【理系数学編】日本大学の入試対策・オススメ参考書

更新日: (公開日: NIHON

はじめに

本記事では日本大学の理系数学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。日本大学は東京都千代田区九段南に本部を置く日本の私立大学です。キャンパスは本部キャンパス(東京都千代田区)、市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)、江古田キャンパス(東京都練馬区)、所沢キャンパス(埼玉県所沢市)、駿河台キャンパス(東京都千代田区)、船橋キャンパス(千葉県船橋市)、津田沼キャンパス(千葉県習志野市)、実籾キャンパス(千葉県習志野市)の8つで、16学部87学科と短期大学部4学科が設置されており、7万人を超える学生が学ぶ超マンモス校となっています。首都圏の有名私立大学を指す日東駒専の『日』の部分を占めている大学です。偏差値としては35.0~67.5で、就職・進路決定率は84.4%(2019年卒)となっています。

日本大学の一般入試の中で数学Ⅲの範囲を含む理系数学を採用している学部は理工学部、生産工学部、工学部、医学部となっています。学部や学科は同じでも、入試形式によっては数学Ⅲが出題されないものもあるため、受験を考えている人は自分の志望学部にはどのような入試形式があり、自分が一番実力を発揮できるものはどれなのかをしっかり見極めて受験計画を立てるようにしましょう。過去問演習の際はさまざまな学部・入試形式のもの・古い年度のものも使用し、演習慣れをすることをオススメします。

概要

  • 試験時間:60分(医学部は75分)
  • 配  点:100点
  • 目標点 :7~8割
  • 問題数 :約45問~約65問(空欄1つを1問と計算、学部によってばらつきがある)
  • 形  式:マークシート方式・記述式(医学部のみ)
  • 構  成:大問5題~7題

理工学部

大問[Ⅰ]小問集合
大問[Ⅱ]小問集合
大問[Ⅲ]ベクトル
大問[Ⅳ]円と接線
大問[Ⅴ]確率
大問[Ⅵ]微積分
大問[Ⅶ]積分

生産工学部

大問[Ⅰ]2次方程式
大問[Ⅱ]データの分析
大問[Ⅲ]三角関数
大問[Ⅳ]数列
大問[Ⅴ]確率
大問[Ⅵ]ベクトル
大問[Ⅶ]三角関数

工学部

大問[Ⅰ]小問集合
大問[Ⅱ]ベクトル
大問[Ⅲ]数列
大問[Ⅳ]三角形
大問[Ⅴ]確率
大問[Ⅵ]三次関数

医学部

大問[Ⅰ]小問集合
大問[Ⅱ]複合問題
大問[Ⅲ]三角関数
大問[Ⅳ]微積分(記述式)
大問[Ⅴ]ベクトル(記述式)

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傾向と対策

それでは今から日本大学の理系数学の傾向と対策について紹介していきます。

基礎レベルの対策・オススメ参考書

大問[Ⅰ]はほとんどの学部で小問集合の形式で出題されます。
出題範囲としては数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの内容からまんべんなく出題されます。難易度としては基本的なものが多くなっています。解答形式は全てマークシート式であるため、解答過程を採点者に示すことができません。計算ミスやマークシートのズレなどケアレスミスには日頃の演習の段階から注意するようにしましょう。

学校の授業内容についていけていないと感じる人やまだ学校などで学習していない初学者の人は、まず学校の教科書レベルの知識を理解するために「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズ(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)に取り組みましょう。

 
初めから始める数学」の使い方!
<特徴>
初学者向けの他の参考書と比べても、解説量が多くあることや噛み砕いて丁寧に説明されていることなどから、数学に対して苦手意識を持っている人や高校数学初学者にも分かりやすい参考書となっています。説明文が話し口調で書かれていることなどから親しみやすいという点も大きな特徴の1つです。この参考書は解説に重点を置いた解説書であり問題集ではないため、問題数が十分であるとは言い難いものとなっています。そのため、この参考書で解き方のパターンをインプットした後は(または並行して)他の問題集に取り組むことをおすすめします。

<使用時期>
高校数学に関する他の参考書や学校の教科書が授業内容が分からない状態で受験勉強を始めるのであれば、受験勉強開始と同時にこのシリーズの数学Ⅰに取り組み始めましょう。2月から受験勉強を始める場合は、2月に数学ⅠA、3月に数学ⅡB、4月に数学Ⅲといったように数ⅠA、ⅡBに関しては2冊を1か月、数Ⅲに関しては1冊を1か月で完成させるイメージで進めていけば数学Ⅲまで3か月で終わらせることができます。

学校の教科書や前出の「初めから始める数学」シリーズなどといった、それに準ずるレベルの参考書を使って入試基礎レベルの知識やテクニックをインプットしたあとは「基礎問題精講」シリーズを使って、問題に当たったときにできるだけ早く解法プロセスを思い出すための訓練を行いましょう。数学ⅠA・ⅡB・Ⅲの3冊があります。

