大学入試センター試験実戦問題集 物理の効果的な使い方
更新日: (公開日: ) PHYSICS
大学入試センター試験実戦問題集 物理
センター試験実戦問題集とは!
センター試験を受ける者ならば、誰しもが一度は聞いたことがあるであろうセンター試験対策の問題集。それが駿台から毎年出版されている「大学入試センター試験実戦問題集」である。
表紙が青色をしていることから、「青本」と呼んでいる人が多いが、青本とは正確には駿台が出版した「センター試験過去問題集」のことで、単なるセンター試験の過去問である。
しかし、本書は過去問とは違い、実戦問題集である。
すなわち、駿台が全精力を注ぎ、センター試験の傾向を調べ、対策を練った上で、予想問題集として作り上げた本。それこそが、この実戦問題集なのである。
センター試験実戦問題集の概要
一般に駿台の出している参考書・問題集は少しレベルが高いと言われがちで、駿台の行う模試に関しても、レベルが総じて高いと昔から言われ続けている。(たとえば、駿台のセンター模試ならば、実際のセンター試験より難しめの問題が多い。などなど)
それはこの実戦問題集にも当てはまることで、なるほど確かに中身を見ても実際のセンター試験よりレベルが高い問題が多い気がする。
(予備校というものは、保守的に問題や模試を作る傾向にある。たとえば、○○模試で同志社大学がA判定だっだが落ちてしまったという生徒が居たとしよう。その生徒の立場からすると、○○の予備校ではA判定だったのに落ちてしまった。○○予備校は信用できない!というレッテルを貼られてしまうからである。ゆえに予備校というものは常に本番のものより少し厳しめの判定を下し、少し難しめの問題を出すのである。)
また、余白の都合上であろうか。解説の薄さが目立つ。何から何まで懇切丁寧に教えてくれるという訳ではないが、基礎がしっかり固めたうえで本書に取り組むような人であれば十分に理解できる解説の量となっている。
実戦問題集をセンター対策のメインとして使うな!?
センター試験にまつわる迷信として、よく信じ込まれている勉強法が、「センター試験は過去問と同じ問題が出ないから、過去問などする必要がない。その代わりに、各予備校が出している予想問題集をやりこめ」というものだ。
いま、この話を聞いて、「なるほどなぁ」と思った方は非常に危ない。
では、なぜこの勉強法・考え方が間違っているのかについて詳細に述べよう。
①本番で出される問題を的中させることが大事なのか?
まず、あなた方は受験に向けて勉強するうえで、「本番に出るであろう問題を当てるために勉強をしている」のであろうか?
答えは否であろう。
もちろん、自分が勉強した内容がそっくりそのまま試験にも出れば、それは幸運なことだが、おそらくほとんどの受験生がそういった状況には出くわさないと考えていいだろう。
では、いま勉強していることは試験でどう繋がるのかというと、「受験でどんな問題が出ても、解けることのできる考え方・根底にある解法」を学んでいるのだ。
受験において、出題される問題の出し方は無限ではあるが、問題に対する考え方・根底にある解法については有限だ。
それさえ押さえれば、基本的には大学受験程度の問題はすべて解けるようになっている。
話が逸れたが、要は問題を的中させるために勉強しているわけではない。ということだ。
②過去問から似た問題が頻繁に出ている。
タイトルの通りである。
今や、どこの大学でも過去に出題した問題から似たような問題が出されることは決して珍しくはない。
それはセンター試験も同様である。
むしろ、文部科学省によって厳格に試験が作られているセンター試験は、急に形式・難易度を変えることが許されないので、どうしても前年までと似たような問題を作らざるを得ないのだ。
③センター試験の傾向・対策は過去問から一番得ることが出来る。
なにを勘違いしているのか知れないが、センター試験の情報を知りたければ、当然センター試験の過去問に触れるのが確実であろう。
所詮、各予備校が出している予想問題集などは推測に過ぎない。
実際に本番で出された問題をまとめている過去問に勝つ情報はこの世に存在しない。
以上①②③から、いかに冒頭の考え方が間違っていたのかが理解して頂けただろうか。
次は、気になる使い方について述べよう。
気になる実戦問題集の使い方は?
まず、上でも述べたようにこの実戦問題集をメインにすることはご法度だ。
基本的にセンター対策は、まず過去問を完璧にこなすこと。
過去問に勝るセンター対策本はない。過去に出された問題をひたすら解きまくり、「傾向・問題の問い方・センター試験の癖・特徴」など情報は山ほど得ることに尽きる。
さらに過去問から似た問題が出される可能性は十分考えられるので、そういったことも含めて一石二鳥だろう。
センター過去問を完璧にこなして、ようやく実戦問題集だ。
しかし、これも時間を計って点数を出したりすることには何の価値もない。
それよりも、実戦問題集をつかって自分の苦手な大問を徹底的につぶすことだ。
実際の60分の時間を計って解き切る必要もないし、点数で一喜一憂する必要もない。
センター試験の特徴を過去問でつかんだあと、この実戦問題集ですべきことは自分の弱点・穴をなくすこと。自分にとって足りないものを補填することだ。
繰り返しになるが、絶対にこの実戦問題集といった各予備校で出されている予想問題集に頼りすぎないように。