古文の参考書ルートは何がいい?時間をかけない順番の設計図
更新日: (公開日: ) COLUMN
「古文の参考書ルートって、結局どれをやればいいの?」——そう思って検索すると、有名な参考書がレベル順にズラッと並んだ図がいくつも出てきますよね。
その通りに本を買って、上から順にこなしても、なぜか成績が伸びない。読解の演習に入ったのに古文が読めるようにならない。模試の復習のやり方すらわからない。そんな状態になっていないでしょうか。
マナビズムはこれまで、関関同立をはじめとする受験生に古文を教え、『6時間古典文法』『3時間古文読解会』といった参考書を世の中に届けてきました。そのなかではっきりいえることがあります。
古文の参考書ルートは「名著をレベル順に並べたリスト」ではありません。一冊ずつに「ここまで到達する」というゴールと「これくらいの時間で終わらせる」という基準を決めて通る、時間の設計図です。
この記事では、私が普段の無料受験相談でいちばん多く受ける質問に答えるかたちで、古文の参考書ルートを「文法→読解法→演習」の3段階にわけて、志望校レベル別に解説します。
古文の参考書ルートは文法・読解法・演習の3段階
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古文の参考書ルートの正解を一言でいうと、「文法→読解法→演習」という3つの段階を、それぞれの到達ゴールと習熟時間を守って通ることです。どの参考書を選ぶかより、各段階で「何を、どこまで、どれくらいの時間で」仕上げるかのほうがはるかに大切です。
ここを取り違えて、「とにかく評判のいい本をレベル順にそろえればいい」と考えてしまうと、まず間違いなく古文に時間をかけすぎます。かけた時間のわりに点が伸びません。
理由はこのあと詳しく説明しますが、結論からいえば、ゴールのない参考書ルートは「やった気」にはなれても「読める」にはつながらないからです。
このH2では、古文の参考書ルートを考えるうえで土台になる2つの考え方を押さえてください。
参考書を並べるだけのルートは到達ゴールがなく成績が伸びない
ネット上の参考書ルートの多くは、「この本の次はこの本」という順番だけを示しています。これ自体が悪いわけではありません。問題は、それぞれの参考書で「どの状態になったら次へ進んでいいのか」という到達ゴールが書かれていないことです。
ゴールがないと、人はどうなるか。なんとなく一周して、なんとなく「終わった気」になって、次の本に進みます。
文法書を一周しただけで助動詞の活用がうろ覚えのまま読解に進み、読解法を飛ばしていきなり長文演習に入る。こうして、土台がぐらついたまま上にさらに本を積んでいくことになります。
受験相談で「演習に入ったのに古文が読めません」という相談を受けるとき、その原因はほぼ例外なくここにあります。本を進めた数は多いのに、一冊ずつのゴールに到達していない。
古文の参考書ルートで失敗する人の正体は、参考書選びのセンスではなく、この「ゴールなしで進む」という進め方そのものです。
各段階に到達ゴールと習熟時間を決めると古文が最短で仕上がる
逆に、各段階に「ここまでできたら合格」という到達ゴールと、「これくらいの時間で終わらせる」という習熟時間をセットで決めてしまえば、古文は驚くほど最短で仕上がります。
例えば文法なら「ミニブック(要点をまとめた小冊子)を10分でスラスラ言えて、助動詞と敬語の表が書ける」。これが到達ゴールです。
ここに届いたら次へ進む、届かなければ何度でも戻る。判断基準が1つに決まるので、迷う時間がなくなります。ゴールと時間を決めることは、古文にダラダラと時間を吸われないための「上限設定」でもあるわけです。
なぜ上限を決めることがそこまで大切なのか。それは、古文という科目の立ち位置に理由があります。次のH2で、その「本当の狙い」を説明させてください。

浮いた時間を英語や社会に回すのが古文ルートの本当の狙い
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。古文の参考書ルートの本当の狙いは、「古文を極めること」ではありません。古文にかける時間を極力減らして、その浮いた時間を英語や社会といった配点の大きい科目に回すことです。
私は古文を教えていますが、「古文を死ぬ気でやれ」といったことは一度もありません。私がこだわっているのは、古文の専門家を育てるのではなく、受験生をできるだけ合理的に合格させることだからです。
