砂糖の世界史の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) WORLD-HISTORY
砂糖の世界史の効果的な使い方
砂糖の世界史の概要と使用目的
本書は、わかりやすい文章を用いながら、砂糖を通して世界史全体の流れを語っていくといった一風変わった参考書です。
砂糖についてとりわけ関連の深いイギリスの歴史についてはかなり詳しく書かれており、通史の学習がある程度仕上がっていれば納得させられたりすることも増え、より楽しんで学んでいくことができるでしょう。
様々な世界史の歴史事象のつながりを学びたい人や、知識をインプットや理解する際の補助的教材として利用していくとよいと思われます。
砂糖の世界史の具体的な内容
参考書のレベルとしては決して高くなく、丁寧に記されているため比較的簡単な方であります。
そして、なんといっても砂糖を通して世界史を見ていくといった点が本書の最大の特徴であり、魅力的な点でもあります。
我々の身近に存在する砂糖と黒人奴隷とのつながりなど容易には想像できないようなつながりもこの参考書には載っています。
より具体的な構成としては以下の通りです。
<目次>
プロローグ 砂糖の不思議
- 第一章 ヨーロッパの砂糖はどこからきたのか
- 第二章 カリブ海と砂糖
- 第三章 砂糖と茶の遭遇
- 第四章 コーヒー・ハウスが育んだ近代文化
- 第五章 茶・コーヒー・チョコレート
- 第六章 「砂糖あるところに、奴隷あり」
- 第七章 イギリス風の朝食と「お茶の休み」
- 第八章 奴隷と砂糖をめぐる政治
- 第九章 さとうきび旅の終わり
エピローグ モノをつうじてみる世界史
砂糖の世界史の使い方
世界史の知識がまずまず入っているが、まだはっきりと整理できておらず暗記に戸惑っている人が、物事のつながりを絡めてインプットしていくための補助教材として使用していくのがベストでしょう。
また、世界史の学習を仕上げた人で興味があるなら読んでいってもよいでしょう。
この参考書一冊では内容が薄く、世界史全体の知識としてはいくつか足りない点があるため、何度も使い込んでいく参考書としてはおすすめしません。
ナビゲーター世界史や詳説世界史、時代と流れのつかめる用語問題集世界史Bといったオーソドックスな世界史の参考書を基本に、この参考書を併用して使用していきましょう。
砂糖の世界史の注意点
オーソドックスな世界史の参考書と異なるため、基本的な内容を抑えていないと理解に苦しむ場面に遭遇するかもしれません。
砂糖を中心に世界史の学習へと発展していくので、本書一冊では情報量が足りない点にも注意が必要です。ナビゲーター世界史や詳説世界史で基礎の知識は固めておきましょう。
また、あえて注文をつけるとすれば、砂糖キビ由来の砂糖の話が中心で、テンサイ(ビート)からとる砂糖の発展の歴史にほとんどふれていないのが残念な点です