【大学受験】入試国語の勉強法解説|読解力から得点力、自学の進め方まで
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こんにちは、
マナビズム姫路校です。
大学受験の国語は、勉強の悩みが多い科目です。
「どうやって勉強したら良いのかわからない」「読書はした方がいいのか」「問題はどう解けばいいのか」「答え合わせは……」、受験生からの相談もひっきりなし!
しかし国語の勉強法を、本質的に解説しているものも少ないのが現実です。
そこで今回は、マナビズム姫路校が、大学受験国語の勉強法を徹底解説!勉強のコツ、取り組む姿勢・あり方、忘れやすい対策項目、さらに目的別に使い分けられるおすすめ参考書や問題集までまとめました。
高校生諸君はぜひ参考にしてみてください。
それでは始めます。
本当に実力を伸ばす自立学習のコツ6か条
まずは「自習」のやり方、つまり自立学習を成功させるにはどう取り組めば良いか、という点から始めましょう。6つの視点からコツをまとめました。
その1:学校の授業をおろそかにしてはいけない!
学校の授業は大切です!
どの教科学習でもいえることですが、学校の授業をいい加減にしている受験生に合格はありません!
特に現代文「小説」を題材とする学習は貴重な機会です。受験の問題集だけで、小説問題を解く力をつけることはできません。
その2:参考書・問題集は「解説の充実度」を基準に選ぶこと!
現代文の実力を伸ばすたった1つの方法は、読解力・語彙力(言語事項全般)をつけることに他なりません。
勉強する参考書や問題集の選択にあたっては、「頻繁に改訂されているか」「解答解説が丁寧であるか」を必ずチェックしてください。
「要領よく学習すること」=「実力がつく」という図式は成り立ちません。
学習とは面倒なことです。
面倒をコツコツと積み上げることでこそ、実力は身につきます。
参考書は解説がたっぷりと掲載されているものを選ぶこと、そして読解の方法を丁寧に身につけるテキストから問題集での演習へと発展させていきましょう。
その3:模試の解き直しは必須!
模試をが返却された後は、どうしていますか?
受けっぱなし、結果データは得点だけを見て一喜一憂……、それではダメです。
模試のデータは項目別の得点を見なさい。
自分はどの部分が弱いのかを知り、弱い部分を意識して学習し、克服していくことで得点は上がるものです。模試結果のデータは実にきめ細かに出ています。まずは客観的に、自己の弱点を知ることから対策は始まります。
また、解き直しにはたっぷり時間をかけることも大切。
模試の解答解説の内容は実に充実していて、まさに自立学習に最適の教材です。しかも問題集よりも、ずっと集中して本気になって解いたはず。そんな貴重な問題を解き直さないのは、宝の持ち腐れです。
大半の生徒は模試の解き直しをしていません。
一方、1ヶ月後に同じ問題を解いたら満点を取るのが当然である、という取り組みをしている予備校もあります。
キミはどちらのタイプになりたいですか?
同じような間違いは、二度としないよういに。一見、面倒な学習にこそ価値があるのです。
その4:読解力の土台は語彙力だ!
語彙力なくして読解はあり得ません!
当然、語彙力がなければ、解答力にも結びつかないのです。読解の基礎は語彙力にあると心得、現代文の読解力養成に力を入れてください。
また読解や記述解答では、文法力も必要となります。文法もおろそかにしないように。
現代文でも英語同様、単語や語彙のテキストは必須です。言葉はスマホでサクッと調べられますが、それではダメ。「電子辞書でなく紙の辞書が良い」と言われるとの同じことです。
調べた語句の意味・用法や例文等を、テキストから学ぶことで、知らず知らずのうちに語彙力が身についてゆくのです。面倒な学習ですが、面倒だからこそ価値があると覚えておいてください。
その5:読解力は初見の文章でも理解できることが大事!
