細野真宏の確率が本当によくわかる本
更新日: (公開日: ) MATHEMATICS-HUMANITIES
細野真宏の確率が本当によくわかる本
1.細野真宏の確率が本当によくわかる本の概要
文系・理系問わず受験生が頭を悩ませる一つとして挙げられるのが「確率」だろう。
他の単元とは一線を画する考え方を要し、数学センスが一番問われる単元と言っても過言ではないのではないだろうか。
そもそも、確率はギャンブルからできた考え方でもあるので、数学が得意・不得意にはさほど関係なく、「数学は得意だけど確率は…」といった人がいるかと思えば、「数学は苦手だけど確率はなぜか解ける。」という人もいる。
そんな独特な単元「確率」の勉強法が分からず、他分野と同様ただただパターン問題の暗記をする。
他の単元では通用しても、この「確率分野」には絶対にパターン問題の暗記は通用しない。(もちろん最低限の暗記は必要とされるが)
そこで、確率の勉強法が分からずに投げ出してしまう人がなんと多いことか。
しかし、そういった方のために出版されたといってもいいだろう本。
それが「細野真宏の確率が本当によくわかる本」である。
難易度は基礎~発展レベルまでを扱い、到達点は非常に高く難関国公立にまで対応できる。
ただ、中堅私大にはオーバーワークと見られる。
また、偏差値30~使用できるという(宣伝)文句だが、正直これは言い過ぎである。
少なくとも、教科書や教科書準拠用問題集で確率をある程度は確率を体験・経験している生徒(偏差値的には45以上)から始めないと、本書の内容はまるで理解できないだろう。
また、内容は厳密性を求めすぎていないことが評価できる。
高校数学においては、それこそ厳密に証明や解説をしようと思えばいくらでもできるのだが、生徒に理解させるには、ある一定のラインで止めなければいけない。
そういった意味でこの参考書は、厳密性よりも概念・イメージをつかみやすくしている点にフォーカスしているので好印象が持てる。
2.細野真宏の確率が本当によくわかる本の使い方
① 短期間(1週間)で終わらせる。
「理解」を重視して、じっくりと解説を読みこむ。
それでも分からない部分がある場合は、一人でじっくり考え込まずに周りの人に聞こう。
② 何度も問題をスピードを上げて解く。
ここでは出来るようになるまで、何周も繰り返してほしい。
③ アウトプット系(演習系)に移る
全ての問題が解答できるようになれば、正直、確率については全く心配がいらない。
あとは演習の参考書に移り、その実力を存分に発揮してほしい。
3.細野真宏の確率が本当によくわかる本の総評
細野数学は何冊か出ているが、この本が一番よく出来ていると思われる。
理由についてだが、この一冊でほぼ確率に関しては網羅されていること、さらに大学に入っても使える基礎学力につながっていることなどがすぐに思いつくところだ。
マニアックな問題も、意外に少ないように思われる。
確率は独特の考え方に慣れるまでが時間がかかるので、最初やりだしたころは、勘違いと間違いの連発に見舞われるかもしれないが、諦めずにやってもらいたい。
そうすると、人に説明出来るぐらい確率が出来るようになっているはずだ。
また、確率は出来る人とそうでない人の差が大きい分野でもあるので、得意になって、得点源にしてしまおう。
数学科以外の物理学科などでも、統計力学などで確率の考え方は多用される。
理系であれば、持っておくべき知識の一つだと考えられる。