ハッとめざめる確率の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) MATHEMATICS-HUMANITIES
ハッとめざめる確率の効果的な使い方
1.ハッとめざめる確率の概要
「ハッと目覚める確率」。これは、私が受験生時代に出会っていたかった参考書の一冊である…
「確率」は入試数学において、「微積分」と並ぶ最頻出単元と言える。
どの大学を受験するにせよ、ほぼ確実に微積分か確率、もしくはその両方が出題されることであろう。
よって確率・微積分を苦手なままで入試に挑むことは無謀とも呼べる。
本書は受験生が持っている「確率」の概念を一新する参考書である。
特に公式を暗記したけれど、まったく確率が分からない、伸びない…といった生徒には、「ハッと」目覚めさせてくれる一冊になるだろう。
また、確率は数学の中でも特に独立した単元である。
「数学が得意な人でも、確率が苦手だ。」またはその逆で、「数学が苦手だけどどういうわけか確率は出来てしまう。」といった人もいる。
それほど、確率というのは数学の中でも特殊な分野であり、もっとも勉強がしにくい(教師側からすれば教えにくい)分野とも言えるかもしれない。
パターン問題の暗記で、ある程度のレベルまでいける他の分野と違い、確率は公式などよりも思考力に比重がかかっている。(もちろん確率もある程度のパターン暗記は必須だが。)
そういった確率に対する思考力を鍛える参考書が、この「ハッと目覚める確率」なのだ。
著者は受験数学界では超有名な安田亨先生。
この本以外にもたくさんの名著を出され、受験数学界から厚き信頼を得ている。
そして、この本が特に超名著であると私は断言する。
2.ハッとめざめる確率の詳細
構成自体はハッキリと2つに分かれており、前半は教科書~入試基礎レベルの問題。
後半は入試標準以上の問題を扱っている。
そして、なんといっても驚くべき点はPやCなどの公式にほとんど頼らない解説だ。
公式よりも、「どうしてその計算式になるのか」に重点が置かれ、なるほどその解説を読むと「確率において公式がいかに必要ないものか」が分かる。
確率という単元は定期テストではパターン問題が出題されるが、入試ではまず見たことのないような確率問題が出されることが多い。
そういったパターンでない問題に自力で計算式を立てることが出来るのか?その力を徹底的に鍛え上げる参考書となっている。
だからといって、難しい問題ばかりでなく教科書レベルの問題から公式に頼らない考え方を鍛えていく構成になっているので、初学者から始めることも十分可能だ。
3.ハッとめざめる確率の使い方
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1.例題の完全暗記
この例題に安田先生の極意が詰まっている。よって、例題を自分でも再現できるようにひたすら覚えてほしい。覚える手段は問わない。
とにかく安田先生の考え方を覚えるのだ。
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2.演習に取り掛かる
ここで注意してほしいのが、演習問題は高難度のものまで含まれているので、本書の演習問題に取り組む人は旧帝大などの難関国立志望の方だ。
それ以外の人は、他の参考書で、「安田先生流」の解答を自分で使えるように演習参考書に取り組んで欲しい。
4.ハッとめざめる確率の総評
初学者から始めることも可能だが、なんと最終到達点も非常に高く、東大京大志望という生徒にもおススメしたい。
つまり数学を入試で必要とする生徒は一度はやっておくべき参考書なのだ。
それほど、あなたの持っている確率の概念・考え方に革新を起こしてくれる参考書だ。