大学受験の英語はどう勉強する?逆算で最短に伸ばすロードマップ
更新日: (公開日: ) COLUMN
大学受験の英語は、単語・文法・長文の完成時期を逆算し、情報量を削って仕上げると最短に伸びます。
参考書を何冊も買い込んで、頑張っているはずなのに模試の偏差値が動かない。何から手をつければいいのか分からないまま夏を迎えてしまう受験生を、私は受験相談で数えきれないほど見てきました。
この記事では、英語の勉強が伸び悩む原因から、志望校レベル別の完成時期の逆算方法、時期別のロードマップ、情報量を削る引き算の考え方まで、大学受験の英語を最短で伸ばす具体的な手順を解説します。
この記事でわかること
- 大学受験の英語は、単語・文法・長文の完成時期を志望校レベルから逆算し、順番に仕上げることで最短に伸びる
- 英語が伸び悩む原因は、単語の量不足・文法のランダム対策不足・長文で粘り切れていないことにある
- 共通テストの英語は全問読解問題であり、文法・長文にかける時間配分の見直しが得点に直結する
- 志望校レベル別の完成時期を把握すれば、今の自分が何の情報量を削るべきかを判断できる
大学受験の英語は完成時期を逆算して伸ばす
成績が伸びる受験生は、合格までに単語・文法・長文をいつまでに仕上げるかを最初に決めてから、日々の勉強に取り掛かっています。受験生は逆に、目の前の参考書を進めることだけを考えて、いつまでに何を終わらせるかを決めないまま勉強をはじめてしまいます。

単語を1週間100個ずつ覚える計画は一見まじめに見えますが、2,000語の単語帳を1周するのに20週間、約5か月かかる計算です。これでは夏までに間に合いません。
逆算ができている受験生とできていない受験生の差は、勉強の量ではなく、いつまでに何を仕上げるかという先の設計にあります。大学受験の英語で結果を出す近道は、参考書探しではなく、完成時期を先に決める逆算思考です。
英語の勉強が伸び悩む3つの原因
英語の成績が伸び悩む受験生には、単語・文法・長文それぞれで共通のつまずきパターンがあります。以下の3つにわけて解説します。
単語は量不足への甘さに向き合えていない
単語が覚えられない受験生の多くは、勉強法ではなく単純な量不足が原因です。
机に向かう絶対量そのものが不足しているのであって、覚え方を探すのはその先の話です。1日30分だけ単語帳を開いて「効率のいい覚え方はありますか」と聞いてくる受験生もいますが、そもそも30分では覚えられる分量に限界があります。
効率がいいというのは、かけた時間に対して得られる効果が大きいという意味であり、一定の勉強時間を確保したうえではじめて成立する話です。
1時間で100個覚えられる方法を45分に短縮できたとしても、その45分にすら満たない時間しか単語に使っていなければ、効率の話以前の問題です。
単語は思考力ではなく、覚えるか覚えないかだけの世界です。だからこそ、自分が単語から逃げていないかを正直に振り返り、量を確保することからはじめてください。
文法はランダム演習を想定した対策になっていない
文法が安定しない受験生の多くは、本番で問われる「ランダム出題」を意識した練習ができていません。受験生は、単元ごとに文法事項がまとまった問題集を使って、「今回は不定詞の単元だからtoが正解」という解き方に慣れてしまいます。
しかし本番の試験は、この問題がどの文法単元かを教えてくれません。問題文と選択肢という2つの手がかりだけで、自力でどの知識が問われているかに気づく必要があります。
結果が出ている受験生に共通するのは、選択肢を見た瞬間にどの文法単元が問われているかを予測しながら解く習慣です。
加えて、正解を選ぶだけでなく、ほかの選択肢がなぜ誤りなのかを消去法で説明できるようにしておくと、本番でどのような形式が来ても対応できる再現性の高い実力になります。
単元別の問題集を2週間で1周したとしても、初見の問題をランダムに解けるかを確認していなければ、その実力は本番で機能しません。
長文はわからない箇所で粘り切れていない
長文が伸びない受験生の多くは、わからない箇所に出会ったときにすぐ答えを見てしまい、粘り切れていません。
長文を解くときは、まず時間を計って本番同様に取り組んでください。ただし、時間内に解き切れなかった場合、そこで終わりにせず粘る姿勢が重要です。わからない文が出てきたときにすぐ答えを見てしまう受験生は多いですが、そこで諦めると読解力は伸びません。
読めない原因の1つは、単語や文をなんとなくつなげて読んでしまい、情報が頭のなかで整理されていないことです。
