【2022年度】大学入試共通テスト 日本史の難易度を徹底分析!

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2022年1月に大学入試共通テストが実施されました。
大学共通テストが導入されて2年が経ったことで出題傾向や試験対策について詳しく知りたい方も多いでしょう。

そこで今回は、大学共通テストにおける日本史の対策についてお伝えします。

※共通テスト全体の概要に関しては 【2022年度】大学入試共通テスト 全科目の難易度を徹底分析!をご覧ください。

日本史A

全体概要

共通テスト
試験時間/配点 60分/100点
大問数/解答数 大問数は5問、解答数は32個と昨年と変わらず。
出題形式 空欄補充・年代整序・正誤判定問題が出され、資料からの読み取り問題が出されるように例年通りまんべんなく問題が出されていた。地図と系図からの読み取り問題はなし。
出題分野 問題のテーマとなったのは幕末期から平成、近現代史と広範囲にわたっていた。とくに近現代史では総合的な理解力が重視されていて、時事問題が取り入れられていた。
問題量 日本史Bとの共通問題も含めて昨年と大きな変化はなし。
難易度 易化  |  やや易化  |  昨年並み  |  やや難化  |  難化

日本史Aはジャンルに偏ることなくまんべんなく問題が出されており、知識レベルについても基礎的な内容が理解できていれば解ける問題ばかりでした。添付された資料から問題を読み解く共通テスト特有の形式はしっかり出題されていたのできちんと対策をしておきたいところ。時事問題では「働き方改革」という注目度の高いトピックも取り上げられており、こうした情報も試験対策の傍らきちんと整理しておきたい。

大問別分析

第1問 遺品整理の際の履歴書とパンフレット

会話文からの読み解きを必要とする新傾向の問題。歴史的な出来事をヒントに戦後の日米関係や大卒男性の初任給の平均といった内容で全体的に多面的な視点を持って考察する問題であったことが大きなポイント。

第2問 幕末・明治期の日本とハワイ

第1問に引き続き会話文から問題を読み解く形式での出題。正誤判定2問と組み合わせ問題と年代整序がそれぞれ1問ずつ出された。地名や国籍の把握、戦争が勃発した時代の国際関係の理解などが求められる。問2のa/bでは資料を読み込む必要があったため答えを導き出すのに時間がかかった。全体的に丁寧な読み込みを要する設問であった。

第3問 明治後期から昭和初期にかけての社会と生活

明治の後半から昭和初期の人々の生活と社会情勢がテーマとして扱われた。社会経済史は習熟度によって差が付きやすい問題であるため差が出た部分であろう。グラフの読み解きが問3と問6で出されたが、冷静に分析すれば容易に答えられる。問3は当時の家計をまとめた表の分析問題で、社会情勢や歴史的な事象についてきちんと理解を深めておく必要もあり鋭い洞察力がなければ難しかった。

第4問 鉄道の歴史とその役割

空所補充や年代整序、正誤判定問題などが出題された。写真や資料からの読み取り問題が大半を占めており、買い出しやドッジ=ラインの影響のように過去のセンター試験でも扱われたテーマが出されていたため、過去問をしっかりと解いていれば容易に答えられた問題であった。

第5問 昭和期の政党政治と社会

大正時代末期から戦後の占領期までと広範な時代の政党政治がテーマとなった。日本史Aは出題範囲が近現代史からに絞られておりなおかつ問題それぞれに関連性があったため、きちんと年代と歴史的事象が整理できていたかどうかが明暗を分けたポイント。問7の労働運動や農民運動にまつわる問題は活動家の名前と改革政党がセットで覚えられていたかどうかが問われるなど、やや難しい問題が出された。

日本史B

全体概要

共通テスト
試験時間/配点 60分/100点
大問数/解答数 大問数は6問、解答数は32個と昨年と同じ。
出題形式 昨年と比較しても年代整序問題のウエイトが増加。複数の史料を読み解きながら正誤判定をくだす問題も2問出された。
出題分野 原始時代からの出題はなし。政治や、文化や外交といったジャンルから幅広く出題。とくに社会経済のジャンルからはさまざまな問題が出されていた。
問題量 大問・解答数ともに昨年と同じ数ではあったものの、史料の読み解きに時間を要するものが多かったため、正解を求めるという意味合いでは問題量は増加した。
難易度 易化  |  やや易化  |  昨年並み  |  やや難化  |  難化

共通テストの日本史Bは昨年と同様、新傾向の問題が多く出題されていました。受験生の明暗を分けたポイントは問題を解くのに読解力が求める傾向が強まっていたという点。基礎知識がなければ判断に迷う問題があることはもちろん、添付された史料の読み解きが必須となる問題が多かったため問題を解くのに時間がかかった受験生も多かった。

