【日本史編】勉強法・オススメ参考書・問題集

更新日: (公開日: JAPANESE-HISTORY

はじめに

日本史は選択科目です。選択科目は関西大学や他の多くの大学では点数配分が1番低いです。
したがって、多くの受験生は、配点の1番高い英語、次に配点の高い国語を勉強し、日本史(選択科目)を後回しにする傾向があります。

「日本史が最後まで間に合わない。」という声をよく耳にします。でも、よく考えてみてください。英語や国語にはもともと範囲というものがありません。
自分の解き方を体に染み込ませ、どんな問題でも対応できるように訓練します。その際どのような問題が出てくるのかは具体的にはわかりません。

出てくる問題のジャンルは多岐にわたります。仮に「近代」の範囲を完璧にしたとします。そこがテストの大問で出たとしましょう。おそらく満点に近い点数を取ることができるでしょう。

何が言いたいのかと言うと、「日本史はやった分だけ点数に直結する!」ということです。
なので、日本史に手が回らないという状態は必ず避けてください。むしろ日本史を得点源にしてやるぐらいの気持ちで学習してください。

日本史の勉強法・科目の性質

まず、日本史の科目の性質について説明します。

日本史に授業は必要ない

「日本史は暗記」ということは誰しもが思っていることだと思います。にも関わらず、多くの受験生は「日本史は授業で理解して・・・」といったようなことを考え、時間のかかる映像授業を見てしまいます。

そして、映像授業を見たらある程度暗記が出来ていると勘違いし、自習の時間を短くしてしまいます。しかし、先述したとおり「日本史は暗記が重要」です。英単語の授業を受けたことがありますか?「単語なんて覚えるんだから授業は必要ない」と思いませんか?それと同じです。

映像授業を見ている時間にインプットを同時にすることは至難の業です。最適な情報量を有している参考書を駆使して自習で暗記を進めることで、授業を受ける何倍もの速度で学習を進めることが出来ます。

日本史学習で重要なこと

日本史の特徴は基礎~発展まで語句が多いことです。
世界史に比べて基礎語句の数は少ないので、スタートダッシュは切りやすいですが、世界史と異なり日本という1つの国の歴史について学ぶので大学の難易度に比例して、問題の難易度も向上します。

日本史を学習していく上で重要なことは「語句」と「流れ」です。「語句」に関しては想像しやすいと思いますが、「藤原道長」や「織田信長」といったような語句を覚えていきます。
しかし、日本史を勉強し始めると受験生がよく口にするのが「流れがつかめない」ということです。多くの日本史選択者が流れが分からないといいますが、流れとはそもそも何でしょうか?

流れとは端的に言うと「因果関係」です。
「○○が起きて→△△が起き→結果☓☓になりました」というストーリーのことです。

具体例を挙げて説明すると「戦国時代の幕開けとなる『応仁の乱』が起きたのは、室町幕府8大将軍義政の後継ぎ争うがキッカケ。義政の弟の足利義視にする派閥と義政の子の足利義尚にする派閥とに分かれて闘いが始まった…」といったように足利○○という名前を覚えるのではなく、「歴史の一連の因果関係」を捉えていくことが重要になります。

また、日本史の問題は大きく分けて5種類あります。

  1. 一問一答問題
  2. 空所補充問題
  3. 正誤問題
  4. 時事問題
  5. 地図問題

単純暗記で正答することができるのは1と4だけです。つまり、語句だけを覚えていても高得点を取ることは出来ません。なので、単純に「語句」を覚えていくのはもちろん、「流れ」も意識しながら暗記していきましょう。

また、語句を覚える時は「語句同士をつなげて覚える」ということを意識して下さい。
「織田信長」という言葉だけを覚えるのではなく、信長に関連する語句(「長篠の戦い」「姉川の戦い」等)もセットで覚えるようにするということです。先程の「流れ」と同様に語句だけを単純暗記しても日本史で点数が取れるようにはなりません。

さらに日本史では「アウトプット」が非常に重要になります。そもそも暗記した知識というのは「頭から出す(アウトプット)」ということをしないと定着しているかどうかわかりません。

自分が普段使用している参考書とは違う文章で出題されたときに分からなくなるということは受験生にとってよくあることなので、必ず「インプット→アウトプット」という流れを踏んで下さい。
また、問題集や模試・過去問をしたときに自分が使用している参考書に掲載されていない知識が出てくればその都度書き込んで知識量を増やしていきましょう。

情報の一元化について

日本史を学習する時は「教科書・資料集・問題集・過去問」など様々な教材を使用します。それでは、復習をするときに全てに目を通す必要が生じ手間がかかります。そういった非効率的なことにならないためには日頃の学習から一冊のインプット教材に情報を集約させていく必要があります。

資料集のわかりやすく整理されている表や図を縮小コピーして貼ったり、問題演習で出てきたインプット教材には載っていない用語などを書き込んだりして、どんどん情報を集約させていきます。
そうすることで、その参考書を回すだけで、自分が必要な情報すべてを復習でき学習効率が向上します。

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日本史のオススメ参考書・問題集

それでは今から日本史の勉強を進めていく上でのオススメ参考書を紹介します。

オススメ参考書(メイン教材)


