高校これでわかる数学シリーズの効果的な使い方

更新日: (公開日: MATHEMATICS-HUMANITIES

高校これでわかる数学シリーズ

高校これでわかる数学

1.高校これでわかる数学シリーズの概要

教科書レベルの基本事項を中心に収録された参考書。
問題数は例題:201問、類題:205問、定期テスト予想問題(章末)77問の計483問である。
基本的に例題1問に対して、例題内容を確認する類題が1問という構成だが、例題によっては、類題が無い問題もあり、2〜3問類題がある問題もある。
難易度的には、最初にやるのにちょうどよい導入書と呼べる参考書。
各分野とも、導入部分の解説が詳しいので学校の授業についていけず数学が嫌いになってしまっている人が使うのに適している。
重要な公式については証明まで丁寧に載せているのもありがたいところ。
各節の導入部分で、授業で行われるような説明があり、次いで具体的な例題を用いて解法を学んでいくという教科書風の書き方がなされていることが良い点だろう。
このことにより、基本事項と例題との関連性が分かりやすくなっている。
また、2章1節「関数とは何か?」や3章1節「正弦・余弦・正接とは?」のように、概念的な部分も具体的に導入しており、分かりやすくなっている。
更に、基本事項や例題で図解を多用して解説をしようと意図されており、分かりやすくしようという意気込みが見てとれる
 
ただ到達点はさほど高くない。
この参考書を2~3周して完璧にできるようにすれば、履修単元については定期テストで6~8割程度までは到達できるはず。(学校によるが)
もしこれを演習してもそこまで到達できない場合は、演習量が不足しているということなので、他の演習書(学校準拠用問題集)などに取り組む必要がある。
 

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2.高校これでわかる数学シリーズの使用法

 

例題を(答を隠して)解いて正解できたら、類題は解かない。間違えた場合は類題も解いて行く。

 
基本的な公式が理解できているか、使用できるかに重点を置かれた参考書なので、例題が出来れば充分である。
例題と類題には、それほどの難易度差が見られないので、例題が解けるのならば類題も解けるだろう。
上記の理由で例題の正誤により、類題に取り組むかを決めてほしい。
 

②各章が終わるごとに定期テスト予想問題を解く。

 
本書は、学校の定期テストで点を取ることにウエイトを置いている。
わざわざ定期テスト予想問題を掲載している参考書は珍しいので、ここを利用しない手はない。
しっかりと定期テスト予想問題を反復して完璧にし、定期テストで良い点を取ろう。
 

3.高校これでわかる数学シリーズの総評

 
なんといってもフルカラーで見やすい。
さらに教科書に出てくる問題を掘り下げて基礎を身につけてくれる。
学校の授業に合わせて使えば、定期テストで点をとっておきたい問題は確実にとれるようになる。
 
さらに教科書レベルの内容を、とにかく丁寧に解説している。
中でも導入部分は素晴らしい。
対話のような形式で、「数列って何?」くらいの、数学が得意でない生徒さんが最初につまずきそうなポイントもしっかりフォローしている。
例題の選び方も、代表的な検定教科書に忠実なので、物足りなさはあるだろうが「やりづらい」と感じることはないだろう。
中学校から数学が苦手だった人はもちろん、学校の授業を聞き逃してしまった箇所の復習用に、逆に基本事項だけを先取りしたい人用にと、幅広く使える。
なお、本書が終わったら、網羅系に進むなり講義系の参考書・問題集に進むなりしなければ、受験の数学レベルには達せないだろう。

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