保護者の方なら、お子さんの大学受験について悩みを抱えるのは当然です。
- 中卒・高卒だから受験に関われない…
- 受験に無知な自分が口出ししても良いの?
- 応援したいけど、何をどうしたら正解なのか分からない…
このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
ご自身に大学受験の経験がない場合は、どのようにサポートすれば良いのか迷うはずです。
しかし、大学受験の知識がない状態を悲観する必要はありません!
知識よりも保護者としての「あり方」や「姿勢」のほうが、お子さんにとって意味を持つからです。
今回は、大学受験についてよく知らない保護者の方に向けて振る舞い方を紹介します。
正解は家族に大学進学の経験者がだれもいない家庭?
【本記事の内容は動画でもご覧いただけます!】
大学受験における保護者の振る舞いでもっとも重要なのは、適切な距離感です。
受験勉強は長い道のりですから、気を付けなければならない点は数え切れません。
しかし、大学受験を経験していない家庭だからこそ、実は良い部分もあるのです。
知らないからこそ、あれこれ口出しせず、お子さんの自立性を尊重できる。
これが、経験がない保護者の方の強みです。
お子さんが自分で「大学受験しよう」と思えるのは、過干渉がないからこそともいえます。
「自分で考えなさい」というスタイルで感じる「応援してもらっている感」は、お子さんにとって心地よいものです。
「知らない」という状態が、逆にお子さんの自立を促すとも考えられます。
逆に失敗例としては、「お子さんが親離れしたがっているのに、親が子離れできていない」という状況が挙げられます。
過干渉ほど「子どもを縛りやすい」
知識がある保護者ほど「お子さんを縛りがち」になる傾向があります。
勉強法、進学先、学部などに対して「口を出しすぎる」状態に陥りやすいからです。
例えば、「自分はこの方法で成功したから、同じようにやれ」と押しつけやすくなってしまいます。
しかし、それは逆にプレッシャーや圧迫感となってしまうのです。
そうすると、お子さんは「俺の人生だから」と反発するのは目に見えています。
受験知識のない保護者のほうが、結果的に「黙って応援するスタンス」をとりやすいわけです。
大学受験における親の関わり方としては、もっとも適切な振る舞いに近いのです。
高校生に向けて保護者の方が参考にしたい振る舞いの事例

ここからは、もう少しイメージを持ってもらえるように、成功した高校生の保護者の方における事例を紹介します。
【Sさん】
- 灘高校 → 京都大学医学部
- 講師の教え子の一期生
- 結果的に「講師宅には来なかった」ものの、指導経験がある
【Aさん】
- 東大寺 → 東大 → 在学中に司法試験に合格した学生
- 東大工学部の中でもトップクラス
- 司法試験も在学中に合格
※プライバシーに配慮し、本記事では名前を匿名にしております。動画でご覧ください。
どちらの親御さんにも共通していたのは、両者の母親が”教育のロールモデル”として機能していたことです。
お子さんに「いわない」代わりに「見せる」スタイルを徹底していました。
- 本を読んで欲しければ自分が読む
- スマホを触らせたくなければ自分が触らない
- 時間管理をしてほしければ自分が徹底する
何かあったときは「私が守る」というメッセージを暗に持たせていたのです。
『お子さんにとって信頼と安心感を与える関わり方をしていた』、参考にしたい振る舞い方です。
では、なぜこの方法が良いのでしょうか。ここには、高校生の多感な心が関係しています。
子どもは親の『無知』を見抜いている
残念ながら、お子さんは「親が受験を知らない状態」であるとすでに見抜いています。
そうなれば、「自分ではできていない大人が偉そうに」と、敏感に反応してしまうのです。
結果として、勉強や進路に口出ししても意味がなく、聞いてもらえないのです。
この構図があるからこそ、まず保護者がまず変わらなければ信頼関係は築けません。
「人に優しくしなさい」と口でいっても伝わらないのと同じです。
保護者は人間性・生き様の部分で伝える、例えば本当に優しくしている姿を見せるといった具合です。
教師であれば「言葉」で伝わるかもしれませんが、親子関係ではいっても響かないのです。
見せるしかないからこそ、大学受験における保護者の振る舞いの基本原則だと考えてください。
どこまで?「今日からでも真似できる」保護者の行動例・工夫集

ここからは、保護者の方がより今後の行動をイメージしやすいように、日常の中で実践できる工夫を紹介します。
- 夕食後15分だけ自分が読書してみる
