【化学編】立命館大学の入試対策・オススメ参考書
更新日: (公開日: ) RITSUMEIKAN
はじめに
立命館大学の化学は全学部日程・学部個別日程、後期日程いずれにおいても同じ出題形式を取っているため、過去問演習の際にはどちらを使用しても構わない。ただし、理系は文系と比較すると過去問が少ないので、過去問演習をする際には注意が必要である。
概要
・試験時間 80分
・満点
全学統一方式 100点
学部個別配点方式
理工学部数理科学科、情報理工学部、映像学部、
スポーツ健康科学部 100点
理工学部電子システム系・機械システム系・環境都市系、
生命科学部、薬学部 150点
理工学部物理科学科 200点
・問題数
大問4問、回答数は年度によって大きく異なる。
計算問題や化学反応式・構造式を作る問題が多い年は問題数が少なくなる傾向は見られる。
・形式
マークセンス方式と記述方式が混ざっている。記述式で解答するものは、語句や計算結果、化学反応式、構造式のいずれかであることがほとんどである。
・構成 例年、大問4問で構成されている。毎年必ずといってよいほど、有機化学の構造式の問題が出題されている。無機化学のみが大問を占めることはほとんどなく、有機化学とまた、いずれの大問においても計算問題が含まれることが多い。
過去に出題された内容は、
[理論]
冷却曲線、凝固点降下、酸化数、熱化学、反応のエネルギー経路、平行移動、圧平衡定数、二次電池、鉛蓄電池、水の電気分解、溶解熱と中和熱の測定実験、プロパンの燃焼、水蒸気圧、アンモニアの電離平衡、水素と要素の反応速度と化学平衡、酸化還元反応、酸化還元滴定、気体の物質量、反応熱、反応の量的関係、化学平衡、平衡移動、反応速度定数の計算
傾向と対策
全学部日程・学部個別日程どちらにおいても、理論化学・有機化学の問題が中心に出題されている。
理論化学では計算問題が多く、有機化学では構造式を描く問題が多く出題されており、どちらもマーク式ではなく記述式での解答が求められる。
マークセンス方式で問われる問題への対策は、基礎知識をしっかりと固めることである。物質の性質や反応に関して問われることが多いので、知識はあいまいなままにしておくことなく、しっかりと固めておかなければいけない。マーク式で解答する問題の場合でも、計算が必要になることがあるので、計算問題は必ずできるようにしておきたい。
無機化学は大問1問をまるまる占めるということはほとんどないが、周期表化学結合に関連した出題が多い。
気体の製法や金属イオンの性質と沈殿生成などの実験に関する問題もよく出題されるので、必ずおさえておくようにしたい。記述式としては、化学反応式がほぼ必ず出題されるので、代表的な化学反応式は自分で作れるようにしておきたい。
有機化学のマーク式の問題への対策は、基礎的な化合物や反応に関しての知識を固めておくことである。マーク式の解答は基礎的な内容がおさえられていれば、ほとんどの問題を解くことができる。記述式の問題はほとんどが構造式を描く問題である。
構造式はすべてを覚えるのは不可能なので、反応の規則を覚えてしまって、それを応用して解くことに慣れておく必要がある。制限時間の割に問題数が多いので、過去問を通してすばやく解くことに慣れておく必要がある。
参考)
・岡野の化学が初歩からしっかり身につく
まずはこの3冊を使って基礎知識をインプットしていきましょう。知識をインプットすることと丸暗記することはまったくの別物です。
この参考書に書かれていることを丸暗記しても実際の入試問題を解くことはできるようになりません。
書かれていることをそのまま丸暗記するのではなく、必要最小限の知識をインプットして、それを使いながらいろいろなものごとを考えられるようにしていくことが大事です。
立命館大学の化学の問題をこの3冊だけでは攻略できません。
入試問題の中にはこの3冊だけで解けるようになる問題もありますが、応用問題を解くことはできないので、この3冊を使って基礎固めをしましょう。
参考)
・化学(化学基礎・化学)基礎問題精講
・化学(化学基礎・化学)標準問題精講
一通りインプットが終わったら、この2冊を使ってアウトプットをしていきましょう。
基礎問題精講の基礎は簡単な問題という意味ではなく、入試問題の中の基礎という意味です。決して簡単なだけの問題は載っていないのでしっかり基礎力をつけておきましょう。
標準問題精講もレベルは入試の標準レベルなので、ほとんどの難関大学に対応できるようになります。
立命館大学の化学の問題は、比較的オーソドックスな問題が多くなっています。
そのため、まずは基礎問題精講を使って入試に頻出の問題をおさえておきましょう。
ただし難しい問題も出題されるので、標準問題精講にも必ず取りかかるようにしてください。
また、構造式を描く問題が比較的多いので、有機化学の問題には精力的に取り組むようにしましょう。
以下、分野別に傾向を見ていくことにします。
- 理論化学
全問題に対する理論化学が占める割合大きいです。立命館大学だけに限らず、化学の入試問題を解くのに、理論化学が苦手であることは論外である。
なぜなら、ほとんどの問題で理論化学の内容が絡んでくるからです。「鎌田の理論化学の講義」を使用して、理論化学分野に苦手があるということは絶対に無くしましょう。
また、理論化学のウェイトが大きいということは、理論化学の分野が得意になれば、化学を得点源にすることができるといえます。この参考書をマスターすれば、理論化学に穴はなくなるので、できるだけ取り組むようにしたい。
- 無機化学
理論化学・有機化学と比べると比較的出題数が少ない分野となっています。
ただし、無機化学はそれそのものを大問として問われることよりも、理論化学の問題の中で問われることが多いので、無機化学の出題数が少
ないからといっておろそかにしないことが重要になります。
また、大問の中で化学反応式を書くことが求められる問題がよく出題されています。
化学反応式は丸暗記するものと思っている人が多くいると思いますが、化学反応式は丸暗記するものではありません。
化学反応式は数少ないパターンのどれに当てはまるのかを考えて、反応前の物質と反応後の物質さえ覚えていれば化学反応式をつくれるようにしておきましょう。
- 有機化学
立命館大学の有機化学の問題の特徴は、構造式を描かせる問題が多いということが挙げられます。
大問のほとんどが構造式を描かせる問題が出題される年があるほど、構造式を問う問題が多いので、「鎌田の有機化学の講義」を使って構造式を自分で作れるようにしておきましょう。
ただし、構造式を作れるようになればすべてが解決したとは言えません。有機化学に計算問題を絡めて出題されるので、有機化学の反応は全ておさえるようにしましょう。
ひとしきりインプット・アウトプットが終わったら、後は過去問で演習するだけです。
しかし、理系の科目の過去問は文系科目ほど量がありません。そんな時にはこの問題集を使用してください。
全国の大学の化学の入試問題から、良問を選出してつくられている問題集です。超難関大学を除いて問題のレベルはほとんど同じです。
いろいろな大学の問題を解いて、どんな問題が出ても対応できるようにしておきましょう。
立命館大学の化学の問題は国公立大学の問題と比べると難易度は標準的です。有機化学の構造式を描く問題はよく出題されているので、特に有機化学の問題は演習しておくようにしましょう。