入試では、初見の問題を解くことになります。
つまりキミにとって必要なのは、文章のテーマが何であろうと、自分の興味関心に関係なかろうと、コンスタントに読解できる力をつけておくこと。
そのためには「正しい読解方法」を身につけておかなくてはなりません。
読解に関しては世に多くの問題集・テキスト・攻略本がありますが、最終的には自分が最も理解しやすいと感じる解説をしているものに従えばOK。
問題集の解説によっては、正解へのアプローチと自分の解き方が違うことがあるでしょう。一つの文章・一つの設問から正解を導き出す方法が一つではないこともあるのです。
大切なのは、自分の力で読み解き、設問を考え、正解を導き出すようになること。良いテキストに出会い、初見の問題でも解ける力をつけておきましょう。
その6:過去問は秋からで大丈夫!
共通テスト対策問題集や大学の過去問は、高3の2学期から始めれば十分間に合います。
大切なのは、ある程度読解の方法を理解してから、実践問題に向き合うこと。秋までは過去問や共通テストの問題集を解く「基礎力」をつけることを優先しなさい。
高校3年生に進級した春、自分はいかにも受験生だと言わんばかりに過去問(赤本)を手に入れて学習している受験生を見かけます。やる気は買うものの、その成果のほどには疑問符がつくと感じます。
最新の過去問が発行されるのは7月から8月。共通テスト対策問題集(過去問も含む)も7月頃に各社から発行されることを考えると、その頃から対策を初めても十分に間に合うということです。
焦らずじっくりと基礎的な力をつけ、その上で実践的な問題集に取り組むことこそが、合格への道です。
国語には不可欠!“語彙力“を身につける勉強法
続いて、国語の土台であり、基礎でもある「語彙力」を身につける学習法について解説します。
英語を勉強する際は当たり前のように「単語・熟語」といった語彙に取り組む受験生も、現代文となるといきなり読解から始めようとします。
しかし、評論文を前に、「何が書かれているのか、理解できない」状態に陥ったことはありませんか?
現代文が「読めない」のは、語彙力不足が原因です!基本的な語彙を正しく習得するだけで、驚くほど本文が読めるようになりますよ。
『読解を深める現代文単語 評論・小説』の特徴と概要
現代文の読解には語彙力が不可欠です。語彙力を伸ばすには、『読解を深める現代文単語 評論・小説』(桐原書店)がおすすめ。この現代文単語帳には、過去のデータから抽出された約1,000語の入試頻出語が厳選収録されています。
この手の現代文単語帳にはあまり載っていない、小説で問われる語句も収録されている点にも注目です。
現代文の語彙力アップは、英単語同様に早い時期から取り組むことをおすすめします。
本書はテーマ別にグループ化され、桐原書店が得意とする図式化により、非常に覚えやすい構成となっています。ただし一つひとつを徹底的に暗記していこう!、とすると、まったく先に進まず頓挫する原因に。
とにかく覚えていよういまいが、読書をするように読みすすめてください。
同時に、教科書や問題集等で出会った語句も、索引を利用してその都度学習する習慣をつけること。語句の意味はスマホで簡単に調べられますが、一対一で表示されるピンポイントでの意味だけでを知っても、語彙力はつきません。
一つの語句から多くの情報、つまり意味だけでなく同義語や対義語などを得ていくことこそが、語彙力を向上させるポイントだからです。
文章を理解するために語彙力が必要なのは当然だと考えましょう。評論文でも、専門用語は注釈がつきますが、、現代文単語に掲載されているような標準語句には注釈がつかないことが多いですよね。
現代文の語彙を増やしておけば、入試問題で「語句の意味」問題が出されても正解できる可能性が高まります。特に選択肢を選ぶ問題なら、尚のこと!
語句の正しい意味を理解することを念頭に、進めていってください。
高校1・2年生 おすすめの勉強法
①読書するようにどんどん読み進める
まずは、読書をするように、どんどん読み進めていってください。現代文の問題などで、ある語句に出会った時、「あっ!見たことある」と感じられたら第一段階はクリアです。
また都度、テキストに戻って意味用法を確認する手間も忘れずに。
②グループごとに習得していく
「第1章・第2章」「第3章」「第4章」という3グループに分け、同時に学習を進めていきましょう。
第1章は「読解のための基本10語」、第2章は「テーマ別の重要語」、第3章は「読解に不可欠な外来語・熟語」、そして第4章は「小説後」という構成になっています。
第1章から順次学習していくのではなく、3グループを同時に進めるのが効率アップの秘訣です。
③辞書的感覚で日常使いする
教科書等で学習した語句は、必ずテキストで確認する癖をつけましょう。現代文で使われる単語すべてが掲載されているわけではありませんが、辞書感覚で使っていくことで、語彙力が確かなものになっていきます。
高校3年生 おすすめの勉強法
①とにかく読み進める!
