短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅰ+A Express
更新日: (公開日: ) MATHEMATICS-HUMANITIES
短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅰ+Aの効果的な使い方
1.短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅰ+Aの概要
最近、よく耳にする回数も増えてきた。「○日で~」という名の参考書だ。
個人的に、こういったシリーズは好きだ。なぜなら、「薄いから」。
「薄い」=「持ち運びしやすい」という次元の話ではもちろんない。(その理由もメリットに含まれるが)
話は逸れるが、「薄い」参考書についてここで少し述べておこう。
薄い参考書というと、多くの受験生は「頼りない・持ち運びしやすい」くらいのイメージをお持ちだろうか。
まずはそのイメージを変えて頂こう。
薄い参考書にはメリットがたくさんある。(もちろんデメリットも)
メリット
- 1.携帯性・持ち運びしやすい
これは、見ての通りのメリットだ。
- 2.選び抜かれた問題
薄い参考書というのは、もちろん問題数も少なくて当然である。
裏を返して、出版社側から見ると、「少ない問題数で読者(受験生)に効果を示さなければいけない」のだ。
つまるところ、限られたページ数、少ない問題数で最大限の効果を発揮するような問題を著者は掲載しているという訳である。
その結果がメリットの「選び抜かれた問題」ということだ。
無駄なものは極力省いて、真に必要なものしか含めない参考書ということである。
- 3.周回しやすい
薄い=問題数が少ないことは承知だろう。つまり、一周にかかる時間が少ないということだ。
つまり、先述した「プロが選び抜いた問題」を何度も何度も短期間で繰り返すことができるのだ。
実力がつかない理由がないだろう。
さて、以上がメリットであるが、もちろん良いことばかりではない。
デメリット
- 1.各単元で扱う内容が浅い
これはどうしてもページ数の関係で仕方がないことだろう。
本書のように薄く、かつ、ⅠA(orⅡB)を1冊で一通り終えようとするのならば、どうしても各単元で扱う事項・問題が希薄になってしまうことは避けられない。
具体的には「公式の確認⇒問題」という単純かつ明確な流れが主になっているだろう。
よって、さらに奥に潜んでいる本質や面白さなどに気づいたり感動できるような参考書ではない。
- 2.網羅性の低さ
上の「浅い」ということと被っている内容になるが、やはり類似問題等が扱われない(扱うスペースがない)ので、入試でよく問われる頻出問題を扱うといっても限度が出来てしまう。
これが俗に「薄い」と言われる参考書の特徴だ。
しかし、使用方法を間違いさえしなければ、こういった参考書は非常に威力を発揮すると私は思っている。
では、そういった使用方法も兼ねて、詳細に入っていこう。
2.短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅰ+Aの詳細
まずは対象者であるが、センター数学が5割に満たない、もしくは5割程度の人だ。
センター数学が5割にも満たない方に共通していることは、ただ一つ「基礎事項・公式を覚えていない」、これに尽きる。
公式を覚えて、それを実際に使う練習ができている(教科書レベル)人なら、まずはセンター数学で5割は取れる。
本書は、そのレベルに達していない人をターゲットとしている。
そして、その段階にいち早く(10日間で)達するようにⅠA(orⅡB)を1冊に薄くまとめているのだ。
内容を見ても、この薄さではあるが、まず基礎事項の確認をするには、充分な問題数、難易度である。
確かに、本書を何度も繰り返せば、ひとまずセンター数学5割の達成・基礎事項の確認が完了するということには納得だ。
そして、使用時期だか、もちろん早ければ早いに越したことはない。
むしろ高3までには、このレベルには達していることが必然なので、高2の冬休み頃にⅠA・ⅡBと2冊ともに終えておくことが理想だろう。
3.短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅰ+Aの使い方
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1.スピード重視で前に進め
こういった基礎問題は、知っていないと解けないし、知っていれば解ける。というレベルの問題である。
1周目では、ほとんどの問題が解けないという人が多いと思われる。
それは構わないので、とにかく前へ進んで欲しい。
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2.周回せよ
1の理由と兼ねて、説明する。
このレベルの問題は最終的に「反射的に解ける」のが目標だ。
つまり、問題を見た瞬間に「あ~これね」と思えるほどに繰り返すのだ。
そういった理由でスピード重視でさらに、周回してほしいのだ。
4.短期集中ゼミ 基礎からの数学Ⅰ+Aの総評
とにかくいち早く、受験数学のスタート地点に立ちたい!という人におススメの参考書だ。
先取りでⅠAⅡBをひとまず終えたい人はもちろん、高3になってから慌ててⅠAⅡBを復習したいという困ったさんにも使用可能だ。
先述したが、個人的には高2の冬休み(およそ2週間)を使って、本書2冊を終えてほしい。
その2週間で一気に数学の地盤が固まることは間違いなしだ。
地盤を固めたら、徐々に実力を積み上げていけばいい。
受験ではフライングしたものが勝つ!
ぜひとも、この10日完成シリーズで少しでも周りからフライングしてしまおう!