【数学編】成蹊大学の入試対策・オススメ参考書

更新日: (公開日: SEIKEI

本記事では成蹊大学の理系数学の傾向と対策、合格するための勉強法について紹介します。成蹊大学は東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1に本部を置く日本の私立大学です。キャンパスは本部キャンパスのみの1つで、5学部13学科が設置されています。約8000人の学生が在籍しています。首都圏の主な中堅私立大学を指す成成明学の『成』の部分を占めている大学です。偏差値としては50.0~60.0で、就職・進路決定率は約92%(2018年度)となっています。

はじめに

近年の成蹊大学の一般入試では、理工学部のみで理系数学の試験が課されています。出題形式は、マークシート方式のみのものもあれば記述解答を求められるものもあります。自分の受験する予定のある日程・種類の出題形式を理解したうえで受験勉強を進めていくようにしましょう。今回は、A方式について紹介します。

概要

  • 試験時間:90分
  • 配  点:120点(A方式)、300点(E方式)
  • 目標点 :8割
  • 問題数 :約16問(空欄1つを1問と換算)
  • 形  式:マークシート方式と記述式
  • 構  成:大問4題

2020年度
大問Ⅰ:小問集合
大問Ⅱ:複素数平面
大問Ⅲ:対数関数
大問Ⅳ:複素数、虚数

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傾向と対策

それでは今から成蹊大学の理系数学の傾向と対策について紹介していきます。大問ごとに出題形式については大問Ⅰがマークシート方式、大問Ⅱ以降が記述式で決まっているものの、分野や範囲が年ごとにあまり決まっていないため、全体的な傾向に沿って具体的な対策を説明していきます。まずは、成蹊大学理系数学にみられる大きな3つの特徴は以下のようになっています。

①ほとんど全てで標準レベルまたはそれ以下の問題が出題される
②数学Ⅲの出題比率が高い
③試験時間に対して問題数が多い
それでは、1つずつ具体的に説明していきます。

①ほとんど全てで標準レベルまたはそれ以下の問題が出題される
成蹊大学の理系数学では、教科書の練習問題や章末問題など、学校の授業で扱われる標準レベルまたはそれより易しい範囲の問題が出題される傾向にあります。そのため、学校の教科書や定期試験のレベルの土台を固めるために「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズを夏休みまでにⅠA・ⅡB・Ⅲすべてを完成させるようにしましょう。

 
初めから始める数学」の使い方!
<特徴>
同目的の他の参考書と比べて解説量が2倍以上あること、解説が噛み砕いて丁寧に説明されていることなどから、数学に対して苦手意識を持っている人や高校数学初学者にもやさしく、分かりやすい参考書として知られています。説明文が話し口調で書かれているため親しみやすいという点もこの参考書の大きな特徴の1つです。これは問題集ではなく

あくまで参考書であるため、問題数がそれほど多くはありません。問題演習を目的とする参考書ではないため、解き方のパターンをインプットした後は(または並行して)問題集に取り組むことをおすすめします。

<使用時期>
高校数学・学校の教科書・授業内容が全く理解できない状態で受験勉強を始めるのであれば、受験勉強開始と同時にこのシリーズの数学Ⅰに取り組み始めましょう。2月から受験勉強を始める場合は、2月に数学Ⅰ、3月に数学Aといったように1か月に1冊を完成させるイメージで進めていくと6月までの5か月で数Ⅲまでを終わらせることができます。

「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学」シリーズを使って公式や解法などの基礎知識をインプットした後は、学校の教科書などと並行して「チャート式解法と演習数学IA(通称:黄チャート)」を使って問題演習を積み、入試基礎レベルの完成に努めましょう。


チャート式数学ⅠA」の使い方!
<特徴>
黄チャートは、日東駒専や産近甲龍などの中堅私立大学からMARCHや関関同立などの難関私立大学文系と国公立大学文系レベルをカバーしている参考書です。そのため、教科書や定期試験レベルの問題から入試の基礎レベルへの橋渡しとなる役割を果たすことが期待されます。例題と解説、重要な公式やチェックポイントが1ページにまとめられた見やすいレイアウトと数学ⅠAは837題、数学ⅡBは1160題、数学Ⅲは739題という圧倒的な問題数が大きな特徴となっています。