高3生は、とにかく時間がありません。スピード感をもって、とにかく読み進めてください。
読み進めるだけでも読解力がつきます。
②読み進める際は3グループを同時進行で!
「第1章・第2章」「第3章」「第4章」という3グループに分け、同時に読み進めてください。
また例文や練習問題は必ず解くこと。受験までに「最低3周」が目標です。
英単語同様、スキマ時間を有効活用していきましょう。単語学習を、やる気満々で机に向かって取り組むのはもったいないですよ。
③辞書的感覚で日常使いする
勉強しながら出会った語句は、必ずテキストで確認すること。辞書のように活用することを目指してください。語句はスマホでサクッと調べただけでは、力になりません。
テキストの索引を活用し、語句の意味・用法を理解することを心がけましょう。
関連:他のおすすめテキスト
『読解を深める現代文単語 評論・小説』に関連する、他のおすすめテキストには 『生きる現代文 読解語』(駿台文庫) があります。書店で手に取り、使いやすいと感じる方を選んでみてください。
現代文読解の基本「解説が丁寧なテキスト」を徹底活用する!
大学受験の現代文は、論理的かつ正確な本文読解力が欠かせません。日頃の勉強でも漫然と読むのではなく、キーワードや論理展開を見つけつつ、「考えながら読む」練習をしていってください。
『入試現代文へのアクセス 基本編』(河合出版)の特徴と概要
『入試現代文へのアクセス 基本編』は、受験生にとって基礎的な読解力を身につける定番のテキストです。
現代文の得点は、漫然と問題集を解いていても一向に向上しません!このテキストを使い、解答を導くコツを学んでいきましょう。
よく過去問(赤本)を、早い時期からボロボロになるまで解いている受験生を見かけますが、何事にも「旬」があります。過去問に取り組むベストシーズンは「高3夏以降」!夏の終わりまでに問題を解く力をつけておけば十分です。
『入試現代文へのアクセス 基本編』 は基本的な問題(と言っても徐々に問題も難しくなっていきます)が多いので、1学期中には学習し終えておきたいところ。
本書は、「基本編・発展編・完成編」の三部構成となっています。「基本編」終了後は「発展編」へとステップアップするも良し、他のテキストに進むも良しですが、難関大学を目指すなら、「発展編・完成編」へと取り組んでいくのがおすすめ。
また自学で取り組むテキストは、解答解説の充実が大切です。 『入試現代文へのアクセス 基本編』 は、前半は例題/後半は練習問題となっており、どの問題も解説が充実しているのが特長。
「読解へのアクセス」「正解へのアクセス」「語句の意味」「現代文のキーワード」など、充実の解説を最大限に利用していきましょう。
高校1・2年生 おすすめの勉強法
高校1・2年生におすすめの勉強法は、以下の通りです。
①週末課題として取り組む
週末課題として取り組んでみてください。
高校1年生は夏休み中に1周、高校2年生は夏休みまでに1周するように。必ず解説をすみずみまで読み、問題文章や設問と照らし合わせて学習していきましょう。
②ガンガン書き込む!線を引く!振り返ったときに目につくようにしておく
勉強の際は、遠慮なく書き込むのがおすすめ。気づいたことや重要箇所に線を引いたり、メモをしたり。こうしておくことで、復習や振り返りの際に学習のポイントがひと目でわかり、効率が上がります。
③高校1年生は2周する!
本書は最低2周は取り組みたい良書です。高校1年生のうちに2周がベスト。高校2年生は、ペースを上げて夏休み中に2周目を終えてください。
高校3年生 おすすめの勉強法
高校3年生におすすめの勉強法は、以下の通りです。
①6月末までに一周!