まずは英文解釈(英文の主語・述語・修飾関係を正確に把握する勉強)に立ち返り、1文を正確に捉え直してください。単語がわからない場合は、品詞や文脈から意味を予想する練習も並行して必要です。
1文ずつは理解できても、段落全体で何をいっているかわからない場合は、文と文の論理関係を意識してください。長文で粘る際の手がかりになる関係性は、主に次の3つです。
- 具体と抽象(抽象的な主張のあとに具体例が続く関係)
- 逆説(前の内容を否定・反転させる関係)
- 因果関係(原因と結果が対応する関係)
例えば「光は生物に負の影響を与える」という抽象的な一文のあとに具体的な実験内容が続く長文では、前半が抽象、後半が具体という関係で書かれています。こうした関係性を捉えながら粘る経験が、初見の長文に対応できる力を育てます。
志望校レベルから英語の完成時期を逆算する考え方
英語の完成時期は、志望校のレベルから逆算してはじめて具体的な数字になります。
受験生は「いつまでに単語を終わらせよう」を漠然と決めますが、その基準は志望校のレベルによって変わります。関関同立・マーチを目指すのか、早慶を目指すのかで、演習に振りわけられる期間も変わってきます。
以下では、志望校レベル別の完成時期の目安と、単語・文法・長文の完成順を決める考え方を見ていきます。
志望校レベル別の完成時期の目安
志望校のレベルが1段階上がるごとに、基礎固めを終えておくべき時期は早くなります。1段階下のレベルを先に完成させ、そこから本命レベルの演習に入るという考え方が共通しています。
| 志望校レベル | 8月末までの完成目安 | 本格演習の開始時期 |
|---|---|---|
| 早慶 | 関関同立・マーチレベルの長文が解ける状態 | 9月から4〜5か月かけて早慶レベルを演習 |
| 関関同立・マーチ | 日東駒専レベルの基礎が完成した状態 | 9月から関関同立・マーチレベルを演習 |
早慶レベルを目指す場合、単語・文法は4月末までに一通り終わっている必要があります。関関同立・マーチレベルを目指す場合も、1段階レベルを落として同じ考え方で完成時期を逆算します。
2月から受験勉強をはじめるという前提で、1年かけて演習を積み上げていくカリキュラムを基準に考えています。今の時期にこの基準から遅れているのであれば、まずは遅れを自覚したうえで、計画の調整を最優先にしてください。
単語・文法・長文の完成順を決める考え方
英語は単語・文法を早期に固め、長文に時間をかけて仕上げる順番が基本です。
単語は視点固定(1冊の単語帳に絞り込んで覚えること)で週200個のペースを基準にすると、1周の完成までおよそ11週間(約3か月)です。単語が完成しきる前から、長文演習は並行して始めてください。単語の完成を待ってから長文に着手すると、長文にかけられる期間が大きく削られてしまいます。
英文解釈は、短期間で終わらせて長文演習に移行する設計にします。文法・英文解釈は「早く終わらせて長文の時間を確保するための土台」であり、そこに時間をかけすぎることは、完成順としては本末転倒です。
大学受験の英語ロードマップを時期別に見る
英語の勉強は、春・夏・秋以降で取り組む内容の重心が変わっていきます。以下の3つの時期にわけて解説します。
春から夏休み前までにやるべきこと
春から夏休み前までは、単語・文法・英文解釈という土台を完成させる期間にあてます。
単語は週200個のペースを基準に、1冊をおよそ11週間(約3か月)で仕上げます。文法は、1冊の問題集を2週間程度のペースで一通り終わらせ、そこから先はランダム演習で定着度を確認する段階に進みます。
英文解釈も同じタイミングで短期間に終わらせ、長文演習に早めに合流させます。この時期にやるべきことをすべて完璧に仕上げようとする必要はありません。次の夏休みで長文演習に本格的に入るための土台作りが、この時期のゴールです。
夏休みで関関同立マーチレベルを仕上げる
夏休みは、志望校レベルに応じて長文演習の到達点を一段引き上げる期間です。
レベル別に構成された長文問題集を、1週間に3〜4題ほどのペースで進めると、10題程度の問題集であれば3週間から1か月弱で1冊を消化できます。1日1題のハイペースは復習が追いつかず負荷が高くなるため、質と復習を重視したペース配分にしてください。
早慶を目指す場合は、8月末までに関関同立・マーチレベルの長文が解ける状態が目安です。関関同立・マーチを目指す場合は、8月末までに日東駒専レベルの長文を仕上げ、関関同立・マーチレベルの演習は9月から本格的にはじめます。この基準に届いていない場合は、単語・文法に時間をかけすぎていないかを見直してください。
