青木世界史B講義の実況中継の効果的な使い方
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1.NEW青木世界史B講義の実況中継の概要と使用目的
この参考書は5冊で構成されており、それぞれの巻ごとにテーマが定められています。
基礎から難解な事項まで含んだ内容が記載されており、情報量という面ではなかなかのものです。
解説として、独特な表現や筆者の主観が混じっているためいくらか面白いところもある点も見逃せません。
また、少しばかり変わった絵があちこちに載っているため、どことなく親しみやすさが感じられ、読んでいて飽きのこない作りになっています。
そして、この参考書のなにより良いところは字が大きく、何かの小説のように空白がたくさんあり、自然と余裕が感じられるところです。
2.NEW青木世界史B講義の実況中継の具体的な内容
この参考書の具体的なレベルは、どちらかというと難関私立大学レベルで、センター試験など、まずは基本を絶対的に押さえるべきレベルの大学には不向きです。
というのも、筆者の主張が強めで、難しいところが大々的に書かれているのに、重要事項が抜けてしまっていたりと要点がばらけてしまっているためです。
そのため、他の問題集との併用は難しく、青木世界史の専用問題集を併用していくことをオススメします。
そして、教科書に準拠しているわけでもないので、使っていくには教科書にもあわせておく必要があります。
ですが、わかりやすいことは確かなので、この本が合う方はこのまま進めていくことをオススメします。
教科書に準拠したものがいいのならナビゲーター世界史Bや時代と流れのつかめる用語問題集世界史Bが適切でしょう。
2.NEW青木世界史B講義の実況中継の使い方
①重要語句を頭に入れながら(書いて覚えても良い)一日二、三課読む
②読んだ後に付属のサブノートの空欄にオレンジペンで書き込む。
(オレンジペンなら後で赤シートで隠して覚えるまでくりかえすことができます。ですが、ここで使用するペンの色は何でも良いでしょう。)
③そして次の日、また同じとこを同じ方法で読み、サブノートの空欄に当てはまる語句を読みこんでいく。
④それらの作業をした後、時代と流れのつかめる用語問題集世界史Bなど基礎的な問題集をほぼ正答できるようになるまでやる。
⑤その後に、東進ブックス一問一答完全版 2nd edition などの問題集を一冊やる。
この手順で学んでいくのが効果的な使用法といえます。
ただし、前述したとおりNEW青木世界史B講義の実況中継(1)(2)(3)(4)(5)(The live lecture series)は要点がばらけているので、④,⑤の段階で分からないところが多々出てくるでしょう。
①~⑤まで一通りこなせれば、偏差値も基本どこでも戦えるレベルになっているはずです。
各国史の更に深い点や論述等は興味がある人や個々人の受験の必要に応じてでいいでしょう。
サブノートにはこのテキストや問題集などで得た深い情報や、難関私大受験などで差がでやすい知識を(ただし簡潔にまとめること)書き込んでいくと良いでしょう。
空欄以外に書き込むのもオススメです。
4.NEW青木世界史B講義の実況中継の注意点
まず、前回の旧版よりも大幅に改定されているので、ページ数の関係で割愛せざるおえなかった部分を大幅に 補った結果100ページ以上の増量になり400ページを超えてしまいました。
確かに、これにより明らかに欠如していた必要と思われる記述が補われることになりましたが、ページの増量からか非常に長く感じられ、多少読みにくくなってしまいました。
そして、肝心の内容ですが、著者の現代史に対する考え方が前面に出ていることから、普通の参考書と若干志向が違い、受験勉強用には一部、読みにくい感がします。(読む人の思想にもよりますが)
また、記述不足な点が散見されるので、基本的な世界史の知識の習得には不向きです。
地図は分かりやすいのですが、いかんせんまともな地図が少なく、(海岸線が正しく描かれた地図はほぼ無いと言ってもよい)、いまいち正確ではありません。
地図のよく出題されるセンター試験を受ける受験生には不向きですから、学ぶべき地図として見ることは避けるべきでしょう。教科書のまともな地図を見直す等、修正が必要とされます。
最後になりますが、世界史の勉強において大事なことは、繰り返すことです。一度覚えたと思っても知識は抜け落ちてしまいやすいです。どんな名著を読んでいようとも反復することを忘れないようにしましょう。