まず、夏前(具体的には6月末まで)にテキスト一周を目標に進めます。ペースを上げて、取り組んでいきましょう。
②夏休み中に「発展編・完成編」へ進む
志望校にもよりますが、読解力をつける段階のテキストは、7月中に終えてください。理想は、夏休みに入ったら「発展編・完成編」へとレベルアップしていくこと!
「発展編・完成編」に進まない場合は、他の読解参考書に進みます。(たとえば『現代文読解力の開発講座』(駿台文庫)など)
③8月からは共通テスト対策へ
8月からは共通テスト対策問題集に取り組むのが良いでしょう。8月中旬スタートを目安にしてください。
共通テスト対策が私立の個別試験対策にもつながります。
関連:他のおすすめテキスト
『入試現代文へのアクセス』に関連する、他のおすすめテキストには 『現代文読解力の開発講座』(駿台文庫) があります。こちらのテキストについては、次の項目で詳しく解説していますので、このまま本記事を読み進めていってください。
現代文必須!論理的な読解力とは?思考力育成も意識した学習を
「現代文は論理的に読め」と言われますが、では論理的に読むとはどのように読むことでしょうか?あるいは、「筆者のイイタイコト」を的確につかむ読み方のコツはあるのでしょうか?
『現代文読解力の開発講座』(駿台文庫)の特徴と概要
『現代文読解力の開発講座』 は、大手予備校・駿台で人気の講師「霜栄先生」のテキストです。
細かな読解の方法を学ぶのではなく、論理的に文章を捉える力をつけることを目的としています。
理想の取り組み時期は、高校1年生の夏以降!やむを得ずスタートが高校3年生になった場合は、スピードを上げて取り組むしかありません。
かなり丁寧に作られており、文章の本質に迫る読解方法や、筆者の「イイタイコト」は何かを捉えながら読み解いていく手法が特徴です。
問題編冊子は薄く、解説は厚く膨大。解説を熟読して学んでください。
もしキミが、現代文読解のテクニック、たとえば〔文章の接続詞に印をつける〕とか、〔線を引くべき箇所とは?〕といったhow-toを期待しているならば、本書はおすすめしません。
現代文の読解の本質的な力である、「客観的思考力」「論理的思考力」「構造的思考力」の3つの思考力を身に着けるためのテキストだからです。
本質的な読解力が養われる点、これがこのテキストのすばらしさです。技巧に走ることなく、3つの思考力を用いて初見の文章でも理解していく力がつけば、他教科でも大いに役立つはずです。
『現代文読解力の開発講座』は4分冊構成
本書は4冊でワンセットの構成です。それぞれの役割は以下の通り。
- 問題編
- 読解ノート|問題文中から抜き出しながら読解していく。(ワークショップのような学習)
- 解答欄ノート|「自習用」「演習用」に分かれ、それぞれ自分の解答を記入する。「読解ノート」答え合わせ後、「要約例」を参考に学習を進めていく。
- 解答
バカ丁寧に進めていくテキストなので、直前期にやるべき問題集ではありません。高1、あるいはできるだけ早い時期、勉強に余裕のある時期から始めてください。
高校1・2年生 おすすめの勉強法
推奨取り組み時期
高校1年生の2学期から学習していきましょう。週末課題として、テキストの流れに沿って取り組むのがおすすめ。ゆっくり時間をかけて全部読む!解く!書く!振り返る!納得する!この繰り返しです。
目標は、高校3年生までに2周終えること!!
高2から始めるなら
高校2年生からスタートするなら、週末課題として丁寧に学習していきましょう。スタートする時期にもよりますが、高校3年進級するまでに1周終えられる計画を立ててください。
高校3年生 おすすめの勉強法
高校3年生が本書に取り組む際のポイントは2つ!
