【大学受験】理科が苦手になる理由は?科目別の対策や勉強方法を紹介
更新日: (公開日: ) COLUMN
「理科の成績が伸び悩んでいる」「公式は覚えたのに、応用問題で点数が取れない」「実験レポートの書き方がわからない」─。こうした悩みを抱えている高校生は少なくありません。
特に高校では、理科が物理・化学・生物・地学と細分化され、それぞれの科目で求められる知識や考え方も異なります。中学までの理科とは学習方法も変わってくるため、多くの生徒が戸惑いを感じているのが現状です。
本記事では、高校理科の各科目における学習方法と、苦手意識を克服するための具体的なアプローチを解説します。「理科の成績を上げたい」「受験に向けて効率的な学習法を知りたい」という方は、ぜひ最後までご一読ください。
そもそも理科は暗記科目って本当?
「理科は暗記科目だから苦手」という声をよく耳にしますが、高校になれば変わります。確かに用語や化学式などの暗記は必要ですが、それは氷山の一角に過ぎません。
高校理科で求められるのは、『なぜそうなるのか』という因果関係の理解です。例えば化学反応1つをとっても、単に反応式を覚えるだけでは不十分です。
- なぜその反応が起こるのか
- どのような条件下で進むのか
- 反応の前後で何が変化するのか
など、現象の本質を理解することが重要になります。物理法則や化学反応の仕組みを本質的に理解していれば、初見の問題でも論理的に解答を導き出せるなどです。
つまり、理科は『理解する科目』として捉えるべきです。暗記は理解を助けるための手段であり、目的ではないと認識を改めることが、理科の学習を進める第一歩となります。
苦手意識は中学からの違いでも生まれる
中学と高校の理科では、学習内容や求められる能力に違いがあります。高校では学習内容が急激に専門的になり、より深い理解と応用力が求められます。
項目 |
中学理科 |
高校理科 |
---|---|---|
科目構成 | 1分野・2分野の2区分 | 物理・化学・生物・地学の4科目 |
学習の焦点 | 現象の観察と基本法則の習得 | 理論的理解と応用力の養成 |
数学との関連 | 基本的な四則演算が中心 | 関数や微積分などの高度な計算 |
実験の位置づけ | 体験的な理解が中心 | 理論検証の手段として重視 |
中学までの学習方法がそのまま通用しないケースも多く、ここで苦手意識を持ってしまう生徒も少なくありません。では、具体的にどのような点で高校生が理科を苦手に感じているのでしょうか?
次は、その主な理由を詳しく見ていきましょう。
高校生が理科を苦手になる理由5選
高校で理科を苦手に感じる主な理由として、以下の5つが挙げられます。
- 科目が細分化される
- 専門性が高い
- 実験が面倒に感じる
- イメージが湧かない
- 生物に対して興味が持てない
科目が細分化される
高校では、中学までの「理科」という1つの教科が、物理・化学・生物・地学といった専門分野に分かれます。この細分化により、それぞれの分野での学習内容が深くなり、新しい概念や法則を理解する必要性が増すのです。
例えば、中学では「力」について基礎的な内容を学びますが、高校物理では「運動方程式」や「力学的エネルギー保存則」など、より専門的な内容へと発展します。急激な難易度の上昇により、一度つまずくと、その後の学習にも影響がおよび、理科全体への苦手意識につながってしまいます。
専門性が高い
高校の理科は、単なる暗記では対応できない思考力重視の科目となります。特に物理や化学では、公式の暗記だけでなく、その原理や法則を理解し、実際の現象に当てはめて考える力が必要です。
化学では、原子の電子配置や化学反応の仕組みを理解する必要があり、目に見えない世界での現象を論理的に考えなければなりません。抽象的な思考を要求される学習は、多くの生徒にとって困難を感じる要因となっています。
実験が面倒に感じる
理科実験は、準備から片付けまでに多くの時間と労力を要します。特に化学実験では、試薬の取り扱いや安全面での配慮も必要となり、手順も複雑になります。
実験後にはレポート作成も求められ、データの整理や考察を行うことも少なくありません。この一連の作業を「面倒くさい」と感じ、実験の意義を理解できないまま作業をこなすだけになってしまうと、理科への興味が失われて苦手意識も強まってしまいます。
イメージが湧かない
理科で扱う「原子」「分子」「電場」といった概念は、目に見えないものばかりです。化学反応式を見ても分子同士がどのように結合し変化するのか、イメージを持つことが難しい生徒は多くいます。
視覚的な理解が困難な内容は増えるほど学習内容も頭に入りにくくなり、理解度の低下につながってしまいます。
生物に対して興味が持てない
生物分野では、多くの専門用語や生物の名称を覚える必要があります。しかし、動植物や生命現象に興味がない生徒にとって、暗記だけでも大きな負担となります。
生態系や進化の仕組みなど、長期的な視点で考える単元では、興味が持てないことで学習意欲も低下してしまいます。このような状態が続くと、生物分野全体への苦手意識が定着してしまいます。
では、このような理科への苦手意識を克服するには、どのような学習方法が効果的なのでしょうか。次は、科目別の対策方法について詳しく見ていきましょう。
【科目別】成績が伸びない場合に意識すべきこと
理科の成績が伸び悩む原因は科目ごとに異なるため、以下に分けて学びましょう。
- 科学:化学反応や物質の性質を体系的に理解する
- 地学:地球規模の現象を図やモデルで把握する
- 物理:数式と現象の関係性を理解する
- 生物:生命現象のメカニズムを論理的に理解する
科学
