【数学編】学習院大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) GAKUSHUIN
「学習院大学に合格したい!」「学習院大学の理系数学ってどんな問題が出るの?」「勉強法、対策がわからない!」そんな受験生の悩みに答えるべく、この記事では学習院大学の理系数学について傾向、対策、学習方法を説明します。
学習院大学は、幕末の京都に設けられた公家の教育機関をルーツに持つ私立大学です。ちなみに、都内の難関私立大学群「GMARCH」の「G」とはこの学習院大学のことであり、偏差値としては52.5〜60.0となっています。
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また、東京都豊島区の、JR目白駅から徒歩30秒の好立地にキャンパスを構え、5学部17学科において、約1万人の学生がキャンパスライフを送っています。さらに、就職内定率は98.7%(2019年4月現在)と、全国平均を上回る就職内定率を維持しており、「就職に強い大学」として評価されています。
はじめに
学習院大学の入試において、理系数学はどのような立ち位置を占めるのでしょうか。学習院大学の入試形態は、大きく分けて、一般入学試験、指定校推薦入学、公募制推薦の3つに分かれます。
この記事では、募集人員が最も多い一般入学試験に絞って説明します。一般入試は、募集人員が多いコア試験と募集人員が少ないプラス試験の2つの日程で実施されます。
理系数学は、唯一の理系学部である理学部のコア入試、プラス入試で出題されている他、理学部コア入試と同じ日程で実施されている、文学部の心理、教育学科のプラス試験においても出題されているので要注意です。コア試験とプラス試験の間で、理系数学の難易度や形式は変わらないので、基本的な対策は同じになります。
概要
- 試験時間:90分
- 配 点:150点
- 目標点 :120点(8割)以上
- 形 式:記述式(大問1は解答のみを記述)
- 構 成:大問4題
まずは試験の概要を確認しましょう。
学習院大学の理系数学は、試験時間が90分、記述問題が4題と時間的に少し厳しい試験です。
また、合格最低点が7割前後なので、8割を目標点として勉強していきましょう。
傾向と対策
ここでは、学習院大学の理系数学の詳しい傾向について説明します。
数学Ⅲの微積分を中心とした試験となっていて、毎年、大問4問のうち2問は数学Ⅲの微積分から出題されています。
また、数学Ⅲの範囲からは、極限や複素数平面なども出題されることもあります。数学ⅠAⅡBの範囲で頻出なのは、整数の性質、場合の数と確率の2つです。
また、平面ベクトルや三角関数など、問題を図形的にとらえて考える力が問われる問題も出題されます。全体としては標準レベルとなっていますが、時には標準以上のレベルの問題が出題されることもあります。
ここまでの傾向より、学習院大学の数学を攻略するために次の対策が有効です。それは、「数学Ⅲに重点を置いて勉強する」「幅広い分野の典型問題の解法を押さえる」「解答に至る道筋をきちんと記述する力を伸ばす」この3つです。では、以下で詳しく説明します。
入試対策・オススメ参考書
それでは、具体的な勉強法を解説します。学習院大学の数学に対する勉強法の大きな流れは、
①教科書レベルの理解
②典型問題の解法の習得
③記述式での演習
④過去問演習の4ステップです。
教科書レベルの理解
数学の勉強を進めていくにあたって、最も大きな土台となるのがこの「教科書レベルの理解」です。教科書では、様々な用語、公式、定理、すなわち「数学の言葉」について詳しく説明が書かれています。
英単語を覚えていないと英文が読めないのと同じように、この「数学の言葉」を把握していないと、解答や解説を読んでも理解することができません。
なので、公式や定理をきちんと根本から理解しておかないと、②のステップでいくら解法を覚えても、形式的な暗記に留まり、実際の試験に活かすことができないという事態に陥ってしまいます。
「でも、教科書は堅苦しくてやる気が出ない…」という人におすすめの参考書が「やさしい高校数学」シリーズです。
「やさしい高校数学」の使い方はコチラ!
<特徴>
「やさしい高校数学」シリーズはⅠA、ⅡB、Ⅲの3冊から構成されています。この参考書の最大の特徴は、教科書レベルの内容をキャラクターの掛け合いを通して説明している点です。
数学が苦手な人も、教科書が堅苦しいと思う人も、無理なく数学の基礎を固めることができます。
また、イラストや図が多く使われているので、視覚的にも受験生にやさしい参考書です。
<使用方法>
使用方法としては、次の2つが挙げられます。
①日々の授業の補助教材として
教科書の内容をわかりやすく噛み砕いてくれている参考書なので、もちろん日々の授業の予習・復習に使うことができます。
②高校数学の復習用として
数学の基礎がわからない、あるいは今まで数学の勉強をサボっていた、という人はこの参考書を用いて短期間で復習することができます。
①②どちらの場合も、この参考書をじっくり読み、わからない部分には印をつけ、なんどもメリハリをつけて読むことで、数学の基礎を身につけるようにしましょう。
<使用時期>
①の場合
高校等の授業のペースと並行!
