【2023年度入試】兵庫県立大学の穴場学部はここだ!難易度予想と出願傾向を徹底分析
更新日: (公開日: ) BLOG
みなさん、こんにちは!
マナビズム姫路校です。
まず2021年度入試における、兵庫県立大学の動向を確認しましょう。
下の表は、兵庫県立大学の2021年度入試倍率および、志願者数・合格者数の前年比をまとめたものです。
2021年度兵庫県立大学の入試動向は、次の3点が注目ポイントです。
- 国際商経学部・理学部以外は志願者前年比プラス
- 医療系、工業系がとくに人気
- 後期日程の志願者増が目立つ
2021年度入試は、大学全体で志願者が増えました。一方、合格者数は例年並みに落ち着いています。そのため兵庫県立大学の2021年度入試は合格が難しかった、と言えます。
<志願者前年比プラスの理由は、かつてないほどの地元志向・国公立志向
2021年度入試は、新型コロナウィルスの影響を強く受けました。全国的にも、感染が著しかった大都市圏への進学を控える動きが目立ち、過去にないほどの「超地元志向」が見て取れます。
また経済的な問題から、私立大学への進学を断念する・併願受験校を減らすといった動きもありました。つまり国公立大志向が戻ったいうことです。
超地元志向・国公立大志向の影響により、兵庫県立大学もほぼすべての学部で倍率が前年を上回る結果になったと考えられます。実際、兵庫県立大学全体で見ても志願者数は前年比12%増でした。
国際商経学部・理学部の志願者が減ったのは「安定志向」のためか
大学全体で志願者数が増える中、国際商経済学部(前期日程)と理学部(中期日程のみ)志願者を減らしています。
これはコロナ禍による不況が影響しているのでは、と分析できます。
不況下では、「資格系」といわれる医療系や、職に直結する工学系の人気が上がり、同じ理系学部でも理学部や農学部は志願者を減らす傾向があるのです。
同様に海外との往来を控えざるを得なかった世相や、先行き不透明なコロナ禍の影響で、国際商経済学部は志願者を減らしたのではないか。その分の受験生は、データの扱い方を学んだ方が就職に有利と考え、社会情報学部に動いたのではないかと思われます。
後期日程の志願者増は共通テストの易化が要因か
2021年度入試は全国的に国公立大学の後期日程が人気を集めました。
最後まであがいても国公立大に行きたいという受験生の志望を後押ししたのは、当初の予想以上に高かった共通テストの平均点が影響していると考えられます。
兵庫県立大学でも後期日程は「学科試験なし(環境情報学部)」「面接のみ(看護学部)」あるいは、共通テストの方が配点が高いという特徴があり、共通テストの結果が良かった受験生が「勝ち抜け」を目指して出願したものと思われます。
学部 | 学科 | 日程 | 2021年度倍率 | 2020年度倍率 | 志願者数前年比 | 合格者数前年比 |
---|---|---|---|---|---|---|
国際商経 | 経済学・経営学 | 前期 | 2.5 | 2.9 | 85.8% | 103.2% |
グローバルビジネス | 前期 | 1.4 | 2.8 | 48.6% | 92.6% | |
経済学・経営学 | 後期 | 13.5 | 7.5 | 179.3% | 107.6% | |
理 | 物質科学 | 中期 | 14.0 | 18.1 | 77.0% | 102.8% |
生命科学 | 中期 | 13.8 | 15.4 | 89.7% | 102.1% | |
工 | 電気電子情報工 | 前期 | 4.8 | 4.1 | 115.8% | 100.0% |
機械・材料工 | 前期 | 5.3 | 4.3 | 122.8% | 94.5% | |
応用化学工 | 前期 | 3.6 | 2.7 | 133.3% | 93.0% | |
電気電子情報工 | 後期 | 8.8 | 8.4 | 105.0% | 103.3% | |
機械・材料工 | 後期 | 7.3 | 6.5 | 111.3% | 100.0% | |
応用化学工 | 後期 | 10.0 | 8.0 | 124.7% | 102.4% | |
