般的に全体の20%ほどといわれています。
そして、反対に偏差値や学力が下がる浪人生も一定数います。
つまり、浪人したら必ずしも全員が順調に偏差値向上するわけではありません。
偏差値が上がらない理由は、現役時代の反省を活かしていない、やる気の維持が難しくさぼってしまう、という浪人生がいるためです。
そのため、現役時代よりも志望校のレベルを上げるのは、多くの浪人生にとってリスクが高い決断といえます。
大学の浪人率
文部科学省の「令和元年度学校基本調査」を参考にすると、大学の浪人率は22.4%です。
つまり、大学生の5人に1人は浪人生という計算になります。
また、東大や京大、早慶など、最難関といわれる大学は、平均よりも浪人率が高い傾向にあります。
第一志望に合格できる浪人生の割合
浪人生のうち、第一志望に合格できる割合は10%程度といわれています。
そのため、浪人した結果、滑り止めに進学する、もう1年頑張る、などの選択をする人が多く存在します。
浪人生の10人に1人しか第一志望へ進学できないと考えると、なかなか厳しい道のりであるといえるでしょう。
【結論】浪人して志望校を上げるのは難しい
偏差値の伸び率や第一志望に合格できる割合などを確認すると、浪人して大学レベルを上げるのは難しいというのがわかります。
そのため、浪人して現役時代よりも上の志望校を目指したいという人は、強い覚悟を持って受験に臨んでください。
また、浪人中に大きく学力向上して志望校レベルを上げられる人には、2つの特徴があります。
詳しくは、次の項目で見ていきましょう。
浪人して志望大学のレベルを上げられる人
浪人して志望大学のレベルを上げられる人は、主に下記の特徴があります。
- あと一歩で志望校合格に届かなかった人
- 現役時代に全力を出していない人
あと一歩で志望校合格に届かなかった人
現役時代、あと一歩で志望校に合格できなかった人は、大学レベルを上げてもリスクは少ないでしょう。
あと少しで志望校に合格できる学力を持っているため、浪人の1年間でしっかり対策すればワンランク上の大学に手が届くかもしれません。
しかし、現役時代の志望校とは違う入試科目や大きく異なる出題傾向の大学に変更する場合には、対策に時間が必要となるため、リスクは高いです。
大学レベルを上げる際には、入試科目や出題傾向が元の志望校と似ているところを選ぶのも大切なポイントといえます。
現役時代に全力を出していない人
現役時代に全力を出していなかった人も、志望する大学レベルを上げても問題ないでしょう。
たとえば、現役時代に受験のスタートが遅かった、全然勉強しなかった、という人は学力の伸びしろが多くあると考えられます。
もともと頭がよく、知識の吸収が早い人の場合は、大きく偏差値を上げられるポテンシャルがありますから、ワンランク上の大学を狙える可能性が高いです。
しかし、現役時代と意識が変わらないと、浪人してからも本気で勉強しない場合も考えられるため、強い覚悟を持って受験に臨んでください。
浪人して志望大学のレベルを上げるとどうなるか
浪人生が志望大学のレベルを上げるメリットとデメリットについて確認しましょう。
- 志望校を上げるメリット
- 志望校を上げるデメリット
志望校を上げるメリット
浪人後に志望校を上げるメリットは下記の通りです。
- 将来の選択肢が増える
- モチベーションが上がる
- 学力が向上しやすくなる
- 現役の志望校が滑り止めになる
レベルの高い大学に進学できた場合、学歴を重視している企業への就職活動もしやすくなるため、将来の選択肢が増えます。
また、現役時代より高いレベルを目指すのは、モチベーションアップにつながり、もっと頑張らなくてはいけないため、学力向上しやすくなります。
大学レベルを上げた結果、大きく学力向上できた場合は、現役時代の志望校を滑り止めにする選択肢も生まれるでしょう。
そのため、浪人に対していまいちやる気が出ないという人は、モチベーションアップの手段として大学レベルを上げるのもひとつの方法といえるかもしれません。
志望校を上げるデメリット
続いて、浪人後に志望校を上げるデメリットも見ていきましょう。
- 過度なプレッシャーがストレスになる
