【英検準2級プラスとは?】準2級と2級の違いから大学入試での利用可否も解説
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「準2級は取れたけど、2級はまだ難しそう…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
英検準2級プラスは、準2級と2級の間に新しく設けられた、橋渡し的な役割を持つ級です。
この新しい級は、準2級を取得したものの2級へのハードルを高く感じている学習者にぴったりです。
この記事では、英検準2級プラスをわかりやすく解説します。
英検「準2級」「準2級プラス」「2級」の徹底比較
【動画でもご覧いただけます!】
すぐに知りたい高校生や親御さんに向けて、英検の「準2級」「準2級プラス」「2級」を徹底比較しました。
項目 |
準2級 |
準2級プラス |
2級 |
---|---|---|---|
位置づけ | 中学卒業〜高校初級程度 | 準2級と2級の中間(ただしやや準2寄り) | 高校卒業程度 |
CEFR対応 | A2 | A2〜B1手前 | B1 |
語彙レベル | 中学英単語+α(シス単第1章前半) | シス単第1章全体程度(約600語) | シス単1〜2章必須(センスない人は3章まで) |
語彙数の差 | 少なめ | 準2級より+600語程度 | 準2級プラスより+1000語程度 |
一次試験構成 | 筆記(語彙・文法・読解)+リスニング | 準2級と同様、ただし構成は2級寄り | 同左 |
筆記リーディング構成 | 語彙17問、会話文・メール文の読解 | 語彙17問、空欄補充3問×2+長文読解(大問1〜3) | 同上(内容難度が高い) |
ライティング | メール返信(40〜55語)+意見(55〜65語) | 要約+意見(形式は2級と同じ、内容は準2級寄り) | 要約+意見(分量・難度ともに上) |
リスニング構成 | 会話10問+内容一致10問(計20問) | 会話15問+内容一致15問(計30問)構成は2級と同じ | 同上(内容難度が高い) |
リスニング難易度 | 簡単、話題も日常的 | 身近な話題中心で比較的簡単 | 内容が抽象的で専門性も高め |
二次試験(面接)構成 | パッセージ音読+質問 | 同様(質問4問) | 同様(質問はやや抽象) |
二次試験難易度 | 質問も簡単で答えやすい | 語彙・構成は2級寄り、内容は準2級レベル | 抽象的な意見も求められる |
問題の傾向 | 高校入試レベルの文章中心 | 問題形式は2級と同じだが内容・難度は準2級寄り | 大学入試レベルの文章も登場 |
代表的参考書レベル | 英語長文ハイパートレーニングLv.0 | ハイパートレーニングLv.1 | ハイパートレーニングLv.2 or ソリューション1級 |
合格基準スコア | 約1322 | 約1402(1322+80) | 約1520 |
スコア差 | – | 準2級との差:約+80、2級との差:約−120 | 準2級プラスとの差:約+120 |
導入理由 | ― | 準2級と2級のギャップを埋める(1年で2級到達が難しい層の救済) | ― |
大学入試での活用 | 一部推薦で加点対象 | ※今後次第(現時点では不透明) | 一部大学で英語免除や加点対象 |
勉強時期の推奨 | 中3〜高1前半 | 高1〜高2頭(単語習得&習慣化用) | 高2〜高3(大学受験前提) |
準2級プラスは、問題の形式は2級に近い一方で、難しさは準2級寄りという位置づけになっています。
単語力や読解力を段階的に強くしていくのに、とても良い設計です。
ただし、2級とは明らかに難しさが違うので、準2級プラスに合格しても油断は禁物です。
【向いている人】
- 準2級合格後、すぐに2級に挑戦するには自信がない人
- 高1〜高2初頭に勉強習慣を身につけるステップとして受けたい人
- 受験英語・大学入試英語の土台をつくるための「助走」として活用したい人
英検準2級プラスってどのような級?
