新・田村の現代文講義-評論編の効果的な使い方
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1.新・田村の現代文講義-評論編の概要と使用目的
背景知識まで含めた現代文の講義
[新・田村の現代文講義―代々木ゼミ方式 (1) 評論〔基本問題〕篇]
は教養現代文と学生から呼ばれる名物講師の講義形式の参考書です。
本題に入る前に、入試の現代文とはいかなるものなのかといった説明書きが添えられていることや、背景知識についての解説が豊富なことが他の参考書と一線を画しています。
好き嫌いは分かれるでしょうけども、読み物としても面白い現代文の入門解説書といって良いでしょう。
2.新・田村の現代文講義-評論篇の具体的な内容
別冊に問題が収録され、本文で詳細な解説がされています。
収録問題数は8題とそれほど多くはないですが、解説に割いている紙幅が多いため、十分に噛みごたえのある内容です。
本文の論旨の展開や選択肢の選び方にかなりのこだわりがあるので、大まかなキーワードや読解についての知識をつけた受験生が、さらにレベルアップするために学習することが望ましいでしょう。
3.新・田村の現代文講義―評論篇の具体的な使い方
基礎の基礎、すなわち現代文のキーワードや接続語のはたらきなどを理解した上で学習にのぞみましょう。
1.問題に取りかかる。
その際、自分が解答の根拠に選んだ箇所や選択肢の判断基準を明確にしておくため、必ずマークを残しながら読み進める。
2.本文の解説と設問の解説を読み込む
かなりの文量があるため、十分に集中できる環境で取り組むこと。細かな部分ついての解説を取りこぼさず理解することが実力につながる。
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3.2・3日時間をおいてから、もう一度前回演習した箇所を見直し、解説と照らし合わせて論旨を復習する。
- 解答にたどり着くプロセスをこのときに頭の中で再生することで、現代文の論理展開を身につけることができる。
4.新・田村の現代文講義―評論篇の注意点
解説が懇切丁寧なことがこの参考書の最大の長所と言えるのですが、活字慣れしていない高校生にとっては、冗長な説明に苦痛を感じるかもしれません。
どうしても、解説を読み飛ばし設問の答えだけを追い求める雑な学習になってしまう傾向が出てくるときは、演習するペースを少し落としましょう。
毎日その気になって一題ずつすすめれば、二週間で(1)(2)ともに終了してしまいます。
しかし、そのようなやり方ではこの問題集が本当に伝えたい現代文の読解力について吸収することは不可能でしょう。
他の問題集の2題分に匹敵する濃い内容であるということを意識した上で、演習のスピードよりも精度を意識して取り組んでください。
また、正解した問題はなおさらチェックが曖昧なものになりがちです。
しかし、本当に考え抜いた上でその選択肢を選んだのか、はたまたなんとなく選んだものが正解だったのかをしっかりと自問しましょう。
選択肢が5つあれば目をつぶって選んでも5回に一回正解してしまうのです。
しかし、学力とはそのようなものではありません。
「なんとなく」を排し、狙って正解が取れるようになることが現代文の本道なのです。正解した問題こそ丁寧に根拠を解説から学び取ってください。