- 対策科目が増える可能性もある
- 学習計画を見直す必要がある
浪人生活は、「今年こそ合格しなければ」というプレッシャーを感じる人も多いです。
そして、現役時代より高いレベルの大学を目指す場合、さらに強いプレッシャーがかかり過度なストレスとなるかもしれません。
また、入試科目が違う大学を選んだ場合には、新たな対策が必要となるケースもあります。
新しい志望校対策に向けて、学習計画を見直す必要もあるため、デメリットが大きな負担に感じられる人は、大学レベルを上げるのは避けた方がいいかもしれません。
【関連記事】
浪人して志望校を上げるのは難しい?メリットやデメリット・注意点を確認しよう
浪人してまで行く大学レベルとは
一般的に、浪人してまで行く大学レベルといわれているところをピックアップしました。
- 東京一工
- 早慶上智
- 旧帝大・地方国立
- MARCH
- 関関同立
東京一工
東京一工は、下記4つをまとめた大学群です。
- 東京大学
- 京都大学
- 一橋大学
- 東京工業大学
有名な国立大学で、日本のなかでは学歴として最上位のステータスになる学校といえます。
就職活動時に高評価を得られるケースが多いため、二浪や三浪しても入学する価値がある大学です。
早慶上智
早慶上智は、下記3つをまとめた大学群です。
- 早稲田大学
- 慶應義塾大学
- 上智大学
全国的に知名度が高い大学のため、就職活動におけるさまざまなシーンでプラスになります。
学生の浪人率が平均より高い傾向にあるため、二浪三浪しても気まずさを感じる場面はないでしょう。
東京一工と遜色ないほどのステータスになりますから、浪人しても目指す価値の高い大学といえます。
旧帝大・地方国立
東大や京大以外の旧帝大や、地方国立大学も浪人しても目指す価値の高い大学です。
旧帝大や国立大学は地元での就職を目指す際に、大変高いアドバンテージになります。
また、5教科を満遍なく対策する必要があるため、現役はもちろん浪人してからも合格が難しい志望校です。
そのため、合格する可能性がある場合には、浪人しても目指したい大学といえます。
MARCH
MARCHは、下記5つをまとめた大学群です。
- 明治大学
- 青山学院大学
- 立教大学
- 中央大学
- 法政大学
最上位と比べるとランクは下がりますが、難関大学に該当する上、全国的に知名度も高いため、就職に強いです。
そのため、浪人しても目指す大学として価値が高いといえます。
東京一工や早慶上智などと比べると多浪するメリットは減るため、特別に強い志望動機がない場合には一浪を目途に検討するとよいでしょう。
関関同立
関関同立は、下記4つをまとめた大学群です。
- 関西学院大学
- 関西大学
- 同志社大学
- 立命館大学
どれも関西の有名難関大学で、関東のMARCHと対比されるシーンも多く就職に強いため、浪人しても目指す価値が高いといえます。
MARCHと同じく、入学したい強い動機がない場合には、一浪を目安にして目指すとよいでしょう。
浪人して志望大学レベルを上げる際に大切なこと
浪人して志望大学レベルを上げる際には、下記の点を大切にしてください。
- 志望校対策ができる塾・予備校に通う
- 自分の学力を見極めて出願する
- 失敗したケースも考える
志望校対策ができる塾・予備校に通う
志望大学のレベルを上げる際には、万全な対策ができる塾や予備校に通うのをおすすめします。
特に、難関大学以上を目指す際には、現役時代よりも効率的な学力向上が必要です。
順調な学力向上を実現するためには、経験と知識が豊富な講師のサポートを受けてください。
塾や予備校は、あなたの強みや弱点を十分に把握した上で、的確な学習計画や勉強法をアドバイスしてくれます。
難関私大専門塾のマナビズム
マナビズムは難関私大専門塾で、浪人生コースも用意しています。
映像授業と個別指導に加えて、参考書学習にも力を入れて、浪人生の効率的な学力向上を全力でサポートします。
難関私大合格の実績豊富な講師による指導で、あなたが安心して勉強だけに集中できる環境を整えますから、まずはお気軽にお問い合わせください。
自分の学力を見極めて出願する
志望大学のレベルを上げた際には、自分の学力を見極めてから出願してください。