予習・復習だけでなく、定期テストや模試前などに見直すとさらに効果的です。
②の場合
ⅠAⅡB:受験勉強開始後〜4月
Ⅲ :5月〜7月
なるべく短期間で完成させるようにしましょう。具体的には、2〜3ヶ月という期間が1つの目安となります。
典型問題の解法の暗記
教科書レベルの理解が終われば、次は典型問題の解法の暗記に入りましょう。学習院大学の理系数学では、与えられた問題に対して適切な解法をスムーズに当てはめて解く問題が多く出題されます。
また、標準レベル以上の問題であっても、自分が持っている解法を組み合わせて解いていく問題がほとんどなので、この解法暗記というステップが最も大事になります。
典型問題の解法をただ暗記するだけだと、実際の試験問題への解法の当てはめや組み合わせの力はつきません。ここで大事なのが、典型問題の解法を「理解して」覚えることです。
この「理解」も含めた解法暗記に最適な問題集が「数学基礎問題精講」シリーズです。
「数学 基礎問題精講」の使い方はコチラ!
<特徴>
「数学基礎問題精講」シリーズは、ⅠA、ⅡB、Ⅲの3冊から構成される網羅系問題集です。
この問題集は、オーソドックスかつ質の高い典型問題を集めているうえに、「精講」などでの解説が一問一問充実しているという、解法暗記に非常に適した問題集です。
問題集の構成は、「例題」→「精講」→「例題解答」→「ポイント」→「演習問題」となっている。
<使用方法>
使用方法としては、次の①〜⑤のステップとなっています。
①自力で例題を解く。
②わからなければ「精講」を読んでもう一度考える。
③例題解答とポイントを「なぜ?」と常に考えながら読む。
④間違えた問題や理解できなかった問題に印をつける。
⑤印が付いている問題に絞って繰り返し学習する。
①〜⑤を繰り返す。
<使用時期>
ⅠAⅡB:5月〜7月
Ⅲ :8月〜9月
教科書レベルの理解が終わり次第どんどん進めていくようにしましょう。
記述式での演習
解法暗記が完成したら、いよいよ演習に入っていきます。学習院大学の数学は、記述式での出題となっているので、減点されない記述を意識して演習する必要があります。
過去問に入る前にやっておきたい問題集として、「理系数学入試の核心」を紹介します。
「理系数学入試の核心 標準編」
<特徴>
この問題集のおすすめポイントとしては、レベル設定が程よく、過去問と演習の橋渡しになる点が挙げられます。
数学Ⅲの問題が重点的に掲載されているので、ⅠAⅡBの復習と、数Ⅲの集中演習をこの一冊で行うことができます。
典型問題で理解して覚えた解法の当てはめ方、組み合わせ方を学ぶことができるだけでなく、解説も丁寧なので記述力をつけることもできるという優れものです。
<使用方法>
使用方法としては、以下の4ステップです。
①演習問題を解く。この際、記述答案も作成する。
②解答解説を確認し、自分の記述解答と比較する。
③わからない問題、記述が書けなかった問題に印をつける。
④印が付いている問題に絞って繰り返す。
この際、解答の流れを示した「Process」を参考にするなどして、自分なりの記述の型を身につけることを意識する。
<使用時期>
8月〜11月
解法暗記が終わり次第初めていくようにしましょう。1日3題程度のペースで、2〜3ヶ月程度の期間が目安となります。
過去問演習
ここまでの勉強を踏まえて、ついに過去問演習をする時がやってきました。過去問演習の意義としては、「本番レベルの問題に慣れること」「時間配分を身につけること」などが挙げられます。
なので、本番を想定した過去問演習を行うようしましょう。
「学習院大学の赤本」
<使用方法>
具体的な過去問の使用方法としては、
①時間をきちんと測って演習する!
②わからない問題が出た時にどのように対処するかを意識する!
③他人に自分の記述解答を見てもらう!
④苦手な分野が判明したら、これまでの教材で復習する。
この4点を意識することで、より効果的な過去問演習を行うことができます。
<使用時期>
12月〜1月
理系数学入試の核心標準編が完成した後に、過去問に入っていきましょう。
ただ、実際には赤本をどの時期にどれぐらいやるべきかは受験生の現在の実力等によって異なります。自分は「いつから・何年分すべきか?」を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
過去問・赤本に関する合格者の使い方・何年分すべきか?
まとめ
ここまで学習院大学の理系数学の傾向と対策、勉強法について紹介してきました。勉強のスケジュールを表にすると以上のようになります。
まずはやさしい数学シリーズで教科書レベルの理解、その次は基礎問題精講シリーズで解法暗記、そして理系数学入試の核心、過去問での演習、という流れで進めていきましょう。
数学ⅠAⅡBと数学Ⅲとの進め方の違いにも注意しましょう。正しい勉強法、正しい勉強計画で学習を進めれば合格は見えてきます。この記事を参考にして学習院大学に合格しましょう。
関連:【英語編】学習院大学の入試対策・オススメ参考書