参考書も指導も、すべて「古文をいかに短時間でハック(攻略)して合格点を取りに行くか」という思想で設計されています。
共通テストの古文は200点中45点だから時間のかけすぎは非効率
共通テストの国語は、2025年度(令和7年度)から試験時間90分・200点満点になりました。そのうち古文に当たる大問の配点は45点です※1。古文は国語全体のごく一部であり、ここに勉強時間を注ぎ込みすぎるのは配点に対して明らかに非効率だということです。
考えてみてください。同じ10時間を、伸びしろの大きい英語や、覚えれば点になる社会に回したほうが、合計点はずっと上がりますよね。古文の45点のために英語や社会の時間を削るのは、配点のバランスから見て損な戦い方です。
もちろん、これは「古文を捨てていい」という話ではありません。合格点に必要な分は着実に取りに行く。ただし、それ以上の時間は古文にかけない。この線引きこそが、古文の参考書ルートを設計する目的です。次から、その3段階を具体的に見ていきましょう。
古文の参考書ルートを支える3つの段階の概要
古文の参考書ルートは、目的の違う3つの段階でできています。それぞれが何のための段階なのかを先に頭に入れておくと、各参考書をやる意味がブレません。
ここでは、3つの段階の役割をざっくりつかんでください。
【段階1】古典文法で読むための土台をつくる
段階1は、古文を読むための土台づくりです。助動詞・敬語といった古文特有のルールを頭に入れて、まず文章の形を理解できるようにします。古文の勉強をはじめたら、一番最初に取り組むべき段階です。
ここを飛ばすと、そもそも文章が読めません。学校の教科書で困っている人は、まずこの段階の講義系参考書からはじめてください。
【段階2】読解法で主語の省略を補う武器をそろえる
段階2は、読解法です。ここがいちばん誤解されやすいのですが、読解法は「文法とは別の武器をそろえる」段階です。
古文がみんなを苦しめる原因は、主語が省略されることにあります。英語なら基本的にSV(主語+動詞)からはじまるので、だれの動作かが見えます。
ところが日本語、とくに古文は主語がさらに消えていきます。その消えた主語を、敬語などを手がかりに補っていく——これが読解法の正体です。文法とは役割がまったく違います。
【段階3】演習で武器の使い方と復習のやり方を身につける
段階3は、演習です。そろえた武器を「どう使うか」、そして模試や過去問を自分で復習できる力を身につける段階です。
武器をそろえただけでは戦えません。ハンマーを手に入れても、振り下ろさなければ意味がないのと同じです。演習で実際に問題を解きながら、文法と読解法の使い方を体に覚えさせます。

【段階1】古典文法でやるべき参考書・到達ゴール
ここからは各段階を一冊レベルで掘り下げます。まず段階1、古典文法です。文法でやるべきことと「どこまでやれば十分か」を押さえてください。
- 古文をはじめたら一番最初にやるのが古典文法の講義系参考書
- 文法のゴールはミニブックを10分で話せて助動詞と敬語の表を書ける状態
- 一度仕上げた文法知識は演習中もずっとキープし続ける
- 文法は完璧を目指さず演習で出会った知識を一元化する
- 文法ドリルを追加でやる必要はほとんどない
古文をはじめたら一番最初にやるのが古典文法の講義系参考書
古文の勉強をはじめたら、一番最初にやるべきは古典文法の講義系参考書です。私の場合は『6時間古典文法』がこれにあたります。映像授業で学びたい人は、見放題の講義なども選択肢になります。
「この参考書は細かいことが書いていない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、逆です。古典文法の参考書は、そもそも高校の授業で古文に困っている人に向けて書かれています。
細かく書きすぎず、必要なことに絞ってあるからこそ、短時間で土台ができるのです。映像授業がある場合は、本を黙々と読むより圧倒的に速く、理解も着実になります。
最初の解説(「はじめに」の説明)を飛ばさず必ず見てください。ここを見ない人ほど、後の段階でつまずきます。
文法のゴールはミニブックを10分で話せて助動詞と敬語の表を書ける状態
文法の到達ゴールは、はっきり決まっています。ミニブックを口頭で10分間スラスラいえること、そして助動詞の表と敬語の表が自力で書けること。この3つです。