秋以降は志望校レベルの演習に絞り込む
秋以降は、これまでの基礎固めから志望校レベルの過去問・演習に絞り込む時期です。
9月以降は、志望校レベルの過去問や、そのレベルに対応した問題集での演習が中心になります。関関同立・マーチレベルであればこの時期から本格的に演習に入り、早慶レベルであれば9月から4〜5か月かけて仕上げていきます。
この時期になっても単語・文法のインプットが終わっていない場合、演習にあてられる時間が削られ続けます。秋以降に慌てないためにも、春から夏にかけての完成時期をどれだけ守れたかが、この段階の勉強の質を左右します。

英語の勉強で情報量を削る引き算の考え方
英語の勉強は、やることを増やす足し算ではなく、必要なものだけに絞る引き算で設計するべきです。

共通テストの英語リーディングは、発音・アクセント・文法の単独問題が削除され、大問すべてが読解問題として出題される構成です※1。文法の知識は単独で問われるのではなく、読解のなかで使えるかが問われています。
だからこそ、文法や単語のインプットに時間をかけすぎず、最短で仕上げて長文演習の時間を確保する姿勢が、得点に直結する引き算の考え方です。以下の2つにわけて、具体的な引き算の仕方を見ていきます。
参考書は複数に手を出さず1冊を完成させる
参考書は何冊もこなすのではなく、1冊を完璧に仕上げることを優先してください。
勉強に不安を感じると、受験生は「もう1冊足そう」と考えます。ただし、参考書を足す前に、その不安が根拠のあるものか外部の情報に振り回されているだけのものかを、次の基準で見極めてください。
| 不安の種類 | 具体的な状態 | 取るべき対応 |
|---|---|---|
| 根拠のある不安 | 自分で問題を解いて分析した結果として抱く不安 | 参考書の見直しなど改善が必要 |
| 根拠のない不安 | だれかの発信をたまたま見て感じただけの不安 | 今使っている参考書を変える必要はほとんどない |
参考書を選ぶときは、解説がどれだけ言語化されているかを基準にしてください。
文章の読み方や問題の解き方が言葉で説明されている参考書ほど、独学でも力がつきやすくなります。1冊をやり込み、消去法や論理関係の説明まで自らの言葉で再現できる状態を目指してください。
単語・文法は最短で終え長文に時間を配分する
単語・文法は完成度よりもスピードを優先し、浮いた時間を長文に回してください。
単語は1冊に絞り込んで週200個のペースで進め、11週間(約3か月)ほどで1周を終える計算です。文法も、情報量が整理された問題集を2週間ほどで1周し、そこから先は初見問題での確認に切り替えます。
共通テストの配点は、リーディング100点・リスニング100点の合計200点です※2。
前述の通りリーディングは大問すべてが読解問題として出題されるため、単語・文法にかけた時間がそのまま得点に直結するわけではなく、最終的に長文でどれだけ得点できるかが合否を左右します。単語・文法を情報量が多いまま抱え込まず、最短で終えて長文演習に時間を配分してください。
リスニングは単語・文法・長文と並行して対策する
リスニングはリーディングと同じ100点の配点があるにもかかわらず、単語・文法・長文の対策に時間を使い切ったあとに後回しにされやすいです。完成時期を逆算する対象は読解の3分野だけでなく、リスニングも同じタイミングで組み込んでおく必要があります。
音読とシャドーイングで音声と意味を同時に処理する練習をする
リスニングが伸び悩む原因の多くは、単語や文法を知らないのではなく、聞こえた音声をその場で意味に変換する処理速度が足りていないことです。
読解で使っている英文を音読し、慣れてきたら音声を追いかけながら発音するシャドーイング(音声を聞きながら少し遅れて自らも同じ内容を発音する練習)に進めてください。読んで理解できる文章を、聞いて理解できる速度まで引き上げる練習になります。
毎日短時間でも英語音声に触れる習慣を先に作る
リスニング力は、まとまった時間を月に数回とるより、毎日短時間でも音声に触れ続けるほうが伸びやすい分野です。
通学時間やスキマ時間に、共通テスト形式の問題やニュース音声を聞き流すだけでなく、聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認する作業までセットにしてください。聞き流すだけでは、聞き取れない原因が語彙なのか音声変化なのかが特定できないままになります。
