物理の問題を解くコツ!!
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京都の高校生の皆さんこんにちは!
マナビズム四条烏丸校です。
理系にとって大きな壁となるのは、数学だけではありません。
理科も同じくらい(場合によっては数学以上に)大変です。
特に、物理に苦戦している人は多いのではないかと思います。
そこで、物理の問題を解くときに使える小技を紹介してみたいと思います。
(1) 極端な場合を考えてみよう!
突然ですが問題です。
Q:質量M の質点に、質量m の質点が速さv で衝突した。
反発係数をe としたとき、衝突後の質量M の質点の速さはいくらか?
1. m(1+e)v/(m+M)
2. M(1+e)v/(m+M)
普通であれば、運動量保存則と反発係数の式から頑張って計算するところです。
ですが、この問題に限っては、1 が正解であると即答できます。
例えば、M が極端に大きい(つまりものすごく重い)ときを考えます。
ものすごく重いということは、ちょっとやそっとでは動かないということです。
これを再現しているのはどちらでしょうか?
1 はM が大きければほとんど0 になりそうですが、2 はM が大きくなっても0 にはなりませんね。
(数III を勉強している人は極限を考えてみましょう)
これはあくまで一例ですが、極端な場合(ものすごく速い、重いなど )を考えることで、計算ミスが防げることもあると思います。
また、このような「思考実験」を通じて、難しい問題の突破口が開けるということもあるかもしれません。
具体的な問題を通じてこの考え方をもっと知りたいという人は、ぜひ問題集を持って質問に来てくださいね!
(2) 「次元」を考えてみよう
*教科書にはほとんど載っていないとても発展的な概念!
興味がある人だけ!わからなくても全く問題ないです。
これが入試に問われることはほとんどないです
物理には「次元」という概念があります。
ある物理量が、どんな基本的な量(質量、時間、電荷、長さ等)から構成されているのか?という考え方です。
これでは何を言っているのかわからないと思うので、具体的な例を見ながら考えていきましょう。
例1. 面積は[長さ]×[長さ]の次元を持つ
(正方形の面積とか、円の面積とかを考えてみよう)
例2. 速度は[長さ]/[時間]の次元を持つ
(移動距離を時間で割ったのが速度ですね)
例3. 加速度は[長さ]/([時間]×[時間])の次元を持つ
(速度をさらに時間で割ったのが加速度でしたね)
★さらに具体例として、ふりこの周期の公式について考えてみましょう。
振り子の周期 Tは長さl、重力加速度g として
T=2π√(l/g)
と書けましたね?では、この次元を考えてみましょう。
l はそのまま長さの次元、例3 の加速度とg は同じ次元ですから、
l/g の次元→[長さ]/ {[長さ]/([時間]×[時間])}=[時間]×[時間]
となり、これに√を施すと、[時間]の次元になりますね。
2π は無次元の量で、周期は時間そのものですから、うまく成り立ちました。
また、異なる次元を持つ量は足したり引いたりできないというルールがあります(かけたり割ったりは大丈夫です)。
例えば、質量m,M に対してm+M^2 のような式が出てきたら、一発で計算ミスと分かります。
こうした次元の考えかたがすぐに役立つ、ということは無いのですが、計算ミスをしていないか検証したり、多肢選択問題で選択肢を除外したりするときには使える考え方です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
実際に問題に応用するには練習が必要ですが、使いこなせるようになるとかなり便利ですよ。
具体的な問題を通じて、これらの考え方をもっと知りたいという人は、ぜひ問題集を持って質問に来てくださいね!