これはマナビズムが指導をはじめた頃からずっと変えていない基準です。助動詞の表は、自分で何枚も書いて覚えるのが当たり前。ここに到達できたら、次の段階(読解法)へ進んでください。
逆に、ここに届いていないのに先へ進むのは、土台が乾く前に建物を建てるようなものです。
一度仕上げた文法知識は演習中もずっとキープし続ける
注意してほしいのは、文法は「一度終わらせたら終わり」ではないということです。文法はインプット系の知識なので、放っておくと必ず抜けます。春に仕上げた人でも、夏には多くが忘れています。
だから、読解法や演習に進んだあとも、ミニブックを10分でいえる状態・助動詞や敬語の表が書ける状態は、本番までずっとキープし続けなければいけません。途中でこの基準を切ってしまうことは許されない、と思ってください。
定期的に文法へ戻る習慣を、ルートの中にあらかじめ組み込んでおきましょう。
文法は完璧を目指さず演習で出会った知識を一元化する
ここは多くの人が勘違いしているところです。文法の講義系参考書は、最初から完璧を目指す必要はありません。
「この助動詞が載っていない」「あの音便の説明がない」と細かく見ればキリがありません。しかし、揚げ足取りです。最低限必要なものは収録されています。
足りない知識は、このあとの演習でいくらでも出会います。演習中に「これは覚えておこう」というものに出会ったら、そのつど文法書やミニブックに書き込んで一元化していく。これが正しい使い方です。
「載っていないから覚えなくていい」ではありません。新しい知識に出会ったら、塾や学校の先生にいわれたことも含めて全部吸収して、自らの一冊に集約していく。それが、受かる受験生の姿勢です。
文法ドリルを追加でやる必要はほとんどない
「文法の講義系参考書のあとに、文法ドリルもやったほうがいいですか?」とよく聞かれます。答えは、ほとんどの人にとって不要です。
理由は、このあとの演習段階で文法の内容がいやというほど問われるからです。例えば演習書『ベーシック』『スタンダード』では、たった10題の中に文法に関する設問を1,200問ほど仕込んでいます。
ここで嫌でも文法が鍛えられるので、わざわざ別のドリルを買い足す時間は、他科目に回したほうが効率が良いです。ドリルが必要になるのは、よほど文法が苦手で、なおかつ時間に余裕がある場合くらいだと考えてください。
【段階2】古文読解法でやるべき参考書・到達ゴール
次は段階2、読解法です。ここは「最速で終わらせる」ことが何より大切な段階です。読解法を短時間で仕上げる考え方と、ここを飛ばすとどうなるかを押さえてください。
読解法は最速で終わらせて他科目に時間を回す
読解法は、とにかく最速で終わらせてください。『3時間古文読解会』なら、習熟時間の目安は3時間〜6時間程度です。
なぜここまで急ぐのか。考えてみると、予備校の一年間のカリキュラムは40コマほどありますが、そのうち読解法に割くのはせいぜい数コマです。読解法は本来、そんなに時間をかける内容ではありません。
ところが、参考書という形を取ると、なぜか何十時間もかかってしまう本が多いです。
| 教材タイプ | 読解法の習熟時間の目安 |
|---|---|
| 設計された講義系読解書(例:3時間古文読解会) | 約3〜6時間 |
| 一般的な読解参考書(完璧を目指した場合) | 約20〜30時間 |
仮に20時間かかる本と6時間で終わる本があれば、その差は14時間です。14時間あれば、社会の軽い範囲なら一周できます。
古文の点数のためにその14時間を使うより、他科目に回したほうが、合計点では絶対に得です。だからこそ読解法は、サクッと終わらせるのが正解です。
読解法のミニブックは演習で徐々に塗り重ねて仕上げる
「短時間で終わらせて、知識は足りるの?」と不安になるかもしれませんが、問題ありません。読解法のミニブックは、最初から完璧に覚え切るものではなく、演習をやりながら徐々に塗り重ねて仕上げていくものだからです。
正直にお伝えすると、マナビズムの卒業生でも、読解書のミニブックの内容を本番までに隅から隅まで完璧に覚えた人は一人もいません。それでも合格しています。
古文常識や作品知識まで含めると、それくらい中身は濃いのです。だからこそ、最初の一周で完璧を目指して時間を溶かすのではなく、「ここで武器の一覧を手に入れた」くらいの感覚でいったん通過し、演習を重ねるたびに知識を厚く塗り重ねていってください。
読解法をやらずに長文演習へ進む受験生がつまずく理由
