【大学受験】子どもが志望校・行きたい大学に行けなかったら?保護者がすべき対応と考え方
更新日: (公開日: ) COLUMN
- 志望校に落ちてしまって、子どもが塞ぎ込んでいる
- このまま浪人させるべきか迷っている
- 親として何をしてあげられるのか分からない
お子様の志望校不合格に直面し、このような不安を抱えていらっしゃる保護者の方は少なくありません。
しかし、第一志望の大学に合格できる受験生は全体の約4割程度。つまり、多くの受験生とその保護者が同じような状況を経験しているのです。
ただ、保護者の対応が、お子様の将来を左右することもあります。励ましすぎても逆効果になりかねませんし、必要以上に気を遣いすぎることで、かえってお子様を追い詰めてしまうこともあるなどです。
そこで本記事では、志望校に行けなかったお子様への具体的なサポート方法と、避けるべき言動について詳しく解説します。「わが子の将来のために、今できることを知りたい」「前向きなサポートの方法を学びたい」という保護者の方は、次のたった一言だけでも試してください。
志望校に行けなかった子どもにかけたい言葉
「この〇年、本当によく頑張ったね」
この言葉が持つ力は、「過程」に焦点を当てることにあります。不合格という結果は、子どもにとって大きなショックであり、時として「自分は失敗者だ」という否定的な自己認識につながりかねません。
しかし、受験勉強の過程で得られた成長や努力の価値は、合否の結果だけでは測れないものです。
『頑張った』は揺るぎない真実
「頑張った」という言葉は、結果に関係なく揺るぎない真実です。この事実を認めることで、子どもは自分の価値が合否だけで決まるわけではないことを実感できます。
努力を認められることで、「頑張れば成長できる」という前向きな思考が維持され、次の目標に向かう原動力ともなるのです。
信頼関係は言葉から生まれる
親が子どもの努力を認めていたことが分かった時、子どもは「わかってくれる人がいた」と深い安堵を感じます。
単なる慰めの言葉ではありません。子どもの成長を正しく評価し、将来への希望を育む、深い愛情に基づいた言葉です。この経験は、その後の人生における親子の絆を一層強めることにつながります。
何もかける言葉が思いつかないときは、「この〇年、本当によく頑張ったね」からはじめましょう。
【二度と同じ失敗を繰り返さないために】
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第一志望に合格できるのは約4割
行きたい大学に合格できる確率、つまり第一志望校への合格率は60%台が主流となっています。つまり、約4割の受験生が志望校に合格できていないということになります。
2024年の入試動向を見ると、18歳人口の減少や大学定員の増加により、私立大学の約半数が定員割れ(※)となっています。一見すると「今なら合格しやすいのでは?」と思われるかもしれません。
確かに、全体的な合格率は上昇傾向にありますが、それでもなお多くの受験生が第一志望校に合格できていないのが現状です。このような状況下で志望校に落ちてしまうのは、決して珍しいことではありません。
大切なのは、この結果をどう受け止め、次にどう活かすかということです。合格できなかったことは、必ずしも子どもの能力や努力が足りなかったということを意味するわけではないのです。
合格率について知る:【最新版】第一志望の大学合格率は?合格につなげる主な方法を紹介
※…2024年度入試、18歳人口減少でも私立大学志願者数は増加 – 大学ジャーナルオンライン
志望校に行けなかった子どもに対してすべきこと
志望校に行けなかった子どもは、これまでの人生でもっとも大きな挫折を経験したという状態です。親の対応としては、以下の4つの対応を意識的に行いましょう。
- 一緒に進路を選び直す
- 前向きになる言葉をかける
- 進学がすべてではないと諭す
- 受験に挑戦したことを褒める
一緒に進路を選び直す
子どもと一緒に冷静に進路を選び直すことは、次の一歩を踏み出すために必要です。公立高校の受験でうまくいかなかった場合、合格している私立高校の中から、校風や通学のしやすさ、学費など現実的な観点で検討します。
すべての高校でうまくいかなかった場合は、2次募集・3次募集を行っている高校を探して再チャレンジするのが賢明です。通信制高校や定時制高校という選択肢も視野に入れながら、子どもの希望を第一に考えて、一緒に最適な進路を見つけていきましょう。