英検準2級プラスは、2025年に新しく設けられた級で、英検の歴史の中で31年ぶりとなる新級設置となります。
「プラス」という良い名前には「前向きに学習意欲を高める」という願いが込められています。
1年で1つ上の級に進むのが難しい「準2級→2級」にあったギャップの解消が目的です。
「身近な話題であれば、社会生活に必要な英語を理解し、また使用できる」というのが準2級プラスの目標レベルです。
英検準2級プラスは「準2級は取れたけど、2級はまだ遠い」。
そう考えているとき、無理なく次の段階に進むために役立つ級なのです。
英検準2級プラスが新設された3つの理由
英検準2級プラスが新設された主な理由は、以下の3つです。
- 準2級と2級の差が大きすぎた
- 合格までの長い期間を短縮する
- 学習者のやる気を維持する
準2級と2級の差が大きすぎた
準2級と2級の間には、はっきりと感じる難しさの隔たりがあります。
準2級の内容は「日常的な話題」が中心です。
一方、2級では「社会的かつ抽象的」なテーマを扱い、ビジネスの場面なども含まれます。
高校生にとっては、内容そのものを難しく感じることもあります。
使う単語も、準2級から2級になると約1600語も増えるのです。
合格までの長い期間を短縮する
英検の受験者データによると、5級から準2級までは各級の合格に要する期間がおよそ1年間です。
これに対し、準2級から2級の合格までには約2年近くかかっています(※)。
このギャップが、高校生を含めた受験者のやる気低下につながっていました。
今回追加となった準2級プラスによって、「1年で1つ上の級」という理想的なステップアップのペースを維持できます。
学校の勉強と英検の勉強を並行して進める高校生にとって、2年間の間隔は長いものです。
受験生の立場では「受験に間に合わない」という焦りも生じやすいでしょう。
この点、準2級プラスの導入により、準2級→準2級プラス→2級と、約1年ごとに次の級を目指せます。
大学入試で英検利用を検討している際には、1年から無理のない学習計画が立てやすくなるのです。
学習者のやる気を維持する
準2級と2級の間が遠すぎると、「次の級はまだ無理」と諦めてしまう学習者も少なくありません。
準2級プラスがあれば、準2級からのステップアップとして自然な流れを作れます。
学習のゴールが見えやすくなることで、計画的に勉強を進めやすくなるからです。
マラソンで例えるなら、42.195kmを一気に走るのではなく、5kmごとに給水ポイントを設けるようなイメージです。
準2級プラスの導入は、長い学習の道のりに適切な「中間ゴール」を設定する役割を担います。
その結果、学習者が達成感を得ながら次のステップに進む意欲を維持できるよう配慮しているのです。
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英検準2級プラスの難易度
英検準2級プラスの全体的な難しさは、準2級と2級の中間です。
ただ、どちらかというと準2級寄りの設計になっています。
問題の形式は2級に準じていますが、単語や話題の難しさは準2級に近いです。
「単語や構造などは2級より負荷が低いもの」になっているなど、知っておきたい点をお伝えします。
スコア基準
英検では、すべての級で英語力を同じ基準で測れるように「英検CSEスコア」という点数システムを採用しています。
準2級プラスに合格するために必要なCSEスコアの基準は「1,829」です。
- 一次試験(リーディング、リスニング、ライティング)で「1,402」
- 二次試験(スピーキング)で「427」
を獲得する必要があります。
しかし実際の難しさの差で見ると、準2級から準2級プラスへは「+101」、準2級プラスから2級へは「+375」。
2級への壁のほうがまだ高いことがわかります。
スコア基準から見ても準2級プラスは準2級寄りの難しさ設定になっているのです。
語彙
- 準2級は中学英単語+α(システム英単語という参考書の第1章前半程度)
- 準2級プラスではシステム英単語第1章全体程度(約600語)
- 2級ではシステム英単語1〜2章必須(単語力に自信がない人は3章まで)
このように、単語数の差で見ると、準2級から準2級プラスへは約600語、準2級プラスから2級へは約1000語の追加学習が必要です。
実際に、準2級プラスのサンプル問題の短文穴埋め問題では、CEFRにおける6段階のレベルのうち、
- 「上級レベル(B1、B2)」の単語が22個
- 「基礎レベル(A1、A2)」の単語が16個
使われています。準2級の上級レベルの単語「20個」と2級の「27個」の中間に位置しています。
長文
英検の準2級プラスの長文は、高校入試〜南関東私立レベルの英文(英語長文ハイパートレーニングLv.1相当)の難しさです。
一方、2級の長文は大学入試基礎レベル(ソリューション1、入門英文問題精講など)に相当します。
問題形式はどちらも似ていますが、使う単語や背景知識の量によって明確な差が生まれます。
長文読解においては準2級プラスは2級よりも取り組みやすいトピックと単語レベルです。
英検準2級プラスの試験内容
英検準2級プラスは、一次試験と二次試験という2つの段階で構成しています。
一次試験
一次試験は筆記(リーディング・ライティング)85分とリスニング約25分です。
リーディングは31問、ライティングは英文要約と意見論述(自らの考えを書く問題)の2問で構成します。
リスニングは約30問(会話15問+内容一致15問)で、2級と同じ構成ですが難しさは低めです。
二次試験
二次試験は面接形式のスピーキングテストで、約7分間で4つの質問に答えます。
準2級プラスから導入される「英文要約問題」は、2級と同じ形式です。
ただし、要約する語数は25〜35語と、2級(45〜55語)より少なめです。
意見論述問題も、準2級の55〜65語から、準2級プラスでは65〜80語程度と、少しずつ書く量も増えていきます。
英検準2級プラスは大学入試に使える?