受験相談をしていて本当に多いのが、文法を終えたあと、読解法を飛ばしていきなり長文演習に入ろうとする人です。気持ちはわかります。文法をやると、周りと比べて急に古文ができる気がしてくるからです。
とはいえ、今はチュートリアルが終わっただけの状態。装備を整えずに強敵に挑むようなものです。
読解法を飛ばして演習に入ると、単語を意識しながら何となく読んでいるだけになり、「だれがその動作をしているのか」を判別できません。この主語の判別こそが、古文の設問でいちばん問われるポイントです。
文法だけできても主語が省略される古文は読めない
ここをはっきりいっておきます。文法だけできても、主語が省略される古文は読めません。
英語で考えてみてください。英文法を覚えて英単語を覚えただけで、いきなり長文が読めるでしょうか。読めませんよね。
そう考えると、英文解釈という段階が必要になります。古文もまったく同じで、文法(=一文一文の法則)を覚えただけでは、文章全体は追えません。古文は主語が省略される言語だからです。
その省略された主語をどう補うか——このテクニックは「文の法則」ではなく「読み方のテクニック」です。だから文法とは別に、読解法という段階が必要になるのです。文法と読解法は、混同してはいけない別物だと覚えておいてください。

【段階3】古文読解演習でやるべき参考書・到達ゴール
最後は段階3、演習です。ここでのゴールは、問題を「たくさん解くこと」ではありません。演習書の本当の目的と、なぜ少ない題数で十分なのかを押さえてください。
- 演習書のゴールは復習のやり方そのものを身につけること
- たった5題でも過去問演習の効率が跳ね上がる設計
- 模試の復習方法がわからないのは演習書をやっていないサイン
- 演習書を通すと授業も模試も赤本も吸収できる
演習書のゴールは復習のやり方そのものを身につけること
演習書の到達ゴールは、問題数をこなすのではなく、「復習のやり方そのもの」を身につけることです。演習書『ベーシック』『スタンダード』は、それぞれ5題ずつ、合わせて10題しか入っていません。
「演習が足りない」とよく言われます。しかし、これは意図的にこの題数にしています。目的が「武器をたくさん使って戦うこと」ではなく、「武器の扱い方・戦い方・復習のやり方を身につけること」だからです。
本文と現代語訳を横に置いて、一文ずつ「自分はどこで読めなくなったのか」を突き止める——この復習の型を身につけることが、演習書の役割です。
たった5題でも過去問演習の効率が跳ね上がる設計
「足りるわけがない」と思うかもしれませんが、たった5題でも、このあとやる過去問演習すべての効率が跳ね上がる設計になっています。
スライムを5体倒せば、戦い方はわかります。逆に、14題も同じレベルで延々とやらされたら、くどいだけです。
そこまで手取り足取りやってしまうと、いざ自分で過去問を進めるときに「自走できない受験生」になってしまいます。
5題で復習の型を体に入れ、あとは過去問という実戦で自分で戦う。だから、5題という題数はコスパが悪いどころか、むしろ最高にコスパがいいのです。
模試の復習方法がわからないのは演習書をやっていないサイン
1つ、見分け方をお伝えします。「模試の復習方法がわかりません」という質問が出る時点で、演習書をやっていない(または使い方を間違えている)サインです。演習書をきちんと通っていれば、復習の型は身についているはずなので、この質問は出ようがありません。
逆に、ここでつまずいている人は、文法と読解法までしかやっていないか、演習書を飛ばしてほかの問題集に手を出しているケースがほとんどです。「自らの言う通りにやってくれていれば、起こり得ない質問」です。
もし今このタイプの悩みを抱えているなら、新しい本を買い足す前に、演習書の使い方を見直してください。
演習書を通すと授業も模試も赤本も吸収できる
演習書を通るメリットは、演習書で復習の型を身につけると、学校の授業も、模試も、赤本(過去問)も、すべて自分で吸収できるようになることです。
文法と読解法までしかやっていない段階だと、授業は「聞けるようにはなる」しかし、自分で消化しきれません。演習書まで通れば、本文と訳さえあれば、自分でその文章を最後まで味わい尽くせます。
解説が多少あらい赤本でも、自力で学べるようになる。逆に、ここを飛ばすと、過去問をやっても「復習の仕方がわからない」状態が続き、伸びが止まります。11月以降に伸びるかは、ここで復習の型が入っているかにかかっています。