前向きになる言葉をかける
子どもがもっとも必要としているのは、親からの前向きな言葉かけです。
- よくがんばったね
- 一緒に原因を考えよう
- 次の機会に向けて頑張ろう
といった励ましの言葉は、子どもの心の支えとなります。なぜなら、自己否定的になりやすく、親からの肯定的な言葉が自信を取り戻すきっかけとなるからです。
特に、まだ他の受験が控えている場合は、次の試験に向けて前を向けるような言葉選びを心がけましょう。
進学がすべてではないと諭す
進学先の学校がすべてを決めるわけではないことを、具体例を交えた説明も大切です。条件にもよりますが、どの高校に進学しても、自らのやりたいことや学びたいことを見つけることは可能です。
むしろ、無理に志望校に進学するよりも、実力に合った学校で充実した学校生活を送る方が、将来の選択肢が広がることもあります。このような考え方を示すことで、子どもは視野を広げ、新しい可能性に目を向けられます。
可能であれば、目指している職業、専門性を踏まえたうえで実際の大学の候補まで出せると良いでしょう。もし、何も子どものことを知らないのであれば、この機会にコミュニケーションをとることからはじめてみてはいかがでしょうか。
受験に挑戦したことを褒める
受験への挑戦自体が、大きな決断と勇気を必要とする行動です。たとえ結果が思わしくなくても、その挑戦自体には価値があります。
なぜなら、この経験は将来の糧となり、人生における重要な学びとなるからです。子どもの努力のプロセスを具体的に褒めることで、失敗を恐れずに次のチャレンジに向かう勇気を与えることができます。
ただし、タイミングを見計らい、子どもが受け入れられる状況で褒めましょう。
志望校に行けなかった子どもにしてはいけない8つのこと
志望校に行けなかった子どもは、非常に不安定です。親の何気ない一言や態度が、子どもの心に深い傷を残すことがあります。
だからこそ、以下の8つの行動は避けましょう。
- 子どもを責める
- 子どもの進路を勝手に決める
- 安易に大学受験の話題を出す
- 保護者自身がネガティブになる
- 必要以上の気遣いを見せる
- 励ましすぎる
- 他の受験生・友人と比較する
- 子どもに対するサポートを怠る
子どもを責める
志望校に行けなかったとき、もっとも深く傷ついているのは子ども自身です。「もっと勉強すればよかったのに」「なぜもっと頑張らなかったの?」といった言葉は、追い打ちをかけるだけでなく、子どもの自尊心を傷つけます。
特に避けるべき言葉は「努力が足りない」「やる気がない」といった人格否定につながる発言です。代わりに「よく頑張ったね」「次に向けて一緒に考えよう」など、前向きな声かけを心がけましょう。
子どもの進路を勝手に決める
「浪人は認めない」「この大学なら行けるから、ここにしなさい」といった親の一方的な進路決定は、子どもの自主性を奪い、将来への意欲を失わせる原因となります。たとえ学費を負担する立場であっても、大学受験年齢の子どもは一人の個人として尊重すべきです。
代わりに「あなたはどうしたい?」と問いかけ、子どもの意見を十分に聞いた上で、一緒に進路を考えていく姿勢が重要です。近年では、SNS等によって友好関係が広くなっており、親族とのコミュニケーションが気薄になりつつあります。
だからこそ、大人である親から歩み寄り、一定の距離感を保ちながら話を聞いてみましょう。
安易に大学受験の話題を出す
不合格直後の子どもは、普段なら気にならない何気ない一言にも敏感に反応します。「次はどうする?」「他の大学は?」といった軽い気持ちでの問いかけも、子どもにとってはプレッシャーとなります。
特に食事中や家族が集まる場面での受験話は避けましょう。あまりにも遅いというケースでない限り、子どもから話を切り出すまでは、進路について触れないことが賢明です。
保護者自身がネガティブになる
「この子の将来どうなるの…」「私の育て方が悪かったのかしら」と落ち込む親の姿は、子どもの不安をさらに増幅させます。親が動揺すれば、子どもはますます自信を失い、次の一歩を踏み出せなくなります。
むしろ「これも人生の経験」と前向きに捉え、冷静な態度で子どもをサポートする姿勢を保ちましょう。大学受験が人生を決めるものではないため、大人の視点で選択肢を整えて提案してみるのも一案です。