1つ目は、7月までに必ずやりきることです。問題集ではないので、取り組むときは時間をかけて丁寧に・隅々まで・飛ばすことなくやりきってください。
2つ目のポイントは、100字程度の要約問題を1周終えた後に、もう一度取り組むことです。小論文対策や国公立の2次対策にもなりますよ。
記述対策にも活きる!解答力を伸ばす勉強法
大学受験の現代文は、総合的な力が試される科目です。
語彙力はもちろんのこと、客観的に考える力(筆者の考えや内容を把握する力)、論理的に考える力(内容要素の関係性を見出す力)、そして構造的に考える力(全体を見てテーマへの主張を見つけるちから)など、高いレベルの学力が必要となります。
さらに記述問題となると、答えをいかに正確に端的に書ききるかという解答力も欠かせません。ここからは解答力に注目し、ワンランク上の国語力を身につける勉強法を解説します。
『現代文解答力の開発講座』(駿台文庫)特徴と概要
『現代文解答力の開発講座』(駿台文庫)は、問題文や設問に、どう向き合って解答していくかを会得することを目的としたテキストです。
キミは、こんな解き方をしていませんか?
-「問題文を読んでから、設問を読み考える」
-「問題文の傍線や空欄ごとに、設問を考える」
この解き方では、時間を費やしている割には正解へたどりつくことができません。
本書は現代文を勉強しても得点が伸びない、あるいは現代文の勉強のやり方がわからないという受験生に向けて、徹底的に読み方・答え方を指導しています。
本文では、空欄補充・抜き出し・指示語・比喩・表題・記述といったテーマごとに、Lessonが進みます。題材や問題は易しくはありませんので、心してかかるように。
テキスト各所に設けられた空欄を埋めながら、解答力を養っていくスタイルになっています。できれば2周することを目指しましょう。
また2次試験・個別試験で記述問題が出題される大学を受ける受験生には、特におすすめしたいテキストです。また記述問題がない大学を受ける場合も、選択肢問題をどう捉え考えれば良いか把握することができるでしょう。
ただし、ボリュームが多いため、直前期にとりくむべきではありません。シリーズの『現代文読解力の開発講座』同様、高校2年生から学習するのがおすすめです。
もし高校3年生から取り組むのであれば、1学期=7月中には終えるように。100字程度の要約がついているので、最後の仕上げとして(つまり1周目は要約をしないで、復習の際に要約に取り組む)のがおすすめの学習方法です。
『現代文解答力の開発講座』は4分冊構成
本書は4冊でワンセットの構成です。それぞれの役割は以下の通り。
- 問題編
- 読解ノート|問題文中から抜き出しながら読解していく。(ワークショップのような学習)
- 解答欄ノート|「自習用」「演習用」に分かれ、それぞれ自分の解答を記入する。「読解ノート」答え合わせ後、「要約例」を参考に学習を進めていく。
- 解答
バカ丁寧に進めていくテキストなので、直前期にやるべき問題集ではありません。高1、あるいはできるだけ早い時期、勉強に余裕のある時期から始めてください。
高校1・2年生 おすすめの勉強法
高校1年から始める場合
高校1年生から取り組むのであれば、高1の2学期からが推奨取り組み時期です。週末課題としてテキストの流れに沿って取り組んでいきましょう。
ゆっくり時間をかけて全部読む!解く!書く!振り返る!納得する!のがポイントです。
目標は高校3年生までに2周としてください。
高校2年から始める場合
高校2年生からスタートするなら、週末課題として丁寧に学習していきましょう。スタートする時期にもよりますが、高校3年進級までに1周は終えたいところです。
高校3年生 おすすめの勉強法
高校3年から本書に取り組む場合のポイントは、次の2つです。
1つ目は高3の7月までに必ずやりきること。また問題集ではないので、取り組むときは時間をかけて・丁寧に・隅々まで飛ばすことなくやりきってください。
2つ目のポイントは、2回目の取り組み時期にあります。100字程度の要約問題を1周終えた後に、もう一度取り組んでみましょう。小論文対策や国公立の2次対策にもなりますよ。
現代文の実戦力を養成する!入試レベルの問題演習に取り組もう
国語の問題演習では、「採点基準がわからない」「自分の解答が合っているのか、わからない」と悩む受験生を多く見かけます。特に記述式の問題に取り組む際に出る悩みですね。