<使用時期>
前述したように学校の定期試験から日東駒専や産近甲龍などといった中堅私立大学レベルへ引き上げるための参考書となっているため、学校で使用する教科書などを利用し、解法や公式を「覚えた」だけではなく「理解した」状態にするためにこの参考書に取り組むことが理想的です。

具体的な使用時期としては、問題数が多いため6,7月の2カ月をかけて数学ⅠA、8,9月の2か月で数学ⅡB・10,11月の2カ月をかけて数学Ⅲに取り組むことで理解の穴がない状態をつくることが望ましいです。1周演習をしただけで満足することなく、2周・3周取り組んで問題を見ただけで解法が頭に浮かぶ「慣れる」状態まで持っていくことが理想的です。

②数学Ⅲの範囲からの出題比率が高い
成蹊大学理系数学の特徴として、数学Ⅲ以前よりも数学Ⅲの範囲からの出題が多くなっていることがあげられます。数学Ⅲは記述式で出題されることが多いため、高得点を取るためには数学Ⅲの記述対策演習を重点的に行うことをおすすめします。

数学Ⅲの範囲に関しては、まず黄チャートを何度も繰り返して論理展開に慣れることが重要になります。黄チャートを何周もやり込めば成蹊大学の理系数学で戦える学力は身につきますが、もしそれだけで心配な場合や時間的に余裕がある場合は、「大学入試短期集中ゼミノート数学3記述試験対策ノート」を使って対策をすることもできます。


「大学入試短期集中ゼミノート数学Ⅲ」
<特徴>
例題とそれに対する記述解答が左ページに記載されており、右ページで記述のしかたが習得できるようになっています。薄型かつ書き込み式であることも大きな特徴の1つです。頻出かつ重要な45個の項目が厳選され、掲載されています。

<使用時期>
前出の「黄チャートⅢ」と同時期に取り組むのが望ましいため、ここでは具体的な使用時期を10月~11月とします。

③試験時間に対して問題数が多い

成蹊大学理系数学では90分の試験時間に対して16問の問題を解くことが課されています。

単純計算すると、1問にかけることができる時間は約7~8分です。このスピードに慣れるためには、実際に過去に出題された問題を90分という制限時間内に解答するトレーニングをすることが最も効果的です。このトレーニングに必要な参考書は「成蹊大学の赤本」です。


<特徴>
実際に成蹊大学の一般入試で出題された問題が3年分掲載されています。合格者の最低点などの入試情報が掲載されていることも大きな特徴の一つです。成蹊大学の入試にはA方式とE方式があり、入試の種類によって赤本が異なるため自分が志望する・受験する入試形式のものをきちんと確認して手に入れるようにしましょう。

<使用時期>
十分な演習を積んだあと、12月ころから入試本番に向けて取り組みはじめるのが理想的ですが、まだ解法のパターンが身についていない・問題を見たときに即座に解法が頭に浮かばない受験生は前出の参考書や教科書に戻って基本事項の理解に穴がないか確認するようにしましょう。

まとめ


※2月から受験勉強を始めた際の年間スケジュール
大問ごとの傾向と対策について紹介してきましたが、1年間の勉強の流れとしては上記の流れになります。

まず始めるべきは数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲの基本的な問題の解き方パターンや公式のインプットです。いずれも1度で終わらせず、何度も復習するようにしましょう。その後、それぞれの演習系の参考書を用いて何度も繰り返し演習をすることで入試基礎学力を養いましょう。そして、12月以降は赤本の演習に取り組める状態にしましょう。

また、先の参考書で疑問点などが生じた場合は解説を読んで「分かった気」にならず、前の講義系の参考書や教科書などに戻って公式などの再理解をすることが大切です。

そして、冬にかけて本番前まで成蹊大学の赤本を用いて時間なども意識し、より実践的な演習を積むようにしましょう。

ぜひ参考にして成蹊大学の数学の目標点である8割以上を取れるようにしましょう。

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