【2022年度】大学入試共通テスト 倫理、政治・経済の難易度を徹底分析!
更新日: (公開日: ) TEST
2022年1月に大学入試共通テストが実施されました。
大学入試共通テストに移行して2年目の年でもあり、問題の出題傾向や難易度をより詳しく知りたいという方も多いでしょう。
そこで今回は、倫理、政治・経済の科目に関して出題内容やどのような対策をしていけばいいのかについてお伝えします。
※共通テスト全体の概要に関しては【2022年度】大学入試共通テスト 全科目の難易度を徹底分析!をご覧ください。
倫理
全体概要
共通テスト | |
試験時間/配点 | 60分/100点 |
大問数/解答数 | 大問数は4問、解答数は16問。 |
出題形式 | 昨年と同じくほぼすべての問題が会話文や資料を読み込んで答えを導き出すものであった。試行調査を使った問題は出題されず。 |
出題分野 | 第1問は源流思想、第2問は日本思想、第3問が西洋近現代思想、第4問が青年期・現代社会分野からの出題。 |
問題量 | 設問数が昨年より1個減ったが資料の読み込みが多い問題が目立ったため、問題量が多く感じられた。 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
共通テストの倫理では、これまで以上に読解力や思考力を問われる問題が増加しました。問題の難易度そのものは大きく変化していなかったが、答えを導き出すためにじっくりと問題を読み解く必要があったため時間がかかってしまったという受験生も多かっただろう。基本的な知識を有したうえで思考する問題が多かったため難易度は難化した。
大問別分析
第1問 源流思想
問4では旧来のセンター試験で出題されていた四択問題があった。資料となる文章や先生と生徒の会話文が基となっているのは昨年と同じ。教科書を読み込みしっかりと演習問題をこなしていれば解きやすかっただろう。
第2問 日本思想
問題は3部構成で、会話や資料文からの出題形式が取られた。四択問題は2問。とにかく読解力が試される問題であり、設問の内容やレベルそのものはセンター試験を含めた過去問をやっていれば十分対応できる内容であった。
第3問 西洋近現代思想
リード文がなくなっているのが昨年との大きな違いとなった第3問では、設問4つのうち3つが空所補充問題であった。倫理分野の知識をしっかりと身に付けておく必要がある問題が目立ち、絵画も含めた読解問題は1問のみ。
第4問 青年期・現代社会分野
P.Dジェイムズの作品が資料として扱われた。読解力によって問題文を読み解く力が試される新しい形式の問題であり、難易度はそこまで高く設定されていなかったものの、出題形式に慣れていなければ解きにくい問題であっただろう。
政治・経済
全体概要
共通テスト | |
試験時間/配点 | 60分/100点 |
大問数/解答数 | 大問数は4問、解答数は30問。 |
出題形式 | センター試験で過半数を占めていた正文、または誤文を選ぶ選択問題が大幅に減少し、組み合わせ問題が増加した。 |
出題分野 | 第1問でまちづくり、第2問は経済主体、第3問は新聞の1面、第4問は地方自治からの出題となった |
問題量 | 解答数が昨年より1個減ったが資料の読み込みが多い問題が目立ったため、問題量が多く感じられた。 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
共通テストの政治・経済では、会話文や資料から正解を導き出す読解力が試される問題も出されていたが、倫理と比べても知識を問う問題が多かった。政治分野の設問が比較的易しかったのに対し、経済分野の設問は深い理解を求める問題があったので、しっかりと対策を練るべきポイントと言えるでしょう。知識でカバーできる問題も増えたため難易度は昨年と比べてもやや易化したと言える。
大問別分析
第1問 まちづくり
時事ネタにまつわる問題が出題された。問題文に年表が出されており、スピーディーな資料の読み込みが求められる問題であった。問3は日本農業がテーマになっている知識問題。問4と問5は法律にまつわる知識と理解が問われた。
第2問 経済主体
問5はバランスシートからの出題。添えられたメモを落ち着いて読み解けば答えに辿り着ける問題もあり、出題形式にまどわされず冷静に対応すれば得点源となった。昨年よりも基礎知識が問われる問題の比率が上がっていたこともポイント。
第3問 新聞の1面
設問すべてが短時間で答えを導き出すのが難しい構成。問1の模式図はフローとストックの概念を正しく理解しておく必要があり、問5や問7は用語や資料の意味をきちんと理解しながら解答を導き出す必要があった。国際収支や為替レートについて知識があることが前提となっているため、難易度は高い。
第4問 地方自治
第2問に引き続き、第3問も地方自治にまつわる基礎知識を問う問題であった。ただし、自主財源や依存財源といった用語をきちんと理解していないと正解が導き出せない問題もあったため、思考力も試された。
倫理、政治・経済
全体概要
共通テスト | |
試験時間/配点 | 60分/100点 |
大問数/解答数 | 大問数は7問となり1問増加。解答数は32個で昨年よりも1つ減少した。 |
出題形式 | 読解力を要する会話形式や資料の読み込みが必要な問題が多数出題された。第1~4問は倫理、第5問~7問は政治・経済とそれぞれ共通の問題。 |
出題分野 | 倫理も政治・経済も幅広い分野から出題されていた。 |
問題量 | 設問数は減ったが、資料の読み込みにとにかく時間がかかってしまう問題が散見された。問題量そのものは変わらなずであったが、解くのに時間がかかると感じた受験生は多かっただろう。 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