看護 | 看護 | 前期 | 2.1 | 1.9 | 110.0% | 90.8% |
看護 | 後期 | 13.5 | 9.2 | 146.5% | 100.0% | |
環境人間 | 環境人間 | 前期 | 4.3 | 3.3 | 130.3% | 81.3% |
環境-食環境栄養 | 前期 | 3.5 | 2.5 | 137.1% | 97.4% | |
環境人間 | 後期 | 17.4 | 3.1 | 568.9% | 300.0% | |
社会情報科学 | 社会情報科学 | 前期 | 3.8 | 3.0 | 125.8% | 95.4% |
社会情報科学 | 中期 | 27 | 15.5 | 173.9% | 92.2% |
11月には2022年度入試の「入試難易度予想ランキング(河合塾)」が発表されました。
続いては各学部の動向と偏差値の予想を見ていきましょう。
兵庫県立大学の各学部の偏差値と倍率の変動
国際商経学部
国際商経学部 | 2022年度予想偏差値 | 2021年度 偏差値 |
2021年度 倍率 |
2020年度 倍率 |
2019年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
国際商経学科〈経済学、経営学コース〉/前期 | 55.0 | 55.0 | 2.5 | 2.9 | 3.7 |
国際商経学科〈グローバルビジネスコース〉/前期 | 55.0 | 55.0 | 1.4 | 2.8 | 2.1 |
国際商経学科〈経済学、経営学コース〉/後期 | 60.0 | 60.0 | 13.5 | 7.5 | 11.0 |
倍率や志願者数が下がった翌年は、前年の反動で高倍率になりやすいのが大学入試位の常です。コロナ禍も落ち着きを見せていることからも、国際商経学部の2022年度入試は昨年より激戦になることも予想されます。
予想難易度は例年並みです。基本を丁寧に習得し、過去問演習で問題形式および時間配分に慣れておきましょう。
理学部
理学部 | 2022年度予想偏差値 | 2021年度 偏差値 |
2021年度 倍率 |
2020年度 倍率 |
2019年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
物質科学科/中期 | 52.5 | 52.5 | 14.0 | 18.1 | 16.2 |
生命科学科/中期 | 52.5 | 52.5 | 13.8 | 15.4 | 18.5 |
国公立大理学部としては珍しい中期日程で募集している点が、兵庫県立大学理学部が毎年10倍以上の倍率となっている理由です。
中期日程の試験は、前期日程の合格発表が行われている最中に当たるため、出願した受験生ほぼ全員が試験を受けます。
2022年度入試も国公立大学で中期日程を実施する大学は兵庫県立大学のみ。今年度も同様の倍率となると見られています。
工学部
工学部 | 2022年度予想偏差値 | 2021年度 偏差値 |
2021年度 倍率 |
2020年度 倍率 |
2019年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
電気電子情報工学科/前期 | 47.5 | 47.5 | 4.8 | 4.1 | 5.2 |
機械・材料工学科/前期 | 47.5 | 47.5 | 5.3 | 4.3 | 5.3 |
応用化学工学科/前期 | 47.5 | 47.5 | 3.6 | 2.7 | 3.3 |
電気電子情報工学科/後期 | 50.0 | 50.0 | 8.8 | 8.4 | 7.7 |
機械・材料工学科/後期 | 50.0 | 50.0 | 7.3 | 6.5 | 6.9 |
応用化学工学科/後期 | 50.0 | 50.0 | 10.0 | 8.0 | 7.5 |
工学部はコロナ禍で志願者数が増えましたが、その前から安定した人気を保っています。IT技術分野や新素材開発分野への期待は高く、就職の心配も薄いことから、今後も現状同様の倍率が続くでしょう。
予想難易度は例年並みです。共通テストでの十分な得点をまずは目指しましょう。前期日程受験予定者は、数Ⅲ範囲が対策手薄にならないように要注意です。