現状を把握した上で「合格は難しいかも」と感じたら、出願先の変更も視野に入れましょう。
多浪を覚悟で志望校へ出願するのか、確実に合格できそうな安全校に切り替えるのか、焦らずに判断するのが大切です。
もちろん、志望校へ出願した上で、滑り止めを受験する選択もありです。
全力で頑張った浪人生活を後悔しないために、十分検討した上で出願先を決めてください。
失敗したケースも考える
最後に、万が一失敗したケースも想定して、その後の進路も考えておきます。
たとえば、滑り止めも失敗して大学受験に全落ちした場合は、下記の選択肢があります。
- 3月入試の大学を受ける
- 専門・短大に切り替える
- もう1年浪人する
- 就職する
大学レベルを上げると、現役よりも第一志望に合格するのは困難になると考えられますから、失敗した場合に後悔のない選択を検討しておくのも大変重要です。
もう1年浪人したくない場合には、確実に合格できる滑り止めを受験するのもひとつの選択肢です。
失敗した場合の準備は、早めにしておいた方がよいため、事前に十分検討しましょう。
浪人して大学レベルに悩む人が知りたいこと
最後に、浪人した際の大学レベルに悩む人が知りたいことをまとめました。
- 浪人生は1日何時間勉強するの?
- 浪人は何が辛い?
- 浪人したら偏差値はどのくらい上がるのか?
- 高3の浪人率は?
- 東大は浪人が何割いるの?
- 浪人は何人に1人いるの?
浪人生は1日何時間勉強するの?
浪人生は1日8時間以上を目安に勉強してください。浪人生は高校の授業がなく、自由な時間が多いため、現役生より勉強時間を確保する意識でいましょう。現役生は、授業や自習などを含めて1日7時間程度勉強していると考えられるため、浪人生は8時間以上確保できると有利になります。
【関連記事】
浪人生の勉強時間はどれくらい必要?スケジュール例や注意点も解説
浪人は何が辛い?
浪人は、もう1年大変な受験勉強を続けなければいけないのが辛いです。よほど勉強が好きな人でない限り、1日8時間程度の勉強を毎日続けるのは大変でしょう。先に現役合格した友人が大学生活を楽しみ、遊んでいる間も、浪人生は勉強しなければいけません。辛いと感じる日々が続くと、受験へのモチベーションが下がるため、適度なリフレッシュが必要です。
浪人したら偏差値はどのくらい上がるのか?
浪人しても必ず偏差値が上がるわけではありません。一般的に、浪人して学力向上する人の割合は2割程度といわれています。そのため、順調な学力向上を目指すためには、的確な学習計画、十分な勉強時間、効率的な勉強法が大切です。独学に自信がない人は、塾や予備校に通って効率的に偏差値が上がる環境を整えましょう。
高3の浪人率は?
高3の受験生のうち、浪人率は10%程度といわれています。つまり、高3で大学受験した10人に1人が浪人しているという計算です。また大学に進学すると、学生のうち浪人して入学した人は20%程度です。大学には5人に1人の割合で浪人経験者がいるため、気まずさを感じる必要はありません。
東大は浪人が何割いるの?
東大の現役占有率を参考にすると、東大生のうち3割~4割程度が浪人生であると考えられます。一方、全国的に見ると大学の浪人率は20%程度です。浪人の割合は、一般的に東大をはじめ、京大や早慶など偏差値が高い難関大学になるほど高い傾向にあります。
浪人は何人に1人いるの?
大学生は、5人に1人ほどの割合で浪人生がいるといわれています。浪人真っただ中にいる人のなかには、「大学に進学したら気まずいかな」「友達ができるかな」と不安になっている人もいるかもしれません。しかし、実際に大学へ進学したら浪人を気にする学生は少ないため、安心してください。
まとめ
浪人生が志望大学のレベルを上げるのは、多くの場合でリスクが高いです。
浪人生のなかで順調に偏差値や学力が向上するのは、全体の20%程度ともいわれていますから、大学レベルを上げる場合には強い覚悟を持って臨んでください。
効率的に学力向上を目指したい場合は、志望校対策できる塾や予備校を検討しましょう。
今年こそは大学受験を成功できるように、後悔のない選択をしてください。