【物理のエッセンス】失敗しない使い方・特徴・レベル

更新日: (公開日: PHYSICS

この記事では「物理のエッセンス」の特徴と正しい使い方・対象レベルについて詳しく紹介していきます。
この記事を読むことで以下の悩みが解消されます。

  • 本書の対応レベル
  • 特徴
  • どんな人におすすめか?
  • 失敗しない使い方
  • 似たレベルの参考書
  • 次に使用すべき参考書

上記の悩みを抱えた受験生は是非参考にして下さい。

物理のエッセンスの概要・レベル

  • 分類:講義系参考書
  • 構成:熱・電磁気・原子と力学・波動の2冊
  • 期間:入試初期~入試本番
  • 対象レベル:高校基礎~難関私大
  • おすすめ度:★★★★★

2冊に分けられていますが、各章の構成としては、まず冒頭でその章における公式や説明がされます。その後、例題で演習を行い、最後にその章のポイントがまとめられている形になります。

本書だけでは問題演習量を十分に確保できませんが、知識としては高校基礎から関関同立やMARCHといった難関私大レベルまでカバーできます。

おすすめ度は最高評価の★5つとしています。
なんといっても、物理参考書の中では一番有名なものとして挙げられるのが間違いなく、本書「物理のエッセンス」です。河合塾の物理科講師である浜島先生が書かれた本で昔から圧倒的支持を受けている。

同シリーズに「良問の風」「名門の森」もあるので、こちらの記事も合わせて読んでおきましょう。こちらの2冊も非常に良書ではあるが、やはり本書「物理のエッセンス」が全受験生から一番支持を集めている。

その証拠にアマゾンの評価でも長い間1位を取り続け、ベストセラーの座を終始守り続けている。
これこそが、物理のエッセンスファンの多さを示す確たる証拠だろう。

物理のエッセンスの特徴

物理のエッセンスの特徴を3つあげます。

①教科書よりも基礎レベルのことから学べる!
物理で多い悩みが教科書を読んでもわからないといったことです。物理のエッセンスでは教科書には記載されていない物理の認識を含む最も基本となる感覚的な理解の部分から教えてくれます。その後に教科書レベルの内容、最後に試験問題を解くのに必要な知識まで教えてくれます。

②ミスしやすい誤答例が記載!
例題の解説には受験生が間違えやすい誤答例を取り上げてくれています。出題者の狙い目がわかる様になっているので正解していた場合も見ておくようにしましょう。

③解説が最小限!
エッセンスで唯一、世間から批判されているのが「問題解説の薄さ」です。これは正直言わせてもらうと「確かに薄い」というのが感想です。私も受験生時代に使っていた参考書の1つではあるが、エッセンスで不満な点があるとすれば解説が省略されすぎててイマイチ理解しきれなかったことです。

ゆえに、本書は物理初心者は苦労するので注意が必要です。
おそらく前提条件として、「教科書を理解できてる」「学校の授業を聞いている」者を対象としている節があるので、私のように授業をほったらかしにしていきなり本書から取り組み始めたものには容赦なく「?」が襲い掛かります。

物理初心者にもオススメの参考書は後ほど紹介する「似たレベルの参考書」を参考にして下さい。

エッセンスの最大の特徴は、「エッセンスの凝縮」だろう。
タイトルの通りではあるが、これこそが支持を受けている何よりの証拠です。実際にみてもらっても分かると思うが、2作とも本の厚さは1cm未満となっています。この圧倒的薄さに物理のエッセンスが凝縮されています。

また、このエッセンスの1つ1つが本当にためになる、使える考え方で非常に有益です。
こういったことを押さえることが、物理の点数アップには結局一番有効です。物理が苦手な人の特徴としては、各問題に対して「この問いに対して、どの公式・定理を使えばいいか分からない。」という悩みです。

私もそうであったが、確かに解説を読むと理解できるので簡単な科目のように思える物理だが、実際に自分でその問題を解いてみると、あれ?と手が止まりやすい。
だが逆に、物理が得意な人からすれば、「この問題には当然、この公式を使うにきまってるじゃないか」とさも当然のように公式を使いこなせます。

この差はいったい何かというと、物理現象を正確に読み取れているか?ということです。
すなわち、~がこうなっているので、その結果としてこういう運動をするんだなという因果関係を常に意識できているか。

たったそれだけの差で、物理が得意か不得意かが決まってしまう。
そして、こういった因果関係を読み解くためには、物理の本質、現象を読み解く材料というものが必要であり、そういった知識を学ぶものがこの「物理のエッセンス」なのだ。

ゆえにエッセンスは、「物理が得意になるための下準備」という役割を果たしている。
本書で下準備を終えたら、次いで「良問の風」「名門の森」で実際の入試問題でアウトプットしていけばいい。同じ著者なので、非常にスムーズに移ることが出来るはずだ。

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物理のエッセンスの使い方

エッセンスの使い方の極意は「とにかく進める」ことです。
エッセンスは実際に物理がそこそこ分かっている人でも、「?」という状態になることは多々ある。しかし、そもそもエッセンスは1度読んだだけでは完全に理解することが出来ない参考書と思われる。

エッセンスの神髄は、2周目以降から発揮されていくものだ。
ほとんどの使用者が、1周目の問題で「?」の状態になり、そこで挫折する者と、よくわからないがそのまま進める者に分かれる。

そうして、よくわからないまま2周目に突入したものがエッセンスの効果を実感できる。
あれは、こういうことを言っていたのか!という実感が本当に面白いほど2周目以降から湧いてくる。ゆえに、1周目でよくわからず「解説が不親切でした」と批判するのは簡単だが、実はその先にエッセンスの極意が待っているのだ。

とりあえず分からないままでも構わないので、「そういうものなのか」と割り切り、どんどん前へ進む。すると2周目以降から、面白い実感が誰にでも湧いてくるはずだ。

似たレベルの参考書


似たレベルの参考書としてオススメするのは「宇宙一わかりやすい高校物理」です。この参考書も「物理のエッセンス」と同様に2冊に分けられています。
違いとしては「物理のエッセンス」は解説が非常に詳しく物理初心者にもわかりやすくなっています。どちらも講義系参考書であるのに変わりませんが、この様に解説の量が変わります。

物理初心者で解説が詳しいほうが良い受験生は「宇宙一わかりやすい高校物理」をオススメします。
一方で、物理の基礎が定着していて解説が少なくても必要な知識が学べればいいといった受験生は「物理のエッセンス」をオススメします。

次に使用すべき参考書

次に使用すべき参考書としては「良問の風」をオススメします。
先述したように著者が一緒であることも理由ですが、「良問の風」は問題集なので、「物理のエッセンス」でインプットした知識を一気にアウトプットする事ができます。物理は演習量をこなして問題パターンに慣れることも重要ですので、併用するようにしましょう。

以上で「物理のエッセンス」の紹介を終わります。

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