- 「充電コーナー」で親が率先してスマホを置く
- 「おやつだけ用意して勉強には触れない」ルールを作る
- 話しかけず隣で違うことをしながら同じ空間にいる
あくまでも例です。いつもの行動を変えるのは、講師・子どもに限らず、保護者の方でも難しいものです。
「どうしたらいいのか」、というきっかけを得る例としてご参考ください。
夕食後15分だけ自分が読書してみる
まず、高校生のお子さんに対して「読書しなさい」といわず、保護者自身が静かに本を読む時間を見せます。
漫画・エッセイなど、何でも構いません。「読書=楽しい」が伝われば十分です。
ほかにも、お子さんに「スケジュール立てなさい」と言う前に、保護者自身が実践してください。
冷蔵庫や共有カレンダーに”ざっくり予定”を貼っておくだけでも良いでしょう。
「勉強しなさい」と言葉で伝えるより、保護者自身が学ぶ姿勢を見せるわけです。
「充電コーナー」で親が率先してスマホを置く
高校生のお子さんを見ていればわかるはずですが、スマホに触れる機会は簡単に減らせないはずです。
とはいえ、「スマホやめなさい」は逆効果になりやすいです。
保護者が”置く姿”を見せて、お子さんにも意識してもらうといった方法が考えられます。
「一緒に集中しようタイム」として共通ルール化しても良いでしょう。
無言の姿勢が、お子さんの自主性を育む方法が、アプローチとしては良い方向性です。
「おやつだけ用意して勉強には触れない」ルールを作る
冒頭でも触れましたが、保護者の方による無言のサポートは、お子さんにとってありがたいものです。
「何もいわずに応援してくれてる」と伝わる代表例になります。
やる気を引き出すより、”やる気を削がない”を大切にしてください。
親の役割は、子どもが自分で考え、行動できるようになるまでの間の必要な手助けです。
静かな応援が、お子さんの自立心を育てていくと考えましょう。
話しかけず隣で違うことをしながら同じ空間にいる
つい、親御さんは後悔してほしくないという気持ちから、アドバイスや声かけをしてしまうものです。
ただ実際には、アドバイスではなく「存在の安心感」だけで十分な場面も多いです。
保護者の”沈黙の共感”は、信頼形成にも有効です。
例えば家計簿・投資・料理・資格など、何でも構いません。
お子さんは「親もチャレンジしている」と知れば、心のハードルが下がります。
共に頑張る姿勢を見せてみる、また一緒にやってみるというのもお子さんのモチベーション維持に役立ちます。
まとめ:親(保護者)にできる「勉強以外の支援」は適切な関与
保護者の方は、大学受験の知識がないのを悲観する必要はありません。
お子さんの人格や人間力に関与する、という考え方を持ちましょう。
知識よりも「あり方」や「背中」で見せる姿勢が重要です。
親御さんは、結果を出すための「考え方・姿勢・行動」のロールモデルになってください。
お子さんを変えるよりも、保護者の方が変われば家庭にも良い影響を与えられます。
大人(保護者)が「自分を律する」姿こそ、教育です。
保護者自身が「できているか?」をまず見直してみましょう。
少しでも不安を感じた際には、マナビズムの無料受験相談から講師への相談もできます。
ぜひ、以下のフォームからお気持ちをお聞かせください!
お子さんに対する振る舞いに悩む保護者の方からよくある質問(FAQ)
受験生の親がやってはいけないことは何ですか?
親として適切なサポートは必要ですが、以下のように同時に避けるべき行動もあります。
- 子どもより先に模試の結果に一喜一憂してしまう
- 「○○大学くらい行かないと」とハードルを提示する
- 「私は暗記で乗り切った」
- 子どもの前でスマホ・テレビばかり見てしまう
詳しくは、以下のページからご覧ください。
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大学受験で保護者がやるべきことは何ですか?
勉強しやすい環境を整えたり、受験に関する情報を集めたりするのは、親ならではのサポートです。
保護者の方ができる大学受験サポートは、直接的な勉強の指導ではなく、環境づくりと精神的な支えです。
健康管理のサポートや、お子さんの話を聞くことも役割です。
受験生にいってはいけない言葉は?
親御さんが頑張れと声をかけるのも良いですが、あまり強く押し過ぎると逆効果になってしまうかもしれません。
プレッシャーを与える言葉や、ほかの受験生と比較する言葉は避けましょう。
「○○君は頑張ってるのに」「もっと勉強しなさい」といった言葉は、お子さんの自信を削いでしまいます。
代わりに、日々の小さな努力を認めて褒めてください。