科学分野で成績を上げるためには、「暗記」と「理解」のバランスが重要です。元素記号や化学反応式などの基本事項は確実に暗記しますが、テストで得点力を上げるには不十分です。
現象を本質的に理解するために、以下を試しましょう。
- 教科書の反応式をすべてノートに書き出し、反応の前後で何が変化したのかを説明できるようにする
- 物質量の計算問題は、基本的な問題を最低10回は解き直す
- 実験の原理と結果の関係性を、図を描きながら説明できるようにする
1週間のうちに少しずつ実践することで、科学の理解度は確実に向上します。
地学
地学は空間把握力を要する科目です。地層の形成過程や天体の動きなど、立体的な理解が必要な内容も多く含まれています。
理解を深めるためにも、以下の3つを試しましょう。
- 教科書の図を自分で描き直し、各要素に説明を書き加える
- 天体の動きは、実際に手を動かしてシミュレーションする
- 地質図は、立体モデルを想像しながら読み解く練習を重ねる
特に地層の学習では、断面図と平面図の関係性を理解してください。苦手であっても毎日15分でも継続的に図を描く練習をすることで、空間把握力は着実に向上します。
物理
残念ながら物理は、公式の暗記だけでは太刀打ちできない科目です。現象の原理を理解し、数式で表現できるようになることが重要です。
基本法則を日常生活の具体例と結びつけて理解し、公式の表す物理現象をイメージしましょう。また、計算問題は、答えを出す前に結果を予測する習慣をつけることも大切です。
特に力学分野では、「力がどのように働くか」を図示できることが大切です。毎日の学習時間で最初の10分は、基本法則の確認に充てることをおすすめします。
生物
生物は単純な暗記科目に見えますが、生命現象の仕組みを論理的に理解し、説明できるようになることを目指します。教科書の図を見ながら重要な専門用語を見つけ、その役割や機能と合わせて覚えてください。
各器官の働きは、他の器官との関連性を意識して理解すると覚えやすいです。ただし、ここまでの対策だけでは十分とは言えません。次は、理科が苦手な人のための具体的な勉強法を見ていきましょう。
【理科嫌い必見】理解できないときの勉強法4選
理科の成績が伸び悩んでいる高校生の多くは、以下の4つの方法を試しましょう。
- 教科書・参考書を活用する
- 入試標準レベルの問題集で学ぶ
- 繰り返し問題を解く
- 不明点を放置しない
教科書・参考書を活用する
基礎的な理解が不足している生徒や、暗記だけで乗り切ろうとしている生徒に特におすすめの方法です。まずは教科書の本文を丁寧に読み、各単元の基本的な概念や法則を理解することからはじめましょう。
教科書の太字や図表を中心に、なぜそうなるのかという原理原則を自分の言葉で説明できるようにすることです。理解が難しい箇所は、参考書で補完します。
例えば化学なら『橋爪のゼロからわかる理論化学の授業』のような、基礎から丁寧に解説している参考書を活用するのが効果的です。
入試標準レベルの問題集で学ぶ
教科書レベルは理解できているものの、入試問題になると歯が立たないという生徒に適した方法です。いきなり難しい問題に挑戦するのではなく、標準レベルの問題集から段階的にステップアップすることが重要です。
『重要問題集』(数研出版)などの標準的な問題集からはじめましょう。最初は基本問題のみに取り組み、7割以上正解できるようになってから標準問題に進むというように、着実にレベルを上げていきます。
解説をしっかり読んで、解法手順の理解を心がけてください。
繰り返し問題を解く
問題は解けるものの、本番の試験で失敗してしまう生徒におすすめの方法です。理科の問題は、似たようなパターンが繰り返し出題されることも多いため、反復演習が効果的です。
実践的なアプローチとしては、1冊の問題集を最低3周することを目標にします。1周目で解けなかった問題に印をつけ、2周目以降はその問題を重点的に解き直します。
すべての問題が解けるようになるまで、粘り強く取り組むことが大切です。
不明点を放置しない
「後で調べよう」と思いながら結局そのままにしてしまう生徒に特に必要な習慣です。理科は積み上げ型の教科なので、わからない部分を放置すると、後の学習に大きな支障をきたします。
問題を解いた直後に必ず解説を確認し、わからない部分があればすぐにノートに疑問点を書き出します。そして、その日のうちに教科書や参考書で調べるか、講師に質問するようにしましょう。習慣づけにより、理解の抜け漏れを防ぐことができます。
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まとめ
高校理科の本質は「暗記」ではなく「理解」にあります。各科目には特有の性質があり、化学は反応の仕組み、物理は現象の原理、生物は生命システム、地学は空間把握という異なるアプローチが必要です。
効果的な学習のためには、以下の勉強を基本にしましょう。
- 教科書の基本概念を自分の言葉で説明できるまで取り組む
- 図や式の意味を理解し、日常生活との関連を意識する
- 標準レベルの問題を繰り返し解き、解法パターンを身につける
- 疑問点は必ずその日のうちに解決する習慣をつける
特に大切なのは、「なぜそうなるのか」という疑問を持ち続けることです。単なる暗記から脱却し、現象の背景にある原理を理解することで、応用問題にも対応できる力が身につきます。
理科への苦手意識は、適切な学習方法と地道な努力で必ず克服できます。今日から、自分に合った学習スタイルを見つけ、一歩ずつ前進していきましょう。
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