英検の準2級プラスが大学入試に使えるケースも確かにあります。
ただし、関関同立(関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学)などの難関私立大学の入試は別です。
基本的には、「2級以上」が基準となります。
準2級プラスはCEFRレベル(ヨーロッパ言語共通参照枠という英語力の国際的な基準)でA2に相当します。
つまり、難関次第の大学入試でよく条件となるB1(2級レベル)には届きません。
このように、最新の要件については大学別で異なりますので、必ず志望校の情報をチェックしてください。
関連記事:【英検2級】利用できる大学まとめてみた | 関関同立専門塾マナビズム
英検準2級プラスを受験する3つのメリット
ここからは、英検準2級プラスを受けるメリットとデメリットを整理してみましょう。
受験をするか、しないかの判断基準の1つにしてください。
まず、主なメリットは以下の3つです。
- 2級合格へのステップアップになる
- 学習意欲を維持できる
- 大学入試の英検利用を利用できる
2級合格へのステップアップになる
準2級プラスは、準2級と2級の間の「壁」をなだらかにするための橋渡し役という意味を持っています。
階段で例えるなら、高すぎる階段に中間の踏み台を設けるようなイメージです。
2級合格という最終目標に向けた「助走区間」として機能し、確実に英語力を積み上げていけるでしょう。
学習意欲を維持できる
準2級と2級の間の「溝」が埋まることで、達成可能な目標を持って学習に取り組めます。
「小さな成功体験を積み重ねる」仕組みで、高校生でも自信とやる気を持って取得を目指せるのです。
実際に、日本英語検定協会も「学習者の学習意欲の向上を促進し、成功体験を積み重ねる機会を提供」することを目指しています(※)。
大学入試の英検利用を利用できる
一部の大学では、入試において英検の級やCSEスコアによる優遇制度を設けています。
2025年の4〜6月にかけて、徐々に大学側からの情報が出てくるはずですので、チェックしておきましょう。
関関同立については、すでにお伝えしたとおり英検2級からが対象となっている点に注意してください。
英検準2級プラスを受験する2つのデメリット
英検準2級プラスを受験する際の主なデメリットは以下の2つです。
- 受験料が負担になる
- 準備のために時間がかかる
受験料が負担になる
英検準2級プラスの受験料は本会場受験で8,700円(税込)、準会場受験で6,400円(税込)かかります。
検定試験を受けるたびに、規定の費用がかかるのは家計の負担となりやすいです。
もし準2級から直接2級を目指せる英語力があるなら、準2級プラスの受験料は「余計な出費」になってしまいます。
また、二次試験対策のための面接練習など、追加の学習コストもかかります。
準備のために時間がかかる
英検準2級プラスの対策には、それなりの準備時間が必要になります。
高校生は学校の授業や定期テスト、部活動などで忙しく、英検対策に割ける時間は限られています。
英検利用入試を検討して取得を目指すなら、受験対策と英検対策の「二足のわらじ」に耐えられるか。
これを真剣に考える必要があります。
関関同立を目指すなら2級レベルとなるため、準2級プラスはあくまで「通過点」に過ぎません。
まとめ
英検準2級プラスは、準2級と2級の間の「壁」を乗り越えるための橋渡し役として設計された新しい級です。
準2級までは約1年ごとに合格できていたのに、2級は約2年かかるという課題を解決するために誕生しました。
学習者のやる気維持という観点からも、「達成可能な目標」として準2級プラスの価値は大きいといえるでしょう。
英語力を効率よく伸ばしたい方には、受験の助けとなる選択肢です。
もし英語の対策に悩んでいる方は、関関同立専門の塾「マナビズム」にご相談ください。
英検入試を踏まえて、難関大学受験のプロが、キミの学習プランを最適化します!
よくある質問(FAQ)
英検準2級プラスの受験料はいくらですか?
準2級プラスの検定料は、本会場受験で8,700円(税込)、準会場受験で6,400円(税込)です。
英検準2級プラスは大学受験に有利ですか?
英検準2級プラスの大学受験での扱いは、各大学の入試要項によって異なります。
2025年度から新設する級のため、大学の英検準2級プラスに関する入試情報はこれからチェックしていく必要があります。
ただし、難関大学では英検2級以上を求めるケースがほとんどです。
準2級プラスだけでは不十分かもしれない点に注意しましょう。
準2級プラスは意味がある?
準2級プラスは、準2級と2級の間の「壁」を乗り越えるための橋渡しとして意味があります。
準2級から2級までに約2年かかるという課題を解決するからです。
「準2級は取れたけど、2級は難しそう」と感じている方にとっては、意義のある級だといえるでしょう。
英検準2級プラスは何年生レベルですか?
英検準2級プラスの難しさは、高校2年生レベルの到達目標と位置づけられています。
準2級が高校初級レベル相当、2級が高校卒業レベル相当であることを考えると、ちょうど中間に位置します。
中学英語をマスターし、高校の基礎的な文法事項も理解している状態が前提になります。