しかし「なぜその解答になるのか」を確かめることは、入試実戦レベルでとても大切なこと。
ここからはそんな国語の悩みを解決すべく、「なぜそれが正解か」を学べる問題集を紹介します。
「大学入試 最新国語頻出問題集」(文栄堂)の特徴と概要
「大学入試 最新国語頻出問題集」 (文栄堂)は、受験生にはお馴染みのシグマベストシリーズの問題集です。語句だけでなく、実際の入試問題より抜粋された問題で構成されています。
この問題集には古文や漢文、文学史も含まれています。共通テスト対策にも十分に活用できる点でもおすすめ。
世の中には、漢字・語句だけの問題集もありますが、「問題と同時に掲載されている意味・用法」がこの問題集活用の鍵を握っています。
どんな問題集でも、ただ単に丸つけだけをしていたのでは力はつきません。
選択肢問題なら、選択した正解以外の意味は理解したのか?なぜ正解になるのかを理解しているか?そこが学習の分かれ道です。
問題集には空欄補充問題もあり、実践的な内容となっています。ただあくまでも、入試問題の部分的な抜粋なので、このテキストだけで読解力が十分つくわけではない点には注意してください。
文学史については、受験する大学の過去問も見て、文学史が出題されていれば必ず学習しておくこと。入試では得点の1点2点が合否を分けます。早期取り組み得点源としておきましょう。
高校1・2年生 おすすめの勉強法
おすすめ取り組み方法
高校1・2年生なら、「第1章~第5章」「第6章~第8章(古文)」「第9章(和歌・俳諧)」「第10章(漢文)」「第11章(文学史)」とグループ化して学習するのがおすすめ!
それぞれのグループごとに学習を進めていってください。
「第9章(和歌・俳諧)」は、古文の出題のない大学であっても「和歌・俳諧」の知識は必要となる場合が多いので、必ず学習しておくこと。
おすすめ学習ペース
それぞれの学年で1周しましょう。つまり高校1年生なら、入試まで3周できるということです。
高校3年生 おすすめの勉強法
おすすめ取り組み方法
高校1・2年生と同様、「第1章~第5章」「第6章~第8章(古文)」「第9章(和歌・俳諧)」「第10章(漢文)」「第11章(文学史)」とグループ化して学習していくのが良いでしょう。
それぞれのグループごとに学習を進めていってください。
「第9章(和歌・俳諧)」は、古文の出題のない大学であっても「和歌・俳諧」の知識は必要となる場合が多いので、必ず学習しておくこと。
おすすめ学習ペース
高3の8月末までに1周が目標です。
じっくり時間をかけて学習するのではなく、1日に進める分量を決め、計画的に取り組むことがコツ。単語と同様、学習の隙間時間を活用していってください。
関連:他のおすすめテキスト
『大学入試 最新国語頻出問題集』に関連する他のおすすめテキストには、次の2冊があります。使いやすそうなものをチョイスして取り組んでみてください。
もし学校で似たテキストを活用しているなら、そちらを優先してOKです。
『即戦ゼミ 入試頻出 新国語問題総演習』(桐原書店)
『大学入試 国語頻出問題1200』(いいずな書店)
私立大学対策は、良質な問題演習で実戦力を高めるのがコツ!
私立大学の入試問題は、国公立大学2次試験とも共通テストとも傾向が異なります。また大学ごとに独自の問題を出すため、志望大学の傾向に合わせた対策も大切。
そんな私立大学国語に向けて、問題演習に最適な1冊を紹介します。
『新国語問題集 アシスト』(京都書房)の特徴と概要
『新国語問題集 アシスト』は、いわゆる受験問題集です。私立大学の入試問題から抜粋し、「アシスト編」と「実践編」の2部構成となっています。
「アシスト編」は、欄外に別問題が配置されています。中には実際の入試問題より、骨のある設問も!「解答へのアプローチ」「考察」から、解答を導き出す過程を学ぶことができるので熟読してください。
総問題数は24問、問題数としても適量でしょう。
私立大学の入試問題は、共通テストのように資料を読み取ったり、速読と速い情報処理が求められるような問題は出ません。国語は「読解力・解答力」がとにかく大切。この2要素で、正解へたどりつく問題が出されます。
私立大学入試に臨む諸君は、専用の対策問題で国語の本質的な読解力を身につけてください。
おすすめ勉強法:答え合わせ=丸つけ、ではない!