共通テストの倫理、政治・経済は昨年と同様に資料の読み込みが必須の問題が多く出題されました。読解力が必要なことは前提で、時事問題や知識問題も盛り込まれるなどバランスよく全体を学習しておく必要がありました。時間内に解答を導き出すためにも演習をきちんとして臨みたい。難易度は昨年並み。
大問別分析
第1問 東西源流思想
問4のなかには旧来のセンター試験で出題されていた四択問題があった。資料となる文章や先生と生徒の会話文が基となっているのは昨年と同じ。教科書を読み込みしっかりと演習問題をこなしていれば解きやすかっただろう。
第2問 日本思想
問題は3部構成で、会話や資料文からの出題形式が取られた。四択問題は2問。とにかく読解力が試される問題であり、設問の内容やレベルそのものはセンター試験を含めた過去問をやっていれば十分対応できる内容であった。
第3問 西洋近現代思想
リード文がなくなっているのが昨年との大きな違いとなった第3問では、設問4つのうち3つが空所補充問題であった。倫理分野の知識をしっかりと身に付けておく必要がある問題が目立ち、絵画も含めた読解問題は1問のみ。
第4問 青年期・現代社会分野
P.Dジェイムズの作品が資料として扱われた。読解力によって問題文を読み解く力が試される新しい形式の問題であり、難易度はそこまで高く設定されていなかったものの、出題形式に慣れていなければ解きにくい問題であっただろう。
第5問 まちづくり
時事ネタにまつわる問題が出題された。問題文に年表が出されており、スピーディーな資料の読み込みが求められる問題であった。問3は日本農業がテーマになっている知識問題。問4と問5は法律にまつわる知識と理解が問われた。
第6問 経済主体
問5はバランスシートからの出題。添えられたメモを落ち着いて読み解けば答えに辿り着ける問題もあり、出題形式にまどわされず冷静に対応すれば得点源となった。昨年よりも基礎知識が問われる問題の比率が上がっていたこともポイント。
第7問 地方自治
第2問に引き続き、第3問も地方自治にまつわる基礎知識を問う問題であった。ただし、自主財源や依存財源といった用語をきちんと理解していないと正解が導き出せない問題もあったため、思考力も試された。
2023年に向けての受験対策
倫理
倫理という科目は幅広い知識と深い理解の両方が求められます。人物名とキーワードだけを押さえたとしても得点を稼ぐのは難しく、それぞれの人物が考える問題意識や示した方向性を理解する必要があります。問題は思想理解におけるありがちな誤解が中心になって誤文が作られているため、他思想との共通点や相違点なども合わせて理解しておきましょう。
また、共通テストの倫理は問題分量が多いので、会話文や資料文をゆっくり読んでいては時間内に終わらないというケースがあります。問題演習を通して、問題文を素早く正確に処理する力を養っていきましょう。
政治・経済
共通テストの政治・経済は、基本となる知識をベースに、会話文や資料文の内容を理解する必要があります。そのため、まずは政治・経済に関する基本的な知識を教科書や一問一答などで押さえましょう。その上で資料問題に対応できるよう、問題演習を重ねていき資料を読み解く力を養ってください。また、普段から時事ニュースにも関心を持ち、政治・経済で覚えた知識とどう関連しているかを考える練習もおすすめします。
おすすめ参考書
共通テストの倫理、政治・経済で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。
倫理
「蔭山の共通テスト 倫理」
<特徴>
インプット用の参考書としてもっとわかりやすい1冊です。倫理を全く勉強したことがないという方でも、内容が自然に頭に入ってきます。カラーやイラストも豊富で、見やすく飽きないのも本書の特徴です。
購入ページ:「蔭山の共通テスト倫理」
「倫理 基本問題集」
<特徴>
倫理の重要知識の暗記と共通テストの演習をテーマごとで対策できる参考書です。倫理を入試で扱うものの、時間がなく短時間で内容を理解したいという方におすすめです。この1冊を終えてから、過去問演習に入るという流れが良いでしょう。
購入ページ:「倫理 基本問題集」
「完全MASTER 倫理問題集」
<特徴>
倫理の基礎知識と共通テストの問題演習を1冊でできる参考書です。共通テストのあらゆる問題形式に対応できる力を身につけられます。情報量が多いため、共通テストで高得点を稼ぎたい人におすすめです。
購入ページ:「完全MASTER倫理問題集」
政治・経済
「共通テスト 政治・経済の点数が面白いほどとれる本」
<特徴>
政治経済のインプット用の教材で、解説がわかりやすい人気の参考書です。第1講~第5講が政治編、第6講~第8講が経済編に分かれており、各講にチェック問題が収録されているので、インプットした知識が定着しているかを確認できます。
購入ページ:「共通テスト 政治・経済の点数が面白いほど取れる本」
「共通テスト 政治・経済 集中講義」
<特徴>
50のテーマに分かれており、問題量としても約4年分の共通テストを解いたことになります。約20年の出題内容の分析をもとに作られているので、効率的に共通テストの対策ができます。政治・経済の内容を効率的に学習したいという方におすすめです。
購入ページ:「共通テスト 政治経済 集中講義」
「畠山のスパッとわかる政治・経済 爽快講義」
<特徴>
政治・経済の内容を理解するのに最適な参考書です。単語や年表なども綺麗にまとまっており、話し口調の読みやすい文章で説明してくれています。こちらは講義形式の参考書ですが、演習用として同じシリーズの爽快問題集もおすすめです。
購入ページ:「畠山のスパッとわかる政治・経済 集中講義」