志望校レベル別の古文参考書ルート・到達目安
| 志望校レベル | 文法・読解法・演習書の仕上げ目安 | そのあとにやること |
|---|---|---|
| 共通テストのみ/日東駒専・産近甲龍/国公立理系 | 文法+読解法+演習書(ベーシック・スタンダード)まで | 過去問・共通テスト演習・模試の復習で十分 |
| 関関同立・MARCH | 夏前までに演習書まで | ハイレベル演習(ポラリス2・3等)→過去問演習 |
| 早稲田・国公立文系(記述あり) | 2年生のうちに演習書まで | トップレベル演習・東大古典問題集等で記述対策 |
ここまでで「何を・どこまで・どの順で」やるかは決まりました。最後に、志望校レベルによって「いつまでに仕上げるか」のペースが変わるので、その目安をお伝えします。
自らの志望校がどのペースに当てはまるかを確認してください。
共通テストのみと日東駒専レベルの古文参考書ルート
共通テストでしか古文を使わない人、日東駒専・産近甲龍レベル、国公立理系を志望する人は、文法+読解法+演習書(ベーシック・スタンダード)まで仕上げれば、あとは過去問演習で十分です。
このレベルは、演習書の2冊のあとに必要なのは過去問だけ、といい切れます。共通テストの理系で古文に時間を使えないのは当然なので、最低限の量で安定して8割を超えることをゴールに設計しています。
演習書まで通したら、模試の復習と共通テストの過去問をベーシック・スタンダードと同じやり方で進めてください。それで、満点からちょいミス程度に収まっていきます。
関関同立とMARCHレベルの古文参考書ルート
関関同立・MARCHレベルは、演習書(ベーシック・スタンダード)までを夏前に終わらせるのが基準です。そのうえで、もう一段階上の演習を積みます。2〜3月スタートなら、文法に約2か月、読解法に約1週間、演習書に約4か月——マックスでも夏休みまでに全部そろう計算です。
これは他科目とのバランスを考えても、決して無茶なペースではありません。演習書のあとは、ハイレベルな演習(ポラリス2・3などの段階別問題集)を積み、最後は過去問演習にしっかり時間を使います。
9〜10月頃から関関同立レベルの演習に入れていれば、古文は得点源になります。
早稲田と国公立文系レベルの古文参考書ルート
早稲田・国公立文系など、記述が必要なレベルは、文法・読解法・演習書までを2年生のうちに終わらせておきたいです。記述対策に時間が必要だからです。そのうえで、関関同立レベルの演習を3か月ほどで済ませ、夏頃から記述対策に入っていくのが理想です。
古文は英語や現代文と違い、新しい文章が無限に増える科目ではないので、難しさには上限があります。その結果、求められるのは「限られた能力で、いかに減点の少ない答案を書くか」というテクニックです。
偏差値65以上の高校生なら、演習書からトップレベル演習(東大古典問題集など)へスムーズに進めるはずです。基本を2年生までに固めておけば、3年生で受ける模試の吸収力が一気に上がります。
古文単語は文法と並行して志望校レベルに合わせて仕上げる
最後に、古文単語の進め方です。古文単語は、ここまでの3段階とは別軸で、文法と並行して進めてください。
理想は、文法(『6時間古典文法』など)が終わるのと同時に古文単語帳も一通り終わらせ、あとはミニブックと単語帳をずっと回し続けることです。
文法が終わるまでに単語が間に合わなければ、読解法の期間に1週間ほど足して並行で覚えても構いません。どうせ演習で何度も単語に出会うので、そこで自然に塗り重なっていきます。
仕上げるレベルは、志望校によって変えてください。
| 志望校レベル | 古文単語の仕上げ目安 |
|---|---|
| 共通テストのみ・産近甲龍・国公立理系 | 標準的な単語帳の見出し語+関連語まで |
| 国公立文系 | 見出し語+関連語をしっかり |
| 関関同立・MARCH以上 | 単語帳レベルの見出し語をしっかり仕上げる |
ポイントは、単語だけを完璧にしようと別枠で抱え込まないこと。文法・読解法・演習という本筋を進めながら、そのなかで単語を回し続けるのが、いちばん効率のいいやり方です。
まとめ:古文の参考書ルートを自らの志望校で迷わず進めるには
ここまでの内容を整理します。古文の参考書ルートで大切なのは、本のラインナップではなく「設計」です。
- 古文の参考書ルートは「文法→読解法→演習」の3段階。各段階に到達ゴールと習熟時間をセットで決める