  
数学 基礎問題精講」の使い方!
<特徴>
例題・精講・解答解説・演習問題が見開き1ページに掲載されている、非常に見やすいレイアウトが特徴の参考書となっています。「精講」とはその例題を解く際に必要な公式などが説明されている部分のことです。この部分を深く読み込んで理解することで、他の問題にも応用可能な力を身につけることができます。ただし、演習問題の解説が十分ではないといった欠点があるため、理解が不十分でないと感じた部分に関しては教科書や前出の「初めから始める数学」シリーズなどに戻って、分からないところをそのままにしないようにしましょう。

<使用時期>
前述したように解説が十分ではない部分があるため、高校数学に初めて触れる人に対して適した参考書であるとは言い難いものとなっています。そのため、この参考書の中で不明点が出てきた場合は前出の「初めから始める数学」シリーズや学校の参考書などの該当箇所を参考にして、疑問点をそのままにしないようにしましょう。

具体的な使用時期としては5月から7月の3か月で3冊を完成させることをおすすめします。以上が主に基礎的な問題が出題される大問[Ⅰ]などに対する対策になります。

標準レベルの対策・オススメ参考書

日本大学では1つの分野からの出題だけではなく、複数の分野にまたがった複合問題が出題されることが多い傾向にあります。そのため、分野別に分かれた試験対策問題集に取り組むのではなく融合問題を演習することが重要です。ここでは、「合格る計算-数学I・A・II・B」をおすすめします。


合格る計算数学ⅠA・ⅡB」の使い方!
<特徴>
インプットした解法パターンを即座に思い出し、できるだけ早く解答に取り掛かったうえで得点につなげるための演習を積むことができる参考書です。各テーマごとに「例題」を通して主に「計算」のコツに重点を置いて丁寧に解説されており、類題演習を通して計算力を定着させることができます。正しい解法・計算法とともにムダの多い、つい受験生がやってしまいがちな方法も紹介されています。比較することで違いがハッキリわかるようになっています。「ここがツボ!」で示されたポイントを「重要ポイントチェック」でスピーディーに確認することができるようになっています。

<使用時期>
前出の「基礎問題精講」シリーズで身につけた解法パターンを即座にアウトプットできるようにするために使います。赤本演習に取り掛かる前に、スピーディーに解法を思い出せるようにしておきましょう。具体的な使用時期としては8月の1か月で1冊を完成させることが理想的です。標準レベルの問題・計算量の多い問題に対する対策となります。

数学Ⅲ対策・オススメ参考書

数学Ⅲの分野では全体的に計算量の多い問題が出題されるため、前出の「合格る計算」シリーズの数学Ⅲ版「合格る計算-数学III-」を使用し、計算量の多さに慣れ、速く正確に計算ができるようになることをおすすめします。特に医学部を受験する人は、記述式での解答になることが多いためできるだけ多い回数演習するようにしましょう。


合格る計算-数学Ⅲ-」の使い方!
<特徴>
解説が非常に充実していることが大きな特徴の1つで、受験生がやりがちな遠回りをすることになる計算方法を的確に提示したうえでそれよりも簡潔に短時間で計算できる方法を説明しています。数学Ⅲはパターン問題を理解し暗記するだけで攻略できると言われており、その中で計算方法に関しても暗記すれば正解にたどり着けるものが多く存在します。前出の解説系参考書や学校の教科書などで土台となる知識を身に着けてから、この参考書を用いて計算方法のパターンを暗記してなるべく短い時間で正確に解答できるようにしましょう。

<使用時期>
前述したように、解説系参考書や教科書などで土台を固めてから取り組むことをおすすめします。具体的な使用時期としては9月の1カ月で少なくても1周終わらせ、11月までに2周または3周ほど繰り返し演習することで本番で十分戦える計算の正確性とスピードを身につけることが理想的です。以上が数学Ⅲの範囲を強化するための対策となります。

過去問について

前述したように、学部や入試形式によって出題範囲や構成なども変わるため、まずは自分が志望・受験する学部の赤本を使うようにしましょう。


「日本大学の赤本」
<特徴>
実際に日本大学の一般入試で出題された問題が2~7年分掲載されています。合格者の最低点などの入試情報が掲載されていることも大きな特徴の一つです。

<使用時期>
今までに紹介した参考書や問題集などで十分な演習を積み、11月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターンが身についていない・問題を見たときに即座に開放が浮かばない受験生は今までに使った参考書や教科書に戻って基本事項の理解に穴がないか確認するようにしましょう。
自分は「いつから・何年分すべきか?」を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
過去問・赤本に関する合格者の使い方・何年分すべきか?

まとめ


※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
大問ごとの傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。

まず始めるべきは数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Ⅲの基本的な問題の解き方のパターンのインプットです。教科書やそれに準ずる参考書を用いて,理解に穴を作らないようにしましょう。いずれも1度で終わらせず、何度も復習することが最も大切です。その後、それぞれの演習系の参考書を用いて何度も実戦演習をし、秋以降はスムーズに赤本の演習に取り組んでいけるようにしましょう。

また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」になるのではなく、前のレベルの講義系参考書や教科書などに戻って公式などの再理解をすることも大切です。そして、11月ごろから冬にかけて日本大学の赤本を用いて時間配分などを意識しながらより実践的な演習を積むようにしましょう。ぜひ参考にして日本大学の数学の目標点である7割~8割以上を取れるようにしましょう。

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