英語で結果が出る受験生に共通する基準
英語で結果が出る受験生には、勉強量に対する感覚そのものに共通した基準があります。以下の2つの視点から解説します。
頑張っている感覚があるうちは基準が低い
頑張っている実感を持ち続けている間は、まだ受かる基準に届いていません。
合格していく受験生に「1日どれくらい勉強していますか」と聞くと、14時間ほどという数字を涼しい顔で答えます。特別なことをしている感覚はなく、それが当たり前の生活になっているからです。
一方で、伸び悩む受験生ほど「頑張っているのに結果が出ない」という感覚を強く持っています。この感覚自体が、当たり前とすべき基準がまだ低いことのサインです。頑張っている実感が薄れて、当たり前に勉強できる状態になったときに、はじめて基準に届いたといえます。
受かる基準を正直に受け止められるか
英語で結果が出るかは、受かる基準を正直に受け止められるかで決まります。
「今から本気を出せばどこでも行ける」という根拠のない励ましは、受験生にとって心地よく聞こえるかもしれません。ただし、その言葉には、いつまでに何を仕上げるべきかという逆算が欠けています。
合っている勉強は合っている、間違っている勉強は間違っていると、耳の痛い指摘でも正面から受け止められるかが、最終的に結果をわけます。
英語の勉強計画に迷ったら受験相談で確認しよう
ここまで、単語・文法・長文の完成時期を志望校レベルから逆算し、情報量を削りながら仕上げていく考え方をお伝えしてきました。ただし、自らの今の学力から逆算した完成時期を、1人で正確に計算するのは簡単ではありません。
マナビズムでは、無料の受験相談で、今の学力と志望校レベルから逆算した英語の勉強計画を一緒に確認しています。入塾を前提にする必要はなく、自らの勉強計画が今のままで合っているかを確かめに来るだけでも構いません。
公式LINEでは、関関同立各大学の英語の入試傾向がわかるカンカン同立バイブルや、英語の主要参考書の使い方をまとめた参考書ガイドブックも配布しています。大学受験の英語で今の勉強計画に少しでも不安があるなら、まず一度受験相談で確認してください。
よくある質問(FAQ)
大学受験の英語はいつから勉強をはじめればいいですか?
目安は2月です。2月から1年かけて、単語・文法を早期に仕上げ、夏休みで長文演習の量を積み、秋以降に志望校レベルの演習へ絞り込むという設計が基準になります。今の時期がこの基準より遅れているのであれば、まず遅れを自覚したうえで、単語・文法にかけられる期間を計算し直してください。
大学受験の英語で毎日やるべきことは何ですか?
単語のインプットと長文演習を、完成を待たずに並行して毎日進めることです。単語は1冊に絞って週200個のペースを保ち、文法は短期間で一通り終えたあとはランダム演習で定着を確認します。長文は単語や文法が完成しきる前から着手し、わからない箇所は答えを見る前に粘って読む練習を毎日積み重ねてください。
英語をゼロからはじめるには何から手をつければいいですか?
単語と文法の完成を最優先にしてください。ゼロからでも、志望校レベルから逆算した完成時期の基準は変わりません。今の学力と基準との差を正直に受け止め、単語・文法にかける情報量を削りながら、最短で長文演習に合流できる計画に組み直すことが必要です。
大学受験の英語は参考書を何冊やればいいですか?
冊数を増やすことより、1冊を完成させることを優先してください。参考書を選ぶ基準は、解説がどれだけ言語化されているかです。1冊をやり込み、正解の根拠だけでなく他の選択肢がなぜ誤りなのかまで自らの言葉で説明できる状態になったら、次のレベルの参考書に進んでください。
独学で不安なときは塾に相談すべきですか?
独学でも、単語・文法・長文それぞれの完成時期の基準を満たせていれば合格は狙えます。ただし、自らの今の学力から逆算した完成時期を1人で正確に計算するのは簡単ではありません。今の勉強計画が基準に届いているか判断がつかない場合は、マナビズムの無料受験相談で確認できます。
参考・出典情報
- ※1 独立行政法人大学入試センター「大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」(発音・アクセント・語句整序等を単独で問う問題は作成しない方針が示されている)
- ※2 独立行政法人大学入試センター「大学入学共通テストQ&A」(英語4技能のバランス育成の観点からリーディングとリスニングの配点を均等としている旨の回答が掲載している)