- 本当の狙いは、古文にかける時間を最小化して、浮いた時間を英語や社会に回すこと(共通テストの古文は200点中45点)
- 文法のゴールは「ミニブックを10分でいえ、助動詞・敬語の表が書ける」。完璧を目指さず、演習で出会った知識を一元化する
- 読解法は最速で終わらせる。主語の省略を補う「武器」をそろえる段階で、文法とは別物
- 演習書のゴールは「復習のやり方そのもの」を身につけること。少ない題数でも過去問の効率が跳ね上がる
- 仕上げの「いつまでに」は志望校レベルで変わる。古文単語は文法と並行して進める
とはいえ、「自らの志望校だと、いつまでに何を終わらせればいいのか」「今のペースで間に合っているのか」は、一人で判断するのが難しいところです。古文は他科目とのバランスのなかで時間配分を決める科目なので、なおさらです。
もし自分専用の古文ルートとスケジュールを知りたい場合は、ぜひ一度マナビズムの無料受験相談を使ってください。志望校・現在の学力・スタート時期から、「何を・いつまでに・どのレベルまで」やるべきかを一緒に設計します。
古文に時間をかけすぎず、合格点を最短で取りに行く——その道筋を、迷わず進めるようにサポートします。
よくある質問(FAQ)
古文の参考書ルートは何冊くらいやれば合格点に届きますか?
冊数で考えるより、3段階(文法・読解法・演習)を到達ゴールまで通すことが基準です。共通テストのみ・日東駒専・産近甲龍・国公立理系なら、文法+読解法+演習書(2冊)+古文単語帳+過去問で十分です。関関同立・MARCH以上は、これに段階別のハイレベル演習を足します。大切なのは冊数ではなく、一冊ずつゴールに到達してから次へ進むことです。
古文に時間をかけすぎないとはどれくらいの勉強時間が目安ですか?
明確な「正解の時間」はありませんが、目安として読解法は3〜6時間で終わらせるのが理想です。古文は共通テストで200点中45点という配点なので、ここに時間を注ぎすぎるより、英語や社会など配点の大きい科目に回したほうが合計点は上がります。「合格点に必要な分だけ着実に取り、それ以上はかけない」という線引きを意識してください。
古典文法のドリルや問題集はやらなくて本当に大丈夫ですか?
ほとんどの人は不要です。文法のあとに進む演習書のなかで、文法の内容はいやというほど問われるからです(私の演習書では10題の中に文法の設問を約1,200問入れています)。ドリルに使う時間を他科目に回したほうが効率が良いです。例外は、よほど文法が苦手で、なおかつ時間に余裕がある場合くらいです。
共通テストでしか古文を使わない理系もこのルートで対応できますか?
対応できます。むしろ、このルートは「古文に時間をかけない」ことを最優先に設計しているので、理系の人にこそ向いています。文法+読解法+演習書(ベーシック・スタンダード)まで通せば、あとは共通テストの過去問と模試の復習で、安定して8割を超えることを狙えます。古文に使える時間が少ない理系こそ、最低限の量で仕上げる設計が効きます。
古文読解の演習量が少なく感じますが過去問演習で足りますか?
足ります。演習書の目的は「問題数をこなすこと」ではなく「復習のやり方を身につけること」だからです。少ない題数で復習の型を体に入れると、そのあとの過去問演習すべての効率が跳ね上がります。逆に、復習の型が入っていないまま過去問を量だけこなしても、「復習の仕方がわからない」状態が続いて伸びません。演習書で型を作り、過去問で実戦を積む——この順番が効率が良いです。
古文単語帳はどのレベルまで仕上げればいいですか?
志望校レベルで変えてください。共通テストのみ・産近甲龍・国公立理系は標準的な単語帳の見出し語+関連語まで、関関同立・MARCH以上は単語帳レベルの見出し語をしっかり仕上げます。進め方は、文法と並行して覚えはじめ、文法が終わる頃に一通り終わらせて、あとはミニブックと一緒に回し続けるのが理想です。
参考情報
※1 独立行政法人 大学入試センター「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等(国語)」(国語は試験時間90分・200点満点、古文に当たる大問の配点は45点)
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kako_shiken_jouhou/r7/r7_kentoujoukyou/r7mondai.html