必要以上の気遣いを見せる
過度な気遣いは、かえって子どもに罪悪感を抱かせます。「親に申し訳ない」「迷惑をかけている」という思いは、次の挑戦への意欲を削ぐ原因となります。
普段通りの接し方を心がけ、さりげないサポートに徹することが大切です。子どもの様子を見守りながら、必要なときに必要なだけの支援を行いましょう。
励ましすぎる
「きっと次は大丈夫」「あなたなら絶対に合格できる」といった過度な励ましは、子どもにとって重圧となります。特に、不合格の直後は、どのような励ましの言葉も逆効果になりかねません。
むしろ、子どもの気持ちに寄り添い、静かに見守る姿勢が重要です。子どもが前を向く準備ができるまで、焦らず待つことが大切です。
他の受験生・友人と比較する
「○○さんは合格したのに」「隣の子は浪人せずに済んだのに」といった比較は、子どもの自己肯定感を著しく低下させます。受験生それぞれに異なる背景や状況があり、単純な比較は意味がありません。
むしろ、子ども自身の成長や努力に焦点を当て、個人の目標に向かって進めるよう支援しましょう。あなたの子どもは何を目指して、何をしてきたでしょうか。努力を否定するのではなく、認めることが大切です。
子どもに対するサポートを怠る
不合格のショックで不安定な子どもを放置することは、もっとも避けるべき対応です。『見守る』と『放置』は異なります。適度な距離を保ちながらも、子どもの変化に気を配り、必要なサポートを行う姿勢を取りましょう。
特に精神面でのケアは重要で、専門家への相談も視野に入れながら、子どもが前を向けるよう支援を続けられるのは、そばにいる親だけの特権です。
行きたい大学に行けなかった理由は?まずは原因を知ること
志望校に行けなかった原因を親子で一緒に振り返ることは、次のステップを考える上で重要な作業です。なぜなら、失敗の原因を正確に把握することで、次回の受験に向けた具体的な対策を立てやすくなるからです。
特に浪人を選ぶ場合は、同じ失敗を繰り返さないためにも、以下の観点から自らの受験を冷静に分析してみましょう。
- 勉強が足りていなかった
- 簡単なミスをしていた
- 学力を把握しきれていなかった
- 緊張して実力が出せなかった
- 面接の練習が足りていなかった
勉強が足りていなかった
志望校を決めただけで「なんとかなるだろう」と安易に考えてしまい、必要な勉強量を確保できていないケースは少なくありません。特に現役生の場合、部活動や学校行事との両立に苦心し、計画的な受験勉強ができなかったという人も多いでしょう。
この失敗の根本的な原因は、目標設定後の具体的な学習計画が不十分だったことにあります。次回は、志望校の合格に必要な学習時間を逆算し、1日あたりの必要学習量を明確にした上で、計画的に勉強を進めることが重要です。
簡単なミスをしていた
解答用紙への氏名記入忘れや受験票の持参忘れなど、致命的な単純ミスで実力を発揮できないケースがあります。こうしたミスは、普段の生活や学習における「慌ただしさ」や「確認不足」が原因となっています。
本質は、緊張状態での注意力の低下にあります。改善するためには、日常生活から「確認する習慣」を身につけることが大切です。例えば、外出時の持ち物チェックリストを作成し、毎日使うなど、具体的な対策を実践しましょう。
学力を把握しきれていなかった
学校の定期テストで良い成績を取れているため、受験に必要な実力が十分にあると思い込んでしまうケースがあります。しかし、定期テストは限られた範囲での評価に過ぎず、入試で問われる総合的な学力とは異なります。
根本的な原因は、「客観的な学力測定の機会不足」です。
改善するためには、複数の模擬試験を定期的に受験し、偏差値の推移や弱点分野を把握することが重要です。その結果をもとに、より現実的な志望校選びや学習計画の見直しを行いましょう。
緊張して実力が出せなかった
本番で極度の緊張により、普段の実力を発揮できないことは珍しくありません。特に、受験会場の雰囲気や時間的プレッシャーに慣れていない場合、パニックに陥りやすくなります。
落ち着いて本番に臨めなかったなら、同じような環境での練習不足が原因だったと考えましょう。
対策としては、模擬試験を本番と同じ気持ちで受験することが効果的です。また、時間を計りながら過去問を解くなど、日々の学習でも適度な緊張感を持って取り組むことで、本番での実力発揮につながります。