問題集を解いた後、「丸つけをする」という意識は捨てなさい。
たとえ正解した設問であっても、問題文や設問、そして解答解説を熟読し、「解答へのプロセス」を理解するのが本当の勉強です。正解だから解説はスルー、ではダメ。正解である根拠を説明できるよう勉強してこそ、問題演習が生きた学習となります。
問題を解いた後するのは、丸つけではありませんよ。肝に銘じておいてください。
おすすめ勉強時期:高2後半から
『新国語問題集 アシスト』 は、高校2年生後半からの活用を勧めます。
キミが高校1年生なら、現代文読解の基本的な姿勢を学ぶことが先決。この記事でも紹介している、 『入試現代文へのアクセス 基本編』 『現代文読解力の開発講座』 『現代文解答力の開発講座』 等のテキストで、基礎固めをしてから 『新国語問題集 アシスト』 に取り組んでください。
高校3年生なら7~8月に取り組みたいところ。 『新国語問題集 アシスト』 を入試問題集として位置づけ、その後過去問や共通テスト対策問題集に臨めば十分に入試に間に合います。
古文の基礎「単語・語彙力」を高める勉強法とは
古文は”外国語だ”と考えて勉強することが大事!キミたちは、英語を勉強する際、何から始めますか?
そう、英単語ですよね。古文も同じです、単語力・語彙力アップが、読解の土台になります。
古文の単語学習には、 『読んで覚える 重要古文単語 315』(桐原書店) が、断然おすすめ!
『読んで覚える 重要古文単語 315』(桐原書店) は、古文単語テキストの定番です!
見出し語315語に、関連語・慣用句を含めると、合計608語を収録。私大入試や共通テスト対策にも、十分です。
ポイントは、古文単語以外にも和歌や古典常識、文学史、識別などの付録が充実していること。古文を学習する際に重要な時代背景や文化を知ることができます。
まさかキミたちは、『垣間見る』という単語を見て、「垣根のすきまから覗く?ストーカー!?変質者??」なんて思ってはいませんよね。
昔は、気になる女性がいた場合は、屋敷前の垣根から覗き見るのが常識だったんです。『垣間見る』のは、いたって普通の行為というわけ。
こういったその時代特有の文化を知らないと、実際の古文問題に当たったときに、「何か書いてあるのか、さっぱりわからん……」となるのです。 『読んで覚える 重要古文単語 315』(桐原書店) を活用し、古文の世界観を十分身につけてください。
さて古文で扱われる題材には、物語や説話、随筆、評論文、さまざまなものがあります。そしていかなるジャンルであっても、何かしら「伝えたい内容(時代を象徴・恋の微妙なかけひき・道徳的な話・生き様等)」がありますから、その主題を押さえないことには、正しい解釈も理解もできません!
特に和歌!
序詞や掛詞、縁語、そし返歌(相手に和歌で返事を送ること)の面白さを理解できなかったら、問題も解けませんよ。
和歌は、本来は「文字」ではなく「音」の世界であるということも、知っていてください。
たとえば「いらふ」。ひらがなで見ると、「は?」と思いますよね。でもこれ、漢字で表記すると「答ふ」です。
そう、「答える」という意味。
「わたる」は「渡る」。
いまでも、学校で「渡り廊下」なんて言いませんか?A地点からB地点まで「行く」ことを意味しているのが「わたる」です。
古語には、現代語につながる、たくさんの面白さがあります。古語は必ず、時代背景や文化と一緒に、理解していってください。
おすすめ勉強法:イラストと一緒に覚える!
『読んで覚える 重要古文単語 315』(桐原書店) は、イラストがとても良いんです!
一周目、単語はおぼろげでも、イラストは何となく覚えている、となるはず。肝心な意味はもう一度覚え直せばOK、まずイラストを覚えられれば一周目の学習は達成です!
結局、古語も現代文と同じように、言葉の意味は文脈で決まります。身もふたもない言い方をしてしまうと、古文単語テキストに載っている意味を覚えただけでは、役に立たないことだって多いんです。
特に顕著なのが、語句の意味を問われる問題のとき。「当てはまりそうな意味を知らない……」という経験は、誰もがあるはずです。
しかし、漢字を当て、語源を理解していると、文章の流れの中での意味もぐっと理解しやすくなります。
選択肢で出題されやすい古文単語の意味問題だからこそ、イメージとともに理解しておけば得点源になりますよ。
おすすめ勉強時期:高校1年生から!