山川教科書」の使い方はコチラ!
<特徴>
学校で配布される教科書です。教科書は知識がキレイにまとまっています。また、どの大学も基本的には教科書を元に試験問題が作成されるので合格点奪取に必要な知識はほぼすべて網羅されています。
しかし、うまくまとまっている分、解説が薄いと感じる受験生もいると思います。そういった生徒は「実況中継」等を使用しましょう。

<使用時期>
入試初期~入試本番
目標進度:1~2章/週
目標習熟期間:受験本番まで


山川 詳説日本史図録の使い方はコチラ!
<特徴>
学校で配布される資料集ならどれでも構いません。表や図・年表などのインプットをする上で活用したいものが豊富に掲載されています。

<使用時期>
入試初期~入試本番
目標進度:教科書と並行
目標習熟期間:受験本番まで


日本史用語集」の使い方はコチラ!
<特徴>
教科書では不足しがちな説明を補うものとなります。教科書だけの説明だけでは理解しづらいものに対して辞書代わりに使用しましょう。
また、調べた後には一元化するようにしましょう。

<使用時期>
入試初期~入試本番
目標進度:教科書と並行
目標習熟期間:入試本番まで


「攻略日本史 テーマ・文化史」
<特徴>
文化史とテーマ史を表などでまとめている参考書です。文化史の知識の網羅はもちろん、テーマ史も非常に綺麗にまとまっており、テーマ史のインプットは受験後半期にとても役に立ちます。
さらに、演習問題も豊富に掲載されているので、インプットとアウトプットの両方を本書で行なえます。

<使用時期>
入試中期~入試本番
1・2周目は文化史のインプットのみ
3周目以降はテーマ史も取り組む。
目標進度:1周/2~3週
目標習熟期間:4~6ヶ月


「はじめる日本史-改訂版-」
<特徴>
入試基礎レベルの問題集です。問題演習以外にも知識がまとめられている箇所があります。問題の収録に関しては時代順に60題あります。

<使用時期>
入試初期(1周目の演習教材)
目標進度:インプットと並行
目標習熟期間:2~3ヶ月


日本史問題集 完全版」の使い方はコチラ!
<特徴>
入試標準レベルの問題集です。問題の収録に関しては時代順に131題が収録されています。

<使用時期>
入試中期(2周目以降の演習教材)
目標進度:インプットと並行
目標習熟期間:3~4ヶ月

オススメ参考書(サブ教材)


石川晶康の実況中継」の使い方はコチラ!
<特徴>
通史・文化史を4冊に渡って解説している参考書です。教科書がわかりにくいといった受験生は使用しましょう。教科書とは異なり、口語調で書かれているので分かりやすいと感じる生徒が多いでしょう。
しかし、大学によっては情報量が多くオーバーワークになってしまいます。産近甲龍や日東駒専、その他女子大といった標準私大を第一志望とする受験生は無理に使用する必要は無いでしょう。

<使用時期>
入試初期~入試本番
目標進度:1冊/2~3周
目標習熟期間:受験本番まで


金谷の「なぜ」と「流れ」」の使い方はコチラ!
<特徴>
通史3冊・文化史1冊の全4冊構成。
教科書や実況中継より知識量は落ちますが、語り口調で非常にわかりやすく解説されています。この参考書のみで入試に必要な知識が完成しませんが、教科書や実況中継が難しいという人にはオススメです。
受験のスタート段階で日本史が苦手だという受験生は教科書ではなく、最初から本書を使用することをオススメします。

<使用時期>
入試初期~入試中期(7・8月)
※夏以降は教科書か実況中継を使用しましょう。
目標進度:1冊/2~3週間
目標習熟期間:4~5ヶ月


日本史B一問一答【完全版】の使い方はコチラ!
<特徴>
非常に多くの語句がレベル別で掲載されています。教科書ではどうしても用語が覚えにくいといった受験生にオススメの1冊となります。

<使用時期>
入試初期~入試本番
目標進度:1部/2週
目標習熟期間:入試本番まで


日本史史料問題一問一答の使い方はコチラ!
<特徴>
入試で頻出の史料が頻出度順に収録されている教材です。一問一答と名前がついていますが、問題だけではなく、史料の解釈やどの語句を見て、その史料だと気づけば良かったのかの解説もあります。

<使用時期>
入試中期~入試本番
目標進度:1周/月
目標習熟期間:4~6ヶ月


「実力をつける日本史」
<特徴>
入試難関レベルの問題集です。
問題の収録に関しては時代順に100題が収録されています。関関同立・MARCHといった難関私大レベル以上を目指す受験生にオススメの1冊となります。

<使用時期>
入試後期~入試本番
目標進度:インプットと並行
目標習熟期間:3~5ヶ月

まとめ


1年間の学習スケジュールはこの様になります。
※2月から受験勉強をスタートした場合!

まず日本史学習において重要なのは「語句」と「流れ」であることを説明しました。
特に重要なのが「流れ」要は「因果関係」です。日本史に取り組む際は必ず「流れ」を意識して下さい。

とはいっても「流れ」を日本史初学者が意識するのは難しいかも知れません。その場合は問題集をインプットと並行して行いましょう。アウトプットすることで知識に繋がりが生まれます。
是非参考にして日本史を得意科目にしましょう!

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