看護学部
看護学部 | 2022年度予想偏差値 | 2021年度 偏差値 |
2021年度 倍率 |
2020年度 倍率 |
2019年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
看護学科/前期 | – | – | 2.1 | 1.9 | 2.2 |
看護学科/後期 | – | – | 13.5 | 9.2 | 10.2 |
看護学部は人気が安定しています。新型コロナウィルスの影響によって医療職への関心が高まったこともあり、今後も2倍前後の倍率が続くと見られています。
看護学部は2次試験が面接(前期は小論文も)だけのため、共通テストの得点でほぼ合否が決まります。前期(63%)、後期(68%)のボーダー得点率を上回れるよう、最後まで対策していきましょう。
社会情報科学部
社会情報科学部 | 2022年度予想偏差値 | 2021年度 偏差値 |
2021年度 倍率 |
2020年度 倍率 |
2019年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
社会情報科学科/前期 | 55.0 | 55.0 | 3.8 | 3.0 | 3.0 |
社会情報科学科/中期 | 57.5 | 55.0 | 27.0 | 15.5 | 33.7 |
倍率や志願者数が増えた翌年は、同様に高倍率となることを避けたい心理から、志願者が減少する反動が起きることがあります。
2021年度入試で志願者数大幅増となった社会情報学部は、2022年度入試では狙い目になるかもしれません。
ただ社会情報学部で学べるデータサイエンス分野は今後に大きく成長が期待されており、一定の人気は続くと見られています。
環境人間学部
環境人間学部 | 2022年度予想偏差値 | 2021年度 偏差値 |
2021年度 倍率 |
2020年度 倍率 |
2019年度 倍率 |
---|---|---|---|---|---|
環境人間学科〈食環境栄養課程以外〉/前期 | 52.5 | 52.5 | 4.3 | 3.3 | 2.7 |
環境人間学科〈食環境栄養課程〉/前期 | 52.5 | 52.5 | 3.5 | 2.5 | 3.9 |
環境人間学科〈食環境栄養課程以外〉/後期 | – | – | 17.4 | 3.1 | 8.3 |
環境人間学部は、近年倍率の変動はありますが予想難易度に変化はありませんでした。共通テストと2次試験の配点比は700:300(前期日程)、共通テストに比重が置かれています。2022年度入試の共通テスト平均点が高ければ、逃げ切りを狙う受験生が集まる可能性もあります。
まず共通テストでボーダー得点率を上回る得点を確保することが最優先です。焦らず、対策の完成度を高めていきましょう。
兵庫県立大学の偏差値と倍率から見た合格戦略まとめ
兵庫県立大学は、全国的な国公立大回帰・地元志向の影響をうけ、大学全体で志願者を増やしています。
志願者が増えた翌年の入試は、前年の反動で志願者が減るというのが大学入試ではよくあるパターンです。特に2021年度に大幅に志願者を増やした社会情報学部は、今年は志願者が減るかもしれません。
反対に、2021年度に志願者を減らした国際商経学部の志願者は、今年は増える可能性もあります。
社会情報学部と国際商経学部の入試科目は共通なので、どちらに出願しようか迷ったら、ぎりぎりまで動向を見定めるのも一つの方法です。
理学部は国公立大唯一の中期日程のため、上位国立大志願者の併願になりやすい点も押さえておきましょう。兵庫県立大学が第一志望の場合は、共通テストで十分得点しておくことに加え、過去問対策を徹底し2次試験で6~7割を目指してください。
動向を見て、工学部に志願変更を検討しても良いかもしれません。
環境情報学部志願者は、共通テスト利用方式での私大併願がおすすめ。安全校の合格を確保し、気持ちを落ち着かせて兵庫県立大の入試に臨みましょう。
兵庫県立大学の入試問題は、基本を重視した標準的な問題がほとんどです。じっくり対策すれば、合格に必要な力は身につけられるはず!
最後まであきらめずに頑張っていきましょう。