『読んで覚える 重要古文単語 315』(桐原書店) は、英単語対策と同様、高校1年生から始めてください。
後半についている「付録」も、参考書のように使ってみましょう。必ず役に立ちます。
目標は、高校1年生のうちに一周すること。
そして高校2・3年生と続けて、隙間時間を活用しつつ、二周三周と学習を進めていこう。
勉強中、知らない単語に出会ったら、索引で調べる。 『読んで覚える 重要古文単語 315』(桐原書店) に掲載されていない語句もあるでしょうが、マメに調べて解決していく習慣をつけましょう。
もし学校の副教材として活用している古文単語のテキストがあれば、そのテキストをしっかりと学習すればOK。単語帳は2冊も3冊もあれこれと学習するのではなく、1冊を軸に徹底的に学習するのが◎です。
苦手な高校生も多い「古典文法」をサクッと完成させる勉強法
言うまでもなく、古典文法の学習は必須です。文法の基本を理解していないと、古文を正しく読解できません。『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』(河合出版)を使って、早めに完成させておきましょう。
『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』(河合出版)は、古典文法の基本から中堅私大程度まで活用できる参考書です。
ただし、あくまでも基本的な内容が中心なので、高校3年生から始めるなら絶対に7月中には終わらせ、実践問題に取り組んでください。古文単語を並行学習することも忘れずに。
古文で問われる文法は、助動詞・助詞を含む現代語訳、主体を問う問題、敬語等です。語句の意味も文章の流れの中で理解しなくてはいけないので、文法力は得点差を分けるキーポイントになります。
『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』(河合出版)は30項目のテーマに沿って、解説と問題演習に取り組む構成となっています。旺文社や駿台文庫にもよく似た形式の問題集がありますが、問題量や解説を総合的にみると見た限りでは、 『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』(河合出版)をおすすめしたいですね。
文法学習の鍵は品詞分解にあります!
短文でも長文でも、品詞分解がとにかく大事。「文節→自立語・付属語」を常に意識して読解していってください。
現代語訳を決めるのは品詞分解、つまり用言や体言、助動詞、助詞です。品詞分解が決まって、初めて現代語訳が決まるのです。
勉強を始めたばかりなら、音読も有効。古文はもともと文字ではなく、語りの世界のものだからです。頭で音読できないと、掛詞や縁語も理解できませんね。
古文をすらすら音読できれば、古文の半分はできたようなもの。頑張りましょう!
高校1・2年生 おすすめの勉強法
『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』(河合出版) は古典文法の基本となる内容のため、高校1年生から始めたいところ。目標は8月末までにテキストを一周です。
取り組む際は解説を大切にしてください。すべての例文・問題文を品詞分解し、現代語訳をするのもおすすめ。
一周終わったら二周目に入ります。二周目は、高校1年生は3月末までに/高校2年生は12月末までに終えるのを目標にしてください。
高校3年生 おすすめの勉強法
基本的な内容のテキストなので、必ず高3・7月末までに一周終えること。同時に古文の問題集も進めているはずなので、問題を解いていて気になる文法事項は、テキストに戻って確認していこう。
難関大学志望なら、古文の問題集にも必ず取り組んでいくこと。
関連:他のおすすめテキスト
古文の学習には、次のテキストもおすすめです。チェックしてみてください。
『ステップアップノート30古典文法トレーニング』(河合出版)
『古文文法問題演習―基本テーマ30』(河合出版)
『中堅私大古文演習』(河合出版)
まとめ
大学入試の国語対策を、
- 自立学習のやり方
- 語彙力の伸ばし方
- 読解の基本から演習までの進め方
この3つのポイントに分けて解説してきました。
国語は決して「センス」や「なんとなく」で解ける科目ではありません。しかし、豊富な語彙と論理的根拠を持ったアプローチをすれば、必ず正解にたどり着ける科目でもあります。
共通テストだけで国語が必要な受験生も、個別試験でも国語が必要な受験生も、この記事を参考に自分の勉強を振り返り、一層の高みを目指していってください。応援しています。