面接の練習が足りていなかった
筆記試験対策に時間を取られ、面接練習を後回しにしてしまうケースも多く見られます。面接は、志望理由や学習意欲を直接評価される試験で、準備不足は合否をわける要因となります。
主な原因は、勉強に集中するあまり、面接試験の重要性に対する認識が不足していたことです。
改善するためには、早い段階から面接対策をはじめ、家族や講師と練習を重ねることが大切です。特に、志望理由を論理的に説明する練習や、予想質問への回答を準備することで、本番での対応力が格段に向上します。
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すべての志望校に行けなかった場合の対策6選
志望校に行けなかった場合、保護者の方も子どもさんも一緒に冷静に向き合う必要があります。まずは以下の6つの選択肢について、親子でじっくりと話し合ってみましょう。
- 二次募集について調べる
- 通信制高校への入学を検討する
- 浪人を選ぶ
- 専門学校に進む
- 就職・アルバイトに力を入れる
- 留学する
二次募集について調べる
二次募集は、一般入試で定員に満たなかった高校が行う追加募集制度です。地域によって「再募集」「後期選抜」「欠員募集」など呼び方は異なりますが、新たなチャンスとなります。
また、前期・後期にわけて実施される分割後期募集も要チェックです。自治体のホームページで実施校や日程を確認し、出願手続きを進めましょう。
ただし、定員割れしていても各校の基準を満たす必要があるため、しっかりと準備をすることが大切です。
通信制高校への入学を検討する
通信制高校は、教室での授業を中心とする全日制・定時制とは異なり、自宅等での個別学習が中心となります。公立・私立ともに3月、4月入学が可能な学校が多く、まだ間に合う選択肢として検討できます。
入学試験は筆記試験ではなく、現在の学力や学習意欲を確認するためのものが一般的です。ただし、定員オーバーや面接で問題があると判断された場合は不合格となる可能性もあるため、真剣に臨む必要があります。
浪人を選ぶ
浪人を選ぶ場合、学習環境を整備するために予備校や塾、家庭教師など、自分に合った学習サポートを選びましょう。自宅浪人の場合は、図書館などの学習施設を積極的に活用することをおすすめします。
1年間という期間を有効活用するため、計画的な学習が不可欠です。また、精神面でのケアも重要なので、家族のサポートを受けながら、目標に向かって着実に進んでいくことが大切です。
専門学校に進む
専門学校は実践的な職業教育を受けられる場所です。大学と比べて入試のハードルが低く、3月でも受験できる学校が多いのが特徴です。将来の職業に直結した技術や資格を取得できるため、明確な目標を持って学ぶことができます。
入学時期や試験内容は学校によって異なるため、早めに情報収集を行い、見学や説明会に参加することをおすすめします。編入学の道も開かれているので、将来の選択肢を広げることも可能です。
就職・アルバイトに力を入れる
就職を選ぶ場合、早期の社会人経験を通じて成長できるメリットがあります。正社員として働くことで、実務経験を積みながら、将来のキャリアを築いていくことができます。
ただし、高卒での就職は選択肢が限られやすいです。そのため、社員登用制度のあるアルバイトを探したり、将来の進学資金を貯めながら働いたりするなど、長期的な視点を持って行動することが重要です。
留学する
語学留学は、語学力の向上だけでなく、異文化体験を通じて視野を広げることができます。短期から長期まで、目的に応じて期間を選べるのが特徴です。また、現地の大学への進学を目指すことも可能です。
ただし、費用面での準備が必要になること、また、帰国後の進路も考慮に入れなくてはなりません。語学力をいかした将来の進路を見据えて、計画的に準備を進めることが大切です。
まとめ
志望校に行けなかった経験は、決して人生の終わりではありません。むしろ、本気で目標に向かうきっかけとなる貴重な機会です。
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子どもの夢を諦めさせないために、そして本気の挑戦をサポートするために、マナビズムは最適な環境を用意しています。志望校合格という目標に向かって、一緒に歩んでいきましょう。