大問別分析

第1問 姓と名字

空欄補充・正誤判定・年代整序問題ではそれぞれ会話形式から問題を読み取る必要があり、図や表から正解を導く問題もあった。問1は一つの問題文の正誤判定ができなくとも、別の問題から正解が判断できる内容であった。人物や年代にまつわる基礎的な知識があれば対応できただろう。

第2問 古代の法整備と遣隋使、遣唐使

年表を用いた正誤判定・誤文を選ぶ問題が出題された。問1と問2はそれぞれ遣隋使と天平文化にまつわる基礎知識があれば解ける。史料が短い文章であっても落ち着いて読み解ければ正解が導き出せた。年表を用いた出題形式は共通テストに切り替わってから初めての出題となった。

第3問 中世の海と人々

問1は正しい文章である選択肢1~3から答えが推察できるようになっていた。問3では複数の教科書でよく見かける馬借の図からの出題であり、教科書のキャプションまで目を通していればすぐに正解が判別できた。問4も問題文と史料を丁寧に読み込めば難なく答えが導き出せる問題。

第4問 近世の身分と社会

5つあった設問では正誤判定問題、正文・誤文を選ぶ問題や年代整序といった問題が出題された。ポイントとなったのは新傾向と言われる出題形式で、生徒のメモや複数の資料からの読み取りが必要な問題があった。文章の表現や意味を外さなければ問題なく正解が導き出せただろう。

第5問 幕末・明治期の日本とハワイ

昨年度は景山英子の人物史がテーマであったが、今年度は会話文形式で問題が出された。問題構成は正誤の組み合わせと判断問題、年代整序。地名や国籍、日清修好条規といった知識がなければ解けない問題もあった。読解力を要する問題が大半を占めたが史料からの情報を丁寧に読み解くことで解ける問題もあったため、落ち着いて解ければ得点源となった。

第6問 鉄道の歴史とその役割

問1の空欄補充問題や問5の買い出し、ドッジ=ラインに関する問題では前後の語句から答えが推察できたり、過去のセンター試験で何度も取り上げられていたテーマであったため、過去問をしっかりとやり込んでおけば何なく解けた。しかし、図や表・写真といった史料の読み取りが必要な問題が大半を占めたため解くのに時間がかかる傾向に。

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2023年度へ向けての受験対策

共通テストの日本史は、歴史的事象の意味や関係性など多角的に考察することが求められる問題が増えており、その傾向はこれからもより色濃く残るでしょう。そのため、単純な暗記だけにとどまらず、用語ごとの背景や他の用語の関連性なども押さえておき、知識に深みを持たせましょう。一つの単語を見るだけで、特徴や背景が複数思いつくことが望ましいです。

また、日本史は分野ごとの用語の時系列も大切になります。例えば、文化史の場合、いつの時代にどのような歴史的偉人がいたのか、そしてその人が何をしたのかを流れで押さえておきましょう。その他に、共通テストでは資料問題も多く出題されているため、日頃から史料集や図説を活用しながら、資料を読むことに慣れましょう。資料に慣れることで初見の資料問題が出ても冷静に対応できるはずです。

日本史のおすすめ参考書

共通テストの日本史で得点を稼ぎたい方に向けてのおすすめの参考書を紹介します。

「金谷の日本史なぜと流れがわかる本」


<特徴>
金谷の日本史シリーズは4つあり、「原始・古代史」「中世・近世史」「近現代史」「文化史」と分かれています。日本史の教科書で勉強していくのが苦手な人におすすめで、イラストや地図などで歴史の事象が分かりやすく書かれています。1冊あたりの分量もちょうどいいので挫折することなく学習できます。

参照:金谷のなぜと流れがわかる本」の使い方!
購入ページ:「金谷のなぜと流れがわかる本

「解説 日本史B」

<特徴>
多くの学校で日本史の教科書として使われている参考書になります。受験に必要な知識が網羅されているため、日本史が苦手という方以外はこの1冊を覚えるだけでインプットに関しては問題ありません。

参照:山川教科書」の使い方!
購入ページ:「山川教科書

「日本史B一問一答【完全版】」

<特徴>
日本史の一問一答形式の問題集で、共通テストレベルからマニアレベルまで合わせると全部で6720題が収録されています。問題の答えは赤シートで消えるようになっているため、知識の定着度を確認することに使用するのがおすすめです。

参照:日本史B一問一答の使い方!
購入ページ:「日本史B一問一答

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